○安倍(基)
委員 いや、その答えでいいのですよ、はっきり言って。あれは要するに単なる官庁同士の交換文書であって、法的効力はないのです。
しかし、普通、金融常識からいったら、母体行はゼロの金利で系統は四・五で一般行は二・五ですか、ああいう契約なんかできっこないのですよ、通常のケースは。金融常識に全く反するのですよ。政治が介入しなければこんなむちゃな話はしないのです。
もうあのときにおれたちは引き揚げようと思ったのに引き揚げさせないものだからと言いますけれども、預金じゃないのですよね、債権者なのですよ。貸し金というものはちゃんと相手方を見ながら貸すのが普通なのです。預金ならそういうことを言えますよ。ところが、私は引き揚げます、引き揚げますと。ではあのときにもし合意が成立しなかったらどうなったですか。破産にいって、要するにそれぞれの取り分は本当にプロラタでいったのですよ。
ですから、私は、あのときの
判断として、大蔵が今ここで金融不安を起こしたくないという気持ちはわからぬではないけれども、やはり政治が介入し過ぎたかな。あのときは完全に、どうしましょうかという話は
官房長官を通じ総理大臣にいっているのですよ。羽田さんもどのくらいあれか知らないけれども、要するに宮澤さんが総理でしたから、彼は大蔵の出身でもあるから非常に知っていたのですよ。ですから、あそこでどういう
判断をするかというのは完全に政治なんですよ。
そこで、倒したくないということにかこつけて、政治の圧力でもってああいうちょっと金融常識では
考えられないいわば覚書がつくられたわけです。その背景にいるのがだれかというのが
加藤幹事長なのですよ。しかも、その当時の農中の
理事長の森本さんなのですよ。
つまり、あそこでもう既にボタンのかけ違いがある。そこでやめておけばいいのを、今度のスキームで同様に
加藤さんが中心になって、せっかく
越智さんたちがプロジェクトチームで民間にやらせようと思っていたのを取り上げて、そこで要するに国費導入を決めたのですよ。そういう
意味で、
加藤幹事長というのが当時における立て役者であり、今回における立て役者なのです。そこが一番問題なのですよ。
でございますから、久保さん、私は知らぬよで仕方がないかもしれない。だけれども、一番問題は、この金融プロジェクトチームからあれを取り上げて、そして国費導入へ持っていったのは
加藤さんそのものなのですよ。でございますから、まあほかのいろいろな案件もありましょう。ただ、本当にこのスキームの中心人物としての
加藤さん、
加藤さんが全く
関係のないところで動いている人ならいいですよ。まさにこの覚書のいわば作成者、当事者であり、しかもこのスキームの中心人物である。これはもう要するに逃れられないことなのです。彼のためにこの住専処理スキームができてみたり、二分の一国庫負担ができてみたり、そういうことになるのです。
この点について、
官房長官、
加藤さんがこの立て役者であったことを認めるか認めないか、いかがですか。——じゃ、答えられないなら答えられないで、こういう経緯を十分認識してもらいたい。
加藤喚問の基本には、彼が本当に第二次再建計画のときの立て役者である、それがたまたま今度はまた新しいスキームのまさに中心人物である。それにいろいろな問題が絡まってくる。ついでにTBSの問題も絡まってくる。こういったことで、これは要するに中心人物なのですよ、この予算の。その点だけはもうだんだんと論議の間から出てきた。まあちょっと、余りやると時間もないから。
それでは、その面で、最初の、野田
委員が前回二つの条件があると、金融三法案を早く出してくれ、
加藤喚問を行うべきだ、その二つの条件を出しました。まさにそのとおりだと思います。この点、
委員長においてよく御
検討願いたい。
努力されますか。