○平田
委員 何か農水省も出されない、系統にも促されないという話でございますので、そのままお
伺いしておきます。
母体行が自分のところのノンバンクを一切自分の責任で、すなわち完全母体行主義というんですか、整理をする、処理をする、これはこれまで行われてきた事柄でございます。しかし、これは法律上の責任ではありません。信用を一番の資本といたします金融
機関がみずからの営業方針として、それをやることが自分たちの一番の資産、資本を守っていくことになる、こういう判断でやってこられたわけであります。
したがって、系統の皆さんが母体行に責任を.持ってほしいとおっしゃるのもそれは納得できますが、同時に、法律上の責任ではなくて、それは道義的な責任をおっしゃっているにすぎない。いや、おっしゃっているにすぎないといっても、私はこれは重要なことだと思いますよ。母体行が道義的責任をとれるかとれないか。私はとった方がいいと思う。金融システムを守るという、まさに
政府がおっしゃるその一点からするならば、自分のところのノンバンクが破綻をしたら自分のところが一切背負いますというのが、一番すっきりした、一番金融
機関の信用を保持できるやり方だろうと思います。しかし、残念ながら母体行の皆さんはそれを放棄した、嫌だとおっしゃった。やれませんとおっしゃったんでしょう、きっと。
やれない理由はいろいろあるんだろうと思います。七社において、母体行のあり方というのは種々違います。一社については、もうまさにごみ箱だと言われているぐらい母体がぐしゃぐしゃにした住専もあります。しかし、あるところでは、経営者がワンマンで、母体なんというのは関係ない、母体からどんどん縁を切りましょうと言って、融資をするときも利率が高いか低いかで入札までさせられている、そういう母体行もあります。もう母体じゃないんですよ。ただ、株持っている、持たされているというだけの母体なんです、そんなのは。だから、そういう母体は、何でうちが責任とらなければいかぬのだというわけです。ごみ箱にしたところは、道義的責任を物すごく感じているでしょう。だから、全責任を負いますというぐらいの気持ちがあるかもしれない。
しかし、どういうわけか、今度は七社全部同じ処理の仕方をした。別々の処理の仕方をすれば、
一つは完全母体ででき、
一つは修正母体でできるのに、全部一緒のやり方をやりましょうということになって、へんぱな修正母体行主義のスキームを出してきたんじゃないですか。そしてそのツケを国民の方に回してしまった。七社あるのを一社にしてしまった。一社のように考えて処理をしようとした、粗っぽい処理のスキームをつくった。これは大蔵省の怠慢です。銀行局の怠慢ですよ。
一つにすれば回収ができる、七つにすれば回収が難しい、私の
質問のときにそういう詭弁的答弁がありました。こんなもの、弁護士がだれが信じますか。少なく小さくした方が処理がしやすいに決まっているじゃないですか、
状況は全部違うのですから。同じA金融
機関が七社に貸していたとしても、どういういきさつで貸したかなんというのは全部違うのですから。それを一緒くたにやるなんというのは、これは愚かなやり方です。しかし、それをやろうとしてしまったがために、あらゆるところに問題が出てしまって、そのあらゆる問題を集めて六千八百五十億にして、国民にぽんと投げた、そういうことになるわけです。私は、そういう
意味で、この処理の仕方はもう一遍考え直さなければいかぬと思います。余りにも粗っぽ過ぎます。
そして、私は、先ほど系統の経営者の責任のことを申し上げました。同時に、母体行の、一般行の経営者の責任も同様に問われなければなりません。何か系統の経営者は無限責任だ、じゃ、ほかの金融
機関の経営者は無限責任じゃないのか、こんなようなことを言われておりますが、これは真っ赤な間違いであります。真っ赤なうそです。株式会社である銀行の経営者も、取締役は、忠実義務違反ということで会社に対しては無限責任を負っているのです。そういう
意味では、系統の金融
機関の経営者と同じ立場です。しかも、株主代表訴訟でねらわれているわけです。平等です。そういう
意味で、双方が今きちっと責任をとるということですよ。
何かこの間、参考人で、賞与は返上しました、報酬は少し削ります、何を言っているのですか、これだけの問題を起こしておいて。頭取全部やめなさいよ。六千八百五十億のしりを国民に持ってくるんだったらば、そこまでやらなくちゃいかぬです。県信連のトップもやめなさい。それでなおかつ六千八百五十億
お願いしますと言うんだったら、国民の皆さんも、そこまでされるんだったらばという、優しい国民、情に厚い国民は思うかもしれません。しかし、私は今後も経営者を続けます、高給を取ります、そんなばかな話はないですよ。そこまでなぜやれないんですか。(発言する者あり)今、与党の筆頭
理事が異議なしとおっしゃっていただきましたので、ぜひ大蔵
大臣、これは
総理ともう一遍相談してください。そこまできちっとやってくださいよ。
どこまでも六千八百五十億の予算を通すんだったら、与党の責任で、
政府の責任で、金融
機関の全責任者、具体的にその地位を退かなければなりません。今、信組の責任者は刑事責任まで問われているじゃないですか。みんなやめていますよ。なぜ大銀行と系統の経営者だけ居残るのですか。そんなばかな話はない、不公平だ。大きいところは残り、小さいところはほうり投げられる。こんな不正義はないですよ。こんな不公平はないですよ。
大臣、考えてください。答弁しにくいかもしれませんが、考えてください。どうですか。