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1996-03-01 第136回国会 衆議院 予算委員会第七分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年三月一日(金曜日)     午前十時開議  出席分科員   主 査 谷川 和穗君       越智 伊平君    赤松 正雄君       左藤  恵君    田端 正広君       松岡滿壽男君    山田 英介君       今村  修君    古堅 実吉君       矢島 恒夫君    兼務 太田 昭宏君 兼務 西  博義君    兼務 山口那津男君 兼務 坂上 富男君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 亀井 善之君  出席政府委員         運輸大臣官房長 戸矢 博道君         運輸省運輸政策         局長      土坂 泰敏君         運輸省鉄道局長 梅崎  壽君         運輸省自動車交         通局長     山下 邦勝君         運輸省海上技術         安全局長    小川 健兒君         運輸省港湾局長 栢原 英郎君         運輸省航空局長 黒野 匡彦君  分科員外出席者         外務省北米局日         米安全保障条約          課長      梅本 和義君         大蔵省主計局主         計官      南木  通君         運輸大臣官房会         計課長     辻  通明君         建設省都市局街         路課長     奥野 晴彦君         建設省道路局高         速国道課長   菊地 賢三君         自治省財政局公         営企業第一課長 山下  茂君         参  考  人         (日本国有鉄道         清算事業団理         事)      小関 周弘君         運輸委員会調査         室長      小立  諦君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ————————————— 分科員の異動 三月一日  辞任         補欠選任   若林 正俊君     佐藤 剛男君   左藤  恵君     赤松 正雄君   松岡滿壽男君     田端 正広君   矢島 恒夫君     古堅 実吉君 同日  辞任         補欠選任   佐藤 剛男君     若林 正俊君   赤松 正雄君     左藤  恵君   田端 正広君     山田 英介君   古堅 実吉君     東中 光雄君 同日  辞任         補欠選任   山田 英介君     松岡滿壽男君   東中 光雄君     矢島 恒夫君 同日  第六分科員西博義君、坂上富男君、第八分科員  太田昭宏君及び山口那津男君が本分科兼務と  なった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成八年度一般会計予算  平成八年度特別会計予算    平成八年度政府関係機関予算  (運輸省所管)      ————◇—————
  2. 谷川和穗

    谷川主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。  平成八年度一般会計予算平成八年度特別会計予算及び平成八年度政府関係機関予算運輸省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。  この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤松正雄君。
  3. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 おはようございます。新進党の赤松正雄でございます。  昨日も同僚の議員から冒頭質問があったと思いますけれども住専国会と言われる大事な国会でございますので、私の方からも、まずこの問題についての基本的な大臣の御姿勢をお伺いしたいと思います。  といいますのは、私は大体週末に地元に帰りまして、多くの市民皆さんと懇談をする機会を設けているのですけれども、やはり住専問題処理に税金を投入するということに対する反発は、極めて強いものがございます。我々はこれを予算から削除すべきだというふうな態度をとっておりますけれども大臣大変お忙しい立場であられるので、実際に生身の人間に接触されているのかなという感じがしますが、選挙区に帰られたかどうか、いろいろな方にお話しされたかどうか、その辺の感触と、大臣であられますからそんな全体の方向性と違うようなことは多分間違いなくおっしゃらないと思いますけれども、仮にここに普通の市民がいてそういう質問をした場合に、我々の要求に対して、そうじゃないということをどう説得されるのか、その辺のことをまず冒頭にお聞きしたいと思います。
  4. 亀井善之

    亀井国務大臣 今委員指摘のことにつきましては、私も地元が近いわけでございますので、週末に帰り、それぞれの関係者皆さんといろいろお話しする機会がございます。そういう中で、それぞれの皆さん方からいろいろ御意見を承ります。  六千八百五十億のことにつきましては、私はやはりこの厳しい景気経済動向の中で、金融が混乱をする、安定した金融システムを確立していかなければならない、こういう中で、いろいろお考えあろうけれども、ダムが決壊する、穴があいた、これを何とか早くとめなければならぬ、こういうことだと。あるいは、ボーダーレスな国際経済、そういう中であのガイドライン、スキーム、そしてさらに予算を編成した中で、ジャパンプレミアムの問題も、当初私は、九月ごろからこのジャパンプレミアムの問題につきましては、たまたま銀行の関係者から、いろいろ国際金融の面で安定した日本金融システム、このような話も聞いております。  予算編成をし、そして今日を見るまでに若干の変化はございますけれども、あの当時に比べたら安定したものがあるのではなかろうか、そういうような認識に立ち、皆さん方にも厳しいいろいろなお考えがあろうけれども、ぜひ御理解をいただいて、そして国民皆さん方景気のことについて大変御心配いただいておるわけでありますから、ようやくの明るさというものを確実なものにしてまいらなければならないのではなかろうか、こんなようなことを申し上げ、年度内に予算が成 立して新年度から予算が執行される、こういうことをお話し申し上げているようなわけであります。
  5. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 今大臣は三つほどのことを、実際に御自分の支持者皆さん、あるいはまた一般市民皆さんにおっしゃっていることをお聞きしたわけです。この問題について多く語るつもりはありませんが、今おっしゃった金融システムが崩壊する、この辺の言い方をよく総理を初めとして皆さんされるわけです。  私はそれに対して、特に兵庫県でございますので、特に兵庫県の人々から言われることは、金融システムがこの住専の問題で崩壊するというふうに政府が言うなら、これは阪神淡路大震災に対する政府の去年からことしにかけての対応ぶり、これと比較する中で、まさに政治システム政治への信頼というか、そのシステムが崩壊しますよというふうなことを厳しく言われているということをぜひとも銘記していただきたい、こんなふうに思います。  それでは、まず航空行政全般につきましてのお話を始めたいと思います。  幅運賃制度導入によって、空の運賃における競争が始まった。運賃値下げ競争が行われるのではないかというふうな期待感国民全般にあったと思うのですけれども、実際ふたをあけてみると、大手航空三社ともに実質的な値上げを発表している。利用者は非常に失望感を抱いているということがあります。  これに対しまして、やはり寡占にあぐらをかいているのではないかとか、あるいはそういったものを許している運輸省航空行政そのものが極めて保護色の強いものであるというふうなこと、こういう指摘がなされておりますけれども、こういった指摘に対してどうお答えになられるか。大臣からお答え願いたいと思います。
  6. 亀井善之

    亀井国務大臣 この幅運賃のことにつきましては、いろいろ皆さん方から御意見のあることは承知をいたしております。しかし、今度の新運賃にいわゆる幅運賃制度、季節により異なる運賃導入であるとか、あるいはまた同一路線において会社間で異なる運賃の設定、会社独自の新しい割引、こういうようなことが出てきたわけであります。このことは今までにないことでありますし、評価をすべきではなかろうか。  値上げではないかと今も御指摘をいただきました。また、そういう声も承知をいたしております。しかし、各社運賃、私はいろいろなところで申し上げているわけでありますけれども、初値というようなことで、ひとつ今後利用者購買反応であるとか、他社との競争によって運賃が決まっていくことを私は期待をいたしておるわけでありまして、ぜひこの制度、これは即効薬ではないわけでありますけれども、まず市場原理が働く、それにはやはり多少時間がかかることではなかろうか。  昨日もJASの船曳社長に、認可をするという段階でぜひ引き続いて努力をしていただきたいと。まず私ども制度導入をした、こういうことで、これからいろいろ新制度を実施し、その趣旨というものが十分生かされているかどうか、こういうことについてはフォローアップもいたしたい。ぜひ、割引という新しい制度導入いたしましたから、それをうまく御利用いただく。そういう中でこの制度も生かされるわけでありますし、市場原理経営努力をし、競争、こういう中でお客様にわかるようないろいろのさらに努力をしてほしい。そういう中で、この制度導入してよかった、こういうことになるような不断の努力をぜひお願いをしたい、こんなことも申し上げたわけでありまして、私たちとしては、運輸省としてはこれを見守り、そして制度を生かす努力をさらに積み重ねてまいりたい、こう思っております。
  7. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 極めて苦しい御答弁にしか聞こえないわけです。国民がそれでは納得しないということを申し上げておきたいと思います。住専に対する大蔵省のいわゆる護送船団方式というものが厳しく問われていますけれども、この問題では運輸省へのまさに護送船団方式というものが問われる、こんなふうな指摘をしておきたいと思います。  あともう一点、航空業界に対する合理化の波というものが押し寄せている。きのうあたりの新聞報道で知ったわけですけれども、前大臣ですか前々大臣ですか、現亀井大臣と同じ名前の亀井大臣契約スチュワーデスの問題で大変話題を呼びましたが、この人件費削減を急いだということについて、今度はパイロットにも押し寄せている。全日空が、乗務時間にかかわらず六十五時間分の賃金を保障するという制度を四月から廃止する、こういう問題があります。日本航空の方も、能力給の比重を高める方向だというふうなことでございますが、こういう航空会社方針をどう考えられるのか。パイロットというのはスチュワーデスとまた違って、さらに一層直接的に生命の安全にかかわる部分でございまして、人間体力保持ということにも深くかかわってまいりますし、大変重要な問題だと思います。大臣のお考えを聞かせてください。
  8. 黒野匡彦

    黒野政府委員 その前に、ちょっと私から事実関係お話を申し上げたいと思います。  現在航空各社とも一生懸命コスト削減努力に努めているところでございまして、我々もこの動きを歓迎するところでございますし、先ほど大臣からお答え申し上げました幅運賃導入も、運賃面からこの競争を促進し、各社経営努力をさらに促す、こういうことでございます。  それで、昨今話題になっております全日空パイロット賃金でございますが、保障制度と申しまして、六十五時間仮に乗らなくても、例えば五十時間乗っても六十五時間分の賃金を払いますよという制度でございます。したがいまして、これは安全とかその辺とは全く関係のない、単なる賃金の決め方の問題でございますから、純粋の労働条件の問題ということで、私どもこれについて申し上げる立場にはないと思っております。  なお、もちろん余り長期に乗りますと安全上支障がございますから、これはこれで別の制約がございます。ただし、これは六十五時間よりもかなり上のところでセットしてございますから、これを超えない限りは安全上問題がないということでございまして、我々といたしましては、むしろ各社のこういう経営努力を多としたいと思っているところでございます。
  9. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 経営努力を多としたいとおっしゃるのですが、その一方で値上げをするというふうなことでは、余り多とできないなという感じがいたします。それぐらい合理化しなければならないぐらいに航空三社は厳しいのかなという感じが強くして、非常に心配に思います。  次に、問題を変えますけれども阪神淡路大震災から一年がたちました。先ほども申し上げましたけれども、いよいよこれから復興に向けての正念場を迎えると思います。先ほどの例にもありますように、兵庫県の人間にとっては、日にちがたつにつれて被災地に対する関心が薄れていっているのではないのか、去年はオウムのあの例の事件があって、また今住専ということで、どんどん被災地に対するさまざまな手当てがおくれる一方だ、こういう意識を持っている人が大変多うございますけれども運輸省として、もちろん限られた分野でございますでしょうが、平成八年度予算における運輸省としてのこの阪神淡路大震災に対する対応手当て、この辺、どういうところに力点を置かれたのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
  10. 亀井善之

    亀井国務大臣 阪神淡路大震災被災をした、特に私ども運輸省におきましては、神戸港の復旧、このことが一番大きな問題でもございます。一日も早い全施設復旧を図るべく、現地において努力をしております。現在のところ、工事はおおむね計画どおりに推移をいたしております。今後とも本格復旧工事を精力的に実施し、八年度末を目途に全港湾機能の回復を図ってまいりたい、このように考えております。  神戸港の復興は、神戸市の復興のみならず、我が国全体の経済活動を支える基盤として必要不可欠でありまして、平成八年度の予算においても積極的に対応してまいりたい。具体的には、水深十五メートルのコンテナターミナル全国に先駆けて本年四月に二バース供用を開始する予定など、競争力のある国際コンテナ機能を確保する努力をしてまいりたい、このように考えております。
  11. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 今大臣は、八年度末を目標にと言われましたけれども、これは当初予定されたよりもかなり速いスピードなんでしょうか。
  12. 栢原英郎

    栢原政府委員 昨年の二月十日に神戸港の復旧に関する基本的な考え方というのを発表させていただきましたけれども、その中で、通常三年で補修をいたします公共施設について、一年繰り上げて二年間で補修をする、復旧をするという方針を打ち出しております。それに基づいて現在工事を進めているということでございます。
  13. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 ぜひともよろしくお願いを申し上げます。  続きまして、姫路港の問題についてお尋ねをいたします。  今、神戸港は水深十五メートルのコンテナ船の入港を受け付ける神戸港に変えていくのだというお話がありましたけれども姫路についても国の直轄港湾改修事業といたしまして、姫路港の広畑港区において、平成十五年を目標にということで公共岸壁整備着工という方針が決まったということで、大変地元では歓迎する声が強うございます。  ただ、この多目的国際ターミナル播磨地域物流ニーズにこたえるために大変に大事なものであるのですけれども、今後、震災以降の神戸港とそしてこの姫路港、両方を、両々相まって発展させていかなくてはいけないということで、早期完成に向けてさまざまな課題があろうかと思います。  そこで、若干お聞きしたいことは、ぜひともこの物流の拠点としてたえるための本格的なコンテナ化というものを推進させていっていただきたい。そのためには、コンテナヤードを備えた多目的のガントリークレーンの複数の設置とかあるいは保税倉庫施設設置など、ぜひとも備えた本格的なものにという声が多うございます。もちろん、地元努力というものが極めて必要になってこようと思いますけれども、その辺のこれからの展望、考え方を若干聞かせていただきたいと思います。
  14. 栢原英郎

    栢原政府委員 先生指摘のように、一姫路港は、九三年の統計でございますけれども、約四百万トンの貨物を扱っておりまして、全国多数ある港湾の中で二十四位という位置にあります大変重要な役割を果たしている港湾でございます。  現在、お話にございましたように、広畑地区におきまして、新日鉄が持っておりました遊休化した土地を公共に転用するということで活用を図るため、コンテナも取り扱えます多目的国際ターミナルというものを平成六年度から整備をしているところでございます。  現在、外貿製品輸送の中心がほとんどコンテナ輸送になっておりますので、主要な港においては、コンテナあるいはほかの貨物も扱えるような多目的ターミナル整備していきたいということで工事をしているところでございますが、今後地元期待を踏まえながら、具体的なコンテナ貨物の伸びなどを踏まえて対応していきたい。現在のところでは、完成までまだ多少時間がかかるという予定になっておりますけれども、できるだけ早く完成をするよう、来年度から始まる予定にしております第九次港湾整備五カ年計画の中で、適切な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
  15. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 今、何かおくれるというふうな話がされましたが、それは平成十五年の目標がさらにおくれるという意味なのでしょうか、それが一つ。  それから、市としてもさまざまな需要を拡大させていくための、企業に対するアンケート調査等をしたりしておりますが、そういう中で、本格的な国内定期航路とか国際航路の開設をも望みたい、そういうふうな声が非常に強うございますので、それに対する取り組み方もお願いいたします。
  16. 栢原英郎

    栢原政府委員 当初、着工いたしましたときは平成十五年の完成目標にしておりましたけれども、現在の動きを見まして、平成十二年に終了いたします次の五カ年計画の中で事業を終了したいというふうに考えております。三年ほど繰り上げる予定でございます。  また、各地の港で施設整備にあわせてこれを活用するためのポートセールス等活動が非常に活発になっておりますので、そういった港湾管理者努力と歩調を合わせて、必要な施設整備はおくれないように整備をしていきたいというふうに考えています。
  17. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 次に、第七次空整についての関連として、神戸空港あるいは播磨空港についてのお話を若干お聞きしたいと思います。  まず、せんだって、第七次空整の大枠としての予算の枠が決まったということを大臣から直接お聞きいたしましたけれども、まずその前に、第六次空整平成八年で、ことしで終わるわけですけれども、その第六次空整計画というものが順調だったのかどうか、そしてその中には、神戸空港がいわゆる予定空港ですかに挙げられていて、それが今度もう一ランク上というか、予定事業から新規事業に順調に行くのかどうか、その辺の、まず第六次空整の総括的なこと。
  18. 黒野匡彦

    黒野政府委員 第六次空整計画は今年度をもって終わる計画でございまして、その中に幾つかの新規事業あるいは予定事業を計上させていただいております。その中には、まだ着工めどが立っていない、残念ながら地元調整等着工めどが立っていないというものもありますれば、かなり順調に進み、既にオープンしているところも、さまざまでございます。  特に、神戸空港につきましては、いろいろな経緯がございましたが、七年度、今年度の予算善工準備調査費という名目の費目を計上させてい方だきまして、今神戸市におきまして環境アセスメント等手続を進められているというふうに聞いております。これが終わった段階で、港湾計画の改定とかあるいは航空法上の手続とか、これをとった上で整備を進めるということになろうかと思っております。  ただ、具体的な進め方のペースにつきましては、これはあくまでも神戸市さんでおつくりにかる飛行場ですから、そのペースに合わせながら、私どもとしても必要な予算措置を講じていく、こういうことになろうと考えております。
  19. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 そういう第六次空整の中で、兵庫県のもう一つの、但馬空港あるいは神戸空港に続いてもう一つ空港として播磨空港姫路市の北部にある地域における播磨空港設置をという声が出始めてもう十年ほどはたとうと思います。この播磨空港位置づけにつきましては、第六次空整の別表の注の第三、欄外の一番最後に、括弧の中に、「(播磨飛行場等)」という、その他飛行場というのでしょうか、第三種飛行場ではない、その他飛行場という、そういう位置づけがなされておりますけれども、第七次空整においては、議論の中で、この播磨飛行場というのは、その他飛行場として決められた位置づけ、そこから話がスタートしていくのでしょうか。そして最終的に、第七次空整予定事業という欄の中に入るような形になるのでしょうか。まずその辺の位置づけ
  20. 黒野匡彦

    黒野政府委員 いわゆる播磨飛行場と我々今まで呼んでおりますが、これにつきまして、地元大変意欲が高い、あるいはかねてから御検討されているということは我々も十分承知をいたしておるところでございます。  今先生からお話ございましたように、六次の五カ年計画では、「小型航空機による種々の航空需要対応する機能を有する飛行場整備について 調査検討し、必要に応じその整備を図る。」こういう欄外の記載がございまして、その中に「(一播磨飛行場等)」という、例示の一つとして挙がっております。  したがって、これを七次空整でどう扱うかということはこれからの問題でございまして、多分この飛行場兵庫県さんが設置、管理することになろうかと思いますが、具体的な計画をどうするか、特に、需要が本当にあるかどうか。それと、そこに膨大な投資をしてもきちんとそれに見合うだけの効果があるかどうか、かなり多面的な検討をした上で最終的な結論を出さなければいけないと思っております。  いずれにいたしましても、第七次の空整計画の総枠が三兆六千億というふうに決められておりまして、その中で、特に我が国で今急がれております国際ハブ空港整備等にかなり重点的に投資をしなければいけない、すぐお隣の関西空港の二期事業も急がなければいけないという状況でございますから、その厳しい枠の中で、この空港を、この飛行場をどう位置づけるか、これからじっくり兵庫県のお考えも聞いた上で決めさせていただきたい、かように思っているところでございます。
  21. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 地元考え方としては、とりあえず、ともかく、その他空港でもいいから、そういう位置づけでつくって、そしてやがて第三種の飛行場にするんだ、格上げしてもらうんだ、していくんだ、こういう声がありますが、それは全くナンセンスなことでしょうか。
  22. 黒野匡彦

