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1996-02-14 第136回国会 衆議院 予算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年二月十四日(水曜日)     午前十時四分開議 出席委員   委員長 上原 康助君    理事 桜井  新君 理事 近岡理一郎君    理事 深谷 隆司君 理事 保利 耕輔君    理事 今津  寛君 理事 草川 昭三君    理事 野田  毅君 理事 三野 優美君  理事 五十嵐ふみひこ君       相沢 英之君    伊藤 公介君       江藤 隆美君    小澤  潔君       越智 伊平君    越智 通雄君       菊池福治郎君    後藤田正晴君       志賀  節君    七条  明君      田野瀬良太郎君    高鳥  修君       谷川 和穗君    萩山 教嚴君       林  幹雄君    原田  憲君       武藤 嘉文君    村山 達雄君       若林 正俊君    阿倍 基雄君       愛野興一郎君    伊藤 達也君       石井 啓一君    石田 勝之君       川島  實君    北橋 健治君       左藤  恵君    高木 陽介君       谷口 隆義君    樽床 伸二君       平田 米男君    前田 武志君       松岡滿壽男君    山口那津男君       山田  宏君    今村  修君       佐々木秀典君    坂上 富男君       田中 昭一君    細川 律夫君       錦織  淳君    古堅 実吉君       松本 善明君    矢島 恒夫君       土肥 隆一君  出席国務大臣         内閣総理大臣  橋本龍太郎君         法 務 大 臣 長尾 立子君         外 務 大 臣 池田 行彦君         大 蔵 大 臣 久保  亘君         文 部 大 臣 奥田 幹生君         厚 生 大 臣 菅  直人君         農林水産大臣  大原 一三君         通商産業大臣  塚原 俊平君         運 輸 大 臣 亀井 善之君         郵 政 大 臣 日野 市朗君         労 働 大 臣 永井 孝信君         建 設 大 臣 中尾 栄一君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     倉田 寛之君         国 務 大 臣        (内閣官房長官) 梶山 静六君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 中西 績介君         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)         (沖縄開発庁長         官)      岡部 三郎君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 臼井日出男君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      田中 秀征君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      中川 秀直君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 岩垂寿喜男君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 鈴木 和美君  出席政府委員         内閣法制局長官 大森 政輔君         内閣法制局第一         部長      秋山  收君         阪神・淡路復興         対策本部事務局         次長      生田 長人君         警察庁刑事局長 野田  健君         総務庁長官官房         長       河野  昭君         総務庁行政管理         局長      陶山  晧君         防衛庁参事官  藤島 正之君         防衛庁教育訓練         局長      粟  威之君         防衛施設庁建設         部長      田中 幹雄君         経済企画庁調整         局長      糠谷 真平君         経済企画庁調査         局長      澤田五十六君         国土庁防災局長 村瀬 興一君         外務省条約局長 林   暘君         大蔵大臣官房参         事官      河上 信彦君         兼内閣審議官         大蔵省主計局長 小村  武君         大蔵省主税局長 薄井 信明君         大蔵省銀行局長 西村 吉正君         国税庁次長   若林 勝三君         文部大臣官房長 佐藤 禎一君         文部省初等中等         教育局長    遠山 耕平君         文部省教育助成         局長      小林 敬治君         厚生省社会・援         護局長     佐々木典夫君         農林水産大臣官         房長      高木 勇樹君         農林水産省経済         局長      堤  英隆君         資源エネルギー         庁長官     江崎  格君         資源エネルギー         庁石炭部長   佐瀬 正敬君         中小企業庁長官 新  欣樹君         運輸省鉄道局長 梅崎  壽君         郵政大臣官房審         議官      品川 萬里君         労働大臣官房長 渡邊  信君         建設大臣官房長 伴   襄君         自治大臣官房総         務審議官    湊  和夫君         自治省行政局長 松本 英昭君         自治省行政君選         挙部長     谷合 靖夫君         自治省税務局長 佐野 徹治君  委員外出席者         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ————————————— 委員の異動 二月十四日  辞任         補欠選任   武藤 嘉文君     林  幹雄君   村岡 兼造君     萩山 教嚴君   谷津 義男君     七条  明君   笹川  堯君     北橋 健治君   松岡滿壽男君     樽床 伸二君   山口那津男君     高木 陽介君   古堅 実吉君     矢島 恒夫君   海江田万里君     土肥 隆一君 同日  辞任         補欠選任   七条  明君     谷津 義男君   萩山 教嚴君     村岡 兼造君   林  幹雄君    田野瀬良太郎君   北橋 健治君     笹川  堯君   高木 陽介君     山口那津男君   樽床 伸二君     松岡滿壽男君   土肥 隆一君     海江田万里君 同日  辞任         補欠選任  田野瀬良太郎君     武藤 嘉文君     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成七年度一般会計補正予算(第3号)  平成七年度特別会計補正予算(特第3号)      ————◇—————
  2. 上原康助

    上原委員長 これより会議を開きます。  平成七年度一般会計補正予算(第3号)、平成七年度特別会計補正予算(特第3号)の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田勝之君。
  3. 石田勝之

    石田(勝)委員 おはようございます。新進党の石田勝之でございます。  昨日まで本会議あるいは当予算委員会を通じまして住専関連議論をずっと伺ってまいりましたが、六千八百五十億円の積算根拠は何なのか。なぜ農協系負担が五千三百億なのか。政府は、国際公約とかあるいは金融システムの安定を掲げ、ぎりぎりの負担とか、またこれまでの経緯だとか、そういうことで答弁に終始いたしているわけでありまして、全く説得力のある答弁とは到底思えないわけであります。  現に、この住専という言葉の意味すらわからなかった国民に、最近は、住専というのはこういうものだ、民間会社なんだ、そういうことが日に日に理解をされてきておって、そういう中で、なぜ税金を投入しなければいけないのか。これは日に日に、住専に対する理解が深まると同時に、税金を投入することに反対意見が増してきている、こういう状況であろうと思っております。  それで、通常、業界あるいは団体、あるいは地方公共団体も含めて、国に対して再三再四にわたって陳情をして、こういうふうにしたいからお金を欲しい、大蔵省は厳しい査定をし、予算をいただけない場合もあります。特に、新規予算をつけてもらうなんというのは、これはまたなかなか至難のわざでありますし、大変なことであります。  今回、この住専のスキームに当たって、銀行業界からもあるいは農協系からも、政府に対して、助けてほしい、何とかしてほしい、そういう陳情なんというのはされていないわけであります。  そういう全くお願いもされていない中で、再三再四お願いをしても新規予算がなかなかつかない。例えば、せんだって自民党のある幹部の方が、公的資金導入については、これは石炭もあったし繊維もあった、そういうことを発言しておられた幹部の方がいらっしゃいましたけれども、私は、石炭繊維とは今回のこの住専税金拠出というのは全く違う、そういうふうに思っております。  そういう中で、大蔵省に対して、銀行業界も含め、何ら陳情をして助けてほしいという話ではないにもかかわらず、大蔵省は当初からもう関与し過ぎなんですね。これはもう大蔵省政策の失敗を、何とかこれを一気に解決をしたい、そういう一気に解決をしたいという思いから、大蔵省は頼まれてもいないお金をつぎ込もうとしている、そういうことだろうと思います。  なぜ大蔵省が頼まれてもいないお金をつぎ込もうとしているのか、大蔵省の御見解をまず伺いたいと思います。
  4. 西村吉正

    西村政府委員 今、石田委員お尋ねになりましたことは、まさにこの住専問題の一つ特質でありポイントであろうかと存じます。  私ども、今回の問題に関しまして、今御指摘のような、金融業界から頼まれたとか、あるいは系統金融機関からの陳情があったとか、そういうことでこの問題に取り組んだわけではございません。だれから頼まれたということではなく、本問題については、与党金融証券プロジェクトチーム等におかれましてたび重なる真摯な議論が行われ、金融制度調査会においても精力的な審議がなされ、この中で、公的資金導入も含めて、公的関与のあり方についてさまざまな議論が行われたわけでございます。関係者がみんな、解決せねばならない問題だと思いながら言い出せない、言い出しても、なかなかそれぞれの当事者では解決が難しい。その結果として結論を得ることに時間がかかるというのが、この住専問題の特質であったわけでございます。  このような提案に対しても、それぞれの関係者立場からは、例えば母体行のお立場からは、法的解決をしたならばもっと負担が軽くなるではないか、あるいは系統のお立場からは、本来責任がないのにこのような協力をするのは不本意である、あるいは納税者立場からは、本来納税者負担すべきものではないのにというようなお気持ちがそれぞれあり、しかしながら、この問題の早期解決を図らなければならないという経済全体からの課題になっておる。そこが本問題の特質ではなかろうかと考えておるところでございます。
  5. 石田勝之

    石田(勝)委員 経済全体からの早期解決を図らなければいけない、そういういつもの答弁大蔵省は終始しておりまして、私もこの予算委員会で、こちらの席で答弁質問を聞かしていただいて、それで、大体この種の答弁にはこれでいこうと、こういう厚い青いファイルを持ってきて、ぺろっと銀行局長がめくって、この趣旨にはこれなんだ、この答弁にはこれなんだ、そういうことで、もう大蔵省は、この予算委員会、あるいはこれからまだいろいろずっと続くわけでありますが、そのあらしの過ぎ去るのを待つ、弾の通り過ぎるのを待って、ただただ時間稼ぎをして、時間が過ぎるのを待っている。  まさしくちゃんとした国民立場に立ったそういう答弁なんというのは、誠意ある答弁というのは全くされていないですね。ただ弾が過ぎるのを待っているだけで、国民がこれだけ疑問に思っているにもかかわらず、大蔵省としては誠意を持って、だから必要なんだ、こういう答弁が一切、この委員会、本会議を通じて全く聞かれないですよ。大蔵大臣、その点どう思いますか。
  6. 久保亘

    久保国務大臣 再三にわたって、大蔵省としては金融政策上の責任を果たすためにこの住専問題処理方策皆様方に御審議を願っているということを申し上げてきたのであります。  今銀行局長が申し上げましたように、与党金融証券プロジェクトチームも二十回に及ぶ協議を行いまして、昨年十二月の一日にガイドラインを示したのであります。その中で、我が国国際金融における位置づけ、住専の設立から破綻に至る経緯、そして当事者経営状況対応能力、そういったものの判断の上に立って負担割合を決めてきたのでありまして、この負担基本額は、昨年の八月の住専に対する立入調査の結果、損失とみなされる不良債権を基礎の額として、これに対して母体責任そして貸し手責任、そういったようなものをさまざまの角度から検討した上、当事者負担を決めてまいったのであります。  その中で、結局六兆四千百億の負担を全部埋め合わせることのできないものを税金をもって補うということは、これはやむを得ざることだと判断をいたしました。それは、そのことなしには公的関与がこれ以上できないということになります。もしそういうことになりますと、これは民間のことであるから不良債権処理は民事に任せよ、そして一切の関与を行わないということで先送りをしてまいりますと、金融政策上からは極めて重大な事態が予測される。このことに対して、政府としては今日早期処理という立場に立って、政府の持ちます政策上の責任を果たさなければならないと考えたのであります。  なお、この公的資金導入は、繰り返し御説明を申し上げてまいりましたように、住専を救済したり住専に対する債務を有する者を免責したりするものでは絶対にない。そのことは、この処理機構の今後の回収、責任の追及によって国民皆様方に御理解がいただけるように全力を尽くさねばならぬということを申し上げてまいったのでございます。
  7. 石田勝之

