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吉田(治)
分科員 環境行政というのは、
日本ではすばらしい
部分があると同時に、今大臣もいみじくも言われましたように
社会的規制という
部分、大臣は最小限というふうなことをはっきり申されましたけれども、やはりそこが私は重要だと思うのですね。
余りにも
環境、
環境と振りかざしますと、極端なことを言ったら、それだったらあなた
たちランプで住みなよというふうな話も出てまいります。いや、自分
たちは今の
生活を享受しながら
環境もというふうな話、これはどうですかね。自動車に乗って、モーダルシフトということはないですけれども、では自動車は
公害が激しいから電車に移ろうとか、これは欧米の事例で、今特にヨーロッパでは、自動車というのは
公害の元凶になるからできるだけやめて電車に乗り移ろうというふうな、そういうモーダルシフトが行われている。そういうふうなことも聞いております。
やはり
環境行政の中で
社会的規制だというのであれば、そういうふうにしていく
施策というのですか、一人一人が
認識して——何か
環境というと、一般の
人たちが言いますと、正直な気持ち、ちょっと変わった
人たちだな、声高に叫んでと。もっと言いますと、これはいい例かどうかわかりません、電力会社の正面玄関にテントを張ってそこへ住んで
環境だ
環境だと。どうも
環境というとそればかりがクローズアップされて、余談ですけれども、そこへ住み過ぎて、郵便が何々電力会社前何々テント何々様というとそこへ届いたという話もあるぐらい、一面過激で、何というのですか、エキセントリックというんですか、そういう
部分が、何か
環境には秘められている
部分があると思うのですけれども、
環境全体ということを考えた場合に、大臣として今はそういうふうに
答弁されましたけれども、この
環境というものは
日本国内だけの
環境ではなく、今大臣も言いましたように、国際的な
部分というもの、そういうものも非常に重要になってくると思います。
よく言われておりますように、
日本の国内の発電所が
世界で一番
公害が少ない。少ないというのは、値段の張る石炭を買って火力発電をしている。しかしながら、
日本には偏西風というのがやってまいりますね。黄砂という形で砂が飛んでまいりますね。今、経済が勃興している、経済が発展している中国ではそんなことお構いなしに、安い硫黄分をたくさん含んだ、NOx、SOxというのですか、そういうものを含んだものではんばん発電所をたいて、その煙が中国におりるのではなくて、偏西風に乗って
日本へやってきている。以前から言われております
酸性雨の問題でありますとか、そういう問題が今申し上げたようなことになるのだと思うのです。
やはりアジアの国々がそれぞれ経済を発展するということになりますと、
環境という問題は何も
日本国内だけ声高に叫ぶのではなくて、これは大臣も言われましたように、
世界的視野というのですか、特に私ども、アジア太平洋というものをこれから視野に入れていく場合に、アジアのそういう経済発展と
環境というものをどう進めていくのかということが重要になってくると同時に、今度は、アジアの側からするとこういう意見があると私は思うのです。あなた
たちはいいよな、経済で十分余裕がある、だから
環境的な設備も
施策もできるんじゃないか、自分
たちはこれから経済を発展させるんだ、ちょっとぐらい、先進国の皆さんが経済発展のときには目をつぶったような
環境問題にこっちが目をつぶらせてくれよ、競争するにはそれぐらいのハンディを欲しいよ、というふうな意見が出てくるのも、これは、これから発展しようという国にとっては、ある
意味でこちら側も納得せざるを得ない
部分というのがあるんじゃないかな。しかしながら、
地球規模で考えた場合には、それはおかしいんじゃないかな。
また、
日本の企業が、よく言われておりますように、海外へ出て伐採をさまざましているとか、いっときはやりましたね、割りばしを使わないというのが。あれはどこに行ったのですかね。結果として、割りばしを使わなければそういう要らない木を買わなくて済むかというと、いや、そうじゃない、あの割りばしは間伐材でつくっているから、ああいうのは使った方がいいんだというふうな説が出てきたり、いつの間にかどこかへ消えていってしまった。
環境と国際化というふうなもの、これについての大臣なり
環境庁なりのお考えと、それからもう
一つ言えるのは、今度は先進国の方が
環境についてハンディを持ってくれというのであれば、
日本がこの二十数年間蓄積してきた
環境技術、あれだけのスモッグがなくなった、
大気汚染が減ってきた、また河川が浄化されてきた、そういうふうな
環境技術というものを
世界にどう広めていくか、国際化していくか。
これは悪い言い方かもしれませんけれども、
環境ビジネスといっとき言われましたけれども、
技術援助、経済援助、また経済の
一つの、ビジネスチャンスという言い方は私は余り
環境についてはしたくないのですけれども、やはり
日本が次の
世代に何を飯の種にするかと考えた場合には、この
環境というもの、
環境に付随する
技術というのが大きなチャンスを生むものではないかなと思っております。この辺の
環境の国際化、また
環境技術の国際化についてのお考えを賜れば幸いでございます。
〔菊池
主査代理退席、
主査着席〕