    黒野政府委員 私の立場として、この場でナンセンスという言葉を私は使うつもりは全くございませんが、繰り返しになるかもしれませんけれども、限られた枠の中で、優先順位の高いものからやはり投資をしていかざるを得ないというのが現在の空港整備の実情でございますから、その中で、他の空港との比較においてどの辺に位置づけられるか、これにつきまして、これからかなり綿密な検討をさせていただかなければいけないと思っているところでございます。
  23. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 今優先順位、もちろんすべての問題には優先順位が大事なわけですけれども優先順位をつけていく場合の重要な基準、先ほど需要があるかどうか、その効果があるかどうかというお話がありましたが、もうちょっと、優先順位をつけていく上における航空局の考えでいる基準について述べていただきたいと思います。
  24. 黒野匡彦

    黒野政府委員 幾つかのファクターがありますが、やはり私ども一番重視いたしますのは需要でございまして、飛行場をつくった後に、本当に投下した資本に見合うだけの利用者が見込まれるかどうか、非常に貴重な国民の税金を預かっている立場からいたしますと、どうしてもそこを最も重点を置いて見なければいけないと思っております。  また、その関係で申しますと、その需要に見合うような適正な計画になっているかどうかという点もございますし、また緊急性といいましょうか、これも需要の裏腹かもしれませんが、急いでつくる必要性があるかどうか、その点を、月並みな言葉でございますが、総合的に判断をさせていただくというところでございます。
  25. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 姫路は、全国の人口比でいきますと第二十五位、さっき港が大きさにおいて二十四位というお話がありましたが、まさにそれに比例する形で、人口比で言うと二十五番目、四十五万人なんです。  今おっしゃった空港考えていく場合の基準といいますか、優先順位基準の中に、余り航空局長は意識はされていないのでしょうけれども、ひとつぜひ銘記しておいていただきたいと思うことは、全国主要都市から空港までの距離という問題があります。現時点で静岡県におけるところの浜松とか静岡市が、姫路よりも人口の多いところで空港までの距離が遠いという位置づけがあるわけですけれども、これは今計画されているので、やがて解消する。解消した場合、人口比の中で空港までの距離が最も遠い空港のトップに姫路がなる。この話を申し上げますと、神戸空港ができたら近くなるじゃないかというお話があるのですが、実は神戸空港ができても、私、計算しましたら、第一位の座は揺るがない、こういうふうなことがございます。ぜひともそういったことも優先順位の中に考え基準として考えていただいて、対応をよろしくお願いしたい。  最後に、この問題について大臣にお考えを。
  26. 亀井善之

    亀井国務大臣 播磨空港につきましては、現在兵庫県において、いわゆる小型航空機需要を踏まえた必要性あるいは建設事業費等について検討が進められている、このように承知をしております。その結果を十分聞かせていただきまして、第七次空港整備五カ年計画、本年秋に予定しておるわけでありますが、その決定までにその取り扱いを検討してまいりたい、このように考えております。
  27. 赤松正雄

    赤松(正)分科員 終わります。
  28. 谷川和穗

    谷川主査 これにて赤松正雄君の質疑は終了いたしました。  次に、田端正広君。
  29. 田端正広

    田端分科員 新進党の田端でございます。よろしくお願いいたします。  私の方から、きょうは鉄道関係のことに絞ってお尋ね申し上げたいと思います。  まず最初に、国鉄改革時における長期債務の問題が、三十七兆という大変なものが、来年度ですか、いよいよ十年ということになって、平成九年度の大きなテーマになってくるんだろう、こう思います。清算事業団で抱えている二十五兆というこの金額が、これが今年度平成七年度でいくと二十六・九兆円というふうにふえてきているわけでありまして、土地の売却等で負担を軽くするということよりも、むしろどんどん雪だるま式にふえて金利がかさんでいくと、金利だけでもこれ一・三兆ぐらいあるというふうに伺っております。こういうことになってきますと、今住専の問題で大変な大きな問題になっておりますけれども、やがてこの清算事業団の問題については、これはもう本当にどうにもならないところにぶつかるんではないかということを今大変憂慮しているわけでありまして、例えば土地については、これだけ今地価も暴落しているわけでありまして、なかなか思ったようには決着がつかないんじゃないか、そういうところでどういうふうな基本的なお考えを持っておるか、まず大臣、よろしくお願いしたいと思います。
  30. 亀井善之

    亀井国務大臣 国鉄清算事業団の長期債務等の処理については、昭和六十三年一月の閣議決定において「土地処分収入等の自主財源を充ててもなお残る事業団の債務等については最終的には国において処理するもの」とされており、「その本格的な処理のために必要な「新たな財源・措置」については、」「土地の処分等の見通しのおおよそつくと考えられる段階で、歳入・歳出の全般的見直しとあわせて検討」すると、このようになっております。  事業団の債務処理の問題は、国鉄改革の総仕上げ、こういう意味で大変大きな問題である、このように認識しておりまして、引き続き、その償還財源である土地、JR株式の売却に今全力を挙げて取り組んでいるところでありまして、国民負担の軽減、これに努めておるところでありますし、その努力を引き続いてしてまいりたい、このように考えております。
  31. 田端正広

    田端分科員 土地、株、全力を尽くすということでありますが、例えば汐留の土地にしても、あるいは大阪駅の駅前のあの土地にしても、あれだけの土地を今民間の方でそれだけ買ってくれるようなところというのはなかなかないんじゃないか。だから、努力するといっても、現実は非常に難しいんじゃないか、こういうふうに言ってもいいと思います。  それから、株式の上場についても、例えば西日本は昨年の震災で少し計画がとんざしたと思いますが、この株式上場について、東日本の残っている分、それから東海、西日本等のこれからの計画等はどういうふうになっているのか、その辺のと ころもお示しいただいて、平成九年に対してどういう考え方でこれから進めていくのか、もう一度お願いしたいと思います。
  32. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 まず株式の点でございますが、JRの株式につきましては、平成五年度に東日本の株式を二百五十万株売却、上場いたしまして約一・一兆円の売却収入を上げております。引き続き六年度、七年度におきましてはJR西日本の株式の売却、上場を目指してまいりましたけれども、株式市場が低迷していること、それから、先生も御指摘のございました阪神淡路大震災の影響によりまして上場基準割れを起こすというようなことでございましたので、JR西日本の株式の売却が実現に至っていないという状況でございます。  私どもとしましては、清算事業団に資産処分審議会という審議会がございまして、そこで、市場環境に応じましてより適切に新規売却ができるような方法につきまして御検討をいただいておりましたところ、昨年の十二月にこの審議会で、現在の方法を改善したより適切な売却方法につきまして答申をいただいたところでございまして、こういった新しい方法も踏まえまして今後できるだけ早くJR株式の早期売却に努めてまいりたい、そのために関係省庁との調整もできるだけ急いでまいる、このように考えております。  それからあと、全般的に資産売却のためにどのような措置を講ずるかという御趣旨だと思いますけれども、先ほど大臣も御答弁申し上げましたとおり、大変厳しい中ではございますけれども、精いっぱい全力を挙げまして土地の売却にも取り組んでまいりたいと思います。御指摘のとおり大変厳しい状況ではございますが、私どもとしては、できるだけ処分しやすいような形をとりながら、いろいろ知恵を絞り出して、投資家の皆様方に買っていただけるようないろいろなやり方もやっていきながら土地の処分を進めてまいりたいと考えております。
  33. 田端正広

    田端分科員 きょうはこの問題はそれぐらいにしておきまして、地元の問題を少しお尋ねしたいと思います。  地元でのいろいろな運輸行政等にかかわる問題を考えてみますと、運輸省にかかわっていることが建設省と一緒になっていたり、あるいは地方自治体とセットで考えなきゃならない問題とか、そういうケースがいろいろあります。そういう意味で、特に鉄道とかこういう公共交通機関に関しては運輸省はぜひひとつ、いろいろな省庁とかかわっていても、リーダーシップというものをしっかり持って交通機関の体系づくりを進めていただきたい、こういうように痛切に思うわけです。  それを前提にいたしまして、具体的な問題を少しお尋ねしたいと思います。  大阪の環状線で大正駅というのがございますが、ここの駅舎のホームが階段が五十六段あるんです。五十六段といいますと、普通少なくとも十五、六段で一階から二階ですから、三階建て以上の階段になりますが、これが、エレベーターもなければエスカレーターもない。高さにして七・八メートルあるわけですから、これはもう運輸省鉄道局が示されているエレベーター、エスカレーター設置指針の基準からいってもはるかにオーバーしている基準でありますけれども、私は三年前に大臣にも直訴したわけでありますが、いまだにこれが手つかずの状態であります。  ここは乗降客も六万人という大変乗りおりの多いところでもありますし、しかも、すぐ近くに大阪ドームが来年春に完成します。大阪ドームは五万五千人収容と言われておりまして、大阪市の試算によると、イベントがあれば一挙に二万人ぐらいどっとこの大正駅を一時期利用するだろう、こう言われているわけであります。そういう意味では、大変大正駅が利用されるにもかかわらず、いまだに計画が出ていないというのは非常に遺憾であると思います。しかも、来年の夏にはJRの大正駅に地下鉄七号線が接続しまして、これでまた来年夏から乗りおりする人がもっとふえる、こういう状況であります。  当初、地下鉄が接続になった時点でエスカレーターというものを考えようというのが、どうもJR側の考えのようでしたが、いまだにこの問題について明確な方針方向が示されていないというのを地元側では大変残念に思っております。構造的に大変問題があるようですけれども、しかし、もうこれ以上時間的にも放置できないのではないか。  例えば、今でも車いすの方が一日五、六人ないし七、八人乗りおりされていますが、駅員の方が三人がかり、四人がかりで下げて、本当に原始的にやっているわけです。駅員の方も、もう大変だ、ふらふらだと言っております。  そういうことを何回も陳情もし、お願いしているにもかかわらず、一向に進んでいないということに対して、ぜひこれは運輸省の方でリーダーシップを発揮していただいて、JRにもよく言っていただいて、これはもうこれ以上ほうっておきますと大変なことになるのではないか、こう思いますので、ぜひこの問題について前向きに御検討お願いしたいと思います。どうでしょうか。
  34. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま先生指摘のJR西日本の大正駅の状況、まさにそのような状況でございます。  大正駅につきまして、エスカレーターを設置しようとしますと、現有施設の範囲内で設置しようとする場合におきましては、大規模な駅の施設の改修が必要になりまして、どうもなかなか難しい、こういうようなことでございます。  したがいまして、エスカレーターを設置する場合は、駅周辺の道路も含めまして土地利用の見直しなどとあわせまして駅施設の改築を行うという必要がございます。このような考え方のもとに、関係者間で今後調整をしていくということになったと私ども承知しております。今後とも、この調整の状況を私どもも見守っていきたいと考えております。
  35. 田端正広

    田端分科員 今はっきりは申されなかったようですけれども、しかし、何か前向きにお答えいただいたような気もいたしますが、駅施設と周辺の道路の利用の見直しという観点から、それが可能ならば前向きに検討する、こういうことかと思います。  どちらにしても、これはぜひ、もう時間的に余裕のないことでもございますので、大臣、今聞いていただいてどういう感想を持たれたか、一言お願いしたいと思います。
  36. 亀井善之

    亀井国務大臣 整備基準に従って鉄道事業者に私どもいろいろ指導するわけであります。いろいろ現有の施設等々の問題もあるように今伺ったわけでもありますし、今後、駅周辺の道路を含めた土地利用、いろいろの見直し、そういう中で施設の改築、これはいわゆる関係者間でぜひひとつ調整をするような努力をしてほしい、またそのようなことを私どもとしては指導してまいりたい、こう思っております。
  37. 田端正広

    田端分科員 また、そういう土地利用等の調整については、我々地元側としても積極的に応援させていただいて、ぜひ前向きに解決できるように我々も側面的に応援させていただきたい、こう思います。よろしくお願いします。  もう一点、地下鉄七号線が大正駅まで来ることは大変いいのですが、この大正区というところは長靴のような地形をしておりまして、根っこのところに大正駅があってそこまで地下鉄が来る。しかし、足の先端部分のところまでの交通機関が来ないことには大正区十五万人口が全く生きてこない、こう思うわけであります。  そういった意味で、運輸政策審議会の方でも地下鉄の延伸問題ということについてはいろいろ御検討されていると思いますけれども、ぜひこの年端である鶴町の方までできるだけ早く延長させていただくようにお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  38. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 大阪市営の地下鉄七号線の大正−鶴町間の整備、これにつきましては、平成元年五月の運輸政策審議会の答申におきまして「鶴浜地区の再開発の進捗状況等に合わせて着手す る。」このような位置づけになっている路線でございます。  これについてでございますが、事業主体でございます大阪市におきまして、港湾の再開発の状況といったような再開発の進捗状況を踏まえながら、事業の採算性などを含めまして、整備のための方針検討すべきものだと考えております。
  39. 田端正広

    田端分科員 その意味で、例えば大阪市は、交通事業のために一般会計から七百億ぐらい持ち出しをしているようであります。  自治省の方にちょっとお願いしたいのですが、積極的に地方自治体が、一般会計から持ち出してでも交通体系の整備のために努力されているわけですから、そういうことを今度国として交付税の方で少し思いやっていただいて、そういう意味の配慮もまた必要ではないか、こう思いますが、自治省の方、お願いします。
  40. 山下茂

    山下説明員 御説明を申し上げます。  私ども、公営地下鉄につきましては、運輸省などの関係省庁等との連携のもとに、地下鉄の建設費に対します国庫補助制度の改善を図ってまいりました。  また、それと同時に、当省自身におきましても、地方公共団体の一般会計からの地下鉄などの交通事業の特別会計に対します出資でありますとかあるいは補助でありますとか、そういう繰り出し金につきまして、地方財政計画の仕組みを通じまして所要の額を確保し、それをベースに交付税措置を講じてまいっておるわけでございます。  例えば新年度、平成八年度の地方財政計画におきましても、現在の国家財政あるいは地方財政は、ともに大変に厳しい状況のもとでございます。地方財政計画全体での歳出の伸び率が前年度比で三・四%という状況のもとでございますけれども、ただいま申し上げましたような公営地下鉄などの交通事業への地方団体の一般会計からの繰り出し金につきましては、前年度比にしまして九・六%の伸びを確保するようにいたしております。  今後とも、公営地下鉄の建設並びに経営が円滑に行われてまいりますように、こうした財政措置に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  41. 田端正広

    田端分科員 次に、新交通システムの問題でお尋ねしたいと思います。  大阪の住之江公園と南港との間でニュートラムというのがございますが、これが、南港というのは人口四万、本当に新しいすばらしい町だと思いますが、南港の人にとっては唯一の交通機関である。このニュートラムが、残念ながら平成五年十月に衝突事故がありまして、以来もう幾たびかいろいろなトラブルが発生しています。つい先日、一月の三十一日にも停電がありまして、途中で電車がとまってしまって乗客が途中からおりて歩いたということがございました。  このニュートラムは、こういう新交通システムはほかの各大都市でも採用されているわけでありますが、事故の原因とかいろいろな技術的な研究はそれぞれの自治体がやっていることはやっていると思いますが、もう少し安全確保という意味で、運輸省が積極的にリーダーシップをとっていただいて、そういう技術指導なり情報交換なり、もう少し安全性の確保のために前向きに取り組んでいただけないのか、こういうふうに我々考えるわけですが、いかがでございましょうか。
  42. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいまの御指摘のニュートラムのような新しい交通システムに対する安全性の問題でございますけれども、私ども、鉄軌道事業の安全の確保は、第一義的には事業者自身が確保すべきものだと考えておりますが、国としても、当然重要なものにつきましては安全を確認する必要があるという見地から、鉄道事業法に基づきまして工事の施工の認可であるとかあるいは完成検査、車両の確認といったことによりまして、安全性について審査をしているというような体制でございます。  ニュートラムのような新しい交通システム導入に当たりましては、従前の鉄軌道と技術基準がやはり違ってまいりますので、この技術基準の策定などにつきまして、学識経験者などから構成いたします検討委員会を設けるというようなことで、そういうところでいろいろ御意見を伺いながら、新しい技術基準を作成していくというようなことで対処しているところでございます。  今後とも、そういうようなことによりまして、新しいシステムに関する安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
  43. 田端正広

    田端分科員 いずれにしても、交通機関の安全ということはもう大前提でございますから、ぜひこの点については積極的にお願いしたいと思います。  そういう安全という意味で、今度、JR阪和線の問題で伺いますが、阪和線というのは大阪の天王寺から和歌山の方に向かって走っている電車ですが、大阪市内において踏切がたくさんあるためにこれは非常に危険な状況でございます。  それで、例えば南港通りとか長居公園通りとか、こういう大きい通りが横に何本も走っています。そこを縦に阪和線が行くわけですが、そうしますと、今まで阪和線の列車の本数が五百四、五十本であったのが、関西空港ができたことによって七十本ぐらいふえました。そのために、一日六百本以上になるために、時間帯でいきますと、これらの踏切では、例えば長居北の二番の踏切では、車の台数が一日当たり三万一千五百九十九台、それで遮断時間が一日当たり九・六時間、あるいは長居南の方の公園通りのところでは二万五千台で遮断時間が九・八時間。こういうふうに、夜中、始発と終電の間四、五時間空白がありますけれども、二十時間ぐらいの間のうち半分は閉まっている。しかも、ラッシュ時は一時間のうち四十五分閉まっているわけです。これでは交通渋滞も甚だしい。  しかも、住民も、閉まってもそれを乗り越えて渡っていく、あるいは閉まりかけても車はそれを突っ切っていく。だから遮断機が折れてしまう。だから、線路わきに遮断機のスペアが山と積んである。折れたらすぐに取りかえる。こういう危険な状態がずっと続いているのです。  私、地元人間としても、一体これはどうなるんだ、いらいらする気持ちもわかるのですが、これ以上放置しておくと大事故がそのうち起こるのじゃないかということを大変危惧しております。  しかも、長居公園通りの横のところに長居競技場というのがございますが、これが大阪市で一番大きな、いろいろなスポーツ施設としては最高の会場でありまして、来年なみはや国体がここで行われる、あるいは二〇〇二年のワールドカップサッカーを招致する場合の会場にもなっている。大阪市が今二〇〇八年オリンピック開催の招致を名乗り出ておりますが、それもここが大きなメーン会場になる。そういうメーン会場になるところのすぐわきがこういう渋滞で果たしてメーン会場としての役割を果たせるのだろうか、こういうことを痛切に感じます。  これはもうこれ以上放置できないと思いますので、運輸省が積極的にリーダーシップをとっていただいて、この立体交差事業が一刻も早くスムーズにいくよう建設省あるいは大阪市等と話し合っていただいて、ぜひ前向きに進めていただきたい、こう思うわけでございます。
  44. 奥野晴彦