    石田(勝)委員 今、久保大臣答弁にも、やむを得ざることとか、先ほどお話もあったようにぎりぎりのとか、大体いつもの答弁で、全く抽象的な答弁に終始をいたしております。本当に国民の血税を投入する、どうしてもこういうことで必要なんだという、わかりやすく的確な誠意ある答弁は全く大蔵省から出てこない。きちんとした説明ができないのだったら、私はこれは白紙に戻して撤回すべきだ、そういう意見が出るのは当然のことだ、そういうふうに思いますよ。  総理は、きのう草川委員質問で、母体行の負担額の上乗せを検討したらどうか、こういう質問に、興味ある提案で関心がある、検討に前向きな姿勢を表明したと。きょう朝刊に総理答弁が「首相、母体行の負担増示唆 紹介融資に応じ住専処理策見直しも」、これは新聞見出しですが、こういう見出しで出ております。また、これは産経新聞ですけれども、「官房長官自民幹事長と確認」、この住専処理策については「無修正で成立期す」、こういう見出しできようは出ておりますが、総理国民の間でこれだけ反対が起きて、八割、九割、その方々が反対している。総理も十分その点は御存じだと思います。  それからまた、住専ごっこといって、いじめ、これ御存じでしょうか。住専ごっこ御存じないですか。中学生や高校生の間でお金を貸してくれと言って金を借りる、返してくれと言って頼んだら、住専だから返さない、こういう住専ごっこという遊びが、遊びというか、いじめにも似た遊びがある、こういうことであります。要するに、借りたお金を踏み倒してもいいんだ、そういうことが今、日常茶飯事に言われつつあるわけであります。  そういう中で、きのうの草川委員質問あるいは官房長官幹事長との、これは新聞報道ですから事実関係ははっきりわかりませんが、こういうことを示唆をされた、こういうことでありますが、今までの質疑を通じて、総理、どういう考えでいくのか、そして総理としての決断のほどを、御決意のほどを明らかにしていただきたい、かように思っております。
  8. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私は、確かに昨日草川委員紹介融資に伴う責任といった考え方を述べられましたものに対し、興味があると申し上げました。  ただ、これは一律にあるいは何らかの算式をもって母体行の負担を増加させるということに話が入るのであれば、私はなかなか難しいところがあるであろうと思います。  そして、先日来繰り返し御答弁を申し上げてまいりましたが、今まで御質問をいただきました中には、破産法による処理を、あるいは会社更生法による処理を、それぞれいろいろな角度から真剣な御論議をいただきました。私は、昨日の御提案もそうした、それぞれにやはり真剣にこの問題を処理していく必要性をお認めになった上での御論議一つと、そう受けとめております。  そして、政府立場から申し上げますならば、逆に、この問題をこれ以上先送りすることができるかというならば、私はできないと考えておりますし、住専の問題というものが我が国金融システムの中にある不良資産の象徴的な課題であり、しかも解決を最も急ぐものであるということから、政府の御提案を申し上げている以上の考え方はない、現在においてはこれがぎりぎり本当に議論をした上での判断ということだけは申し上げなければなりません。  しかし、いずれにいたしましても、紹介融資が多かった、しかもその中で不良債権化している率も高いということは事実でありますから、そのような事情を踏まえ、例えば法律上問題のあるような紹介につきましては、住専処理機構から損害賠償請求を行うといったことも精力的に考えていくべきだと考えております。
  9. 石田勝之

    石田(勝)委員 それでは、時間がありませんから、次の質問に入らせていただきたいと思います。  次は、中川科学技術庁長官政治姿勢についてお尋ねをしたいと思います。  中川長官は、港区虎ノ門一丁目、虎ノ門実業会館九階にある新日本商事株式会社社長をお務めでございましたね。
  10. 中川秀直

    中川国務大臣 閣僚になるまで務めておりました。
  11. 石田勝之

    石田(勝)委員 閣僚になられておやめになった、こういうことでありますが、この会社は、東京商工リサーチの調査によれば、従業員が六人ということでありますが、八九年の売上高が四十五億、九〇年が五十二億、九一年が五十六億、九二年が四十六億、九三年が三十七億、九四年が三十一億と、まあ従業員六人の会社で社員一人当たり五億円から十億円の売り上げを出しているというのは、私はなかなかそんじよそこらにない会社だろうと思いますが、他に私は例がないと思いますが、これはどういうことなんでしょうかね。
  12. 中川秀直

    中川国務大臣 この会社は、私の先代昭和三十年代ぐらいにつくりました会社で、その先代が死にましてからしばらくおいて私が社長に就任しておる会社でございます。事業は、もろもろの機械あるいはまた石油製品、そうしたものを取り扱っている商事会社でございます。
  13. 石田勝之

    石田(勝)委員 商事会社なんですけれども、私が聞いたのは、年間の売り上げ、先ほど申し上げたので大体間違いないかどうかということです。
  14. 中川秀直

    中川国務大臣 突然のお尋ねなんで、全然資料を用意しておりませんから確答できませんが、恐らくそのぐらいの数字にはなっておるのではないかと記憶をいたしております。
  15. 石田勝之

    石田(勝)委員 突然の質問といっても、中川大臣はついこの間まで代表取締役社長であられたわけであって、やはり自分のところの会社年商売り上げが大体このぐらいかということは、それは別に調べなくたって普通ならわかっているのじゃないですかね。それも五十億を超えるような売り上げがあるわけですから、ちょっとその答弁はいかがかなと思いますが。  石油だとかいろいろやっておられるわけでありますが、得意先東京電力、中部電力、関西電力、東北電力仕入れ先昭和シェル石油コスモ石油とか太陽石油とか、大体石油会社が中心になっていますよね。その点は間違いないですか。
  16. 中川秀直

    中川国務大臣 最初の、社長をやっていながら売り上げがわかっていないのかという委員のおしかりでございますが、数字を持っていないので正確な数字を今このぐらいだと申し上げられないということで、大体そういうことであろうとお答えしたつもりでございます。  それから、今扱っているものの仕入れ先納入先委員指摘のとおりでございます。  それから、三十数億から五十億に近い数字をおっしゃっていただきましたが、これはあくまで扱い高でございまして、もちろん商事会社というのは、いよいよ利幅というのは、納入業務でございますから、ごくわずかなものでございます。
  17. 石田勝之

    石田(勝)委員 実は私は東京電力に問い合わせさせていただいたのですよ。この新日本商事株式会社東京電力発電所重油納入している。御案内のとおり、東京電力世界最大電力会社であって、資本金が六千六百億、従業員が四万五千人、それだけの巨大な電力会社なんですが、その東京電力の私の問い合わせた方、複数おるわけでありますが、大変失礼ながら社格もかなり違うし、一般的にはペーパーカンパニー、このような会社からなぜ重油を買わなければいけないのか、そういうことを尋ねたわけですが、その東京電力の問い合わせた方も、いや、ちょっとおかしいですね、何で買わなければいけないんですかね、こういうことでありました。  昭和シェルだとかコスモ石油だとか、こういう会社からも、元売からも直接東京電力は買っておられるわけですよね。東京電力の方が、何でこういうペーパーカンパニーから重油を買わなければいけないのか、これはおかしな話だ、そういうふうに言っておられるのですが、その点についてはいかがですか、御感想は。
  18. 中川秀直

    中川国務大臣 委員の御見解は御見解として承りますが、ペーパーカンパニーと、こうお決めつけいただいておりますけれども、現にもう四十年以上の事業をやっておりまして、毎年きちんと納税もいたしまして、そして私が引き継ぐ前からそのような営業を現にいたしてきたわけで、恐らくそれは、そういう形態も、全部は承知しておりませんが、当時から私どもだけではなくあったのであろう、このように理解をいたしております。
  19. 石田勝之

    石田(勝)委員 こちらの方から、どこから買おうと自由だ、そういうお話がありましたがね。(発言する者あり)ちょっと黙って聞いてくださいよ。  東京電力株式会社、まあ民間会社とはいえ、東京電力というのは公共性の非常に高い民間会社なんですよ。我々は東京電力からしか電力を供給するというか、買うことはできない。ここにいる国会だって、こちらにいる皆さんだって、東京電力しか電力を供給できないわけですよね。その東京電力がこのような、新日本商事のような会社を間に入れるということは、我々国民に対して、これは高い電力料金を払わせることにならないか、こういうことなんです。そうじゃないですか。だって、元売からだって買えるんですよ。  じゃ、なぜ中川大臣がこの東京電力と取引ができたんですか。
  20. 中川秀直

    中川国務大臣 二点お尋ねでございますが、元売からもお買いになれますけれども、元売元売でそれなりにまたコストというものがございます。納入というのは単に紙の上だけで売るのではなくて、現にタンカーが着いて、そして発電所で油を納入する、それに立ち会いをいたしまして間違いのないようにいたします。私どもも社員を派遣してそういう納入事務という実務をやっておるわけでございます。その業務料、そういうものを一つのビジネスにさせていただいておるわけでありまして、元売から買われても、元売元売でまたそういう業者をお使いになったり、みずからおやりになったり、その分のコストは当然電力会社に請求するわけでございます。そこら辺もよくお調べをいただきたい、かように存じます。  それから、なぜそういう取引ができたかということでございますが、これはもう会社の創成のころ、昭和三十年代初めのころだったと思いますが、私の父がそういうビジネスを一人のまた経済人として始めて今日まで至っているということでございます。
  21. 石田勝之

    石田(勝)委員 中川先生の事務所は虎ノ門一の一の二十、虎ノ門実業会館九階におありになりますよね。その新日本商事中川秀直事務所、それから先生のお持ちの政治団体の所在地、これらは全く同じ場所の中にあるのですね。その点。
  22. 中川秀直

    中川国務大臣 いつでも現場を御案内いたしますが、同じ場所にございますけれども、中へ入りますと明確に会社とそれから事務所と仕切りで全部分けておりまして、また政治団体の方はそのことについての家賃を会社の方に払っている、たしか月額五十万ぐらいだったと、四、五十万だと思いますが、そういうふうに払っております。  また恐らく、秘書の人件費なんかどうしているか、こういうお尋ねだろうと思いますが、それも事務協力費等々で社員の出向分は現実にきちんと払っております。いつでもそれは資料で御説明いたします。
  23. 石田勝之

    石田(勝)委員 まあ一般的には、この東京電力と取引したいといって会社を起こしても、それはもう大変な営業をかけたってああいう会社とはお取引できない。また、昭和シェルだとかコスモ石油だとか、そういったところから油を入れたいといってもそれはなかなかできないのですよ。これはもうできないです。  大変失礼ながら、従業員五人か六人の会社でお取引しようなんで、それはやはり、中川先主のお父さんが国会議員であり、先生がかつて通産政務次官や商工部会長や科技の委員長をお務めになっている、そういう政治家としてのあれがあるから私は東京電力だって取引されているのだろうと思いますよ。その点、どうですか。(発言する者あり)
  24. 中川秀直

    中川国務大臣 私自身は、そういう公人としての立場と、それからまた会社としての立場と、そういうものを混同しないようにきちんとけじめをつけてやってきたつもりですし、これからもそうしていくつもりであります。
  25. 石田勝之

    石田(勝)委員 では、全くそういうことではないと。じゃ、なぜ大臣就任に当たって会社社長をおやめになったのですか。(発言する者あり)
  26. 中川秀直

    中川国務大臣 報酬を受ける営利法人の役員は、閣僚、政務次官、これはやめることになっておりまして、私は国会の科学技術委員長をやらせていただいたときも含めまして、政務次官も含めまして、その都度やめさせていただいております。たまたま今回閣僚まで復帰しましたのは、前回、私は落選をしまして浪人をしていたものですから、その関係社長に復帰したということでございます。
  27. 石田勝之

    石田(勝)委員 いや、それは私もわかっておるのですが、政務次官のときも同様だったんですね。私は、大臣は当然やめるというのは知っているのですよ。政務次官のときも同様にやめられましたか。
  28. 中川秀直

    中川国務大臣 ちょっと記憶が定かでないのですが、科学技術委員長ですね、衆議院の科学技術委員長、そのときはやめました。政務次官のときはまだ社長になっていなかったような気がいたし  ます。それは訂正します。
  29. 石田勝之

    石田(勝)委員 それは大臣、政務次官は代表取締役はやめるというのは私も存じ上げているのです。ただ、政務次官のときにやめられたのですかと、そういうふうに私は確認をとりたかったので御質問をさせていただいた。(発言する者あり)いや、言いわけじゃないですよ。これは質問の仕方なんだから……(発言する者あり)  それでは次に、次の質問に移りますが……(発言する者あり)今質問するんですから、黙ってくださいよ。黙ってくださいよ。
  30. 上原康助

