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嶋崎委員 先週、沖縄の基地問題に絞りまして
質問をしましたが、水源問題に関しての
質問漏れで、時間の
関係でできませんでした。その後四日間かけまして、沖縄の西表北部の国有林、民有林、県有林、全体調査をいたしまして、一昨日帰ってまいりました。この調査に基づいて、短い時間ですが、沖縄県における水源と森林問題について、沖縄県民の立場から、今の基地の整理統合・縮小に関連して、十六日から行われる日米会談で我が国の立場としてアメリカ側にその
意味を正確に伝えていただきたいというのが私の
質問の
趣旨でございます。
報道されているところによりますと、十六日からトップ会談が、日米会談が行われる前に、2プラス2、日本側からは外務
大臣と
防衛庁長官、アメリカ側もその二人の会談が行われた後、日米会談が行われると伝えられておりますので、外務
大臣と
防衛庁長官には
質問をする時間は恐らくないと思いますが、問題の重大性をつかんでおいていただいて、2プラス2のときにその問題意識で対処していただきたい、そういう
意味で御
出席を願った次第でございまして、大変御無礼を申し上げます。
五日に大田知事とお会いいたしまして、三十分にわたっていろいろな懇談をいたしました。内外には明らかにしておりませんが、いろいろな角度で御相談を申し上げましたが、その中の一つに、沖縄県の水の問題と森林というのは欠かせない問題だということを改めて教えていただきました。
沖縄県では、沖縄本島の給水制限日数、つまり水の制限が行われているその日数を
昭和四十七年から今日までずっと統計をとってみますと、非常に特徴が出てまいります。
昭和五十年代の初めまでは一年間に百日以上の給水制限でございました。それが、幾つかダムが建設されることになつ
たおかげで、一時完全に給水制限ゼロという時期がございました。ところが、
平成に入りまして、また一カ月間とか三カ月間とかといわれるような給水制限が続き始めてきております。
それで、開発庁の下部組織であります沖縄の北部ダム統合管
理事務所から出ているこの資料を見させていただきますと、今後沖縄県では、依然として水の需要があるのに対して、その供給は足りないよ、不足しますよということに現状はなっていることは、これらの
政府から出されている諸文書でも明らかであります。その原因がどこにあるのかということを、短い時間ですが問題にしてみたいと思うわけです。
その前に、米軍は、では水をどうしているのかというのは、御承知のように、地位協定二十四条に伴う新たな協定がございます。その新協定の第二条には、公益事業として、電気、ガス、水道、下水道は、アメリカは特別扱いということになっておりますし、その算定の基準、水道料金の基準の決め方その他はすべて決まっておりまして、今年度、
平成八年度では、アメリカ側に支払う日本の水道料金は五十一億円でございます。そのうち沖縄は七五%の米軍がおりますから、三十億ぐらいは沖縄本島に水道料金を払っておる、こういう仕組みになっているわけです。
しかも、米軍の場合には、この地位協定の新協定もございますからこれは別扱いで、しかも基地以外に、基地の外に住んでいる将校その他についても、公私の区別なしにすべて水道料金は日本が
負担することになっておりまして、米軍の方は水に不足していない、大体そう考えてよかろう。
水道料金の決め方は、過去三年間の最高平均水準に合わせて概算要求して
予算を組んでいるんですから、芝生にもばっと水をまいておれば、大変豊富な水の使い方でございますが、県民は大変な給水制限を行って耐えているというのが現状であります。
さてそこで、沖縄の水問題を解決するために、開発庁が中心になりまして、北部の国頭村の北部地帯に水確保のためのダムをつくり始めたおかげで、途中は給水制限なし、最近はまた足りないという状態になっているんですが、次々とダムをつくりました。このダムは大変ユニークなダムでございまして、洪水調節ダムというので、一番上の高いところに、水がだんだん不足してくれば上へ上へとダムをつくっていくわけです。それで上の方のダムに水がたまったものを次のダムにおろしてためる、またおろしてためて、一番下の福地ダムにたっぷり水をためて南に水を送るというこういうタイプのダムであります。