    ○奥野説明員 建設省の方から御説明申し上げます。  鉄道の連続立体交差事業でございますが、これは申し上げるまでもなく、鉄道の一定区間を立体化することによりまして多数の踏切を一挙に除却する、そのことによりまして、踏切での交通渋滞ですとか事故の解消を図るとともに、また分断されております市街地の一体化ということにも資する事業でございます。  ただいま御指摘のございました阪和線の連続立体交差事業でございますが、阿倍野区文の里四丁目から住吉区杉本町三丁目までの四・九キロの区間につきまして、現在大阪市が事業主体となって取り組んでいるところでございます。この区間に つきましては、昭和五十六年度に都市計画決定が行われ、五十七年度に事業に着手して以来、これまで鋭意用地買収を進めてきているという状況にございます。この事業によりまして、踏切が十二カ所除却されるということになりまして、周辺の交通の円滑化という点で大変大きな効果が上がるということが期待されている事業であると認識しているところでございます。  現在、この事業につきまして、大阪市におきまして耐震安全性の確保に向けた検討がなされているところでございまして、その検討結果を踏まえて、建設省といたしましても、早期に事業効果が上がるよう適切に対処してまいりたい、かように考えているところでございます。
  45. 田端正広

    田端分科員 ぜひ、これは大きな事業だと思いますが、積極的に、しかも時間的にはもうこれ以上放置できないところに来ていると思いますので、建設省はもちろんそうですが、運輸省の方もしっかり考えていただきたい、こう思います。  以上で終わります。
  46. 谷川和穗

    谷川主査 これにて田端正広君の質疑は終了いたしました。  次に、坂上富男君。
  47. 坂上富男

    坂上分科員 社会民主党の坂上富男でございます。  本日、私の質問は多岐にわたっておりますので、御答弁は簡潔にお願いをいたしたいと思います。  まず最初に、北海道・豊浜トンネル事故の自賠責保険等について御質問をさせてもらいたいと思っております。  質問する前に、犠牲者となられました皆様方の御冥福と、御遺族に心からなるお見舞いを申し上げる次第でございます。そしてまた、この補償についてできるだけの御努力をしたいというふうに決意をしておることも申し上げさせていただきたいと思っておるわけでございます。  さて、豊浜トンネル事故の被害の状況でございますが、北海道中央バスに乗車をされておりました運転手一名、乗客の方十八名、それから乗用車運転手の方一名、計二十名の死亡事故でございます。そして、このうち自賠責の対象にならない方は、バスの運転手一名、乗用車の運転をなさった方一名でなかろうかと思っております。したがいまして、自賠責の対象になる方は、バスの乗客十八名の方がまずその対象になるのではなかろうかと思っておるわけでございます。そして、この自賠責の適用についてはまたそれなりの要件があるようでございますが、今運輸省は自賠責保険の対象についてどのようにお考えになっておるのか、御説明をいただきたいと思います。
  48. 山下邦勝

    山下政府委員 まだ完全な事実関係の確認ができておりませんが、今考えておりますところでは、道路トンネルの上から岩盤が崩落するといったような外部要因によって起きたものと推測されるわけでございます。  自賠責では、運行に伴って運行者の方に責任がある場合に支払うということが原則になっておるわけでございまして、今の我々が得ております情報のもとでは、バス会社でございますとかまたバスの運転手に被害者に対します損害賠償責任が発生するという状況にはないと思われますので、自動車損害賠償保険の適用はないと考えておるところでございます。
  49. 坂上富男

    坂上分科員 大変重大な発言でございまして、これについてはいずれ私はまた時間を見て議論もさせていただきますが、何といたしましても自賠責保険の適用をひとつぜひともお願いしなければならぬと私は思っておるわけでございます。  それはまずさておいて、任意保険の関係ではどうなっておりますか。
  50. 山下邦勝

    山下政府委員 任意保険につきましては大蔵省所管でございますが、北海道中央バスから聴取いたしましたところ、このバスにつきましては一般の自動車保険に加入をいたしております。これは自賠責が適用されないということが条件になっておりますので、そういったことが確定いたしました場合は、自損事故保険という名称でございますが、このバスの運転手を含めまして被害者一人当たり千五百万円が損害保険会社から支払われるという可能性があると聞いております。
  51. 坂上富男

    坂上分科員 これも、自賠責が適用にならなかった場合に自損保険として乗客一人当たり一千五百万、こんな程度なんですね。非常に大変なことでございまして、とてもじゃないが、これに対して私自身も心を痛めておるところでございます。  さてそこで、そうだとするならば、バス会社でございますから、運送約款、いわゆる乗客とバス会社との間で、安全に運転をしてあなたの目的地まで運送しますという約束があるわけであります。率直な話、この事態は債務不履行になってしまったわけでございます。いわゆるそういう債務をバス会社が負っているのに、目的地まで輸送しないで乗客の安全を失わせた、結果的にはこうなっているわけでございまして、これはバス会社の債務不履行なのですね。あるいは天然の災害だったかもしれませんけれども、債務不履行なのです。この債務不履行に対する損害としてはどうなりますか。
  52. 山下邦勝

    山下政府委員 運送約款上は、運行に伴ってみずからの責めに帰すべき事由によって損害が生じました場合は補償するということになっておりまして、そこの判断の問題になってこようかと思います。
  53. 坂上富男

    坂上分科員 飛騨川でございましたか、大変あらしのときバスが運行しておりまして、引き返したりとかいろいろのことがありまして、これまたたくさんの乗客の人命を失ったことがあります。これには自賠責保険が結果的に適用になりました。これは、自賠責保険におけるいわゆる故意または過失によるところの運行上の違法責任があった、こういう場合に対する補てんのようでございます。そこで、その飛騨川の場合は、どうも天然災害、大変な暴風雨であったけれども、その暴風雨に対する乗客の安全の確保という観点から見るならば、その点において大変な瑕疵があったのではなかろうか、こんなようなことから自賠責適用になったわけでございます。  このことと、このたびのトンネル事故との間においては余り類似をしないというようなことが御見解のようでございますが、いずれこれから調査になるわけでございますけれども、報道されるところによりますと、例えば数時間前に、いわゆる崩落した岩石のところの小石が崩れてきたことを目撃いたしまして駐在に連絡をした、こういうようなことがあって、そして駆けつけてみたら結果的にこの災害があった、事故が発生しておった、こういう事態もあるわけでございます。  こういう点からも、皆さん方の方で相当な調査をなさるのだろうと思うのでございますが、やはり被害者救済という観点から立ってみて、まず自賠責保険の適用は何としてもなされるべきである、仮になされなかったといたしましても、何らかのこれにかわるべき補償というのがなされなければならないと私は実は思っておるわけでございます。一つは運送約款の上からも、それからいま一つは国の災害に対する、私はきょう午後からまた建設省に対する質問予定されておりますので、道路管理瑕疵においての責任も出てくるのではなかろうかと私は思っておるわけでございますが、そういう観点から眺めてみまして、運輸省とされましてはもっとひとつ被害者補償の立場に立った考え方に立っていただきたい、こんなふうに思っておるわけでございます。  事務当局の局長さんにこれ以上お答えをせいというのはなかなか御無理でございましょうから、運輸大臣立場において御所見をひとつ賜りたいと思っております。
  54. 亀井善之

    亀井国務大臣 いろいろ今先生からお話をいただきました。運輸省といたしましても、被害者の補償が円滑に進むよう、事業者あるいは関係保険会社等に要請してまいりたい、このように考えております。
  55. 坂上富男

    坂上分科員 これらの皆様方には本当に全く過失がないわけでございます。にこういう人たちが そのまま大変な不幸な事態に遭われたわけでございますので、ぜひひとつ、運輸当局におかれましてもきちっとした対応をしていただきますことをお願いをいたしたいと思っておるわけでございます。  さて、今度は鉄道問題について聞かしていただきたいと思うのであります。整備新幹線に関連をすることでございます。  新しい基本スキームが策定をされたようでございますが、されつつあるというんでしょうか、そこで、この新基本スキームの策定に当たっては、フルあるいはミニあるいはスーパーを組み合わせた効率的な計画にすべきだというような強い意見もあるようでございます。しかしながら、これはいかがかという意見もあるようでございます。運輸省考え方は、これについてはどうなんでございますか。
  56. 亀井善之

    亀井国務大臣 未着工区間の整備のための新しい基本スキームについては、もう御承知のとおり、平成六年十二月の連立与党申し合わせ、関係大臣の申し合わせに基づき、今御指摘の規格の問題を含めて検討を行っているところであります。
  57. 坂上富男

    坂上分科員 局長、ございませんか。
  58. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 現在の検討の状況は大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。  なお、一つ継ぎ足して申し上げますと、整備新幹線の整備につきましては、平成六年十二月の連立与党の申し合わせ、それから関係大臣申し合わせにおきまして、いわゆるフルの規格で決定されている従来の整備計画はすべて維持されるということが確認されております。
  59. 坂上富男

    坂上分科員 そういうような意見のようでございますが、運輸当局としてはいかがか、こういう質問でございますので、局長、どうですか。
  60. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 先ほど申し上げましたとおり、大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。
  61. 坂上富男

    坂上分科員 それでは、それに関連をいたしまして、基本スキームの検討と同時に、JR貨物のルートの確保、それから線路等の使用条件を現在の条件の範囲において行うようにすべきだと考えておりますが、運輸省はどういうお考えでございますか。
  62. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 整備新幹線の建設に伴いまして、並行在来線をJRの経営から分離する、これが大きな原則でございますが、この場合に分離後の鉄道貨物輸送をどうするかという取り扱いの問題でございますが、この問題につきましては、我が国物流体系におきます鉄道貨物の役割にかんがみまして、御指摘の線路等の使用条件も含めまして、適切な輸送経路が確保されますように今後関係者間で十分協議して対処していくことが必要だ、こういう認識に立っております。
  63. 坂上富男

    坂上分科員 ぜひひとつ、御指摘を申し上げました点についても十分な御配慮をいただきたいと思っておるわけでございます。  それから、本年二月二十一日、旅客鉄道運賃制度見直しの状況について発表されております。そしてまた、ワーキンググループの報告書が出されたと聞いておるわけでございますが、その内容はどんなふうになっておりますか。
  64. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘の旅客運賃問題研究会、またそのもとでのワーキンググループの報告が、先般、取りまとめられたところでございます。  その結論のポイントを申し上げますと、まず旅客鉄道事業の独占性それから公益性にかんがみまして、運賃の設定方式としては総括原価方式が適当であるけれども、これにつきましてもいろいろ問題がありますので、抜本的に改善することが必要であるという認識に立ちまして、具体的な内容といたしまして、事業者の自主性を確保するために総括原価方式のもとでの上限価格制を導入すること。それから、経営効率化のインセンティブを強化するためにヤードスティック方式、これは電力などでも採用されておりますけれども、ヤードスティック方式を強化すること。それから三番目に、経営の安定を確保するために、原価計算方式を改善して複数平年度化などを導入すること。四番目に、規制コストを縮小するため、関係の諸手続を簡素化し期間を短縮すること。五番目に、透明性を確保するため、算定方式、事業内容などの情報公開を促進すること。こういったような方向が示されております。  一方、プライスキャップ制を含むいわゆる上限価格制につきましては、利用者利益の保護であるとか必要な設備投資の促進であるとか、あるいは上限価格の妥当な水準の算定等の諸課題につきましてなお未解決でございまして、今後の鉄道事業の環境の変化等を勘案しながら引き続き検討が必要、このような内容となっております。
  65. 坂上富男

    坂上分科員 プライスキャップ制のお話もありました。いろいろ新聞等では、この問題の対応が必ずしも納得のいくものでないというような指摘もあるようでございます。また、英国の公益事業あるいは米国の電気通信事業、こういうようなところにもプライスキャップ方式というものが入れられているわけでございまして、おのおの一長一短あるのだろうとは思いますが、またひとつ国民が納得がいけるような、そしてまた関係者が納得がいけるような対応をぜひお願いをいたしたいと思っております。  さて次に、これは、今度は会社立場に立った要請になるようでもありますが、JRの本州三社に対しまして、平成八年度をもって打ち切りとなります固定資産税等の特別措置でございますか、これにはどうもやはり激変緩和対策ということを取り入れる必要があるのじゃなかろうかと思っておりますが、この点に対する固定資産税等の取り扱いについては、今後の見通し、どうなっておりますか。
  66. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 国鉄改革に伴いまして、JRの税負担の急増を緩和するという観点から、JR本州三社が国鉄から承継しました事業用資産などについての固定資産税と都市計画税の特例がございます。それから、北海道、四国、九州につきましては、これに加えていわゆる三島の特例といったような措置もございます。それから、当然、貨物につきましてもこの承継の特例がございます。  このような税制上の特例、御指摘のとおり平成八年度までの措置とされているところでございまして、この措置の取り扱いが私どもにとりましても大きな問題だと思っておりますが、まずJRはこの措置の継続につきまして大変強い希望を持っております。今後、この問題につきましては、運輸省といたしましては、来年度の税制改正要望の中でどのように取り扱っていくか、事業者の要望等も踏まえながら適切に対処してまいりたいと考えております。
  67. 坂上富男

    坂上分科員 これは運輸省の方としても税制調査会に強い要請をしたいところだろうとは思っておるわけでございます。私も税制にかかわっておりますので、ぜひ運輸省の方からもこういう点を強く強調してもらいまして、まだまだJR会社は安定をしたとはなかなか言い切れないわけでございますので、いわゆる本州三社の激変緩和、あるいはJR北海道、四国、九州あるいは特にJR貨物、こういう会社に対する固定資産税の特別措置というのは、本当にまだまだ、延長されても会社の実態から見て私はもっともだと理解をしている一人でございますので、ひとつ運輸当局もこれに対する努力をさらにきちっと対応していただくようにお願いをしたいと思っております。  さて、その次でございますが、モーダルシフト推進の立場からインフラ整備を積極的に推進をするため、私は、東海道線における貨物輸送力の増強、これを図るべきではないかと思っておるのでございますが、今運輸当局はこの点についてどういうお考えでございますか。
  68. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 国内の貨物輸送におきますトラック輸送への依存度の高まりによりまして、近年、環境問題であるとか、あるいは道路混雑問題などが大きな問題として顕在化しているという状況でございます。  このような状況から、私どもの方では、この問題を克服して円滑な物流を確保していくために、 中長距離の貨物輸送の分野におきましては、先生指摘のような、大量輸送機関である鉄道へのモーダルシフトを推進していくというようなことで施策の展開を図っていっているところでございます。  その一環といたしまして、何といいましても、JR貨物貨物輸送の大動脈でございます東海道線でございますので、この東海道線におけるコンテナ列車の長大編成化、このための施設整備につきまして、現在、鉄道整備基金から無利子貸し付けを行いまして、これによりまして貨物輸送力の増強を図っているというような状況でございます。
  69. 坂上富男

    坂上分科員 ぜひ御努力お願いをいたしたいと思っております。  それから、いま一つ、税制のところで言えばよかったのでございますが、JR貨物の車両の更新投資についてでございますが、これの税制上の支援措置をどういうふうに講じられているのか。実態はどうなんでしょうか。
  70. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 JR貨物が長期保有の土地などを譲渡いたしまして鉄道用の貨車を買いかえるといった場合の法人税の課税の特例措置、これにつきまして、この措置を一年延長して認める、こういった内容の税制改正の法律案が国会に提出されているところだと承知しております。こういう措置によりまして、JR貨物施設整備が進捗されるようにしていくといったような措置を講じているところでございます。
  71. 坂上富男

    坂上分科員 大臣、ちょっと問題点を私は私なりに御指摘を申し上げたわけでございます。極めて専門的な話でもございましたものですから、なかなか御理解をいただくには容易じゃないとは思いますが、運輸大臣立場において、ひとつこの点、今申し上げました整備新幹線と、あるいはまた現に営業しておりますJR全体についての御所見を賜りたい、こう思います。
  72. 亀井善之

    亀井国務大臣 先ほど御指摘の新幹線の問題につきましては、新しい基本スキーム、これを八年中に、こういうことで努力をしてまいりたい、また、関係のところにおきましてもいろいろお考えをおまとめいただいておるわけでありまして、進めてまいりたい、こう思っております。  それから、JR関連、モーダルシフトの問題、物流の問題として、トラック輸送、この問題とあわせて環境問題や道路の混雑、こういうことでモーダルシフトを進めていかなければならない、このように考えておるところでありますし、また、それへの対応努力をしてまいりたい。  また、いわゆるJR関係の税制の問題につきましては、それぞれの会社、大変経営が厳しい環境にあるわけでありまして、いろいろ税制の面でも運輸省としてもお願いをしておるところでもございますし、今後の推移、こういうものを踏まえて、十分適切な対応というものができるよう、引き続き努力をしてまいりたい、こんなように考えております。
  73. 坂上富男

    坂上分科員 ありがとうございました。  さて、ちょっと今度は問題を変えまして、先般、鉄道共済年金、あるいはまたこれに関連する各年金が一元化されました。非常に関係者は喜んでおるところでございます。  まず、この実態、決まりました内容を少しお話をいただきたいと思っていますが。
  74. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘の鉄道共済の問題でございますが、平成七年の七月に、鉄道共済を含む旧公共企業体の共済を厚生年金に統合する、こういったことを基本的な内容とする公的年金制度の一元化に関する懇談会の報告がまとめられまして、八月に公的年金制度に関する関係閣僚会議においてこれが了承され、これを受けまして現在、政府部内で、鉄道共済を含む旧公共企業体の共済を厚生年金へ統合するための措置を平成九年度から実施するということで準備作業を進めているという状況にございます。
  75. 坂上富男