    上原委員長 お静かに願います。(発言する者あり)
  31. 石田勝之

    石田(勝)委員 長官長官、原発だとかこういうエネルギーを所管している国務大臣として、電力は先ほどから言っているように生活必需品なんですよね。公共料金の引き下げが再三叫ばれている中で、払わないでいいそういうお金国民が、電力の供給する側として買うわけですよ。そうすると、そういう実際に実体のないような会社にそのお金が入っているということは国民に不利益をもたらす、これはそういうことになるんじゃないですか。
  32. 中川秀直

    中川国務大臣 何度も先ほども御答弁させていただきましたが、実体という、その実体でございますけれども、重油にしても資材にしても、納入するには単なる書類上の決済だけではないわけでございます。現実に現場へ参りまして、そしてうちの社員が立ち会い業務をいたしまして、それに対する業務料、手数料という形で成り立っておるわけでございます。全く実体がない単なるペーパーカンパニーだということはもう少しお調べいただいておっしゃっていただきたい、このように存じます。
  33. 石田勝之

    石田(勝)委員 虎ノ門実業会館の入り口も同じだし、それは真ん中を壁で仕切られているといっても上はあいているし、従業員と秘書の方が行き来している、電話も相互にやりとりしている、こういうふうな話を私は伺っております。  次、中川先生の後援会の冊子、これ「秀友」というのがありますね。これは先生の国会での活動、活躍、そういうものが表現されている。これは先生の機関誌ですか。この育秀会というのは政治団体として届け出されているんでしょうか。
  34. 中川秀直

    中川国務大臣 それは雑誌の名前でございまして、その当時、出したときは育秀会という政治団体が発行いたしております。政治団体でございます。今は新法に変わりまして名前を変えております、一本化したものですから。
  35. 石田勝之

    石田(勝)委員 そうすると、これは育秀会という政治団体が発行していた「秀友」という機関誌になるわけですね。  それで、今回、住専問題で焦点になっている、大臣が就任時の記者会見においては、住専七社及び大口貸付先企業から政治団体に対する個人献金があるかと、これは各大臣、全部聞かれたと思います。そのときに中川長官も、そういうのはないとお答えになっていると思いますが、それは間違いないですか。
  36. 中川秀直

    中川国務大臣 記者会見で御質問いただいたのは住専からあるか、こういうお尋ねでございました。それで、私は住専とは全く、知っている人も一人もおりませんのでございませんとお答えをいたしました。
  37. 石田勝之

    石田(勝)委員 この機関誌の中に五社ほど広告がありまして、一つは港建設株式会社グループ、これは住総から貸付残高百九億円、これは住総からの二十五番目であります。それから次に株式会社エドケン、これはもうつぶれましたけれども、日本ハウジングローンから貸付残高百七十億円、第一住宅金融から貸付残高二百五十四億円であります。それからもう一つは株式会社三正、これは住総から貸付残高五十六億円、これは住総では五十二番目に位置するわけでありますが、先ほど、この発行元の育秀会というのは政治団体として届け出た、こういうことでありますが、そういう理屈からいうと、この広告料は政治団体に入った、政治献金として受け取った、こういうことでございますか。
  38. 中川秀直

    中川国務大臣 たしか一九八九年、平成元年であったと存じます。当時、育秀会が発行したその後援会誌に委員指摘の三社から広告賛助をいただいた、一部新聞でもこれを御指摘いただきましたので、事務所で調べましたところ、そういうことでございました。七年前なので、申しわけないのですが、当時の資料がもう処分されていて、ございません。記憶では、五十万かあるいは六十万か、その程度の広告料をいただいた、当時の担当の者の記憶でございますが、そういうことで御出稿をいただいたということでございます。育秀会には、それは事業収入ということで計上させていただいております。  なお、当時はいずれの会社もきちんと経営をされておったという印象を私は持って、いろいろそういう御協力をお願いしたということです。あえてお尋ねがないのに申し上げて恐縮ですが、だからといって、何か便宜を図ったということはございません。
  39. 石田勝之

    石田(勝)委員 その港建設、三正、それからエドケン、エドケンは倒産しましたけれども、長官、これはいつごろから、どのぐらいにわたって長官の事務所とおつき合いをしていたのですか。どういうおつき合いだったのでしょうか。広告をちょうだいするということは、普通我々の判断からいけば、企業と政治家との関係がかなり密接でなければ政治家の機関誌に広告を出そうという形にはならないわけでありまして、かなり親密であったと私は思いますが、その点、広告を掲載する、どういうおつき合いを、どのぐらいの期間においておつき合いをしていたのかお尋ねをいたします。
  40. 中川秀直

    中川国務大臣 いずれも、三社とも社長は私個人も存じ上げておりますが、おつき合いは担当の秘書が中心にやっておりました。何回か、まあ二、三回だったような記憶がございますけれども、当時の経済の話とか仕事の話とか、いろいろそういう情報というか状況をお聞かせいただいたこともございました。
  41. 石田勝之

    石田(勝)委員 いつごろから、今でもおつき合いをされている、こういうことですか。
  42. 中川秀直

    中川国務大臣 お答えします。  最近はほとんどお目にかかっておりません。つき合いの時期がいつかということはちょっと調べてみないとわからぬのですが、私自身の記憶は、その二、三年前ぐらいから始まったおつき合いであった。二、三年前、つまりそれは平成元年のことで七年前のことですが、したがって、九年か十年前ぐらいからのお知り合いということであったと記憶をいたしております。
  43. 石田勝之

    石田(勝)委員 先ほど、私が聞いていないのに大臣は、いや、その会社に何ら便宜、そういったことは図っておりません、そういうことでお答えになっておりましたが、それは間違いないですね。
  44. 中川秀直

    中川国務大臣 全く間違いございません。
  45. 石田勝之

    石田(勝)委員 次に、中西国務大臣についてお尋ねをいたします。  中西長官の校長着任闘争——児童生徒のいじめ、登校拒否、校内暴力など、これはいまだに解決を見出せず、連日のようにいじめによる事件が報じられ、大変心が痛むわけでありますが、戦後五十年の教育を総括し、再点検をし、次の世代を見据えた教育のあり方、制度のあり方、これは論議をしていかなければいけないわけであります。  そこで、総務庁長官並びに青少年対策本部長に今回御就任された中西長官に、長官がかつてとった行動、言動について、私は、長官の地元の福岡県の教育関係者数人と話をしてまいりました。そこでお尋ねをいたしますが、昭和四十三年以降、福岡県高等学校教職員組合、これは世界でも例のない違法な校長着任拒否闘争、生徒を放置した連続ストライキ、こういうことがあったわけであります。  まず文部省にお尋ねをいたしますが、この福岡県における忌まわしい事件、校長着任闘争事件、連続ストライキ事件、それらの事案内容についてお聞かせいただきたいと思います。     〔委員長退席、三野委員長代理着席〕
  46. 小林敬治

    ○小林(敬)政府委員 お答えいたします。  昭和四十三年四月、福岡県教委は、県立高校等の新任校長十五名を発令いたしました。これに対しまして福岡県高教組は、同教組の推薦もしくは承認のない十二名の任命に反対し、同年の四月から八月にかけまして、各校長の着任拒否闘争を行ったというものでございます。
  47. 石田勝之

    石田(勝)委員 その中心人物が四十年から五十年まで福岡県の高教組の書記長をやっていた中西大臣であったわけであります。  長官、その時期に書記長をやっておられたですね。
  48. 中西績介

    ○中西国務大臣 やっておりました。
  49. 石田勝之

    石田(勝)委員 昭和四十一年十月二十一日、半日ストを皮切りに、十五回に及ぶストライキを指示、決行させ、文部省に対し闘争を激化させ、教師に対してストライキ参加確認書に署名を執拗に求め、このストライキに参加しない教師や組合脱会者を村八分にした、こういうふうに福岡県の教師の人たちは言っておりますが、これは間違いない事実ですか。
  50. 中西績介

    ○中西国務大臣 ストライキに参加をするということの皆さんの署名は、絶えずそうした意思統一をするために行ったものであります。
  51. 石田勝之

    石田(勝)委員 長官は、四十三年から六十一年までの十八年間、そのとき県教育委員会が任命した校長着任に対して、組合員を動員して阻止行動を行い、ピケを張って、警察官が投入をされるという事実があったわけであります。また、この団体交渉で耐えられず退職校長が相次ぐなど、例えば福岡県の山田市の県立山田高校では、昭和四十七年五月から四十八年四月までの一年の間に何と四人の校長が交代した、こういうことであります。この事実は、文部省、確かでしょうか。     〔三野委員長代理退席、委員長着席〕
  52. 小林敬治

    ○小林(敬)政府委員 今手元にそういった資料がございませんので、わかりません。
  53. 石田勝之

    石田(勝)委員 長官、いかがですか。
  54. 中西績介

    ○中西国務大臣 二十七年前のことでありますから、細かいそういう内容についてまだ精査しておりませんから、ここで間違った答弁はできませんけれども、いずれにしましても、私は、そうしたことについて少なくとも二十年間慣行というものをつくり上げてきたわけです。労使間における慣行というのは法律よりも重みがあるという、信頼性の中からこれが形づくられていき、実施されるということになるわけですね。  そうした中で、その日の交渉の中で、二日前の交渉の中で、教育委員会並びに教育長、全面的にこの慣行を認めたわけであります。それを一挙に覆すという状況になったものですから、今度は、着任をする校長におきましても今までの制度を全部知っておるわけですから、全く私は問題なかっ たと思っています。
  55. 石田勝之

    石田(勝)委員 今大臣からいみじくも慣行だ、こういうふうにおっしゃられましたけれども、校長が来るのを阻止するのが慣行だったのですか、警察官を投入するのが慣行だったのですか。
  56. 中西績介

    ○中西国務大臣 法律を、私たちがこれを、解釈をあやめたりいろいろするというつもりは全くありません。出てきた事実について、我々がこの点について要求をしたということであります。あくまでも県教委との関係でありますから、対校長との関係ではありません。
  57. 石田勝之

    石田(勝)委員 労使間の協定が法律よりもいいんだ、正しいんだ、こういうふうに今長官は発言されましたよね。労使間の協定は法律より重みがある、こういうふうにおっしゃいましたよね。それはどうなんですか。
  58. 中西績介

    ○中西国務大臣 言われたとおりでありまして、信頼の中ですべて慣行というものは成り立っていくわけでありますから、そのことを労使間では大変尊重しておるということを申し上げたわけであります。
  59. 石田勝之

    石田(勝)委員 信頼の中で成り立っているものというのは法律よりも重いのですか。
  60. 中西績介

    ○中西国務大臣 労働運動の中におきましては、西欧におきましても日本においても、法律で決められたこと、そのことで強制されることもあります。しかし、お互いに長い間培ってきた信頼の中から生まれてきた、このことについてはお互いに尊重し合うということを確認をしておるわけです。
  61. 石田勝之

    石田(勝)委員 だから、違法性があっても、信頼関係があれば、それは法律より重いのですか。
  62. 中西績介

    ○中西国務大臣 そういうことではありません。
  63. 石田勝之

    石田(勝)委員 そういうことではないといったって、その前に大臣はそう答えられたじゃないですか。信頼関係があれば、これはもう違法であっても法律より重いんだとおっしゃったでしょう。  では、そういうことでないということはどういうことですか。大臣の答弁を撤回されるのですか、どっちですか。
  64. 中西績介

    ○中西国務大臣 いや、私は、法律を破ることが主目的ではなくて、あくまで私たちは信頼の中で二十年間培ってきたことを大事にしようということであった、こういうことであります。
  65. 石田勝之

    石田(勝)委員 法務大臣。信頼があればこれは違法を犯してもいいんだ、こういうお話であって、労使間の協定が法律より重いんだ、法律より強いんだ、こういう答弁でありましたけれども、法の責任者である法務大臣、御見解を伺いたいと思います。
  66. 長尾立子