さて、このダムが問題になるのは、このダムはどこにつくられているかというと、
政府委員からこの地図を全部
大臣に渡してくださいというふうに言っておきましたが、行っておるはずでありますが、これを見ると非常に明快であります。北部の重要な森林地帯は、この赤で囲まれた部分が米軍の演習地であります。したがって、国有林はすっぽり米軍の演習地なんだ、こういうことをまず前提にしていただきたいと思います。そして、水不足のために今までこしらえた一連のこのダムは、すべて国有林の地域の中につくられているわけです。これは建設省の直轄事業ですから、こういう一連のダムを今日までつくってきているわけでちります七
さてところが、ここで問題になるのは、ダムをつくれば当然その近辺の樹木は伐採しなければなりません。木は切ってダムはこしらえたが、さてダムに入る水を確保するためには、上流の森林を本来ならば水源涵養の保安林として指定して、そして森林の施業もやらなければならぬし、水確保のための国土政策を打ち出さなければなりません。ところが残念なことに、これはすべて国有地ではありますが米軍の演習地であります。それが、今問題になっている北部演習地の一部返還というテーマであります。
北部演習地の一部返還というのは、新聞で
一般的に書かれて、それは何のことか
意味がよくわからぬ。その
意味は、まさに国有林が演習地にかぶさっていて、つくったダムの水を確保するためには、治山対策、特に保安林対策というものを将来に向けてやらなければならない。その
意味で、一部演習地の返還という課題が今から日米会談で話されるんだというふうに問題を立てておく必要があると思います。
時間の
関係で、まず最初に
官房長官、総理いらっしゃいませんから
官房長官にお聞きしますけれども、したがって日米首脳会談に当たって、米軍の基地の整理統合・縮小問題の一つに、普天間の飛行場もあります、それから恩納村の実弾射撃場もありますが、もう一つ重要な、沖縄県民の五十年、百年を頭に置いて、沖縄県民のこの水問題を解決していくための国土づくりという観点から、日米会談で北部演習場の一部返還を、このダムに即して流域ごとに保安林指定が可能になるようなことを考えつつ返還問題を提起していただくことが、アメリカ側もわかっていただけるのではないか。
現にこの演習場の中では、国有地でいいますと、今アメリカが演習を常住的にやっているのは十九番地区、十番地区、七番地区でございまして、この辺、南の方でございます。北の方はほとんど演習に今や使われていないのでありますから、その
意味で、一部返還という
意味はそういう
意味なんだということを踏まえて日米会談に臨んでいただきたい、これを総理に伝えていただきたいというのが
官房長官にお願いする第一点であります。
後でまとめて返事をいただきましょう。これが一つ。
二番目に、農林
大臣にお願いしたいのは、返還問題が将来起きてきたら、今もう既に県有林や市町村林のところは保安林に指定して、そして保安の施業、つまり山の
仕事を県も市もやっております。ところが国有林は手がついておりません。したがいまして、返還後にはかなり大きな地域について保安林指定の必要があるのではないかと思うが、
農林水産大臣として林野庁とも話し合いの上、その課題を果たすべく御検討をいただきたい、これについての返答、これは農林
大臣にお答え願いたい。
三番目に、これはちょっとわき道にそれたのですが、西表に入りましたところ、あそこに琉球大学の熱帯生物圏研究センターという共同利用研究所がございます。そこの共同利用研究所に参りましたところ、これは
外国の客員研究員や普通の学生なども大変利用しているいい研究所でございますが、この琉球大学には、演習林というのは北部にございますけれども、この共同利用研究所の中には亜熱帯を研究する講座がないのです。
そんなわけで、ここでは
平成九年度
予算に向けて教授、助教授を含む一講座要求を上げております。ですから、これは大学ごとに順番がありますから、僕が言ったから、はいということにはならぬと思いますが、文部省と琉大との間でよく御討議をいただいて、今後この亜熱帯植物の研究というものについて一講座を増設することについて御努力賜りたい。
この三点をそれぞれ回答いただいて、私の
質問を終わることにしたいと思います。