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江田委員 国会が単に追及と逃げの場ではなくて、こうやってやりとりの場になるというのは、それはそれでいいことだと思います。
しかし、今回私
どもの案は、これは逃げで言うわけじゃありませんが、基本方針ですから、それは確かに細かなところまでと言われるとまだ詰まっていないところはあります、それは確かに、率直に言って。ですが……(発言する者あり)いや、そんなことはないんです、詰まるんです、ちゃんと。ですが、今は予算の
審議ですから予算の
審議の範囲で言っているんで、また法案の
審議がこれからありますから、法案の
審議のときにきっちりとしたものを出していきたいと思います。
今
大臣は、民のことは民に任せて法的
処理でと私たちが言っていると。これは私は、やはりねじれがあると思うのですね。むしろ政府の方が、私的整理で、民のことは民に任せて、民の
合意で、しかしそこに国が公的に当事者として債務の穴埋めに六千八百五十億円を持っていくという。
私
どもの方は、民のことを民に任せ切ると言っているんじゃないんだよ。法的
処理で透明な、公正な、もうちゃんと法定された
手続で解決すると言っているわけですから、民のことは民だけでやれと言っているんじゃない。紛争の解決は公的な意味があるわけだから、ちゃんと公的に、あるいは法的に
関与をしていくと言っているんで、談合じゃないとおっしゃいますが、まあ私は談合だと思うんですね。
やはり今、例えば菅厚生
大臣がせっかくああいう、もう官僚の土俵の上ででき上がったものに対してそれではだめだといって、
国民の怒りを背景に大きな改革をしようとしているわけですから、私は、今本当にこの
住専問題に対する
国民の怒りを改革のエネルギー源にして、そして、申しわけないけれ
ども、
大蔵省がっくり上げた談合システムでなくて、もっと透明な、
国民に説明できる方法で、政治家が決断して日本のこういうシステムを変える。過去五十年続いてきた、あるいは明治維新以来かもしれません、続いてきた日本のこの日本的なシステムを、もっともっと国際的に通用する、
国民にもわかるシステムに変えていくという、本当にそういうチャンスなんだと、そう思っているんですが、これはまあ議論ですから。
さてそこで、次の
質問に移りますが、私は、この
予算委員会、これまで二回、ずっと一貫して民事、刑事の
責任の追及ということを聞いてまいりました。
まあ刑事の
責任については、これは追及にそんなに障害があるわけじゃありません。時効の壁というのはありますので、今一九九六年の二月の終わりですから、そうしますと、例えば背任とか特別背任とかというのは時効五年ですから、五年前というと一九九一年の二月ですから、今や日々刻々、刑事については時効で免れている人たちがいると思うと、これはもういても立ってもいられないんです。
しかし、この間もちょっと申し上げましたが、これは刑事の時効、公訴の時効、起訴する時効、これを延ばすというのは、憲法問題がやはりあります。やむを得ないというところがあると思います。我々はできることしかできませんからね。しかし、刑事についてはそれはやれる。
しかし、民事の
責任追及というのはなかなか難しいところがある。
債権の
回収は、これはいろいろな手だてを使って知恵比べでやれば
回収できてくる。しかし、この
住専問題は、単に
債権の
回収だけじゃなくて、これも今まで言っていますから簡単にしますが、
回収という範疇を超えた、損害賠償を求めるということが必要なんだろう。この
住専の取締役とか監査役とかが、ちゃんと
住専という
会社に対する義務を果たしていない。ある人は何も見ずに判を押しているかもしらぬ。
いや、おもしろいケースがありまして、だれでしたか、
国会議員の人ですが、どこかの
会社の役員になっていて役員報酬をもらっていて、これは
住専の借り手でしたかね。それで、何でそんな借り手の
会社の役員になって役員報酬をもらっているんだと言われたら、いやいや、自分は単に形式上そうなっているだけで、経営には全くタッチしていなかったから自分は無
関係だと、そういう弁解をしている。
いや、
国会議員でなくたって同じですよ。そういう弁解は通らないんですよ。役員というのはそんな甘っちょろいものじゃないんですね。役員というのは
会社に対してきっちり、あるいは結局は株主に対してちゃんと義務を果たしていく
責任がある。その
責任を果たしていなかったら、そのことによって
会社に生じた損害は賠償しなければいかぬ。第三者にも損害が生じたら、その分まで賠償しなければいかぬ。しかも、それは
関係する役員は全部、連帯
責任だ。取締役会の議事録に名前を連ねておったら、それはもう賛成したものとみなされますよというような、そういう規定まで全部整備されて、今や固有名詞の時代ですから、取締役だれそれがどういう損害賠償の
責任があるということが問われる時代なんですね。
これは行政だって同じですよ。業務
局長のだれそれに
責任があるのかないのかということが厳しく問われる、そういう時代に今なっているのですよね。自分の任期が過ぎればそれで大過なく過ぎましてという時代じゃなくなってきているわけです、今は。固有名詞の
責任の時代が来ているのです。
そうすると、それは
住専にもいるだろうし、例えば
母体行の役員が紹介融資をする、どうもこの案件は
母体行では到底無理だから、
住専の方へ持っていってやらそうというので持ってきて、そして
住専の方で適当な判断で、担保余力などちゃんと判断もせずに融資を
実行する、それによって損害が生ずる、そんなケースがいっぱいある。
母体行、銀行ですよね、その銀行の役員にそういう損害賠償
責任が生じたら、そういう仕事はこれは銀行の仕事としてやっている。銀行の仕事としてやっていれば、当然これは銀行も使用者として損害賠償の
責任を負う、しかもそれは連帯債務になる。同じことは借り手の方にもありますよね。
ですから、そういう損害賠償請求権というのはいっぱいある。もうくどくど言いません、今まで言ったことですからね。そこを私ははっきり認識しておかなければならぬ。だから、
大蔵省や銀行から
住専に天下りで来て、いいかげんなことをやって
住専をつぶして、そして退職金をもらって逃げて、豪邸に住み高級車に乗って、その連中は、単に恥を知るだけじゃだめだ、やはり損害を賠償しなければいけない。
紹介融資で幾らでしたっけ、一兆何千億。ちょっと紹介融資、どのくらいあったですかね。