    ○長尾国務大臣 長官お話は、法を破るということをお認めになったものではないというふうに私は承りました。
  67. 石田勝之

    石田(勝)委員 信頼関係があれば、じゃ、何をやってもいいんですか。大臣、中西長官、信頼関係があれば、ピケを張ってもいいし、校長が入ってくるのを要するに阻止してもいいし、あるいは教頭の机を表に出しちゃって、職員会議だといって教頭の言うことを聞かないで、それで、その教頭じゃない、勝手に組合員がつくった教頭の指示に従って、欠席届を出したり、いろんな事務連絡をやったり、そういうことが信頼関係があればそれで構わないというんですか。何でもいいということなんですか、信頼関係があれば。
  68. 中西績介

    ○中西国務大臣 何でもいいということを言っているわけじゃありません。
  69. 石田勝之

    石田(勝)委員 いや、だから、今言った、校長が……(発言する者あり)黙って聞いてなさいよ。校長の着任を阻止したり、教頭の言うことを聞かないで、教頭の机を表に出しちゃって、廊下に出しちゃって、別な教頭を勝手につくって、要するに主任だとか主事だとかといった、そういったことを一切認めないで、信頼関係だからそれは法律より重い、そういうやり方で正しいと今でも思っているんですか。
  70. 中西績介

    ○中西国務大臣 そうだとは言っていないわけでありまして、私が言ったことについていろいろ言われておりますけれども、法律を破ることを主にするということではありませんし、私たちが今まで続けてきた話し合いということを信頼の中で守っていきましょう、このことを重要視したということです。
  71. 石田勝之

    石田(勝)委員 いや、だから、校長が着任するのを阻止したり、あるいは教頭の言うことを聞かないで、別な教頭を勝手につくって、その人に欠席届だとか今度休暇をもらうだとか事務連絡を全部やって、職員会議がすべての最高決定機関だ、主任・主事制度なんて認めないんだと、そういうやり方が今でも長官は正しいと思っているんですか、どうなんですかと聞いているんですよ。
  72. 中西績介

    ○中西国務大臣 今までの慣行の中でやってきたことでありますが、私たちが今それを認めておるわけではありません。したがって、二十七年間のうちに変更がなされております。
  73. 石田勝之

    石田(勝)委員 だから、いや、長官としての見解はどうなんですかと私は聞いているんですよ。慣行だとかなんとかじゃないんですよ。長官としての考えを聞いているんですよ。
  74. 中西績介

    ○中西国務大臣 時代的な流れと合わせましてこれが変わったということは事実でありますし、そのことを認めておるわけです。
  75. 石田勝之

    石田(勝)委員 いや、変わったことだって、長官の今の考えはどうなんですかと聞いているんですよ。政治家としてのあなたの考えを聞いているんですよ。あなたの理念を聞いているんですよ。
  76. 中西績介

    ○中西国務大臣 これは変えられたということでありますから、そのことを認めております、こう言っているんですよ。
  77. 石田勝之

    石田(勝)委員 じゃ、変えられたということは、あなた本人はそうは思っていないということですね。あなたは、変えられたということは、強制的に変えられたと、だからあなたはそうは思っていないんだと、こういうことですね。
  78. 中西績介

    ○中西国務大臣 現在の状況を認めておるということです。
  79. 石田勝之

    石田(勝)委員 現在の状況を認めたということは、今までのあなたのとってきた行動は間違いだった、こういうことですね。反省をするんですね。
  80. 中西績介

    ○中西国務大臣 長い間の経過があるわけでありますけれども、現状、それを認めています。
  81. 石田勝之

    石田(勝)委員 長い間のあれじゃなくて、あなたが今までやってきたことは間違いだった、そうやって認められて謝罪されるんですか、それなら。どうなんですか。(発言する者あり)いや、国民にですよ。福岡県民にですよ。あなたのとった行動について認めるんであれば謝罪するんですね。
  82. 中西績介

    ○中西国務大臣 現状を認めています。(発言する者あり)
  83. 石田勝之

    石田(勝)委員 いや、人間だって変わるといったって、今大臣は、長年とってきた行動を反省をして、それは申しわけなかった、そう思っているんですか。どうなんですか。答弁させてくださいよ。ちゃんと答えないから聞いているんだよ。
  84. 中西績介

    ○中西国務大臣 現状を認めているわけですから、これ以上のものはありません。
  85. 上原康助

    上原委員長 発言時間が超過しておりますので、御協力願いたいと存じます。
  86. 石田勝之

    石田(勝)委員 だから、教育の場でそういうふうな発言をされるから政治不信がとれないんですよ。だから、いじめだとか登校拒否だとか校内暴力だとか、そういうあなたのような教師に教わった生徒がそういうふうなことをきちっとやらないからこういう問題が起きるんですよ。  以上で終わります。
  87. 上原康助

    上原委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。  次に、愛野興一郎君。
  88. 愛野興一郎

    ○愛野委員 連日の予算委員会審議で、総理大蔵大臣並びに各閣僚、御苦労さまでございます。私はまず住専問題を、これはもう本当に初歩をちょっと質問してみたいと思います。  まず、企業は、言うなれば、社長が社会に責任を持ち、そうしてその専務は専務の職権で決められたことを実行していく、そうして社長を補佐していくわけであります。この住専の問題で各党の質問答弁を見ておりますと、トップたる大臣を差しおいて、大蔵省とか農林省の局長答弁をされることがしばしばある。  こういうことは、言うなれば、だれに聞いていいのかわからぬから法制局長官に聞くわけでありますが、内閣の、行政組織法か何か知らぬが、大臣が答弁すべきことを、大臣を無視して局長答弁をしていいという根拠はどこにあるのか、ちょっとお答えを願いたいと思います。
  89. 大森政輔

    ○大森(政)政府委員 お尋ねの趣旨を十分に理解しているかどうかちょっと自信がございませんが、お尋ねの事柄につきまして、大臣が答弁をなさるかあるいは局長答弁をするかということにつきましては、最終的には委員長の指名によって決まるんではなかろうかというふうに理解しております。
  90. 愛野興一郎

    ○愛野委員 委員長の指名によって決まるということであれば、今度は、各省庁の職務権限は、国民生活やあるいは重大な問題に対しては、いわゆる大臣の責任ではなくて、次官か局長責任でいいということにもなるんですか、委員長が指名さえすれば。
  91. 大森政輔

    ○大森(政)政府委員 御承知のとおり、各省の設置法及びそれに基づく組織令によりまして、明確なる所掌事務権限というものが規定されております。そして当然のことながら、その各省庁の最高責任者は大臣あるいは長官であられます。  しかしながら、そのすべての事柄についてその最高責任者がみずから答弁をしなければならないということではございませんで、その所掌事務権限の範囲内において、そしてあらかじめ大臣の定める訓令等におきまして定められたとおりに意思決定をしあるいは発言をしていくということは、当然法律の範囲内の事柄であろうというふうに理解しております。
  92. 愛野興一郎

    ○愛野委員 いや、そのことはわかります。一々大臣に決裁をとっておっては、これはちょっと、もう大臣はたまったものではない。それはわかりますが、少なくともこの住専問題の本当に大きい重要なものは、これは国民生活にとって極めて重要であるし、あるいは金融秩序を確立をするということで重要であると政府みずからが言っておる。こういう問題は、やはり次官や局長もちゃんと大臣の決裁を受けてやられたことであろうと思うし、それからまた、内閣の継続性から、歴代大臣あるいは政務次官等も十分知ってのことであると思うが、法制局長官の見解はいかがですか。
  93. 大森政輔

    ○大森(政)政府委員 私の立場からは一般的な制度の御説明に尽きるわけでございますが、多分、お尋ねは、この審議におきまして問題になっている通達あるいは覚書との関係ではなかろうかと思います。  したがいまして、それに絞って申し上げますが、まず通達でございますが、この通達というのは、国家行政組織法第十四条の第二項によりますと、行政機関の長がその機関の所掌事務について示達するため、所管の諸機関及び職員に対して発するものであり、職務運営に関する細目的事項、法令の解釈、運用方針等に関する示達事項をその内容としているというふうに言われております。  そういたしまして、この通達を発する手続でございますけれども、これにつきましては、通達を発する場合の、だれが最終決裁をするかというあたりのことにつきましては、各省ごとに定められている文書決裁訓令というものが具体的に出されておりまして、事案の重要性に応じて最終決裁を異にしているというのが現状でございます。  また、覚書、これは、関係行政機関の間におきまして、当該行政機関の所掌事務の範囲内において相互の意思や事実を確認する等のため作成される文書というふうに説明できょうと思いますが、このような文書を作成する際の決裁につきましても、今通達で申し上げたのと同じルールが働くわけでございます。
  94. 愛野興一郎

    ○愛野委員 法制局長官の御説明はよくわかります。しかし、非常に重要な事項については、やはり大臣が決裁をされておる、勝手にやることはできないと思う、次官といえども局長といえども。私は、各省庁で重要な事項というものは違っても、重要事項については大臣の決裁を受けなければやることはできないと理解をしておるわけですが、いいですか。
  95. 大森政輔

    ○大森(政)政府委員 繰り返し申し上げますが、具体的にこの件は最終決裁者をだれにすべきであるかということは各省ごとの訓令に基づく運用の問題でございまして、重要事項は大臣と一般的には言えるかと思いますが、これが大臣の最終決裁であるべきかどうかということにつきましては、具体的な案件ごとに各省の訓令の運用で決まるものでございますから、一概に、今問題になっているようなことがどうだということを私の立場から断定的に申し上げる立場にはないということを御理解いただきたいと思います。
  96. 愛野興一郎

    ○愛野委員 政府を防衛しなければならぬ立場だから、なかなか苦しい答弁であるということはよくわかります。しかし、少なくとも国民が重要な関心を持っておるこの住専問題の、例の土田通達、不動産向け融資の総量規制から住専を外したこと、あるいは三業種規制から農協系を除外したこと、これがまた農協が住専に融資を拡大する原因になったわけでありますから。単協の農協長さんあたりは、言うなれば資金運用のために、大いに組合員に配当をふやすためにやりなさいと大手の住専から誘いを受けたとかなんとか言う人もおるわけですから。  そこで、これは共産党さんも質問しておられたが、この不動産向け融資の総量規制から住専を外したことと、それから三業種規制から農協系を除外したこと、これを土田元局長が通達されたその理由を大臣はどういうふうにお聞きをしておられるか、お伺いをしたいと思います。
  97. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 当時の主管閣僚でありましたので、私から改めて申し上げたいと存じます。  その通達の発出の数日前に土地関係閣僚会議がございました。これは、総理が出席をされ、与党幹部閣僚で構成されるものでございます。そして、それ以前に、平成元年の十月及び平成二年の一月に、ノンバンクに対して直接の権限がありませんので、土地関連の融資を抑えてほしいという要請を出しておりました。当然ながら、その中には住専も含まれております。  しかし、残念ながら、当時、依然として地価の上昇が抑え切れないという中での土地関係閣僚会議がございまして、その席上、総理から、ノンバンクに対して努力をしているということを一応御評価をいただきながら、なお一段踏み込んだ措置という御指示がございました。  そして、それを受けまして、金融機関の不動産関連の融資というものを総貸出高の伸びの範囲内に抑えてほしいといういわゆる総量規制通達を発出したわけでございます。そして、その時点で、ノンバンクに対しまして直接権限が及びませんために、要するに、金融機関からのノンバンク、不動産関係、建設、この三業種に対しての融資の報告を求めることによって、その間接的な効果を求めてこの通達は行われました。  同時に、系統系の金融機関、当然ながら例えば農中なんかはこの中に含まれるわけでありますけれども、系統系の金融機関に対しましては農水省の経済局長大蔵省銀行局長が連名で通達を発出いたしました。そしてそこには、確かにその不動産、建設、ノンバンクに対しての報告を求めるというものは抜けております。総量規制をかけたという点については同等でありますが、権限の及ばない三業種に対しての報告の徴求はそこには入れておりません。それは、それ以前から既に報告を別にとっておったものがございまして、それがあれば代行ができるというのが当時の判断でございました。
  98. 愛野興一郎

