○松岡(滿)
委員 ぜひそういう
基本的な姿勢で
労働行政を進めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
今、三・四%という厳しい
失業率、三・二が五カ月続いた後ですが、それで
失業者も二百十万を超す
状況である。そういう厳しい情勢の中で経済企画庁が事実上の
景気回復宣言ととれる月例報告を行ったわけですけれ
ども、片方では、デパートの売り上げの低迷に見られるように、本当の明るさというものは私はまだ見えてきてないというふうに思います。
しかし、何とかしてほしいという
国民の切実な声にいろいろな形でこたえようとしておる。しかし、片方で金融不安というものも現実に出てきておる。二、三日前、予算
委員会で私の
質問に対して梶山官房長官が、
国民の不満よりは金融不安の方が怖いんだというような御答弁をなさっておるわけでありますけれ
ども、確かに
一つだけきちっと片づければいいということじゃなくて、全部連鎖しておりますし、
日本は今いろいろな国際的な広がりもある。
そういう
状況の中で、三・四という厳しい
失業率、さらに企業内
失業と言われておる。若い
人たちは超氷河期だとか、先ほど
江田さんが最後に御
質問なさっておられましたけれ
ども、
新卒者の問題、去年も十六万人
就職できずに、ことしはもうどうなるのか、二十万になるんじゃないかという声も出ておるわけでありますが、それよりもむしろ先の見えない
日本経済の前途に一番ストレスがたまってきておるのは、四十代、五十代のそれぞれ
製造業を中心として働いておられる
方々、いわゆる企業内
失業というのを横目で見ながら頑張っておられる方ですね。
だから、
政治の責任というのは、やはり全体的なデザインをきちっと
国民の前に情報を開示しながら明示して、それぞれの部署におる
人たちの責任を明らかにしながら、五年先どうなる、十年先どうなるということをきちっと示してやるということが私は
政治の責任だと思うのですよ。
今回の住専の問題でも問われているのは、やはり
政治家に
政策を
国民は委託しているんですよ。官僚に委託していたわけじゃ本当はないのですよ。ところが、我々も反省をしなければいかぬのだけれ
ども、やれ道路だ橋だということばかり我々がやっているものだから、中立的な判断という形で、情報もたくさん持っている皆さん方がごちゃごちゃと密室でやってしまったツケを今
国民に押しつけようとしておるということに対して、やはり
国民が怒っているわけですね。だから、
政治家と官僚の分業というものをお互いが明確にしなければいかぬことも今私は問われておるというふうに思うのです。
その中で、企業内
失業はあるし、さらに今後は規制緩和とか内外価格差の是正とか、そういうこともやっていかなければいけない。企業の中での大幅な合理化、特に民間の
人たちは、さっき申し上げたように、いろいろ
変化に対応していく柔軟なエネルギー、発想というものが持てる
人たちですから、片方でどんどんそれは進んでいくわけですよ。リストラが進んでいく。
上場企業の従業員数を見ても、九二年から九四年までの三年間に十三万人以上がもう実は削減をされているわけですね。リストラへの取り組みが急速に進行している。例えば、我々中国地区の
製造業に働く
人たちが一千万人、そのうちもう百万人が三カ年で職を失って別の方に流れていっている。思っているよりも物すごく速いスピードで民間は進むのですよ。お
役所との感覚的な差が非常にあるのですね。お
役所は二年、三年ぐらいと思って
仕事をしている。ところが、民間の方はどどっとすごいスピードで進んでいくのですよ。だから、それにどう対応するかということが非常に私は大切なことだと思うのですね。
中長期的なリストラ
計画を進めておる。相当な人員削減が進んできておる。片方で中小企業は
労働力不足に悩んでいる部分もある。これはさっき
江田さんが言っておられましたが、要するに
ブランド志向というものがやはり若い
人たちにあるわけですよ。だから中小企業から見ると、えらい
失業率が高くて大変なようだけれ
ども、おれのところは
求人出しても来ないのだと言う。それは来ないですよ。
特に
日本の場合に特徴的なのは、やはり大企業と中小企業との格差ですよ。賃金格差、いろいろな勤務条件の差もある。だから、どうしてもお嬢さん方の方は
ブランド志向で大企業へ行っちゃう。小さいところは嫌だ。それで今
労働省がやっておる
職業紹介ですね、ああいう集団見合い、あれは私は非常に有効だったというふうに思うのですけれ
ども、そういうことがあるわけであります。
こういう
産業構造の
変化と
労働力の流動化が加速されていく中で、
我が国の
労働政策のあり方も大変な転機に立っておる。そういう最近の
雇用失業情勢につきまして
労働大臣はどのような
認識を持っておられるのか、また、これに対する
政策の方向をひとつ具体的にお示しを願いたいというふうに思います。