    坂上分科員 私も鉄道にいろいろと友人もおり、またいろいろのかかわりがありまして、大変御意見も賜っているわけでございます。  翻って、戦前からの事態を見てみますると、例えば満州鉄道あるいは中華鉄道、そういうところから皆様方が引き揚げてこられまして、いわゆる国鉄時代において、たくさんの人を受け入れたわけでございます。本当に国鉄は、いわゆる国家全体の立場に立って、ずっと苦労しながら運営をしてきたわけでございます。そこに働く鉄道の皆様方も、低賃金の中、あるいは労働条件悪化の中に、まさに歯を食いしばって御努力をなさったわけでございます。そして、その結果、いろいろと業務形態を変えるということで分割・民営という形になったわけでございます。これも本当に皆様方がいろいろの苦難を耐え忍んで、いわゆる鉄道再生のために御努力をいただいたわけでございます。  そういうような状況でございまするから、この鉄道共済年金の原資も本当に今大変な状態になったことも知っておるわけでございます。そんなようなことから一元化問題が取り入れられて、どうやら体制ができ上がったというような感じがしておるわけでございます。  私も、いわゆる鉄道で働いた、御苦労なさった、退職をした皆様方と接する機会が大変多いわけでございます。去年からことしにかけましても、年末年始あるいはいろいろの会合で接することが多うございまして、また、こういう方々の未亡人の方々とも接触する機会が多いわけでございます。こういう皆様方から何を言われるかというと、坂上さんは国会にいるのだから、しかも予算委員なんだから、私たちの年金、これひとつ頼みますよ、一円でも多く値上げをしてくださいよと、本当に切実に訴えらえます。私は、その訴えを聞くたびに心新たにいたしまして、国会での活動の中で心して努力をいたしておるわけでございます。  そんなようなことで、いわゆる共済年金が新たな出発ということになるわけでございますが、私は言っているのです。皆さん方の財源は確保するようになりました、今度は一円でも多く値上げするように努力しますからと、こう言っておるわけでございますが、そんなような状況でございます。  鉄道に働いた皆様方は、最後の余生を年金によって生活をしておるわけでございます。これらの年金をもらっておる皆様方が不安で不安てしょうがない。だから、この不安をまず解消してあげる、そしてその上に立って一円でも多く値上げをしてあげる、これがこれらの人たちへの期待に対する私たちの回答なのでございますが、なかなか思うようにいかぬことが現実でございます。本当に長い間鉄道で頑張っていただいた皆様方へのせめてものを後の保障を、少しでも安心をしていただくように私たちは努力しなければならぬ、こう思っておるわけでございます。どうぞそういう観点からも、運輸省からもまたひとつ頑張っていただかなければならぬと思っておるわけでございます。  大臣、そういう点についてもひとつ御所感を賜りたいと思っております。
  76. 亀井善之

    亀井国務大臣 今先生からいろいろお話しいただきました。まさに私も関係者皆さん方から同じようなお話を承り、いろいろ御苦労いただいた先輩の皆さん、またいろいろ御努力もされてきたわけでもございます。そのような趣旨に沿うような努力をしてまいりたい、このように考えております。
  77. 坂上富男

    坂上分科員 済みません、ほんの一分ばかり時間をいただきたいと思います。時間が終了しているのでございますが。  私、新潟県でございますが、上越新幹線が通って大変便利で、利用させてもらっておるわけでございます。今また長野県を通るところの北陸新幹線が工事をなされておるわけであります。直江津と長岡の間、この間がいわゆる信越線が通っておるわけでございますが、ここでいわゆるミニ新幹線の運動が、もう十年以上前から運動がなされておるわけでございます。これは突然の質問でございますからあるいは答弁御迷惑かもしれませんけ れども、住民運動としては大変な運動が、努力がなされておるわけでございます。  ぜひこの運動にも運輸当局は御理解を示していただきまして、いろいろ問題があろうと思います、あろうと思いますけれども、長岡と直江津、それで北陸新幹線と上越新幹線、これができ上がりますと、いわゆる山手線のような循環といいますか、そういうような新幹線という形にもなるわけでございまして、私はそれをどういうふうになるだろうと思って興味深く思っておるわけでございます。その部分が長岡−直江津間でございまして、その辺について今答弁せいと言ったって無理でございましょうが、ひとつ御理解をいただきまして、一言だけ、これに対する感想を、どちらでも結構でございますが、ひとつ御答弁いただきたいと思っていますが。
  78. 谷川和穗

    谷川主査 時間が参っておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
  79. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま先生指摘の線は北越北線の問題だろうと思います。北越北線は、実は在来鉄道でも最高にスピードが出るように高速化された鉄道として整備されておるところでございますが、先生指摘の点は引き続きまた検討させていただきたいと思います。
  80. 坂上富男

    坂上分科員 ありがとうございました。
  81. 谷川和穗

    谷川主査 これにて坂上富男君の質疑は終了いたしました。  次に、西博義君。
  82. 西博義

    ○西分科員 新進党の西博義でございます。  初めに、大臣の方に、総合交通体系の全般について若干御質問をさせていただきます。その後に、大臣の御答弁をもとにして個別の問題を少し関係当局の方にお願いをしたいと存じます。  私は和歌山県の選出でございまして、大臣も御存じのように、紀伊半島というのは大変大きな半島ゆえ、不便さもまたひとしおのところでございます。そういう意味で、地元で知事、市長、いろいろな人にお話を伺っても、和歌山県の最大の政治課題はやはり半島性の脱却だな、こういうところにいつも落ちつくわけでございます。そんな意味で、この交通政策、特にこれから将来にわたっての青写真と申しますか、そういうことが大変私ども大きな関心を寄せているところでございます。  手元に若干資料もちょうだいしたのですが、平成三年六月に提出をされております運輸政策審議会の「二十一世紀に向けての九〇年代の交通政策の基本的課題への対応について」、この答申が目下の一つの大きな指標ではないかと私も思っておるわけでございますが、この答申、大臣はどのように評価をなされて、また、これを具体化するためにどう政策の中に反映させていらっしゃるかということを、大まかにひとつ御答弁お願いいたします。
  83. 亀井善之

    亀井国務大臣 平成三年の運輸政策審議会の答申にあるとおり、交通サービスの提供は市場原理によることを基本とすべきであるのでありますが、それだけでは国民経済社会上の必要性に十分こたえられないことが生じますので、そのような場合には政策的な対応が必要ではなかろうか、このように認識をいたしております。  具体的な施策の内容、こういう面では経済社会の状況や国民のニーズを勘案して決定すべきものと考えますが、現時点においては、国民生活の向上や国際化の進展を図るために必要な運輸関係社会資本の整備や安全・環境対策の充実が必要である、このように考えます。  また、施策の実施に当たっては、関係省庁と緊密な連携をとることが必要でございまして、具体的には、運輸省と建設省の間では港湾整備と連携した道路整備等の諸課題について協議会を設けるなどいたしまして、円滑な施策の実施に配慮しているところであります。
  84. 西博義

    ○西分科員 私も、十分ではございませんが、若干前半のところを読ませていただきました。この総合交通体系を構築する上で大変御苦労されているわけでございます。そして「おわりに」、四十六ページにございますが、このように書かれております。「市場原理によることを基本とすべきである。」これは先ほど大臣から御答弁いただいたとおりでございます。「しかしながら、現実には、市場原理それ自体に問題がある場合もあり、また、市場原理が有効に働かない場合もあるので、各種政策手段を講じることにより、市場原理を補完したり、市場原理が有効に働くための環境整備を行う必要がある。」こういう答申の言葉が述べられております。  確かに、交通政策全般をとってみますと、建設省が道路を中心に、また運輸省港湾それから空港等を中心にインフラ整備をしていく、このことは大変大事なことでございますが、それを利用するのはどちらかというと民間が、トラックの場合もそうですし、飛行機それから船の場合も民間が市場原理にのっとって活用していく、こういう構図になるわけでございます。  そういう意味で、具体的に政府の役割がどの程度反映されていくかということが一つは大変大事なことであろう。と申しますのは、青写真をつくり具体的に整備をしましても、それがうまく市場原理に乗っていけるかどうかということが非常に大事な内容になってくるのではないかと思います。  同時に、先ほど大臣からお話があったとおりでございますが、今、私ども地元でも、鉄道と国道が交差しているいわゆる踏切のところで立体交差にしたい、どちらがどうするか、どちらを上げるか、その負担割合はどうなるか。こういうような問題だとか、それから河川敷の上に道を通したい、建設省の河川局との問題がございます。また具体的な問題として、和歌山方面から関西国際空港に直行で入っていく鉄道、乗りかえはできるのですが、直行で入っていく鉄道のレールをつくっていただきたい。私鉄もJRもそうですね、そういう問題。これは運輸省並びに民間との関係が出てくるだろうと思いますが、総合的に見ますと、解決されなければならない問題がこのようにたくさんあるわけでございます。  それで、一体どこがリーダーシップをとっていくかということになりますと、やはり全体的な交通体系からいたしますと、運輸省の役割というのは大変大きいのではないかなというふうに思うわけでございます。そういう他省庁との協力体制をどう実現していくか。それから前半の質問は、市場原理を踏まえて、運輸省として具体的にどう役割を果たしていくか。この二点について、大臣の御所見をお願い申し上げます。
  85. 亀井善之

    亀井国務大臣 施策の実施、先ほどもちょっと申し上げましたが、関係省庁あるいは地方公共団体とのいろいろな連携、こういうことが必要でありまして、それはやはり何と申しましても、それぞれ利用される皆さん方の御意向というものも十分加味しなければならないわけでありまして、なかなか難しいところもございます。特に、私どもといたしましては、港湾の問題等々につきましては、やはり先ほど申し上げました道路との関係というのが非常に強いわけでありまして、協議会を設ける、こういうようなことで現在やっておるわけであります。  さらに、この答申、施策を実施するに当たって、極力いろいろな関係を密にして実施ができるように努力をしてまいりたい、こう思います。
  86. 西博義

    ○西分科員 ありがとうございました。ぜひ、運輸省の積極的なリーダーシップをお願い申し上げたいと思います。  話は変わりますが、今行政の行う政策決定につきまして、どういう政策を実現するために具体的な予算を執行するか、こういうことに大変国民の関心が高まっていると思います。地方にもかかわる政策が、いろいろな目的、またいろいろな方法で具体的に決定され、執行されていくわけでございますが、そういうことを明らかにしていくことが国民皆さんの関心にこたえるということにもなるのではないかというふうに思います。  少し個別具体的なことを申し上げながら、運輸省がどういうふうにして政策を決定していくのかということを御答弁願えればというふうに思って おります。  まず初めに、港湾整備事業についてお伺いを申し上げたいと思います。  本年より新たに第九次の港湾整備五カ年計画が始まるというふうにお伺いをしております。これは、二〇〇〇年までの港湾整備の基本となる大変重要な政策でございますが、まずその概要についてちょっとお伺い申し上げたいと存じます。
  87. 栢原英郎

    栢原政府委員 平成八年度を初年度といたします第九次の港湾整備五カ年計画におきましては、国際競争力を持った物流ネットワークの形成、震災等の災害に強い、信頼性の高い空間の創造、そして活力と優しさに満ちた地域づくりを推進するということを目標にいたしまして、投資のあり方としては、投資の重点化、あるいは道路、空港等、他事業との連携強化などに配慮しながら港湾整備を推進したいというふうに考えております。  このうち、第一の国際競争力を持った物流ネットワークの形成におきましては、コンテナ船の大型化等が進む中で、国際コンテナ港湾競争力の強化のため、大水深コンテナターミナル整備を進めるとともに、国内の輸送におきましても、労働力の不足や環境の悪化あるいは交通混雑の解消等に資するべく、運輸省で進めております幹線の貨物輸送、物流をできるだけ鉄道あるいは海運に移していこうというモーダルシフト政策を推進するために、海上輸送の受け皿となるTSLなどへの対応も考慮した内貿ターミナル整備等を推進していきたいというふうに考えているところでございます。  今後、港湾整備緊急措置法の一部改正、あるいは港湾管理者からその枠に沿ったヒアリング等を経まして、本年十一月ごろを目途に五カ年計画を閣議決定していただく予定にしております。
  88. 西博義

    ○西分科員 ただいま御答弁のございましたTSLについて、もう少し詳しくお伺いをしてまいりたいと思います。  平成元年から、運輸省が中心になって国家的なプロジェクトとして開発を続けてきたこのテクノスーパーライナーでございますが、今二隻の実験船が運航実験も順調に進んでいるというふうにお伺いをしておりますが、この実用化に向けて今後乗り越えていかなければならない問題点、さらに、その問題の解決のために今後政府はどういうふうに取り組んでいくのか、さらに、一体実用化は大体いつごろをめどにというところを教えていただきたいと存じます。
  89. 小川健兒

    ○小川(健)政府委員 テクノスーパーライナーの研究開発でございますが、平成元年度から進めておりまして、平成六年度で基礎的な技術の確立ということを達成しております。それで、本年度、平成七年度は、その運航技術の確立を目指し、総合実験というものを実海域模型船で実施したところでございます。  今後はテクノスーパーライナーの事業化が課題になるものと考えておりますが、このため、来年度、テクノスーパーライナー事業化支援のための総合的調査を実施することにしております。これは、モデル事業計画の作成と評価、対応する港湾施設コンテナ検討等を行う予定にしております。  運輸省としては、これらの検討結果を踏まえて、平成九年度以降においてテクノスーパーライナーの実用化が早期に図られるよう、全省的に取り組んでまいりたいと思っております。
  90. 西博義

    ○西分科員 大変順調で、しかも非常に近い将来実用化される予想ということでございますが、最終的には、このテクノスーパーライナーを運営していくのは民間だと思うのでございます。そういう意味では、先ほど大臣からも御答弁のありました市場原理にのっとってこれから進んでいくわけでございますが、本格的な実物サイズのTSLはまだできていないと思いますが、大ざっぱに、一隻当たりどの程度の費用がかかるものか、一体だれが負担をするのか。と申しますのは、先ほどの市場原理との関連で、民間が事業主体でございますが、何らかの運輸省並びに政府のこれからのモーダルシフトをにらみながらのてこ入れのようなものがあるのかどうか、この辺についてお伺いをしたいと思います。
  91. 小川健兒

    ○小川(健)政府委員 まず最初に、テクノスーパーライナーの建造費についてでございますが、これは個々のルートで事業化に当たり必要となる船の性能、仕様、それによって大きく異なるため、実際に幾らかかるかというのは一概には言えないと思います。千トン積みで百億強かかると一応言われております。  その支払いは、やはり契約自体は造船会社事業主体とで決められるものでございますが、ルートによってかなりの差があるものと思われます。性能によってです。
  92. 西博義

    ○西分科員 財政支援の方は何かお考えのようなものはございますか。
  93. 小川健兒

    ○小川(健)政府委員 先ほどちょっと申し上げましたが、来年度、個々のルートについての可能性について総合的な調査を行うことになっておりまして、その検討結果を踏まえて、どういった支援ができるか、その辺を検討してまいりたいと思っております。
  94. 西博義

    ○西分科員 寄港地になるためにはさまざまな条件が必要だと思うわけでございますが、もちろん和歌山県も、何とかそういう一つの新しいモーダルシフトの拠点をぜひつくっていただきたいという要望もあり、我々も一生懸命に頑張っておるわけでございますが、その点、特にこれからこういう条件が必要であるということがございましたら、お教えを願いたいと思います。
  95. 小川健兒

    ○小川(健)政府委員 テクノスーパーライナーの寄港地としての条件、いろいろ言われておりますが、最低限そのルートで貨物が必要量確保されるということ、それからそのルートで事業主体がきちんと整うということ、そのほか港湾機能が確保される、そういったことが必要条件になるのではないかと思っております。
  96. 西博義

    ○西分科員 私は、実は昨年の二月二十日の予算委員会分科会で、阪神淡路大震災のことに関連して御質問申し上げたのですが、そのときに、当時神戸地方を中心に交通が寸断をされました。そのことに関連して、やはり新しい国土軸が必要なのではないか、いわゆる太平洋新国主軸のことについて提案を申し上げ、大臣からは積極的な御答弁があったところでございますが、何しろビッグプロジェクトで、かなりの年月を要するわけでございます。  そういう意味で、あの構想は、例えば和歌山から淡路淡路から四国に渡りまして九州にというコースでございますが、その太平洋を海上ととらえますと、太平洋新国土軸はとりあえずテクノスーパーライナーを中心にしてできるのかな。それだけのスピードとそれだけの利便性を兼ね構え、特に物流という物の輸送という意味では、災害時、特にああいう大きな交通が寸断されるというようなときには十分使い得るのかな、こういう気持ちも持っておるわけでございます。  和歌山県においても、このテクノスーパーライナーの寄港地を何とか整備をしていただきたい、こういう思いで、昨年、ことしにかけてそれぞれ調査費をつけて、TSLの貨物輸送システム構築調査というようなことをやっているところでございます。  先ほど申し上げましたように、四国にも非常に近いところでございますし、また大阪湾岸にも大変近くて便利なところでございます。関空にも近い。こういう条件も備えておるわけで、私どもも、今御答弁いただきました条件を備えるべく積極的に今後も努力をしていく所存でございますが、どうか地元のお気持ちを酌んでいただきまして、よろしく御推進のほどを運輸省としてもお願いを申し上げたいと存じます。  次に、空港整備事業についてお聞きをしたいと思います。  おかげさまで南紀白浜空港が、本当に運輸省当局の御尽力また関係各位の御努力によりまして、三月九日、千八百メートルの新空港完成をいたします。私も招待をいただきまして参加する予定 にしておるわけでございます。  早速といっては何でございますが、ようやくつくっていただいたのでございますが、空港等の一覧表を見ますと、二千メートルというのが、もちろん千メートルクラスの小さな空港もございますが、ジェット機を乗り入れるということを考えますと、二千メートルというのが一つの標準のような感じがいたしておるわけでございます。  地元の方でも、ぜひあと二百メートル延ばして二千メートルにしていただけないかという要望を賜っておるわけでございますが、山の頂上で、非常に地理的には窮屈なところにぎりぎりで建てておるわけですが、延長が技術上可能かどうか教えていただきたいと存じます。
  97. 黒野匡彦

    黒野政府委員 やっと、この三月九日にジェット化ができるわけでございます。それで、さらにこれを二千に延長するということにつきましては、県の方から若干お聞きしております。技術的には特に問題があると我々認識しておりません。ただ、着陸誘導装置を置く場所が若干変則的なことにならざるを得ないのかな、これは我々の専門用語でオフセットと言っておりますが、そういうことは必要ではないかなと思っております。
  98. 西博義

    ○西分科員 技術的にはオフセットというか、誘導装置を少しずらしていただいて、誘導装置の占めている部分を滑走路に活用できれば、うまく何とか二千メートルとれるというふうなことだと思うのです。それ以外に、やはり二千メートル、またさらに二千五百メートルとかいういろいろなクラスがあるようでございますが、この延長を実現させるのに必要な条件といいますか、地元としてこういうことはぜひクリアしておいていただきたい、こういう要素もやはり勘案することが大事ではないか、最終的には七次空整の範疇に入るかどうかということだと思うのですが、地元としてこういう条件はというようなことがもしございましたら、一言お教え願いたいと思います。
  99. 黒野匡彦

    黒野政府委員 八年度から始まります第七次の空港整備五カ年計画、この中にどんな空港整備計画を入れるか、今全国空港の管理者、これは主として県でございますけれどもお話を伺っております。何分にも非常に厳しい枠の中で、言葉は悪いですがどう押し込めるかという悩みがございまして、やはり幾つかの中で優先順位というのを我々はつけざるを得ないと思っております。  その際に一番大事なのは、やはりそれだけの資金を投下しても生きるだけの需要があるかどうか、つくった後本当に利用していただけるかどうかでございます。また、急いでやるだけの必要性があるかどうか、県の計画そのものが妥当な規模になっているかどうか、その辺を総合的に検討した上で結論を出させていただきたい、かように思っているところでございます。  繰り返しますけれども、やはり需要が本当にあるかどうか、ここが第一のポイントだと思っております。
  100. 西博義