    ○愛野委員 その総量規制はよかったと私は思いますが、三業種規制から農協系を除外したことによって農協はむしろ結果的には被害者になったのではなかろうかと、これは私個人として思っておるわけであります。     、  それから、大蔵大臣にお伺いしたいと思いますが、大蔵大臣は、これは非常にお気の毒と私は思 っておる。これはどうしてかというと、まあ口が滑ったらおしかりをいただきますが、この六千八百五十億を決定した大蔵大臣が敵前逃亡とも言えるごとく突然やめられたわけでありますから、これはずっともう細川内閣以来大蔵大臣は苦労をするポストばかり、大蔵大臣になってもこんなきついことをやらなければいかぬのだから、本当に苦労するばかりのここ三、四年であると同情いたしておるわけでありますけれどもね。  大蔵省の寺村元銀行局長と農林省の眞鍋経済局長が、第二次住専計画をつくる際に、母体行が責任を持って対応するという覚書を交わしておる。そうして、母体行にその覚書を裏打ちする念書を提出させておるわけでありますから、この母体行が責任を持って対応するという覚書どおりに解釈をすれば、これは農協系の分も母体行が持ってもらわなければならぬじゃないかと、テレビとか新聞を見ておる農民は考えると当然思うわけであります。しかもこの念書が入っておるわけでありますから、このことについて大蔵大臣は、これはもう本当に気の毒な立場でありますが、どういうふうに思っておられるのかですね。
  99. 久保亘

    久保国務大臣 大変御同情をいただきまして恐縮に存じます。私は、政治家としての果たすべき任務を与えられたものと思って、全力で取り組んでいるところでございます。  今、前大蔵大臣、敵前逃亡というお話がございましたけれども、敵はだれなのかなと私はこの前から考えておりまして、まさか愛野先生が敵ではないのではないか、こう思っております。だから、逃亡なさったわけではなく、現に国会の中で、また政党の代表も務めておいででございますから、これは政権の交代に伴うものであると考えております。  なお今、覚書、念書の問題についてお話がございましたけれども、五年の二月につくられました両省の局長による覚書は、そのときできました第二次再建計画を誠実に実行しようという立場で書かれたものと考えております。したがいまして、母体行の債権に対する金利を〇%にするということと農協系金融機関の債権を金利四・五%にするということについて、母体行としては責任を持ってこのことについてきちっと実行する、つまり、自分の債権に対しては金利がないわけでありますから、そういうようなことを中心にして書かれたものと思っておりますが、この文言の中には、元本保証といったような文章は明文化されておりません。  しかし、そのとき、それぞれの経緯に伴う責任という意味において、母体行の責任は必ず果たしてもらう、そういう意味で系統金融機関の側がそこに言外の期待感を持ったということは想像されることでございます。しかし、このことが法的に元本保証の効力を持つかということになれば、それは大変難しいのではないかと考えております。  なお、この農協系統がどのような期待感を持ったかというようなことにつきましては、愛野さんも農協の組合長も御経験なさったと承っておりますが、この経営の状況対応能力等について協議が行われてまいりましたことについては十分御理解がいただけるのではないかと思っております。
  100. 愛野興一郎

    ○愛野委員 農林大臣にお伺いしますが、先週の土曜日の午後六時からテレビ朝日の住専特集というのがありました。大蔵省代表も、また全中からどこかの信連会長さんが見えておられましたが、それから経済評論家の方ですね、このいずれも、政府の措置に対して極めて冷たいというか、中立というか、自分たちにはまるっきり関係がないというような御発言であったわけであります。大蔵省は一生懸命説明しておられる。そういうことを見まして国民は、今回の措置は、農協の体質が弱いとか、あるいは農林中金が応じ切れないとか、あるいは信連や共済連の力が弱いとか、何か農協を支援するがごとき印象を抱いておるわけであります。  私も小さな中小企業のオーナーでありますが、中小企業も本当に苦労をしておるわけでありますし、もっと苦労をしておるのは、農協よりも今の農民が苦労しておるんです。それで、私は三十二歳のとき農協長をしたが、全然農業を知らぬで農協長ができたんですから、信用事業とか共済事業とか販売事業とかを一生懸命やっておればね。もう乖離しておるんです。でありますから、まあ、農協長としては本当はしっかり……。がしかし、できたという、当たり前のことを、僕は正直だから言っておるわけですがね。そういうことからすると……(発言する者あり)後ろから言っておる、農協すなわち農民ではない、もう農協と農民と乖離しておるんじゃないか、こういうふうに思うわけですね。  で、そこからやじが飛んでおるように、恐らく、農協長はもっと農民の所得がふえるようなことを考えろという、農協の再編、確立をしろと言っておられると思うわけでありますが、農林大臣はその辺、どうお考えですか、所見をお伺いしたい。
  101. 大原一三

    ○大原国務大臣 愛野委員は農協長をおやりになったと記録で見ておりますが、私は農協長を実はやっていないものですから先生ほど詳しくないかもしれませんが、今おっしゃった、全般的に農協金融というものを見ますと、先ほど内部留保が薄いとおっしゃいました。農協金融が弱いという意見ですね。これは協同組合組織の金融機関でありますから、できるだけ多くを農民に還元するというシステムででき上がっているわけでございます。したがって、配当を全部農民へ還元しておるものですから、勢い内部留保は銀行と違って非常に薄いものになっておる。これは、農協のシステムからいって当然のことでございます。  株式会社であれば、自分のところの経営のために内部留保をできるだけ厚くやる仕組みになっているわけでございますが、先生御承知と思いますけれども、農中と信連の内部留保は、現在、昨年の三月でございますが、一兆三千億でございますね。二十一母体行の内部留保は、この内部留保といいますのは、資本準備金と資本金を除く、資本準備金と資本金をつぶすときは倒産するときでありますから、除いた内部留保が、まあ二十兆円ぐらいあるわけでございますね。それは、金融機関として国際場裏にも働かなければいかぬし、当然の私は留保だと思っております。  そういうシステムから農協系統の負担を考える場合に、私は、今回の負担でいろいろ積算をしていって、あれぐらいの負担しかできない。ただし、ありがたいことに、与党ではずっと、大蔵大臣がおっしゃいましたように、時間をかけて、農協系は経営責任がないんだから負担とは言わないで贈与と位置づけて五千三百億円を負担することになったわけでございます。それでも、御承知と思いますが、何回も答弁したように、四十七の中で三十ぐらいの、これは大変なことです、赤字にならざるを得ない。こういう状況を皆さんが、私テレビを見ておりませんけれども、御理解が案外ないんではないのかなという感じを受けます。
  102. 愛野興一郎

    ○愛野委員 農林大臣のただいまの御説明は、計数的には理解をいたします。しかし、農協は、信連にしても共済連にしても単協から吸い上げてやっておるわけですが、三組織とか組合員に、住専に融資するなんて説明していないんですよ。でありますから、何だ、我々に何の説明もなく住専に投資しておったか、こういうことになるわけですね。  でありますから、私としては、やはり農協の体質そのものももう近代化していかなければならぬのじゃなかろうか。そうしなければ、農協青年部とか三組織との乖離が生まれてくる。そういう点をはっきりと国民に約束をしなければならぬ。  それと、総理の方針どおりのことを言っていただかなければ、これは、言うなれば、農業だけにこの住専問題で支援をしておるというような誤解を受けるわけでありますから、総理が明確に、この住専処理の問題は目的はこうであるということを再度ひとつ御発言をいただければと思います。
  103. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私は繰り返し、住専問題というものが、日本の金融システムに対する信頼を取り戻し、再構築をし、自己責任原則に立った運営をしていきますためにも、まず解決をしなけれ ばならない問題であり、その不良資産処理の中で最も象徴的かつ解決を急がなければならないものがこの住専の問題であるということを申し上げ続けてまいりました。  そして、今回の処理というものによりまして住専は当然ながら整理をされるわけでありますから、住専という私企業を救済するものでもありませんし、同時に、農協を初め関係金融機関や住専からの借り手に対する救済といったものでもないということはむしろ繰り返し申し上げてまいりました。  そして、御質問の中で逆に、農協救済ではないのか、系統救済ではないのかという御質問が何回もございまして、その限りにおきましては、もしここで処理をしないでこのまま住専問題を放置すれば、当然のことながら、系統も含めまして金融機関全体に影響は出てまいりますし、その中で預金者に余計な不安を与えるような事態も惹起しないとも限りません。ですから、そういうことまで含めるならば、救済という部分、それも全くないとは私は言いません。  しかし、あくまでもこれは、日本の金融システムというものに対する信頼を再構築し、自己責任原則に立った金融というものを確立していくために解決しなければならない喫緊の課題としての取り上げ方ということを繰り返し申し上げております。
  104. 愛野興一郎

    ○愛野委員 質問通告をやや出し過ぎて時間がなくなってまいりましたから、この住専問題につきましてはまた一般質問でさせていただくことにして、昨日、東京、大阪国税局の住専大口融資先に対する全国一斉調査がありました。まあ私は、遅きに失した感があると思っておるわけでありますが。  そこで、大口貸付先企業やそのオーナー、役員の隠し資産のチェック、それから個別の不動産取引等をめぐるリベートの有無、それから政治献金等使途不明金がどう経理処理されているか、調査終了後、どういう形でもよろしゅうございますから、それはもうお任せしますから、委員会調査報告を求めたいと思いますが、委員長、どうですか。
  105. 若林勝三

    若林政府委員 お答え申し上げます。  住専関係いたしております法人等について、我々、適正な課税処理が行われているかということにつきまして、国税当局としては関心を持っているわけでございます。そういう中で、この課税処理について適正に行われるべく必要な対応を今とっておるところでございますけれども、ただ、その結果につきまして、我々あくまで課税当局として課税上適正な処理が行われているかというところに関心があるわけでございます。  そういう意味におきまして、従来から、課税問題、国税職員が税務調査等によって知り得た秘密については、これはやはり現在の申告納税制度のもとにおける税務行政を円滑に行うという観点から、対外的に申し上げることは厳に差し控えさせていただいております。こういうことについては御理解を賜りたいと思います。
  106. 愛野興一郎

    ○愛野委員 まあ守秘義務というのがありますから、そこは納得をいたします。  次に、経済企画庁長官にお尋ねいたしますが、簡単にお願いをいたしたいと思います。  平成八年度の二・五%成長の閣議決定について質問しようと思っておりましたが、時間がありませんので、今回の月例経済報告における、景気回復宣言ともとれる月例経済報告でありましたが、その自信の根拠はどういうことであるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  107. 田中昭一

    田中国務大臣 経済企画庁長官として大先輩の愛野先生から景気の動向について御質問を受けたわけでありますが、昨週末の月例経済報告で私どもは、「景気には緩やかながら再び回復の動きがみられ始めている。」ということで、久方ぶりで「回復」という言葉を使わせていただきました。これについて、マスコミ等では景気回復宣言と受けとめているようでありますけれども、もちろん本格的な回復軌道に乗ったという意味ではございません。  先生御承知のとおり、雇用状態は大変厳しいものがあります。十一月、十二月と過去最高の三・四%という完全失業率を記録しております。ただ、この点についても、有効求人倍率を見ますと、十月、十一月、十二月とわずかながら改善をされています。それと、中小企業が依然として厳しい状態にあるということが大変気がかりでございます。しかしながら、このところの経済指標を見ますと、設備投資、住宅建設あるいは生産などに大変明るい動きが、確かな動きが見られる。総合的に判断いたしまして、あのような一歩踏み込んだ、明るい動きを一歩踏み込んだ表現をさせていただいたわけでございます。  簡単に話をせよ、こういうことなんで、二・五%についても申し上げたいところでありますが、また別の機会に譲りたいと思います。
  108. 愛野興一郎

    ○愛野委員 ちょうど我が党の船田君が経済企画庁長官をしておるときに景気回復宣言をやったところが、ちょっとまたダウンしちゃったんですね。そういうことを考えておりますと、実体経済としては、これは業種間の格差とか企業間の格差がますます拡大しておる。経済企画庁の発表のように、景気がやや回復基調にあるというふうにはまだまだ余り受け取っていない。各社、もう非常に努力をしておるというのが実態じゃなかろうか。  マクロ的な指標を見ると、これはまあ経済企画庁の数字でそうなるということであって、個人消費でも、六大都市はデパートが上向きということでありますが、地方は逆に、地元のデパートとして非常に栄えてきたデパートの方が不振で、大手のスーパーやあるいはホームセンター等々がどんどん地方に進出してくるものだから、デパートの売り上げが下がったりしておる。あるいは、大手製造業等もまだ過剰在庫に悩んでおる状況にあるわけであります。  また、アジア経済に陰りが見られるということで、例えばトヨタの下請が佐賀県に来るのがもう三年前からいっちょん来なかったり、そういうことを見ますと、まだまだ私どもは油断ができない日本の景気であるというふうに考えておるわけであります。  経済企画庁は書斎官庁と言われて、通産とか運輸とかいわゆる景気に関係のある省庁にいろいろとする権限が余りないということを私も痛切に痛感をしたわけであります。でありますから、経済企画庁が幾らいろいろな手法を操っても、農林省なりあるいは通産省なりに言いますと、それは経済企画庁の権限じゃないじゃないか、農林省の権限であるというように、やや参考にはするかもわからぬが馬耳東風的なところもあると思いますが、経済企画庁長官として、その辺の実感はいかがか。  それから、これからの本格的な景気回復のためにさらにどういうことを努力をしていかれるのか、お伺いをしたいと思います。
  109. 田中昭一

    田中国務大臣 最初に、平成五年のときのことをお話ありました。  当時の船田長官のときと私なんかが見まして違うのは、当時はやはり公共投資、住宅建設が非常に明るい動きがあったというところに焦点があったように記憶しております。現在は、設備投資を初め、いわゆる民の側に明るい動きが見られているというふうに思います。それから当時は、八月に一段の円高、株の暴落、農業の不作、いろいろなものが重なりました。いろいろな要因があってああいう形になったんだというふうに思っております。  企画庁について経験からお話がありましたけれども、確かに、私ども政治の立場からいえば、いろいろな統計数字をにらんでの判断と同時に、選挙区を持っておりますし、いろいろな一般の個別の声を聞くことが非常にためになると自分では感じております。  今回の景気回復に当たっても、これから適切な経済運営が必要で、私は、この半年が一番大事な時期だと思います。そのために、ハードルとして、予算住専、規制緩和と私は思っておりますが、この三つのハードルを越えて、課題を克服していくことが、本格的な回復軌道に乗せるためには何よりも大事だというふうに思っております。
  110. 愛野興一郎

    ○愛野委員 経済企画庁長官の御答弁を聞いておりまして非常に心強く感じましたが、これはもうずっと宮澤内閣以来の不況でありますから、大変に地方の中小企業等々も四苦八苦しておる。むしろこれは、もう涙ぐましい努力をしておるがさっぱりと業績は回復しないというようなことでありますから、なおひとつ頑張っていただきたいと思います。  もう時間が本当になくなりつつありますから、選挙制度の問題について自治大臣にお伺いをいたしたいと思います。  端的に、小選挙区制を十年凍結して、そうして単純中選挙区制を模索という、自民、社民両党の中にそういう勉強会をしておられるということがこの産経新聞に載っておるわけであります。それからまた、社民党が小選挙区比例代表制の見直しを選挙前にやろうということで署名活動をしておられるということでありますが、そんなに簡単に、政治改革の一環として選挙制度を改正したのに、まだ一回もやらぬでやっていいのかどうか。私は、やはり新旧交代の時代であると思っておりますから比例代表に回ったのに、これじゃまた中選挙区に戻るために一生懸命やり直さなければいかぬじゃないかという。しかし、これは国民に対する公約違反であり、また国会の権威を失うということにもなりかねないというふうに私は考えるわけであります。  そこで、自治大臣並びに総理のこれに対する見解をお伺いをしたいと思います。
  111. 倉田寛之

    ○倉田国務大臣 愛野委員御案内のとおり、現行の小選挙区比例代表並立制は、長い期間にわたりまして論議が重ねられてまいりました。政治改革の一環として、関係法案が国会で議決をされた結果導入されたものでありまして、次期総選挙から実施されることになっております。  政府といたしましては、現行制度が改革の趣旨に沿って正しく運用されることが重要と考えておりまして、自治省といたしましても、適正かつ円滑な執行ができるよう万全を期してまいる所存でございます。
  112. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 今、自治大臣からもお答えを申し上げましたように、新しい制度が国会で成立をいたしましてから、まだその制度に基づく選挙というものは行われておらない状況でございます。現時点におきまして政府立場をお問いいただきますならば、この制度が正しく運用されることが重要と考えておりまして、これを抜本的に見直すといった考え方政府としては持っておりません。
  113. 愛野興一郎

    ○愛野委員 あと十分ばかりありますから、通産大臣にお伺いをいたしておきます。  日本の石炭産業は、非常にこれはもう厳しい状況にある。ある経済評論家は、日本の石炭産業をいかにして安楽死させるかが石炭政策の根幹であるというようなことも言っております。そこで、前通産大臣は、北海道の歌志内の炭鉱が閉山したときに、みずから率先して、退職金が出せないわけですから、退職金の捻出に非常な努力をされた。  そこで、通産大臣に、今後の閉山対策というか、閉山になった場合に、そういう退職金とか失業問題とかということに対する積極的な姿勢をお伺いをしたいことと、それから、国土の近代化に伴う全国の零細小売商店街の活性化策を、あと十分ばかりありますから、お伺いをしたいと思います。
  114. 塚原俊平

    ○塚原国務大臣 ただいま空知の例を出されまして御質問をいただきました。  閉山につきましては、これは仮定の話でございますから、今後あったらどうするというのはなかなかお答えしにくい部分がございますが、空知のときに、先生が石特の委員長として私の前任者とよく打ち合わせをされて、大変所期の成果を上げられたということは報告を受けております。  先生、石炭について今日まで大変御熱心にやられたわけでございますが、そういう中で、平成四年以降、「新しい石炭政策」ということで一つのルールづけというものをいたしておりますので、それにのっとりまして今後とも精いっぱい努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。  商店街対策につきましては、ただいま経済企画庁長官からもお話がございましたが、中小企業が大変きつい中で、製造業はマイナスの中でもちょっといい、小売業はマイナスの中でも大変悪いという大変厳しい状況にございます。  商店街につきましては、今日まで何とか活力を出そうということで、空き店舗対策等は去年の補正予算でもさまざまな施策を講じてきたわけでございますけれども、空き店舗が出ないようにしていかなくてはいけないわけでございますので、今年度予算でもいろいろな措置をさせていただいておりますが、しっかりと地元の通産局等からこの状況把握を、今日までも努めておりますが、努めさせた上で、でき得る限り適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
  115. 愛野興一郎

    ○愛野委員 あと、行政改革とかあるいは規制緩和とか地方分権の問題について御質問を申し上げようと思いましたが、もう時間がありませんので、これで私の質問をやめておきます。  どうもありがとうございました。
  116. 上原康助

    上原委員長 これにて愛野君の質疑は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     正午休憩      ————◇—————     午後一時一分開議
  117. 上原康助

    上原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。矢島恒夫君。
  118. 矢島恒夫

    矢島委員 提案されております平成七年度補正予算、この案は税収不足を赤字国債で補う、こういう内容になっています。これは昨年度もやはりこういう形になりましたから二年連続の減額補正、こういうことになるわけです。  八年度の公債の残高というのが二百四十一兆円になる。こうした中で、政府は昨年財政危機宣言というのを出されました。まさに危機的な状況にあると思うわけです。それにもかかわらず、政府の実際にとっている施策というのはその危機感が全くない、こう言わざるを得ないのです。  というのは、税収不足を赤字国債で埋める、一方で、本委員会でずっと問題になっている例の六千八百五十億円という税金を使っての住専処理の問題です。こういう六千八百五十億円も支出しようというところに非常に矛盾があるのじゃないかと私は思うわけなのです。第二次損失はどれだけ膨らむか、今までの論議の中でもわかりません。こういう状況の中で、国民から大きな怒りが広がっているという状況です。やはりこの政府住専処理策は見直されるべきだと私は思うのです。  そこで、住専問題の中でも、特に母体責任ということと、それからいわゆる借り手の資産隠しの問題でお聞きしたいと思うのです。  週刊誌やあるいはテレビのワイドショーを見ますと、住専から借金をして踏み倒した、そういう側が豪邸に住んでいるとかあるいは高級車を乗り回しているとか、そういう報道がされているわけです。住専御殿などという名前もっけられておって、ここに一部週刊誌のコピーを持ってまいりましたが、まさにこういう形で、「いまも優雅な豪邸生活」というので、それぞれいろいろな借り手の豪邸、社長の豪邸が写されている、こういう状況があるわけです。  一方、やはり長引く深刻な不況の中で、中小業者の皆さん方は大変深刻な状況にあるわけでして、自殺者まで出すという事態も起きているわけですね。そういう状況の中で、こういう優雅な生活を借金を踏み倒した人たちがやっているということに対しての国民の怒りというのは、まさに想像を絶するものであるということが言えると思うのです。  そこで、総理に最初にお聞きしたいのですが、住専での国民の怒りは消費税以上だ、こういうように感想を総理は述べられました。こうした借り手のありさま、あるいは国民の怒り、こういうものをどのように受けとめ、そしてこれにどのように対処をしようとしているか、お答えいただきたい。
  119. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 まず第一点申し上げなければなりませんこと、それは、今回その借り手の責任を免除しようというものではないということを冒頭申し上げなければなりません。  今回の処理方策と申しますものは、住専を整理してしまう、そして、その資産は住専処理機構が引き継ぎまして強力な回収を行おうというものであります。そのために、住専不良債権処理のために預金保険機構と住専処理機構が一体となった強力な体制を整備するということを考えておるわけでありまして、この体制につきまして、私どもは最も効果的に働き得る仕組みを工夫したところでありますけれども、さらに、どのような人をもってそのチームを構成するか、それが一番重要なことだと考えておりますし、警察、法務・検察及び国税などの協力を得ながら、回収のための強力なチームをつくろうといたしております。その際、違法な妨害行為があれば、当然のことながら、捜査当局と緊密に連携をとり、積極的に告発するなどの対応をして、厳正に対処していこうといたしております。  そして、この体制に少しでも強力な仕組みあるいは手段を設けるためにも、政府といたしましても、法制上どこまで可能かを鋭意検討しながら、例えば預金保険機構に悪質な債務者の財産調査、あるいは住専に法律上問題のあるような損害を与えた者の調査を行わせるといったことも考えておりますし、財産調査につきましては、その実効性を担保するためにも罰則を付すことも考えておるわけでありまして、債務者がその債務を免責されるといったようなものではないということだけは、この際明らかにしておきたいと思います。
  120. 矢島恒夫

    矢島委員 大蔵大臣、きのう国税当局が、富士住建だとかあるいは末野興産など、借り手企業に対して立入調査を行いました。借り手責任の追及という点で、私、見逃してはならないことがあると思うのです。それは、今後の債権回収に備えて、この借金を返さない側が資産隠しをしているという一部の報道があるわけなんです。  大蔵大臣は、借りた方が外車を乗り回しているというのは釈然としないという御答弁がありました。まさにそのとおりなんですが、やはり借金を踏み倒した側が資産隠しなどということは絶対に許せないし、このことをきちんと追及することが必要だと思うのです。同時に、個人資産だとか関連企業の資産、あるいはペーパーカンパニーを使った資産の移転、さらには親族名義の資産、こういうものも徹底的に追及すべきだと思うのですが、大臣、その意思がございますか。
  121. 久保亘