    ○西分科員 紀伊半島の南部、紀南地方と私ども呼んでいるわけでございますが、高規格道路もようやく来月三月の末に御坊まで開通をするという段階でございますが、白浜さらには勝浦、新宮と延ばしていくにはかなり長い年月を要するということになります。  また一方、鉄道網にいたしましても、これも運輸省さんの大変な御努力のおかげで、天王寺からそのまま新大阪まで直通できるようにしていただきまして、便利にはなったのでございますが、これも白浜まで三時間、また南まで行きますと四時間、五時間という長い時間がかかってまいります。そういう意味で、空路というのは大変、特に紀南地方の皆さん方にとっては大事な足でございます。  おかげさまで、紀北といいますか、北側の和歌山市を中心とする地方では、関西国際空港完成いたしましたので、大変便利な足ができました。和歌山駅から三十分に一回ずつリムジンバスが発車しておりますが、その光景を見ながら、本当に時代は変わったなということを痛感し、大勢のお客さんが関空に向かっている姿を日々拝見しておるわけでございますが、そういう意味で、この南紀白浜空港、一層の充実をお願いできれば、こう思う次第でございます。  和歌山県として、将来リゾート立県を目指すという一つの大きな方向性も出しているようでございます。将来中型ジェット機が二千メートルグラスになると入る可能性がある、こういうふうにもお聞きをいたしましたが、滑走路の延長につきましても、私どもも、また最大限地元も応援できる部分は努力をさせていただきますので、運輸省当局といたしましても、どうかよろしく前向きに推進をしていただきますようにお願いをいたしまして、少し時間はまだ残っていると思いますが、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  101. 谷川和穗

    谷川主査 これにて西博義君の質疑は終了いたしました。  午後一時から当分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。    午後零時一分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  102. 谷川和穗

    谷川主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  運輸省所管について質疑を続行いたします。山口那津男君。
  103. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 新進党の山口那津男でございます。  私は東京都の葛飾区に在住をいたしております。都心から見れば東側ということになるわけであります。大臣は神奈川県の御出身であられますから、都心から見れば西側ということになるわけですね。いずれも東京圏、首都圏に属するわけでありまして、この地域のさまざまな経済基盤あるいは大都市の基盤というものの整備については日ごろから強い関心をお互いに持っているわけでありますけれども、きょうは大都市の交通基盤の整備についてお伺いをいたしたいと思います。  昭和六十年の運輸政策審議会において、東京を中、心とした首都圏の交通網の整備についての答申がなされたわけであります。幾つか実現をしているものもありますが、いまだに着手していないものもあるわけです。この計画の実現の見通しについて、その概要についてまずお答えをいただきたいと思います。
  104. 亀井善之

    亀井国務大臣 委員指摘のとおり、委員は東側、私は西側というようなことで、東京に参りますのにも、車が大変渋滞する一面、途中で今度は電車に乗りかえなければいかぬような生活をしております。そういう中で、通勤時の混雑という中でなかなか新聞を読むことができない、足が時にはついていないような混雑を体験しておりまして、混雑緩和のために努力をしなければならない、このような共通の認識を持っておるわけであります。  特に、いわゆる運政審の第十三号答申等により、今後おおむね十年程度で一八〇%にしよう、こういう目標になっておるわけであります。しかし、なかなか首都圏の混雑率はそうもいかないような状況で、何とか平成六年度で一九四%、こういうことになってきておりますものの、相当まだ混雑は厳しいわけであります。  そこで、今後とも、いわゆる地下鉄を初めとする都市鉄道の計画的かつ着実な整備が不可欠でございます。公的助成の拡大とか特定都市鉄道整備準備金制度の活用等により、新線建設あるいは複々線計画計画路線の整備を着実に進めるということが私ども当面の課題だと思っておりますし、いろいろな厳しい状況はありますけれども、これをぜひ進めてまいりたい、このように考えております。
  105. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 今の大臣の御答弁にありましたように、努力はしているけれども、その答申の実現については、私が調べたところによれば、大ざっぱなことを言いますれば、三分の一が実現をした、三分の一が現在進行中である、そして残りの三分の一がまだ着手されていない、このような状況かと思います。  その着手をされていないものの一つとして、営団地下鉄八号線というのがあります。これはいわゆる有楽町線と言われているものでありますが、これが途中でとまっておりまして、江東区あるいは墨田区、葛飾区、最終は亀有まで来るという予定になっておるわけでありますが、この区間が着手されていないわけでありますね。これは一部十一号線との共用区間もあるわけでありますが、これが実現をいたしますと、東京東部の混雑緩和に多大な貢献をすると私は考えております。  この八号線の現状と今後のこの実現の見通しについて、これは、免許申請をしてからいまだに認可がおりていないということも、関心を持つ者にとっては不安の材料でありますが、この点についての見通しをお伺いしたいと思います。
  106. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま先生指摘の八号線でございますが、御指摘のとおり昭和五十七年一月に免許申請が出されております。豊洲−亀有間、十四・七キロということでございます。この線につきましては、私どもは通勤通学の混雑緩和あるいは地域の活性化などの観点から重要な路線と認識いたしております。  営団におきましては、七号線と十一号線、現在建設中の十一号線の延伸でございますが、この両線に引き続きまして建設を行いたい、こういう考えでございます。  現在の段階では、その具体的な時期につきましては、一つは、事業採算性等に関する検討が正直に申し上げましてなかなか自信を持った見通しがつきにくいというのが一点、それから、関連いたしますけれども平成七年の特殊法人の整理合理化に関する閣議決定に基づく営団の民営化の問題というのも関連してまいりまして、まことに残念なことではございますが、今のところでは具体的な見通しを明らかにすることができないという状況でございます。
  107. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 今、八号線についての採算の自信が確立されてない、こういうお話と営団の民営化のお話とが出ました。採算については、今の路線だけを考えてみたときにはなかなか現時点では自信が持てない、こういう認識もあろうかと思いますけれども、しかし、近年亀有地区は再開発が成りまして、ことしの四月から整備完成をして、いわば集中拠点となり得る状況が整いました。それから、押上、四つ木からこの亀有にかけての周囲の都市基盤の環境という面でもかなり改善をされつつあるわけであります。さらに申し上げれば、これから先常磐新線が整ってまいります。これは大規模宅地の開発ということを背景にいたしておりますので、東京東部、埼玉県そしてまた千葉、茨城、こうした広範な地域の開発が可能になってまいります。  そうしたときに、亀有でとめるというのではなくて、そこから先、こうしたこれから人口増が予定される地域とのアクセスというものを考えた場合に、亀有から先の思い切った延伸ということも視野に置けば、私は採算の点では別な考えというものも生まれてくるのではないか、こう思うわけですね。そうした広い視野に立って少し中長期的な視点も含めて鋭意御検討いただきたい、こう思います。  それから、営団の民営化の問題でありますが、この点について以前私も御質問させていただきましたけれども、特殊会社を設立して、ある一定期間の後、五年程度をめどにされておられるようでありますけれども、その後に完全民営化を目指したい、こういうもくろみであります。これが、亀井静香元運輸大臣答弁によりますと、民営化あるいは特殊会社化等によってこれらの計画がスローダウンするようでは困る、そうであれば何のための民営化かわからないという御答弁もいただきました。でありますから、これが後退させる面での民営化では困るわけでありまして、財源の確保というのは容易ではないということはわかりますけれども、そうした計画効果というものに十分着目して、財源の問題にはさまざまな工夫を凝らして、この民営化を契機にいたして実現に努力していただきたい、こう思うわけであります。  今御指摘されました採算の面と民営化の面について、今後の御努力期待するわけでありますが、その点についてのお考えを確認したいと思います。
  108. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 採算の面につきましては、ただいま先生指摘の、いろいろな今後の環境整備に伴う状況の変化も十分勘案して検討していくべきだと思いますので、私どももその方向検討させていただきたいと思います。  それから、営団の民営化との関連でございますが、当然のことながら、特殊会社化を図ります際に、首都圏の地下鉄網の整備に対する助成措置をどうするかというのは極めて大きな問題でございまして、この点につきまして、私どもも十分検討しなければならないと思っております。また、その検討を含めた上でその特殊会社化を図るということになっておりますので、地下鉄網の整備の重要性も十分認識しながら、この点について検討していきたいと考えております。
  109. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 次に、営団地下鉄の十一号線、これはいわゆる半蔵門線と言われるものであります。これについてお伺いいたします。  現在、水天宮前から錦糸町を経て押上までの工事が進められております。おおむね二〇〇〇年ごろに完成予定と伺っておりますけれども、これも延伸の計画がありまして、押上から松戸へ延びていく、こういう計画があるわけであります。そして一部は、押上から四つ木にかけては八号線と共用される、こういう計画でもあるわけですね。私は、これは現在の常磐線、千代田線の非常に激烈な混雑、これの緩和ということを考えますと、この十一号線も非常に大きな効果がある、こう思っております。  そうした点で、私は八号線よりも十一号線の方が、効果の点でも実現の可能性という点でも、可能性が高いのかなと思うわけでありますけれども、この十一号線の整備の現状、延伸についてあくまで伺うわけでありますが、それと今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
  110. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 十一号線につきましても、通勤通学輸送の混雑緩和であるとか、あるいは地域の活性化という観点から、重要な路線だと認識しております。この線につきましても、基本的に八号線の場合と同様でございますけれども、十一号線、現在、水天宮前と押上間が建設中でございますが、この延伸の問題につきましては、七号線それから現在建設中の十一号線、これに引き続いて行うというような基本的な考え方に立っております。  ただ、この具体的な展望につきましては、先ほど八号線で申し上げましたのと同様の事情で、現在の段階では余り明らかに見通しをすることができないという状況でございます。
  111. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 八号線と同様の事情というと、採算の面と民営化に伴う投資財源の捻出、この二つの問題が横たわっているのだろうと思いますが、これを、例えば一定期間内に二つとも完成させよう、同時並行で完成させようとすれば、これは採算の点では問題が出てくるかもしれませんが、しかし、それぞれの効果期待して、いわば優先順位をつけるという考え方をもしとれば、その点ではこの問題はある程度クリアできるのではないかとも思うわけですね。その点で、優先順位をつけるというようなお考えが今おありかどうか、この点はいかがでしょうか。
  112. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 一般的に申し上げまして、確かに、要望がございます。その線区を一緒に、同時期に手がけていくというのはとても難しいことだと思います。したがいまして、着手するといった場合は、いずれ優先順位をやはりつけざるを得ないと思います。  今の段階でこの優先順位、未着工路線につきましての優先順位というのは決まっておりませんけれども、一般論を申し上げますと、その計画の熟度であるとかあるいは緊急性、採算性などを総合的に勘案して判断していくということになろうと思います。
  113. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 その場合、八号線と十一号 線、共用の区間があるわけですね。ここを全く時期を別にして別々に工事をするというのは、これは非効率きわまりないと思うわけであります。ですから、この間の工事をやるとすれば、これは当初から共用を目指した形での工事というものが財政効率上も望ましいだろう、投資効率上も望ましいだろうと思うのですね。この点についてどうお考えでしょうか。
  114. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 確かに共用区間がございますので、未着工路線のこの八号線、十一号線の問題、この未着工区間について着手をする場合は、確かに他の線をどうするかということを踏まえた上で検討すべきだと思います。
  115. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 将来、仮にその優先順位検討することがあるとしても、私は、この共用区間のところまでは両方そろえてぜひやっていただきたい、こう思います。  そこで、次に、東京では都心を中心に放射状の鉄道整備というものが従来進められてまいりました。ところが、環状的な面は、山手線一つありますけれども、そのほかには武蔵野線というのも、全部かどうかわかりませんが、環状交通網だと思います。しかし、まだまだこの環状交通網の、鉄道網の整備というものは図られなければならないだろうと思うのです。  ただ、都心に近くなればなるほど新しい線路敷用地等を確保するのは膨大なコストがかかりますので、これを少しでも軽減するとすれば、現在ある環状道路を利用した鉄道整備というものが当然考えられていいと私は思うわけですね。現実に、環状八号線あるいは環状七号線等の道路を利用して、エイトライナーとかメトロセブンとか言われるような構想が考えられ、研究中である、こう言われております。  東京都が提言をいたしました「二〇一五年の東京への提言」という提言集があります。これは平成六年の十一月に発表されたものでありますが、この中にも、これからの都市の交通基盤整備の重要な目標として、環状の高速鉄道整備というものが盛られているわけであります。  その中で、特にメトロセブン、環状七号線を利用したこの高速鉄道の整備についての研究の状況、それから今後の具体化の見通し等についてのお答えをいただきたいと思います。
  116. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘の環状七号線ルートのメトロセブンでございますが、東京都におきましては、平成三年の東京都第三次長期計画に基づきまして、需要、収支採算性、事業手法、町づくりへの効果など、こういった広範な調査を行っておるというぐあいに私ども承知しております。  この問題への対応としては、私どもとしましては、まず東京都のこの調査結果を踏まえまして、今後の私ども対応ぶり検討していきたい、このように思っております。
  117. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 ぜひ、この点も御努力いただきたいと思うのであります。  エイトライナーと比べますと、その放射路線との結節点がエイトライナーの方が現状では多いわけですね。しかし、その後背地の開発の状況等を見ますと、私は東側の方がポテンシャルが高いと思っております。そして、今指摘されているような八号線、十一号線、常磐新線あるいは舎人新線といったような計画線が順次整備されてまいりますと、このメトロセブンの方も結節点はふえてまいりますし、さっき言ったポテンシャルが現実化いたしまして、採算その他の点でも非常に効率が上がると思うわけであります。ぜひともこの点について前向きに検討していただきたいと思います。  次に、新金線という貨物線がございます。これは新小岩と金町駅を結ぶ貨物専用路線でございます。単線です。これの旅客化ということがかねてから待望がありました。しかし、現実化しておりません。貨物線とはいいながら、最近では、臨時の旅客便がここを通過するということはあるわけであります。ですから、これが技術的に不可能というわけではありません。  そこで、来年度、平成八年度の予算の中で、貨物鉄道の旅客線化事業に対する補助の概要、補助制度というものが盛り込まれているだろうと思いますが、この制度の内容について、概要を御説明いただきたいと思います。
  118. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 平成八年度の政府予算案におきましては、大都市部の都心至近にありながら、住工混在地区であるといったようなことで開発がおくれております貨物鉄道の沿線地域の再活性化、あるいは通勤通学混雑の緩和を図るといったようなことから、幹線鉄道等活性化事業費補助の中に貨物鉄道の旅客線化事業を盛り込んでおります。  この制度は、大都市部におきまして貨物鉄道の旅客線化事業を行います第三セクターに対しまして、線路の新増設、あるいは電化、あるいは駅の新設等に要する経費につきまして、事業費の二〇%の出資を前提といたしまして、国、地方それぞれ一二・九六%の補助を行おうというようなものでございます。  八年度の政府予算案では、大阪の城東貨物線、大阪外環状線と言われておりますが、これの旅客線化を具体的な対象として予定いたしております。
  119. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 運輸省は、かつて国鉄を管理していた関係から、この鉄道事業については経験とノウハウを蓄積されているわけであります。JRに移行しましても、その点はいささかも変わらないだろうと思うのですね。  この制度を活用するに当たっては、第三セクターをつくることが前提になっておるわけでありまして、これをどうつくっていくかということがポイントになるわけであります。その点で、仮にこの新金線をこの制度を使って旅客化するとすれば、それらについて、運輸省がさまざまなその経験、ノウハウ等を生かしてアドバイスをする、行政を指導するというようなことは当然考えていらっしゃると思うのですが、この点についても、念のため伺いたいと思います。
  120. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 この制度の他線への適用というのは今後の問題だと考えますが、現実に適用してほしいというような地域もございます。  こういった問題に関しましては、具体的にはやはりそれぞれのプロジェクトの熟度等も見ながら個別的に検討し、当然のことながら、財政当局とも調整をしていく必要があると考えますが、まずは、やはり基本的には、地元でどのようなシステムで鉄道整備を進めていかれるかというのが、こういった場合の、私ども検討する場合でも基本的に重要なことでございますので、地元のそういった考え方がございましたら、私どももそれに対しまして意見等求められましたら、いろいろ御相談していくということになろうかと思います。
  121. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 先ほど申し上げた昭和六十年の運輸政策審議会の答申、これについて、内容に盛り込まれたものとそうでないものと、今までるる述べてまいりましたけれども、少なくともこれに盛り込まれたものは、西暦二〇〇〇年の完成めど計画されたものであります。しかし、八号線、十一号線、その他につきましても、仮に今から着手したとしても、西暦二〇〇〇年に使えるようになるということは、なかなか難しいだろうと思うのですね。  そうしますと、それから先どうなるかということについて、これはまた次の諮問、答申という手続を経て具体化されていくようになるだろうと思います。そうすると、今の答申に基づく事業を仮に積み残したという場合に、これが次の諮問、答申にどう盛り込まれていくのかという問題、それから、現在の答申後新たに出てきた計画、メトロセブンのようなもの、あるいはその他も含めてですが、これがどのように盛り込まれていくのか。この継承と新規の挿入という点につきまして、お答えをいただきたいと思います。
  122. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 現在の七号答申は、目標年次を二〇〇〇年といたしております。御指摘のとおりでございます。この答申は、一九八五年当時の経 済社会情勢といいますか、そこから将来を見通しをしたものでございまして、当然、今御指摘ございましたように、その後の経済社会情勢の変化がございますので、私どもの方では、このような情勢の変化を踏まえまして新たな東京圏の鉄道整備計画検討する必要があるのではないか、こういう考え方のもとに、現在、勉強を始めたところでございます。  近い将来、こういったような勉強の成果を踏まえて、運輸政策審議会の場でこういった議論が行われるといったような場合には、当然のことながら、先生指摘のような情勢の変化、あるいは、新たにいろいろな地元でのプロジェクトがあるといったようなことも踏まえまして、検討をしていくということになろうかと思います。
  123. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 大臣に伺いますが、この計画路線、そしてまた今後新たに登場する路線、これらについて、ぜひとも大臣の在任中にめどをつけていただきたい。以前私が質問をしたときには、時の大臣あるいは政府委員の方から、この営団地下鉄の八号、十一号については必ず実現をしたい、こういう認識が示されたわけであります。ぜひとも、亀井運輸大臣におきましても、この点の力強い御決意を承りたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  124. 亀井善之