    久保国務大臣 矢島さん御指摘になりましたように、今度の住専問題処理対策に当たりましては、債務者、住専、これらの責任は厳しく問われなければならないと思っております。  そのような立場から、債務者並びにその関係者を含めて、悪質な者に対しては、預金保険機構に財産調査権を付与することといたしました。それだけではなく、国税、検察、警察、すべての協力を求めながら、今お話にありましたような悪質な債務者に対しては、徹底した責任の追及とともに、回収が強力に行われるようにしなければならないと思っております。
  122. 矢島恒夫

    矢島委員 総理並びに大蔵大臣からそのような御答弁がありました。  実は処理機構の中でやっていく問題なんですが、現実の問題として、もうそういう資産隠しといういろいろな策謀が進んでいるわけなんですよ。  私、具体的な例でちょっと申し上げたいんですが、マスコミにもたびたび登場している末野興産という会社御存じだと思います、この会社住専五社への不良債権の総額というのが二千三百六十七億、これは政府の資料から。ここの会社が、昨年十一月から十二月にかけて、二十五億円もの保険料を一括して支払う貯蓄型保険に加入したという情報があったんです。保険会社は日本生命です。取り扱ったのは日本生命の新大阪支社北千里営業支部であります。  昨年の十一月から十二月というのは、政府部内でも、この六千八百五十億円、こういう税金の投入も含めたいわゆる住専処理策というものがいろいろ練られていた時期である、あるいはつくられた時期である。そうすると、このときに、借り手の責任はどう追及するかというものももちろん大きな論議の問題になったんだと思います。こういう時期に、大量の不良債権を出した側が二十五億円もの保険金を一括して支払う、同じ時期に。一説によりますと、二十五億円というのは現金だとも言われている。これはまさに資産隠しの疑いが濃厚であると思うんですけれども、こういう問題も含めて徹底的に追及されますか。
  123. 若林勝三

    若林政府委員 お答え申し上げます。  今回の住専問題に関係する関係者への課税上の関心というのを我々は持っておるわけでございます。そうした中において、厳正な対応をしていくわけでございますが、いろいろな資料、情報の収集に現在努めております。今委員の御指摘にありましたようなことも、貴重な情報として我々参考にさせていただきたいと思いますし、また、それ以外の情報等も収集いたしまして、適切に対応する。  いずれにいたしましても、あくまで課税上どういう問題があるかという点からの検討がなされていくわけでございます。そういった中におきまして、先ほど御指摘ございました関係会社等への資産の移転の状況はどうなっておるか、それは税法上どういう問題になるのか、さらに法人と代表者の間の資金の流通がどういうふうになっておるのか、それがまた単に法人税法上のみの問題ではなく、所得税法上の問題がどういうことがあるのか、そういった観点も含めまして、幅広く検討はなすべきものと考えております。
  124. 矢島恒夫

    矢島委員 これは、税法上の問題でもあると同時に、処理機構が今後どういうふうなところまでやっていくかという問題でもあるんですよ。ですから、私はもうちょっと中身について、その情報も大事にしながらという答弁ですけれども、申し上げたいと思うんです。  要するに、そういうようにやっている中で、次々とあちこちで資産隠しが起こっているんですよ。その一つの例を挙げますと、今言った日本生命の問題ですけれども、日本生命の新大阪支社では、保険の外交員をたくさん集めたところで、幹部社員が、二十五億円も現金でぼっと支払う景気のいい人がいる、もっと保険を集めてこいという一つのハッパをかける材料にもなっているんです、これが。この二十五億円の保険は、結局、いろいろ契約を分散させたりあるいはファミリー企業などを使って巧みに資産隠しをしようとしている節があるんです。  というのは、例えば南千里開発株式会社という会社が、このうちの数億円もの保険料をぽんと支払ったことになっているんです。この会社がいわゆる契約者ということになるんだろうと思うんです。そこで、その契約の中身を見てみますと、保険金の受け取りは末野社長の家族という、こういう手口のようであります。  南千里開発株式会社について、私、登記簿をとって調査してみました。それによりますと、所在地は大阪府の吹田市高野台三の七の五、こうあります。ここは末野社長の自宅なんですよ。自宅の住所と同じなのです。そして、例えばこの末野社長の豪邸がこのように載っておりますが、ここがこの会社の所在地になっているのです。  そこで、私、これは資本金は大体三千万円なんですけれども、登記されている取締役三人、代表取締役は末野社長の二十四歳になる娘さん、あとの二人は息子さんと夫人、こういうファミリー企業なんです。それで、登記簿の所在地とされている自宅には南千里開発株式会社という表札はありません。NTTの一〇四でこの住所を言って南千里開発株式会社を問い合わせてみたのです。そうしたら、そういう会社の届け出はございませんとNTTの返事でした。  一般に世間ではこういう会社のことを幽霊会社とかペーパーカンパニーとか言うのじゃないかと思うのですが、こういう会社がぽんと数億円も保険料を支払ったというのですよ。保険料を一括して前納するやり方、いわゆる貯蓄型保険と、こう言われているわけですが、この保険金を年金形式で毎年受け取っていくというようなことにしますと、この末野社長の家族は、たとえ会社がなくなっちゃっても、年間数千万円を生涯受け取り続けることができるのですよ。そういう契約をしているのです。  こういうことを放置しておいて国民が納得するわけないですわ。ぜひこういう事案についても徹底的に調査して、ぜひ国会に報告していただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょう。
  125. 久保亘

    久保国務大臣 今の事例につきましては、詳しく伺いまして、当然に住専処理機構並びに預金保険機構がこの問題の処理に取りかかります際には、今御指摘のありましたようなことも視野に入れて、そして先ほど総理も申されましたように、私どもは債務者にいかなる免責も与えないという立場に立って厳しくその責任の追及と回収に努めたい、こう思っております。
  126. 矢島恒夫

    矢島委員 悠長なことを言っていられないということはおわかりだと思うのです。処理機構をつくってそこでいよいよ動き出して、じゃ、この問題も念頭に入れながらやっていこうなどという問題じゃないのですよ。日本生命を調べればすぐわかるのですよ。二十五億円の、ばらばらになっていると思いますけれども、一回数億円というのがぼんぼんと契約されるというのはそんなに日本生命だってあるわけないのです。まして、この問題が起きているのは、いわゆる支社のまたその下のところですから、これは調べればすぐわかることだと思うのですよ。  こういう時点で即刻調べてこうなっているぞということになれば、やる気があるなという、国民にも、納得はいかないでしょうけれども、感じは出てくるのですわ。こんなすごいことが行われているのをほったらかしたら、まだ先のことだとなっていたらとんでもないことになる。  日本生命は住専母体行の一つですよ。住専七社の一つである地銀生保ローン、これの筆頭株主は日本生命なんですね。日本生命は地銀生保ローンに役員を、副社長だとか常務だとか派遣しております。  政府が出しました資料によりますと、その地銀生保ローンは末野興産に百五十九億円貸し込んでいるのです。担保による回収見込みはその中の二十六億円。結局百三十三億円が焦げついているのですよ。これは地銀生保ローンが抱える焦げつき額では二番目に当たるのですね。その末野興産が、二十五億円もぽんと一括して支払うだけの現金を持っているわけですよ。母体行にはこれを債権として回収する責任があるはずです。ところが、それをやらないんですよ。やらないだけじゃない、日本生命は、みずからの保険としてこれを取り込んだわけなんですよ。こういう分を含めて、国民にツケを回すということは到底許すことができない問題だと私は思うんですね。  この住専の破綻で、これは一つの例ですけれども、母体行の責任は非常に重要だと思うんです。この母体行の一つである日本生命がこうしたことをしているということになると、これはまあ言うなれば借金を踏み倒した側の資産隠しに協力している、こういうことになるわけなんですね。それを不良債権としてツケを回しちゃう、そういう疑惑も出てくると思うんですね。  総理大臣、昨日来、きょうもですが、母体責任の問題で何回か答弁されていらっしゃいます。今、日本生命という母体行の一つを取り上げてみましたけれども、やはりこの母体行のとるべき責任の問題というのは再度検討すべきではないかと思うんですが、御見解を承りたい。
  127. 西村吉正

    西村政府委員 ただいま御提案しております特別措置法案の内容に照らして御説明を申し上げますと、預金保険機構は、「譲受債権等に係る債権のうち、その債務者の財産が隠ぺいされているおそれがあるものその他その債務者の財産の実態を解明することが特に必要であると認められるものについて、当該債務者の財産の調査を行うこと。」ができる等の所要の規定を設けておるところでございます。  ぜひとも、この法律の成立をよろしくお願い申し上げます。
  128. 矢島恒夫

    矢島委員 母体行の、今までのいろいろな論議の中で出てきて、きのうからきようにかけて、総理もそのことについての答弁をされていらっしゃるんですよ。私もこういう例を挙げて御質問したんですが、銀行局長が出てまいりまして、ああいう答弁をされました。  そこで、私、再度総理質問するんですが、この母体行の責任が重大だということについては、我が党も繰り返しこのことを本委員会でも、またその他本会議でも述べてきました。母体行の紹介件数の九一%が焦げついているということは、もう既に銀行局長答弁でも明らかになっていることですけれども、私、何人かの銀行融資関係者の方々に直接、どういうふうにしたんだということを聞いてみました。  これは三菱銀行の関係者、こういうふうに言っていました。銀行は、通常、土地は七掛け、建物は五掛けで評価する、この担保掛け目に届かないものは住専に回した、これを一つ言っているんです。それからもう一つ、収益還元法で評価して、収益性に乏しいものは住専に回したと言っているんです。それから、エンドユーザーに行かないもの、つまり土地転がしなどで実需につながらないものも住専に回した、こう言っているんです。  それからもう一人、信託銀行関係の方に聞いたんです。個人ローンでも、要件に満たないものは住専に回しましたよ、こういうふうに明言しているんですね。ただ融資を紹介したというものではないわけですよ。不良債権化しそうなものを押しつけたということ、まあこのことは、この経過に照らしてもまさに明らかだと思うんですね。  それで、先ほどの日本生命の問題もそうですが、こういう紹介融資の問題もそうですが、やはり母体行の責任というものを先送りしてはいけない、絶対に。直ちにこの問題について再検討して、そして再度考え直すべきじゃないかと思うんですが、総理お願いします。
  129. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 母体行の責任というものは、本委員会でも何回か論議になりました。そして私は、基本的には借りたお金を返さないというのが一番問題なんだということを申しましたところ、まあおしかりを受けた部分がありました。そして私は、いずれにいたしましても、やはり紹介融資が多い、そしてその中で不良債権化している率も高いということは事実でありますから、そうした事情を踏まえて、今後、例えば法律上問題のありますような紹介につきましては、住専処理機構から損害賠償請求を行うといったことを精力的に行ってまいりたい、午前中も同様の答弁を申し上げたところであります。
  130. 矢島恒夫

    矢島委員 再度私、母体行の責任というものが重大ですから、今回提案されております現在の六千八百五十億円、税金から、こういうことですけれども、母体行の責任をもっともっと追及すべきだということを主張したいと思います。  次の質問に入ります。  次は、暴力団企業への融資の問題についてお聞きしたいのです。実は私、ここにアメリカのワシントン・ポストと、それからアメリカの経済誌であるビジネスウイークという経済誌の一部をコピーしてまいりました。  ワシントン・ポストの方には一面に出てくるわけです。まさにこの日本の住専問題での処理は、「ヤクザ」というのがあって、「スローイング・ローン・クリーンアップ・プロセス」というふうにあるのですね。つまり、きれいになるのが遅くなっちゃっている、やくざによって、という表題で、その中身については、簡略に申し上げますと、ギャングが日本の銀行危機を悪化させている、やくざがローンの清算過程をおくらせているのだ。日本の警察関係者調査機関の話として、不良債権のうち少なくとも一〇%はやくざと明らかに結びついた融資と指摘している。また、金融機関が強力な法的手段で返済を迫ることができないのは、経営幹部へのテロと、過去に暴力団と取引をした事実の暴露を恐れているため。これはワシントン・ポストの記事です。  それから、こちらがいわゆるビジネスウイークの方なんですが、一月二十九日に出ております。「ザ・ヤクザ・アンド・ザ・バンクス」、こういう表題で出てくるわけであります。表に出ている人はやくざだろうと私は思うのですけれども、こういうのを発行している。  首相はいよいよ二十三日から訪米される。アメリカの新聞や雑誌ではこういうふうな状況で報道されているんだということ。まあ感想をお聞きしたいところですが、ぜひそういうことも念頭に入れながらアメリカへ行っていただくということが必要だろうと思います。  それから、もう一つ私がお聞きしたいのは、警察庁にお聞きしたいのですけれども、九〇年から九一年の証券・金融スキャンダルのときにも、銀行やノンバンクが暴力団の関係企業と知っていながら融資したり、あるいは地上げで暴力団の力をかりるなどという問題がいろいろ発覚しました。  ことしの一月十二日、警視庁、北海道、大阪など主要十二都道府県警などの関係者が集まって、金融不良債権関連事犯対策関係捜査課長会議、こういうものを開いた。当然この会議の中では、住専問題を視野に入れた会議だと思いますが、そうなのかどうか。  もう一つは、住専各社の大口貸出先に暴力団関係のフロント企業があるのかどうか、御答弁いただきたい。
  131. 野田健