    亀井国務大臣 先ほど鉄道局長からも答弁申し上げましたが、いわゆる七号答申、二〇〇〇年の目標年次、こういうことで、一九八五年当時の経済社会情勢、これは変わってきておりますし、さらに、先ほど来御指摘いただきましたとおり、東京圏の鉄道関係、このような混雑、いろいろ状況も変わってきておるわけであります。  運輸省といたしましても、それらにつきましていろいろ勉強を重ねて、そして、何よりも時代に即応した体制、こういうものを検討してまいらなければならないわけでございますので、これらに向かって鋭意努力をしてまいりたい、このように考えております。
  125. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 最近、首都機能の移転ということが、だんだん像を結んでいきつつあります。この首都機能の移転というのは、細かい内容まではもちろん確定していないわけでありますが、おおむね、首都から三百キロ以内に六十万人規模の移転がある、移動がある、こう言われております。  東京都民の立場からいたしますと、この首都機能移転に必ずしも賛成していないという現状であります。大都市一極集中は、弊害もありますが、さまざまな集積の利益というものもあるわけでありまして、この集積の利益が損なわれる形で首都機能が移転するということには賛成できない、こういう考えの都民が多いわけであります。  そうした中で、この首都機能が移転した場合に、都心部の鉄道整備にどう影響するか、それからもう一つは、移転した先と現在の東京とのアクセスをどう考えるか。この二つの点で、交通網の整備についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  126. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 もう先生十分御承知のとおり、首都機能の移転の問題、昨年の十二月の報告では、二〇〇〇年までに新首都の建設を開始し、その後約十年を目途に新首都での国会開設を目指す、こういうぐあいになっておりますが、具体的なところがまだ当然のことながら決まっておりませんので、正直申し上げまして、影響がどうかというのが、それほど今の段階では具体的に検討できるというような状況ではないという状況でございます。  それから、新しい首都と東京とのアクセスの問題でございますけれども、これもいろんな考え方がございます。できる限り既存のシステムを活用すべきではないかという意見もございます。これもやはり具体的な場所が決まらないと、そこら辺を実態に即して実務的な検討をするのが非常に難しいという状況でございます。
  127. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 確かにお答えのようであります。しかし、予想される課題ではありますので、ぜひこの点についても研究を深めていただきたいと思います。  時間が参りましたので、最後に、新小岩に国鉄の清算事業団の用地がございます。この点については、ある民間の買い受けの要望が出ておりますけれども、これは全面的に買い受けされますと、地域の土地利用との関係で異論も出てくるわけであります。ですから、地域と調和した形でのこの土地の売却、そしてまたその後の開発利用というものが図られなければならないと思うわけであります。  この具体化しつつある処分の行方と、それからその地域の調和、自治体等との調整、この点についての現状の認識と見通しについて、最後にお伺いしたいと思います。
  128. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘の、清算事業団が所有いたしております新小岩の操車場でございますが、これにつきましては、事業団が土地利用のあり方につきまして東京都、葛飾区などと検討を行ってまいりました。平成七年の四月ごろ、私立学校教職員共済組合から事業団に対しまして、総合運動場として使用するために購入したいという要望がございまして、現在のところ、事業団としてはこの私学共済への売却を検討中であるというぐあいに私ども聞いております。  私どもといたしましては、事業団に対して、新小岩地区の土地利用計画のこれまでの検討の経緯も尊重しながら、東京都、葛飾区などと土地利用のあり方につきまして十分調整を行うよう指導してまいりたいと考えております。
  129. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 ぜひとも調整をお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  130. 谷川和穗

    谷川主査 これにて山口那津男君の質疑は終了いたしました。  次に、山田英介君。
  131. 山田英介

    山田(英)分科員 具体的に何点か質問させていただきます。  私どもがおりますところは埼玉県でございますが、御案内のとおりかと思いますが、非常に人口急増県でございます。西暦二〇一〇年にはこの人口が八百九十万になるだろうという予測をされているわけでございますが、特に鉄道の整備につきましては、運輸省御当局から大変いろいろ御配慮いただいておりまして、東武鉄道・日比谷線の高架複々線化の工事とかあるいは国家的プロジェクトと言われております常磐新線の建設等々、県民の期待するところも非常に大きいわけでございます。ただしかし、人口が急増しておりますがゆえに、それで将来的に鉄道交通の整備が十分かといいますと、必ずしもそう言えない。  そこでまず、六十年運政審答申第七号があるわけでございますが、次期の、八号になるんでしょうか、次期の運政審の答申の時期につきましてお教えをいただきたいと思います。
  132. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 昭和六十年に、東京圏におきます地下鉄を初めとする鉄道の整備の問題につきまして、運輸政策審議会から答申をいただきました。これにつきましては、現在までの進捗状況等、あるいはその後の経済社会情勢の変化等を踏まえて、今後どのようにすべきかなどにつきまして、現在、私どもの内部で勉強を開始したところでございます。  まだ今の段階では内部勉強を開始したところでございまして、具体的に今後これをどのようにしていくかは、申し上げられる状況にはなっておりません。
  133. 山田英介

    山田(英)分科員 先ほど山口委員質問されていらっしゃいましたが、高速鉄道八号線の問題で、これはお願いになろうかと思いますけれども、この六十年運政審答申第七号におきましては、保谷からずっと都心を通りまして、錦糸町、押上、四つ木、亀有、ここまでは答申に盛り込まれているわけでございます。それからその先につきましては、この第七号答申におきまして、JRの武蔵野線方面に「今後新設を検討すべき方向」という、こういう位置づけがなされているわけでございます。これはもう一つ格を上げていただいて、「目標年次までに新設することが適当である 区間」ということでぜひ位置づけお願いをしたいと思っております。  この地域はまさに人口急増の一番核になっているような地域でございまして、ただ、平成十二年が目標年次ということでありますから、その間に格上げをしていただくことも含めまして、次期運政審答申も視野に入れてこのJR武蔵野線方面という実現方をぜひお願いを申し上げたい、こう思っておるわけでございますが、いかがでございましょうか。
  134. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 先ほども答弁申し上げましたが、まだ今の段階で、六十年答申をさらに見直し、あるいは新しい答申をどうするかということを具体的に申し上げる段階でございませんが、経済社会情勢の変化も踏まえまして、首都圏の鉄道の問題に関しまして検討をしなければいけないのは事実でございます。  その際に、ただいま先生おっしゃいました、地下鉄八号線の北部への延伸問題をどう取り扱うかというのも、課題の一つになろうかと思います。
  135. 山田英介

    山田(英)分科員 これは通告はしてないことで大変恐縮でございますが、せっかくの機会でございますので、お聞きをいただきたいと思っております。  営団地下鉄の千代田線がございます。これが、実は北綾瀬という駅がありまして、この先に北綾瀬のいわゆる車庫が置かれております。この千代田線の北綾瀬から埼玉県内方面へ向けて、北進をさせるというか延伸をしていただきたいという、非常に強い皆さんの御要望がございまして、これもぜひ、御研究あるいは省内の勉強会等で取り上げていただき、御検討お願いをしたい、こう思っております。  これをまた北進をさせますと、JRの武蔵野線とどうしてもクロスをする形になろうかと思いますが、ちょうど埼玉県の越谷市というところで、全国初めてのモデル事業といいますか、レイクタウン構想というのが現実に動いておりまして、この武蔵野線にレイクタウン構想のこれまた中核的な役割を担います新駅を設置をするという、こういう動きがあります。そちら方面へずっと千代田線北綾瀬から延伸をさせるということは、余り細かいことは申し上げられませんけれども、効率といいますか、あるいは事業の成果といいますか、極めて大きなものが期待できるのではないかと考えております。これもぜひひとつ研究の課題にお取り上げを賜りたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。
  136. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま先生指摘の北綾瀬からの北の方への、埼玉県内への延伸の問題、恐縮でございますけれども、私まだ十分承知しておりませんので、ただいま先生指摘の点を踏まえながら、今後検討させていただきたいと思います。
  137. 山田英介

    山田(英)分科員 それから、また具体的なことで恐縮でございますが、JRの武蔵野線についてでございます。  暫定的に開設されました新三郷駅がございます埼玉県の三郷市内でございますが、ここに、三郷市と隣の吉川町にかかりますいわゆる武蔵野ヤード、武蔵野操車場跡地、八十ヘクタールという極めて広大な土地がございます。ここは操車場として機能していたのですが、これが廃止をされて十年以上たつわけでございます。  御案内のとおりかと思いますが、今ここが、上り下りのホームがちょうど蛇が何か物をのみ込んだような形で三百メートル間隔がございます。これをぜひ一体化してほしいという多くの通勤通学の皆さんからの要望が、早い時期から大きくございました。それで、ホームが今のような不自然な形では土地の有効利用の観点からも非常に問題があるわけでございまして、いずれにしてもこれは一体化をすべきことは、方向としてもそういうことだと思っております。  問題は、この武蔵野ヤード跡地の部分を、平面で線路を北側か南側どちらかに移設をして一体化するということになりますと、将来的に、町の一体としての整備といいますか、町づくりといいますか、そういう観点から見ても、平面でございますと非常に問題が大きい。したがって、ここはぜひ高架化をして一体化をぜひお願いしたいと思っているわけでございます。  地元の首長さんからも大臣の方に陳情なりがあったかと存じますが、これは平面移設ではなく、ぜひ高架化をして一体化をしていただきたい。武蔵野線は、この武蔵野ヤードの区間だけが平面を電車等が走る、こういうことになっているわけでございまして、他の区間と同様にぜひ高架で一体化をお願いしたい、こんなふうに思っておるわけでございますが、運輸省の御方針はどういうことになっておりますでしょうか。
  138. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘の武蔵野線の高架の問題でございますが、武蔵野線に隣接しております武蔵野操車場跡地、八十四ヘクタールございますが、これは国鉄改革後、清算事業団が承継いたしております。  この武蔵野線の三郷−吉川の間の高架化あるいは新三郷駅のホームの一体化の問題につきましては、操車場跡地の土地利用のあり方と密接に関連することから、これらの問題を土地利用計画におきましてどのように位置づけるか、関係者間で検討中でございます。  この場合、特に高架の問題でございますけれども地元から高架について非常に強い要望が出てきていることは私ども承知しておりますが、これにつきましては、当然のことながら、高架にかかわる地元の方々の御意見あるいは建設省の御意見もあろうかと思いますし、そういったところとの調整がまた重要なことでございます。  それから、現実問題としては、費用負担というのは非常に大きな問題でございますけれども、清算事業団がこれを負担するというのはとても難しいことでございまして、私どもとしましても早く処分はしたい、一方、地元の皆様との基本的な利用の形に関する調整もまた重要であるということで、私どもも大変苦慮いたしております。  清算事業団の負担において高架をするというのは、これは清算事業団の役割を考えますと、この高架に要する費用が非常に巨額であるためにとても負担ができないということで、その点は、私どもも強く地元の御理解を求めているところでございます。
  139. 山田英介

    山田(英)分科員 ただいまのホームの一体化でございますが、私はかつて、平成元年と記憶しておりますが、南側に住宅・都市整備公団の大きな団地がございます、そのほかまた民間で開発された大きな団地もございまして、北側と比べますと、人口あるいは利用客、利用者の方々が南側に集中をしているということで、南側の皆さんの一万人を超える署名をいただきまして、運輸大臣、国鉄清算事業団等に陳情を申し上げたことが実はございます。  その後、いろいろ伺ってみますと、どうも北側を走っている線路の敷地がJRの所有、それから南側の線路の敷地を含めた他の部分が清算事業団ということでしょうか。ですから、南側に移設し一体化しようとすると、JRと清算事業団のそれぞれの所有する土地の交換をしなければならない、そこにはかなり巨額の税金の負担が伴うという非常に難しい問題があるということを伺いました。したがって北側ということになるのかなというような思いは持っているわけでありますが、これはどちらからお答えいただいた方がいいのでしょうか、その辺、現時点の考え方をお示しいただきたいと思います。
  140. 小関周弘

    ○小関参考人 武蔵野ヤードの土地利用計画につきましては、ただいま御議論がございましたように、鉄道施設をどう扱うかということが大きな関連をしております。  八十ヘクタールの広い地域の土地をどういうふうに使うかということにつきましては、従来いろいろな案がございましたが、現時点では、駅の周辺は商業業務地域、周辺は住宅を中心とした複合利用というようなことで、おおむね皆さん方の御意見がまとまっているように聞いております。  さて、この鉄道施設をどう扱うかでございますが、私どもも三郷市長さんから高架化してくださいという陳情を受けました。しかし、先ほど来お話がございましたように、私どものやる事業といいますか工事といいますか、これは、私どもに承継された用地を更地化するための、具体的に言いますと、ヤードの中に、まだ私どもの土地の中に生きているJR施設をJRの用地の中に移す、あるいは要らなくなったものを撤去するという必要最小限の機能補償をするのだということに決められております。したがいまして、私どもでこの高架化事業を請け負うというわけにはいかないということで、まあ高架化の内容あるいは事業費等、関係自治体の皆様と詰めてまいりまして、大変地盤の悪いところでございますので相当な事業費がかかるということで、費用の捻出は難しいということで、ただいま皆様と一緒に検討しておるところでございますが、その高架化と駅をどちらかにするかということは絡んでおります。  私どもは、前々からお願い申し上げていますのは、私どもの承継計画では北側に寄せるということになっておりますので、ぜひこの方向お願いしたいということを強くお願い申し上げておりますが、現時点でまだ皆様方のコンセンサスが完全に得られているという状態になっておりませんので、今後とも引き続き関係の皆様の御検討お願いすると同時に、私どもも、平成九年を控えて、早く更地化して処分しなきゃいけないという状況にございますので、最大限の努力をしてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
  141. 山田英介

    山田(英)分科員 平成元年に署名、陳情させていただきましたときにお答えをいただきました清算事業団の幹部の方から、可能な限り地元意見というものを尊重し、大事にして事業を進めたい、こういうお話も賜っておりますが、ぜひその点はしっかり踏まえていただいて、御対応お願いを申し上げたいと思います。  それからまた、お願いばかりみたいで大変恐縮でございますが、武蔵野ヤードの一部が入っております吉川町というところがあるのですが、これは本年の四月、市制がしかれる予定になっております。それで、いろいろ道路網とか鉄道もさようでございますが、人口もふえ、開発熟度が高くなっているということが言えると思います。これまた吉川の皆さんからは、間もなくの市制移行を踏まえて、多機能近代都市づくりなんということで、武蔵野線の新三郷の駅と吉川という駅があるのですが、この間に、区間が他の区間に比べて二倍ぐらい長い区間がございます、そんなことで、新しい駅をここに設置をぜひお願いしたいというこれまた非常に強い要望がありまして、この点についてもぜひ前向きに御検討をいただけますようにお願いしたいと思っておりますが、どうぞ一言お願いしたいと思います。
  142. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘の新駅設置の要望につきましては、私ども承知しております。  基本的には運行鉄道事業者でございますJR東日本の経営上の判断によるということでございますが、今後、関係者とJR東日本が十分協議をしていくことが必要であると思っております。私どもとしましては、その協議の状況も見守りながら対処していきたいと考えております。
  143. 山田英介

    山田(英)分科員 亀井大臣、今、個々具体的な課題につきましてお尋ねをし、また、お願いを申し上げたところでございますが、ぜひ大臣からも前向きにひとつお取り組みをいただきたいと思っておりますが、一言御答弁をちょうだいしたいと思います。
  144. 亀井善之

    亀井国務大臣 このことにつきましては、地元皆さん方からもお話を承ったことでもございます。しかし、先ほど来お話しいたしますとおり、なかなか土地利用の問題もいろいろお考えがあるようですし、さらには清算事業団の用地ということもございます。これら、私といたしましても、いろいろのことを総合的に調整をし、そして努力をしてまいりたい、このように考えております。
  145. 山田英介

    山田(英)分科員 それから、冒頭申し上げました常磐新線の建設についてでございますが、平成十二年開業を目指しての現在の事業の進捗状況と今後の見通しなどにつきまして、御説明をいただければと思います。
  146. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 常磐新線でございますが、秋葉原−つくば間六十キロの路線でございますが、平成五年に工事着手いたしまして、ただいま御指摘のとおり、平成十二年の開業に向けて事業を推進中でございます。現在工事中の区間は、秋葉原と六町の間、それから守谷と伊奈谷和原の間でございます。その他の区間につきましては、現在都市計画決定に向けて準備中でございます。  さらに、埼玉県の状況を申し上げますと、本年の二月二十三日に工事施行認可を行っておりまして、これに引き続き日本鉄道建設公団に対する工事の指示を行い、工事に着手する予定でございます。また、この四月には鉄道と区画整理事業の都市計画決定を予定していると聞いております。  なお、土地区画整理事業が実施される地域につきましては、工事着手の時期は仮換地が行われた後になると考えております。
  147. 山田英介

    山田(英)分科員 おおむね計画どおり事業が進展をしている、こう理解してよろしいのですか。
  148. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 全線的に申し上げますと、おおむね順調にいっているところと、なかなか都市計画に至らない、あるいは地元住民を含めましたコンセンサスがなかなかできていないというところもございまして、残念ながら全線にわたって順調であるとはとても言える状況にはございません。
  149. 山田英介

    山田(英)分科員 それで、目標年次までに全線開通、開業できればこれにこしたことはないわけでありますが、今お話ございましたように、いろいろなまた難しい困難も伴っているということでございます。  それで、一つ考え方として、守谷の方に延ばしていけば武蔵野線と当然クロスするわけですから、武蔵野線と都心をまず開通をさせて、暫定開業といいますか、第一次開業といいますか、そういう御発想というのは運輸省にはございませんでしょうか。それは、現実的にそうしてほしい、また、そうすべきだという考え方を私は持っているわけでありますが、いかがでございましょうか。
  150. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 現在の段階では、まず十二年に向けて鋭意進めていくという基本的な姿勢でございまして、まずその努力を最大限に尽くさなければならないわけでございますが、さらに時間が経過いたしまして、工事の進捗状況等々を勘案して、それでは工事が進んでいるところとおくれているところをどうするかというようなことになりました際、今の段階で現実の問題でございませんけれども、当然可能性の問題として、部分開業の問題をどうするかということもあるいは検討課題として出てくることは否定できないかもしれないと思っております。  ただ、今の段階、まだそこら辺を具体的に詰める状況じゃございませんで、まずは十二年の当初目標どおりの開業に向けて全力を尽くすというのが私どもの基本的な姿勢でございます。
  151. 山田英介

    山田(英)分科員 私どもも、ぜひ側面からと申しますか、御協力をさせていただきたいと思っておりますが、これは極めて大きなプロジェクトでございますし、これがもたらす経済的な効果あるいはその地域の大きな発展ということに大きく資する事業でございますので、どうぞお取り組みをまたよろしくお願いしたいと思います。  それで、最後になろうかと思いますが、こちらの第七分科会にお呼びをして大変恐縮には思ったのですが、なかなかこういう機会はなかったものですから、建設省から。  東京外郭環状道路というのが、現在練馬と埼玉県三郷市の区間が完成、開通をいたしておりまして、かなりグレードの高い、高規格の外郭道路でございます。東洋一と言われる三郷のインター チェンジまで外環道路をつなげていただいたのですが、さらに三郷以南、湾岸道路の方へ向けて延伸をする基本的な計画があろうかと思いますけれども、この外郭環状道路の三郷以南の建設計画につきまして、その見通しなど御説明をいただければと思います。
  152. 菊地賢三

    ○菊地説明員 東京外郭環状道路のお尋ねの地区でございます三郷から南の方、東京湾岸道路まで約二十キロメートルございます。これにつきましては、平成三年十二月に国土開発幹線自動車道建設審議会、国幹審と略しておりますが、これによりまして基本計画というのが定められておりまして、現在基本計画から次の整備計画へ向かっための諸調査を行うということであります。このうち、埼玉県の三郷から、一部東京都をちょっと通りまして千葉県と東京都の境まで約八キロございますが、これにつきましては既に都市計画決定されております。さらにその先の千葉県区間は約十二キロありますが、これにつきましては、現在千葉県の方で都市計画決定の準備中、手続中ということになっております。こういうふうなもので、都市計画決定等が済みましたら一応一つの調査が終わったということになろうかと思っております。  なお、整備計画を策定するためには新たな国幹審で審議いただくことになるわけでございますが、これにつきましては、年内に次期国幹審を開きたいということでその準備を進めておるところでございます。  ただ、高速道路を建設しますと、新たな料金の問題等がございまして、できるだけ料金を上げない方法でやりたいというふうなことを、昨年、私ども建設省の道路審議会というところで答申をいただいておりますので、そういうできるだけ料金を上げないでやる方法について現在工夫しております。  そうなりますと、すべてのものが次のステップ、整備計画になるというふうにはならないわけでございますが、いずれにしましても、全体の計画促進に向けて頑張っていきたいというふうに思っておるところでございます。  以上でございます。
  153. 山田英介

    山田(英)分科員 ありがとうございました。  以上で終わります。
  154. 谷川和穗

    谷川主査 これにて山田英介君の質疑は終了いたしました。  次に、太田昭宏君。
  155. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 新進党の太田昭宏でございます。私は、空港の救急医療体制を強化していただきたいということについてお聞きをしたいというふうに思います。  空港が交通網の発達によって大変利用客が増加しているということは、今当然であるわけなのですが、特に成田とか羽田とか関空とか、そういうところの利用客というのは、昔海外旅行にはなかなか行かなかったのだが、いわゆる庶民がますます利用するということで、例えば成田の場合ですと、利用客が一日八万人、そこに出迎える、あるいは送る、そして職員、そういう人の数たるや二十万人ぐらいということで、一大都市を形成するような状況であろうというふうに思います。そこで当然、病人が発生したり、特になれない海外旅行から帰ってくると、我々も昔帰ってくるとほっとするというようなことがあって、かなりの緊張感がある、出発のときもそうでしょう。そういうときの救急医療体制というものは、私は非常に大事だというふうに思っております。  きょうも来ていらっしゃるのですが、二年半前の九三年十一月二十八日、奥さんがオーストラリアに旅行されて、初めてだったか二回目だったか私はわかりませんが、電話交信をして午後六時過ぎに着きますよということで、御主人もお子さんもお孫さんも一家全員挙げて七人、お母さんを出迎えに行った。ところが、いつまでたってもなかなか出てこなくて、おかしいなということで、アナウンスを受けて飛んでいったら、荷物を持って歩いていて突然ひざがかくっと折れて昏倒した、大丈夫ですというようなことを最初おっしゃったらしいのですが、そのまま救急車に運ばれていったということを聞いて家族は偶然となった。奥さんが倒れて病院へ行って治療を受けるまでの時間が七十分かかった。心筋梗塞です。家族が駆けつけていったところ、もう息を引き取っていたという状況があったということです。  私はその話を聞いて、そのほかにもこういうことは随分あるだろうなと。聞いてみますと、飛行機の中で不幸にして病気が発生して亡くなる方もいたりして、また、空港で倒れるという方も案外いらっしゃる。そこでの救急医療体制というようなことを私は非常に大事だというふうに思うのですね。  私も、実は心筋梗塞そのものに立ち会ったことがありまして、普通に友人と食事をしていて、気持ちが悪い、別れようとしたら、その辺で薬を買って帰るよということで、ちょっと心配だったものですから私がそのまま車で運んだ。単に吐いているとかいう状況ではなくて、住んでいるところに行きましたら、彼は一人で住んでいたわけなのですが、見る見るうちにどんどん力がなくなってきて歩けなくなるし、しゃべれなくなる。もう本当に突然のことで、救急車を呼んで運びましたら、その場合は私が自分で手配したりして非常に早かったものですから、五分なのか十分なのか十五分なのか二十分なのか特に心臓とかそういうことで脳に血液が送られなくなったということで、まさにその五分を、あるいは三分、四分、五分を争うことであるということで、よくこういう早い時間に送っていただきまして表彰ものですよみたいなことを医者には言われたのです。私は、空港に着いた方、映像のようにその光景が浮かぶわけなのですが、そういうことを繰り返すというか、そういうことがあってはならない。  非常に率直な話ですけれども政治家というものは、全体的な構造とかそういうものを扱うことは得意なのですが、一人のそういう事例に即して物を考えるということが私は非常に大事だと思います。ドストエフスキーが、遠き人類は愛することができるが近き一人を愛せないということを言ったが、私はそのとおりだろうと思う。人類とか平和とか、あるいは税制でもそうでしょうが、大きな話はできるけれども、一人の人命ということについて執念を持つということが私は必要だというふうに実は思っておりますし、きょう質問をしようというふうに思ったのはそんな観点だからでございます。  この事例だけでなく、ほかにも成田とかいろいろな空港で倒れられたり、命を落とされる、もう五分早かったらとかもう十分早かったらというような、そういう状況にはしてはならないということから、私はきょう質問をしているわけなんです。成田とか、あるいは羽田とか関空とかでの救急医療体制、あるいは医療施設の利用状況、患者数、またこの二年ぐらいで亡くなった方というのは、これは不可抗力とか行政の責任とかいうこととは違って、一体どのぐらいあるのか、データがありましたら、まず教えていただきたいというふうに思います。まず成田からお願いします。
  156. 黒野匡彦

    黒野政府委員 成田空港内に二つクリニックがございますが、そこの利用者数、今、私の手元の資料では、七年の、暦年でございますが、年間通して二万一千人、これは一日当たりに直しますと約六十人になります。そのうち救急患者という範疇に入れられる方が、七年ですと約三百六十人、さらにその中で不幸にしてお亡くなりになった方が六人、こういう数字になっております。
  157. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 それは二年ですか、二年間ですか。
  158. 黒野匡彦

    黒野政府委員 済みません、今、七年だけの数字を申し上げましたが、その前の六年をとりますと、利用者数はほぼ同じでございまして、二万一千人強でございます。それから、救急患者数が約三百十人、亡くなった方が四人でございます。
  159. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 恐らく、亡くなられた方というのは、私は心疾患が多いと思いますが、緊急を要するという、簡単に言うと心筋梗塞とか。この六人と四人というのはどんな内訳になっています か、病状は。
  160. 黒野匡彦

    黒野政府委員 今先生指摘のようなことだと思いますが、ちょっと私、今手元にその死因まで詳しく持っておりません。申しわけございません。
  161. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 恐らく私は、心臓系でかなり緊急を要して、これが早ければこのうち何人かは助かるというような状況があったのではないかというふうに思います。羽田とか関空はどんな状況でしょう。
  162. 黒野匡彦

    黒野政府委員 まず羽田でございますが、六年度、これは年度でございますが、利用者数が一万三千二百人、これは一日当たりに直しますと三十五人になります。七年度が一万四千五百人、同じく一日当たりに直しますと四十五人になります。さらにその中で救急の患者の方が、六年度が五十三人、七年度が六十一人、さらにまたそのうち亡くなった方が六年度、七年度ともに各一名でございます。  それから関空でございますが、関空は一昨年九月に供用開始でございますから、最近の一年間を仮にとってみますと、年間一万二千七百人が利用されておりまして、これも一日当たりに直しますと約三十五人になります。そのうち救急の患者の方が百四十人弱であります。亡くなった方は一名、こういう数字になっております。
  163. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 外国と比べて日本空港の救急医療体制がおくれているというような指摘があろうと思いますが、八四年の六月に、運輸省空港救急医療体制調査委員会、これが発足して、八五年の九月から十月にかけて海外主要空港の実地調査を行った。その調査委員会の報告というものですと、例えばパリのオルリー空港というのがあったりして、空港の救急医療体制はパリの公団医療部が行って、本部には医師二名、看護婦や医療担当など九名が常時従事というような報告等がなされていますが、こういう世界各国の調査というのは、八五年の九月から十月以来、どこかで行われて、それを参考にして日本空港というものの救急医療体制を強化しようという試みがございますか。
  164. 黒野匡彦

    黒野政府委員 今先生指摘の調査の後、これは空港公団そのものが一九九三年にも調査を行っております。  外国と比べる場合に、見方によりましていろいろな評価ができるわけでございまして、今先生がお示しになりましたオルリーというのはかなり進んだ体制になっております。  それで、私ども、成田につきましては、これはもう先生承知かもしれませんけれども、二十四時間体制で医師と看護婦が少なくとも一名はいるという体制をとっておりまして、例えば、他の空港、オルリー以外を見ますと、ヒースローの空港、これはイギリスの代表的な空港ですが、これは二十四時間対応でありますけれども、真夜中は看護婦さんしか見えないとか、あるいはアメリカの代表的な例をとりますと、ロサンゼルスですと、朝の七時から夜の十一時までしか対応がなされていないとか、それぞれの空港ごとに差はございます。  私ども、率直に申し上げまして、成田は二十四時間医師と看護婦のペアで対応しているということで、世界的に見れば、一概におくれているということはないと思っているところでございます。
  165. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 その八五年のところでは、まとめで、いずれの空港も公団または自治体が医師の立場をよく理解し援助を惜しまない、不採算医療と言われる本体制、救急医療体制について十分な投資が行われているというような言い方がされていて、どちらかというと、採算がもちろんとれるわけないわけですから、民間の採算ベースに引きずられる、そういうことはありませんか。
  166. 黒野匡彦

    黒野政府委員 これは、空港という特殊性からいいまして、決してここだけでそろばんが合うという話ではないわけでございまして、公団さらには地元公共団体、その上に医療機関のボランティア的な協力、この三つで維持しているということでございます。決してそろばん勘定で成り立つことを目指しているわけではございません。
  167. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 これについては、やはりしっかり調査をしたりして、外国の空港というのは同じレベルであるわけですから、よく調査をしたりして、少なくとも日本は安全な国ということでおくれをとるようなことがあっては絶対ならないということを含んでいただきたいというふうに思います。  そこで、成田の体制が常時だといっても、やはり私は、今は、何といいましても、機械といいますか設備というか、そういうことが非常に大事になってくる。例えば、救急車で運ばれるといっても、そこに単なる物として運ぶ、何の器具もないというのもあれば、酸素吸入ができるとか、いろいろなことがある、あるいは救急救命士がつくとか、いろいろなことがあろうと思います。  そういう意味で、その後、これは昨年でしたか、成田の方では救急車を常時配置するということが行われたということなんですが、これはさまざまなそういう諸設備がついておりますか。
  168. 黒野匡彦

    黒野政府委員 まず先生の今御指摘の救急車でございますが、まさに冒頭先生おっしゃいましたように、こういう救急の患者さんは一分一秒を争うわけでございまして、通常の救急患者さんの場合には、救急車を呼んでそれから病院に運ぶということになります。それでは往復時間がかかってしまいますから、地元自治体にお願いをいたしまして、空港の中に常時救急車を一台置くという体制を一昨年の四月からとらせていただいておりまして、これは地元の三里塚消防署、ここの分室という形で救急車を置かせていただいております。したがって、これによりまして、往復のうちの往の時間だけは節約できるという体制をとらせていただいております。  さらに、空港内には今、第ーターミナルビル、第二ターミナルビル、それぞれにクリニックがございますが、このクリニックに加えまして、その隣に急患対応室ということで、急患に対応するような諸設備を設けました部屋、具体的に言いますと、蘇生器だとかあるいは呼吸器等の設備を設けた部屋を設置しておりまして、万一の場合には、そこでとりあえずの措置をするという体制をとらせていただいております。
  169. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 これは大臣にもお願いをしたいと思うのですが、今申し上げたように、その話のときに、当時は救急救命士もいませんでした。私が運んだのですけれども、私の友人に実は電話をしまして、車で駆けつけてきて救急車に乗ってもらって、それで酸素吸入したりとかいろいろなことをやっていただいたということもありましたが、まず設備として一歩前進をされていることは間違いない。三里塚の特別のもので、救急車というものを設置した。しかし、その設備、大型ドクターカーとかいろいろなものがあろうと思います。まず第一弾として救急車が配備された、これは大変結構なことです。その上に、室内である程度の処置ができる、あるいはいろいろな補助ができる、酸素吸入ができる、救急救命士を乗せる、ぜひともそういうような大型ドクターカーをそこに加えていただきたいということを、私は大臣にぜひともお願いをしたいと思います。
  170. 亀井善之

    亀井国務大臣 いろいろ先生から、医療問題、空港の問題につきまして、大変参考になるお話もちょうだいいたしまして、そのような体制というのは、成田空港におきましても、医療施設等々いろいろ努力をしておりますけれども、さらに救急体制が確立するような努力をする形というものをとってまいりたい、このように考えております。
  171. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 体調が悪くなったとかそういうときに、国際空港ということでは、私のことではありません、九三年のお話ですけれども、その瞬間にそばにスチュワーデスの方がいらっしゃったりしたのですが、そこでもやはり数分間おくれているというようなことがあって、私は、外国の方とかそういう方と係の日本人との言葉の問題とか、さまざまな連携とか、どこに何があるかとか いうようなことがかなり周知徹底しているという体制をつくることが非常に大事だというふうに思っています。  今、せっかく救急車の配備とかあるいはスペースをつくったとかいうことがあって、これは、私の考えではもっともっと前進をさせていただきたいのですが、少なくとも方向としては前進をしている。言葉とか、あるいは職員のそういうものとかいうことについて、私は、強く周知徹底をしたり、そういう安全という観点でのさまざまな指導をやる必要があるというふうに思います。ちょっとその辺について、ぜひともやっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  172. 黒野匡彦

    黒野政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、今までお話し申し上げたのはいわばハードの面でございまして、このハードをきちんと生かすためには、ソフトの面でも万全の体制が要ると思っております。  そこで、今、公団では、関係者の間に周知徹底を図っておりまして、こういう急病人の方が出た場合の対応といたしまして、二つの流れを一応決めております。  まず最初、急病人を、発見と言うと語弊がありますけれども、見かけた方、これは本当はだれが見かけるかわからないわけでありますけれども、我々といたしましては、公団職員、あるいは航空会社の職員、さらにガードマンという、いわば我々の影響のある範囲の人全員に対して、そういう急病人が出た場合には、まず一つは、一一九番へ通報して、なるべく早く救急車の出動要請を行いなさいというのが一点であります。  それから二点目は、空港公団の中に、サービスセンターという、そういう情報を集めるところがございます。二番目にはそこに通報してもらう、そこからそこの職員がクリニックの医師を伴って現場に急行する、こういうルールをつくっております。  その際、問題になりますのはまさにその言葉でございまして、残念ながら、空港公団に世界各国の言葉を全部話せるというのはいません。そこで、公団の中の特に英語に堪能な者、これをそういう対応に充てることにしておりまして、そういうときには、万一に備えて九カ国語の会話集をつくってございまして、こういうときに要る会話を集めた会話集、これを持って最悪の場合対応する、このような措置をとっておりますし、これからも徹底をさせていただきたいと思っております。
  173. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 体制としては、やはり救急診療というのと、それから集中治療、救急治療という角度で物を考えるということが、私は非常に大事だというふうに思います。  診療というならば、これはちょっと調子が悪いということで済むのですが、その最初の診療から次の段階ということがなかなかいきませんから、そういう意味では、空港内のクリニックといっても、そこにスペースを置いて充実させるというけれども、その物の考え方、救急診療というのではなくて集中治療、救急治療という形の思想で、ぜひともこれから改善努力お願いしたいと思います。どうですか。
  174. 黒野匡彦

    黒野政府委員 こういう急病人の方に対応するということに対しまして、これからも体制を強化していかなければいけないと思っておりますが、救急治療ということまで本当にあの場でできるかどうかということは、なかなか難しい問題もあると思っております。  これは、単に設備をつくるということよりも、そこに有能な医師及びそのスタッフといいましょうか、それを常時置くことができるかどうかという問題がありますし、これからのテーマとして我々検討させていただきますが、なかなか難しい問題もあるということは御承知おきいただきたいと思います。
  175. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 難しい問題は当然あるでしょう。しかし、その救急治療という物の考えの上で、そして大型ドクターカーとの兼ね合いのもとで、私は、ぜひとも救命率は一〇〇%であるという方向空港としては持っていくように努力お願いをしたいと思います。  それから、今後の課題として、ターミナルの中は公団でやる、救急医療体制の管理運用は地方自治体になる、消防署とかは自治省になる、国公立病院のことは厚生省である、予算面では県を含めてやるというようなことで、これが縦割りになったりするといけないというふうに思いますので、ぜひともこの辺の連携をとって、安全、救命率を一〇〇%にするという角度での話し合いの場を随時持つように努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  176. 黒野匡彦

    黒野政府委員 御指摘のとおりでございまして、成田につきましては、公団が中心になりまして、今おっしゃった関係者を含め、常時意思疎通を図るべくやっているつもりでございますが、なお一層努力はさせていただきたいと思っております。
  177. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 最後にしますが、今申し上げたようなことで、さまざまな問題があろうと思います。亡くなられた方とか、病気になったり倒れたりとかいうような状況が、環境が激変する空港という一番の玄関口ですから、今後もあるということの上で、私は、ぜひとも大臣に、その辺の角度で物を見て、きょう私が述べましたいろいろなことについて配慮をして、変えるものがあったら変えるという力、リーダーシップを発揮していただきたいということを最後にお願いしたいと思います。
  178. 亀井善之

    亀井国務大臣 先生、いろいろ御指摘をいただきました。  今後とも、自治体消防や関係医療機関と緊密な連携をとりまして、急病人への応急措置の充実や搬送体制の充実、このことに努め、成田空港の救急医療体制の充実を図るよう、できる限りの努力を続けてまいりたい、このように思っております。
  179. 太田昭宏

    太田(昭)分科員 以上で終わります。
  180. 谷川和穗

    谷川主査 これにて太田昭宏君の質疑は終了いたしました。  次に、古堅実吉君。
  181. 古堅実吉

    古堅分科員 沖縄米軍の軍事空域問題についてお尋ねします。  沖縄の空域は、復帰後二十四年もたつというのに、いまだに米軍の支配下に置かれています。我が国の主権にかかわる重大問題であります。こういう現状はだれが見ても異常なことだと考えるに違いない問題です。所管の運輸大臣はどう見ていらっしゃるか、最初に伺いたい。
  182. 亀井善之

    亀井国務大臣 沖縄の進入管制業務については、たびたび日米合同委員会の民間航空分科委員会を通じてその返還を要請をしておるところでもございます。運輸省といたしましても、引き続き米側に要請をしていく方針でございます。
  183. 古堅実吉

    古堅分科員 この問題の中で、特に、那覇空港の進入管制業務をいまだに米軍に管理させ続けるなど、主権国家としてあってはならない問題についてであります。  大田県知事は昨年十一月、政府に対して、「地位協定第六条に関連し、那覇空港の進入管制業務の日本への移管について、日米間で協議すること。」そういうことを要請されました。これに対して運輸大臣はどのように対応されるのか、お聞きしたい。また同時に、外務省にも同様、どういう対応があるのか伺いたい。
  184. 黒野匡彦

    黒野政府委員 那覇空港の進入管制業務の返還につきましては、かねてから私どもとしては懸案事項と思っております。機会あるごとにこの返還をお願いしておりまして、一番最近では昨年の十二月十四日にそういう場がございまして、そこにおきまして、日本として十分な能力、技術があるからもう返してくれということを再度申し込んでございます。かなり強く要請をしているつもりでございます。米側からは、運用上の必要性にかんがみ、なかなか困難であるという反応をその場ではいただいておりますが、なお引き続き粘り強く交渉してまいりたいと思っているところでございます。
  185. 梅本和義

    ○梅本説明員 お答え申し上げます。  この問題につきましては、ただいま御答弁ございましたように、日米合同委員会の下部機関であります民間航空分科委員会において取り上げられてきておりまして、米側からは、米軍の運用の必要性といったところから移管はなかなか難しいというお話があったというふうに承知をしております。  この問題につきましては、今先生指摘ございましたように、沖縄の県の方からも、昨年、地位協定改定要望ということで、十項目の要望をいただいた中にも入ってございまして、私どもとしては、民間航空分科委員会における協議の推移を見ながら、また日米安保条約の目的達成の必要というものを踏まえた上で、これからどういうことが可能なのかということにつきましては、航空当局ともよく御相談をしながら、どのように対処するのかということを検討してまいりたいというふうに思っております。
  186. 古堅実吉

    古堅分科員 運輸省は、八〇年代の半ばごろまでは、複数の空港の進入を一つの機関で管制するシステム日本側にはまだないという説明をしていたようであります。しかし、一九八七年八月二十七日の参議院運輸委員会の審議の中で、現在の総理、橋本運輸大臣が、「運輸省航空管制の能力からいたしまして、返還をしてもらっても十分我々はそれをこなし得る、そういう自信のもとに実務レベルにおける交渉を開始しておる」、このように返還の条件が整ったことを強調されました。昨年十一月には航空局長が、「技術的にも施設的にも世界におくれをとるという点はない」というふうに明言もされたのであります。しかるに、返還の方向性を示されるに至っていません。  今ありましたけれども、そういう経過を踏まえて、なぜ、こういう条件が整ったにかかわらず、返還される、そういう方向には進まぬのか、納得のいく説明をしてください。
  187. 黒野匡彦

    黒野政府委員 先生は既に御存じのことですから、重複するかもしれませんが、あそこには嘉手納と那覇という近接する飛行場がございます。嘉手納の方は米軍が使っておるわけでございまして、空港を一元的に管制をしないと安全が保たれないということで、今両空港の進入管制業務をまとめて米側が行っている、こういう状態にあるわけでございます。したがって、逆にこれを返してもらうといたしますと、日本側が嘉手納の進入管制業務をやる、那覇もあわせて一緒にやる、こういうことになるわけでございまして、そこの技術的あるいは設備面で能力があるかどうかということが、まず問題になるわけでございます。  この点につきましては、今御披露いただきました場等におきましても、私ども、技術的にもあるいは施設面でも、もちろんその準備のための時間なり予算なりはかかりますが、十分対応していくことは可能と考えております。そうであるからこそ、この民間航空分科委員会の場におきまして、非常に我々も強い姿勢でお願いをしている、まあお願いという言葉は問題かもしれませんが、提案しているということでございます。  それに対しまして、米軍の方は、米軍全体の運用上問題があるからなかなか困難だという回答をいただいております。それ以上の何らかの理由があるかどうか、そこは私どもでは承知していない点でございます。
  188. 古堅実吉

    古堅分科員 この進入管制業務について、御存じのように、一九七二年五月十五日、沖縄における航空交通管制に関する合意、そういうのがございます。  運輸省に、そういう立場を踏まえて確認をしたいんですけれども、今も御説明ありましたように、日本が十分な進入管制能力、それを持つに至った以上、この日米合同委員会の決定した合意に基づいて、進入管制業務を日本に移管するのは当然だという見地を今も持っておられるかどうか、そのことを確認したいと思います。
  189. 黒野匡彦

    黒野政府委員 従来の経緯にかんがみますと、先生おっしゃったとおり、私ども今返してもらうべきだと思っております。
  190. 梅本和義

    ○梅本説明員 合同委員会合意の内容にかかわりますものですから、私の方からもちょっと一言御説明を差し上げたいと思います。  これは、以前にも国会で御答弁を申し上げておりますけれども、那覇空港航空管制業務は日本側が行う、嘉手納飛行場を含めまして、米軍についてはアメリカ側が行う。ただし、この嘉手納と那覇については、近接をしておるということで、一元的にやらなきゃならぬということで、ただいまございましたように、この一九七二年の日米合同委員会における、沖縄における航空交通管制にかかる合意といったもので、日本政府が当該進入管制業務を行うまで「暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施する」というふうに書かれていることは確かでございます。  これは当時において、実際上の問題として、日本側においてそういうような進入管制業務を行う能力はないということで、この二つの原則、つまり日本空港につきましては日本側が管制をする、米軍の施設・区域については米軍が行う、この二つの調整といったものが、いわば将来に残された形になったというのがこの合意でございまして、私ども日本側で、航空当局の方で進入管制業務を行う能力を持たれるに至ったということで、まさにその調整をする時期というものが、調整をし得るというような状況になったという認識ではございますが、同時に、この合同委合意からは自動的に当然に日本側に移管されるということではないわけでございまして、だからこそ、先ほど来御説明がありましたように、民間航空分科委員会において話し合いが行われておる、こういうことでございます。
  191. 古堅実吉

    古堅分科員 自動的に返るということの取り決めではないというふうに立っている、外務省のこの態度が問題なのですよね。  七二年の合意の後しばらくは、外務省も運輸省の説明と同じ説明をしてきた経緯があります。  例えば、一九七二年四月十八日の衆議院内閣委員会で、当時の吉野外務省アメリカ局長は、普天間、嘉手納、那覇の「進入管制の錯綜がある。」と述べながらも、こう言っています。「わがほうが受け入れ準備が整い次第、必要な範囲内において先方から引き継いでいく、こういうことになるわけでございます。」「われわれといたしましては、日本の空を実質的に取り返したい、この意味で努力いたしたいと思います。」このように言ったのであります。  ところが、その後の八七年の橋本運輸大臣答弁のように、那覇、普天間、嘉手納の管制を一本化して日本が完全に管制できるような状況が生まれますというと、今度は態度を一変させて、移管は困難だという論陣を張るようになりました。  八七年八月二十一日の衆議院外務委員会での溝辺外務省官房審議官の答弁は、日米合同委員会の合意は、日本が管制能力を備えたからといって必ずしも自動的に日本に返ってくることではなかったという態度をとったのであります。今課長が言われたのと同じです。さらに、「進入管制業務の移管というのは相当困難な問題」だというふうにも、今と同じようなことをそのころから言っています。  この問題でいえば、外務省が進入管制業務の日本移管を妨げているというふうに言わざるを得ません。外務省、運輸省日本は管制業務を完全に引き継げる、このように言っておる。そして、当然日本が引き継ぐべきだというふうな見地にも立っておられることが今の答弁でも明らかです。  そういう意味で、日本への移管を求めている立場を踏まえて、外交に当たる外務省の方が、七二年の吉野答弁、そういう立場を踏まえて、改めてこの問題について、主権国家らしく、アメリカに対しての移管のための交渉をすべきではないかというように考えますが、いかがですか。
  192. 梅本和義

    ○梅本説明員 ただいまお答え申し上げましたように、合同委員会についての私ども考え方は先ほどのとおりでございますが、他方、まさに航空当局におかれて、このような進入管制業務を行い得る能力を備えられたという御判断でございます ので、そういうことで今民間航空分科委員会でまさに議論されている。これはもちろん私ども御相談にあずかった上で議論しているわけでございまして、私どもも、進入管制業務を日本側に移すということに反対をしているということでは全くございません。  ただ、これは大変技術的にもいろいろな専門的な知識が要る問題でもございますし、また、嘉手納飛行場という、数ある米軍施設・区域の中でも非常に重要で、かつまた運用の面でもいろいろな複雑なものがあるところでございますので、私ども、これからよく航空当局とも御相談をして、アメリカ側ともよく話をしてまいりたいというふうに思っております。
  193. 古堅実吉

    古堅分科員 この問題については、困難だというふうに受けとめて、やむを得ぬというふうな態度をとるのではなしに、これからも交渉はしていくということですか。
  194. 梅本和義

    ○梅本説明員 これからも航空当局とよく御相談をいたしまして、アメリカ側と話をしていきたいというふうに思っております。
  195. 古堅実吉

    古堅分科員 今、日米行動委員会というのも設置されています。そこらあたりも含めて、具体的に日本側から、困難だと言っているアメリカを説得して同意させなくてはいかぬ事態もあるわけですから、そこに持ち込んでこの問題の決着を図る、そういう方向などを含めてやるおつもりはありませんか。
  196. 黒野匡彦

    黒野政府委員 まさに先生おっしゃるとおりの面がございまして、私ども、民間航空分科委員会の場におきまして我々の考え方、我々の主張をし、これは何分にも大変大きな話でございますから、向こう側との合意の上で話を進める必要があるわけでございまして、技術的に大丈夫だということ、あるいは日本全体の考え方をるる御説明し、粘り強く、かつ強い態度で交渉を続けてまいりたいと思っております。
  197. 梅本和義

    ○梅本説明員 ただいまのお話のありました沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会、これは、昨年の十一月に、当時の村山総理とゴア副大統領が会談をされた際に正式に設置に合意をされたわけでございます。  この特別行動委員会におきましては、沖縄における施設・区域の整理統合・縮小の問題と並びまして、そのほかに施設・区域に関連して生じる訓練、騒音、安全等にかかわる問題についても話し合うということでございまして、昨年の十一月以来何回かの会合を開きまして、地位協定に関連する問題につきましても一つ一つ具体的な改善を図ろうということで、これは、例えば航空の騒音の問題であるとか検疫の問題、あるいは軍用車両のナンバープレートの問題等々について話をしてきておるわけでございます。  したがいまして、特別行動委員会におきましても今後よく関係当局とも御相談をして、どういうふうな取り扱いをこの問題についてもしていくのかということについては、政府部内でもよく検討していきたいというふうに思っております。
  198. 古堅実吉

    古堅分科員 大臣、今やりとりしておるとおりなのですが、特別行動委員会に持ち出す、そういうことなどを含めて、運輸省側としてこの問題をきちっと解決を図りたい、そういう立場から大臣として努力をしてほしいというふうに思いますけれども大臣の決意はいかがですか。
  199. 亀井善之

    亀井国務大臣 先ほどもお話し申し上げましたが、民間航空分科委員会を通じ、運輸省といたしましても引き続き米側に強く要請してまいりたい、このように考えております。
  200. 古堅実吉

    古堅分科員 次に、ACMI空域の問題について若干お尋ねしたいと思います。  沖縄の米軍の訓練空域の一つに、W173Aアルファ訓練空域というのがあります。これは、一九八五年に米軍が、航空機の戦技向上を図ることを目的に、航空機戦技訓練評価装置を使用して訓練を行う空域として設置されました。いわゆるACMI空域と言われているものであります。この空域設定に当たって、空域のもとの海域には、航空機の位置、姿勢等を把握するために必要な通信装置を搭載したブイが設置されました。  W173Aアルファ訓練空域は航空機戦技訓練評価装置を使用して訓練を行う空域として設置されたということについて、受けとめはそのとおりか、そのことについて最初に確認を得ておきたいと思います。
  201. 梅本和義

    ○梅本説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のありましたACMIにつきましては、まさに今先生がおっしゃったとおりの経緯で、航空機戦技訓練評価装置というものを設置をして航空機の空対空の戦術技量訓練のために使用するということで、当時航空当局とも、またこれは防衛施設庁が中心になってやったわけでございますが、調整をした上で、民間航空の交通との調整等を勘案した上で空域を設定したということでございます。
  202. 古堅実吉

    古堅分科員 沖縄には米軍の訓練空域がたくさんありますが、このW173Aアルファ訓練空域は、御答弁のとおり、航空機戦技訓練評価装置として設定されたもので、いわゆる空対空や空対地などの目的とは違った特別な役割を持たされたものでありました。そのとおり理解してよろしいですか。
  203. 梅本和義

    ○梅本説明員 まさに経緯的にはただいま御説明のありましたように、このACMI、航空機戦技訓練評価装置というものをつけて、その装置を利用して空対空の戦術技量訓練を行うということで、この空域を設置したわけでございます。  ただ、当時、この空域を設置するに当たりましては、実はいろいろなお話をいたしまして、この空域よりも全体として見ますと面積の広い部分についてはほかの空域を返してもらうというような形で調整をして、その結果としてこの空域を設定したということでございます。
  204. 古堅実吉

    古堅分科員 このACMI装置の一部をなす海上でのブイは、昨年一月に撤去をされていますね。したがって、ACMI空域は、航空機戦技訓練評価装置を使用して訓練を行う空域ではなくなったということが言えると思うのですが、そのとおりですか。
  205. 梅本和義

    ○梅本説明員 お答えを申し上げます。  確かに、ACMIという装置につきましては、諸般の事情がございまして、この装置はもはや使用しないというふうな判断が下されまして、ただいまお話がありましたように、一昨年の十一月から昨年の一月下旬に米軍がその撤去を実施したというふうに私ども承知をしております。  他方、これは米軍の内部におけるいろいろな検討の結果、この装置を使わないで訓練を行うということでございまして、依然としてこの空域を使った訓練を行う必要があるというふうに米軍は判断をしているというふうに私ども聞いております。
  206. 古堅実吉

    古堅分科員 私が聞いていますのは、このACMI装置の一部をなすブイは、今ありましたように、もう撤去されてしまっていますね。それなのに、航空機戦技訓練評価装置を使用しての訓練を行う空域として提供したそのとおりのものなのか、それとも、最初提供した約束のそういうものではなくなったのか。なくなったのではないか。実際にアメリカがその後引き続き使っているかどうかは別問題。その点について聞いているのです。
  207. 梅本和義

    ○梅本説明員 経緯的にはまさにこのACMIという装置を設置するということでこの空域を設定したわけでございますが、アメリカとの関係では、これは空対空の訓練を行うためということで空域を設定したわけでございますし、また、先ほど申し上げましたように、この空域を設定するに当たってはほかの空域を大分削減をしたという調整をいたしまして、そういう意味では、この空域というのは、何もACMIを使った訓練だけのために設定をしたということではないというふうに承知をしております。
  208. 古堅実吉

    古堅分科員 提供したときはそういう訓練を行うということで提供した、しかし、提供したようなものが変わってしまったというのに、ただ外務省の解釈として、一般的な空対空の訓練もできる ような空域としてもアメリカが使えるのだというふうに見ておるということなのですか。
  209. 梅本和義

    ○梅本説明員 まさにこの空域は空対空の戦技訓練のために使用されるということでございまして、ACMIという装置を使った訓練であっても、その後のいろいろな技術上の発展等によりましてこの装置を使わないで同様の訓練をあるいはやるのかもしれませんが、空対空訓練をやるということを排除したというふうには私ども考えておりません。  ちなみに、この装置が撤去されたということに伴いまして、水域の方につきましては、解除ということで手続をとってきたわけでございます。
  210. 古堅実吉

    古堅分科員 大臣運輸省にお伺いします。  ACMI空域及び海域の設定に当たっては、当時、航空関係者を初め県民が強く反対して、大きな政治問題化もしておりました。  一九八二年の予算分科会で、当時の小坂運輸大臣は、航空路の要衝に当たるということで、防衛庁、外務省を通じて米側に再考を促していきたい、そういう答弁もされておるのであります。一九八三年の予算分科会でも、当時の長谷川運輸大臣も同意見答弁をされました。ACMIの設定に際して、当初反対されておったのが運輸省なのであります。  海上でのブイが撤去されて、航空機戦技訓練評価装置としては役割を果たさなくなった、そういうものではもうなくなった。そういう段階で、運輸省として改めて、外務省が今言っているように、最初提供したようなものではなくなっておるにもかかわらず外務省の見解でアメリカはなお使えるんだみたいな、そんないいかげんなことを許さない。そういう立場を踏まえて、外務省にも働きかけて撤去を要求する。そのように運輸省としては努力をされなくてはいけないのじゃないかというふうに思いますが、大臣の受けとめと、これからのこの問題の処理についての決意を伺いたい。
  211. 黒野匡彦

    黒野政府委員 この地域の指定につきましては、航空の安全上支障があるかどうか、いろいろな調整をした結果、今の形ならば安全上支障はないということで設定したものでございます。  現在使われているか否かにつきまして、私どもといたしましては承知し得る立場にないものですから、この点について、私どもから今特にアクションを起こすという予定は持っておりません。
  212. 古堅実吉

    古堅分科員 これは、そういう訓練空域の引き続く設定は結構です、運輸省としてそれについてとやかく言うつもりはありませんということですか。
  213. 黒野匡彦

    黒野政府委員 この訓練空域の提供そのものは、国全体としてのアメリカ側との約束事でございまして、国全体としてその必要性がなくなれば、しかるべきところがしかるべき対応をとっていただくというのは当然だと思っておりますが、私どもが、今先生のおっしゃったこの空域について、本当に使っているのかどうかを知ることができないという立場を申し上げたものでございます。
  214. 古堅実吉

    古堅分科員 今のやりとりで、提供した当初のものとは様子が変わってしまったということは御理解いただけると思いますよ。  かかわりがある所管の運輸省が、どのように使われているか知るところではないというふうなことで消極的な態度をとられるのではなしに、沖縄側としてもそこの問題について当初から大問題にしてきた、そういういきさつもありますし、この際主権国家として空域の一部でも取り返していく、そういうことの一つとして、主体性を持って、所管の運輸省として、特に大臣としてその面を方向を定めて努力すべき問題だというふうに思うのですが、大臣、もう一度御所見を伺いたい。
  215. 亀井善之

    亀井国務大臣 委員いろいろ御意見を承りました。そのエリアがお話しのように使っていない、こういうようなことであれば、運輸省としても今後とも米軍との調整をする、こういうことは適切に対処してまいりたいと考えております。
  216. 古堅実吉

    古堅分科員 時間が参りました。  終わります。
  217. 谷川和穗

    谷川主査 これにて古堅実吉君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして運輸省所管についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  分科員各位の熱心な御審議と格別の御協力によりまして、本日ここに本分科会の議事がすべて終了することになりました。心から感謝申し上げます。  これにて散会いたします。     午後三時一分散会