    野田(健)政府委員 委員指摘のとおり、一月十二日に、指定府県の捜査担当課長を集めまして、金融不良債権関連事犯の捜査の徹底を期するよう会議を実施したところであります。  また、暴力団がいろいろな意味で企業活動をし、そしてその企業活動の仮面の下で違法行為をしているという事例が認められるところから、そういった事件についての徹底検挙を通じて暴力団事件を解明していきたいというふうに考えております。  また、現在、住専のいろいろな問題につきましては、警察にとって最重点の課題ということで取り上げておりまして、違法行為があれば厳正に対処してまいりたいと考えております。
  132. 矢島恒夫

    矢島委員 具体的な暴力団関係のフロント企業と大口貸出先になっているそういうところとの関係というのや、あるいは住専との関係というのは明らかにしていただけなかったわけですが、政府が提出いたしました住専七社上位百貸付先実名リストというのがございますね。その資料の中で、五ページに住総関係の各百社が載っておるわけですが、その上から数えて二十一番目に日建企画という大阪の不動産会社があります。この会社と暴力団の人的関係があるのかどうか、警察庁。
  133. 野田健

    野田(健)政府委員 特定の企業と暴力団の関係というものにつきましては、その関与の程度、態様が一様でないということがあることから、警察としては、個別具体的な事件を検挙した場合にはその実態を解明することができると考えておりまして、必要な範囲内で資料収集に基づきまして暴力団と関係ある旨を公表する場合がありますが、一般的に、ある企業の関係者が暴力団と関係があるかどうかということについては、捜査上の秘密あるいは個人の名誉、プライバシーの問題もありますので、控えさせていただいているところでございます。
  134. 矢島恒夫

    矢島委員 どうもお答えいただけない。  我々の調査の結果を申し上げます。  我々が入手した暴力団関係の資料を見ますと、いわゆるフロント企業として、株式会社、(株)と書いてあるわけですね、(株)日建企画という会社があります。この会社の所在地は、大阪市中央区内本町二の三の八、責任者は藤本健治関与者は本人、団体名は心腹会、系統は山口組、地位は組員、宅建業の許可は平成元年三月十九日、許可番号は(二)二八二二三となっています。  そこで、住総の方の日建企画と、それから山口組のフロント企業である株式会社日建企画を調べてみたのです。その結果、両方の会社は全く一致するのです。ここに私、日建企画の登記簿謄本を持ってまいりました。この謄本によりますと、この会社昭和五十八年、一九八三年の十二月二十六日に設立されている。平成三年の十一月二十五日に、中央区内本町二の三の八から同じ中央区瓦町の一丁目二番地の十二号に移転している。そして、その役員欄を見ますと、藤本健治という名前が役員になっているのです。  住総は母体行である住友信託銀行本店からの紹介で、昭和六十二年七月の二十三日から日建企画と取引を開始しています。住総はこの会社に約百三十一億円を融資しています。内訳は本社ビルに約二十八億円、中央区南本町の三丁目の地上げに約百三億円、これだけ融資しているのです。その本社ビルというのが実はこれなんです。(写真を示す)日建企画という看板が出ております。これが日建企画の本社ビルなんです。このビルを担保にして二十八億円融資しているわけなんですね。  日建企画に対する調査結果について、第二次立入調査の結果として、私たち資料としていただいたものには、「母体行の紹介であったことから、債務者の業容に比べて過大な事業であったにもかかわらず、紹介した母体行の仲介力に頼り、事業計画の検討が不十分なまま応需し、債務者の破産により損失の発生を招いている」、これが大蔵省からいただいた資料ですね。まず母体行の責任はまさに明らかだと思うのですね。  大蔵省に聞きます。住総の融資に対する審査体制、どうなっているのか。まあ、二回立ち入りをしているわけですから十分把握していると思いますが、わかっていたら。
  135. 西村吉正

    西村政府委員 住総の審査体制と仕事の進め方につきましては、既に御提出をいたしました資料、調査結果に記されているとおりでございます。
  136. 矢島恒夫

    矢島委員 私、ここに住総の最近の「融資権限規程及び関連諸規程の改定」、昨年の十一月二十八日に改定されたものです、これを持っているわけですが、この中には、例えば一番上の方には取引ベースで融資審議会。融資審議会というのは会長、社長、それから専務、常務、こういう人たちで構成するわけですけれども、取引ベースで三億円超はここで審議するんだということだとか、それから取引先ベース、いわゆるグループに対する融資ですね、このときには三十億円超が融資審議会の対象である、こういうことが書いてあり、いずれも住総の役員というのは母体行の信託銀行七行から出向している。そして、この融資審議会の開催というのは最近では毎週火曜日だった、午前中に開いている、こういうことです。  日建企画に対する融資は、大蔵省立入調査の結果でも明らかなように、母体行の住友信託銀行の意向が強く働いていると書いてあるのですね。また、この住友信託銀行の意向を受けた住総では、住友信託銀行から出向している役員がいるわけですから、その役員は融資審議会に入っているわけです。それで融資を決定している。そして、その融資が焦げついている。まさに二重の意味で母体行の責任は極めて重大だ。  大蔵大臣、どうですか、今までのこと。
  137. 久保亘

    久保国務大臣 お話のとおりであれば、大変重い責任を伴うものと考えております。  ただ、この問題が法律上の犯罪を構成するかどうかということにつきましては、今直ちにお答えするのは難しいと思います。
  138. 矢島恒夫

    矢島委員 大蔵大臣、この日建企画に住総が融資して焦げついちゃっているのですが、この日建企画というのはそもそも、私が先ほど申しましたように暴力団のフロント企業なんですよ。ですから、こういうところに国民税金が使われたらそれこそ大変だ。しかも、そのこと自身は、前に私どもの不破委員長も本会議で代表質問指摘したように、政府みずからが暴力団対策法の精神を踏みにじることになってしまうのではないか。そういう点では重要だから、もう直ちにこれらのことに対する対策、手だて、これをとっていただかなければならないと思うのですね。  この住友信託銀行が住総に日建企画を紹介した経緯をもう少し申し上げますと、一九八七年の六月三十日に、山口組・心腹組の組員と言われている藤本健治氏が日建企画の役員を辞退する。その直後に、この住友信託銀行が住総に日建企画を紹介するわけです。  こうした経緯を見ていますと、住友信託銀行は自分のところで融資するのは危険だなと思ったからこれを住総に押しつけたと、こう言っても過言ではないと思うんですね、この歴史的な経過からいえば。  私、やはりこの問題で関係者に聞いてきたんですよ。この人は住総の社員です。こういうことを言っていらっしゃるんですね。日建企画の本社ビルの七階に行ったところ、山口組系の組事務所らしきものがあった。棚には猟銃が置いてあり、人の出入りが激しいので何ですかと聞いたら、これから出入りだとこう言われてびっくりして帰ってきたと、こういう方が一人。  それから、日建企画は九二年十二月一日に二回目の不渡りを出して倒産したんです。そこで、住総が担保物件の差し押さえの法的手続をとりました。裁判所の執行官が本社ビルに行ったんですよ。そうしたところ、やくざらしき人間がいてビルの中に入れずに、怖くて現況調査もできない状態だったとこの差し押さえのために行った執行官が言っているんですよ。  さらにいろいろあるんですわ。この南本町の三丁目、地上げした部分ですけれども、この地上げした部分について写真がありますが、まあこういうジグザグの土地なんですよ。つまり、地上げをすぽんとできなかったんです。残っちゃったんで、地上げし損なったところが所々方々にこうあるんです。ですから、ジグザグの土地なんです、使い物にならないんですよ。本当に言って、ここへ大きなビルを建てることもできなければ、細長いのなら建ちますけれども、まあ土地の利用の仕方としては極めてやりにくい土地なんです。  ここが今駐車場になっているんです。写真でもおわかりのとおりですね。両側に一台置けないような細長い土地ですから、台数もそんなに置けるわけじゃありませんけれども。この中に、その筋、つまりやくざとわかる外車が駐車しているんですよ。で、これをどかしてくれと言ったら、何千万よこせと請求されたと、こういうような話もあるんです。いずれにしろ、この土地、時価でいえば十億円程度ですよ、そういうところに多額の融資が行われているということは先ほど私が申し上げたとおりです。  時間の関係もありますので、私きょう取り上げたのはまさに氷山の一角なんですね。ですから、今度の処理機構の中には警察OBが入る、先ほど御答弁がありました。ですから、政府自身もこの暴力団絡みの債権というものを十分認識していられるわけだ。だからそういう体制を組まなければだめだとこう言っていらっしゃるわけですね。ですから、ここでそういう問題はひとつ全面的に公開して、こういう暴力団にこれだけ金が行っているから私たちは一生懸命取り立てるんだ、あるいは、ここは占拠されているから、取り立てるためには相当いろいろな手だてが必要だというようなところを本当にこれからやっていかなければならないんだけれども、そのためにも、ぜひ暴力団関係についての資料の提出、総理、決断するときだと思うんですが、いかがでしょうか。
  139. 倉田寛之

    ○倉田国務大臣 債権債務をめぐる暴力団等の関与につきましては、先刻刑事局長からもお答えを申し上げてございますが、一般的に申し上げることは、刑事司法につながる捜査上の問題にもかかわることでございますので、差し控えているものと認識をいたしているところでございます。  いずれにいたしましても、警察といたしましては、刑罰法令に触れる行為があれば厳正に対処してまいるものと認識をいたしております。
  140. 矢島恒夫

    矢島委員 この問題は委員会でも何回も出ていますし、委員長の方も、理事会で処理するということをおっしゃっていらっしゃいます。ぜひ出していただきたい。  最後に私は、平成七年度一般会計補正予算外一件に対して反対であることを表明したいと思います。  今回提出された補正予算案というのは、税収不足を補うために大量の赤字国債を発行しようというものである。これは政府経済見通しと財政の失敗によるもので、その原因と責任こそ問われなければならないものだと私は考えます。税収減の補てん財源というのは、軍事費や大企業向け予算で賄うべきであり、財政危機をさらに深刻化させる赤字国債の大量発行の行き着く先というのは、まさに未曾有の財政赤字、財政破綻、そして消費税の大増税の道である。到底容認できません。  さらに、住専処理策への血税投入はさらなる赤字国債増発をもたらし、二次損失でこれが大きく膨らむという重大事態になることは明らかであります。住専問題は、質問でも明らかになりましたように、それぞれの責任、とりわけ暴力団関係への融資さえ紹介して住専に押しつけるなどしてきた母体行の責任で行うべきである。このことを再度主張いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  141. 上原康助

    上原委員長 これにて矢島君の質疑は終了いたしました。  次に、土肥隆一君。
  142. 土肥隆一

    土肥委員 私は、市民リーグ・民改連の土肥隆一でございます。久保大臣、お久しぶりでございます。元気にやっております。  私は、選挙区が神戸でございますから、たった二十分間の時間しかございませんけれども、個人補償をしないと政府が一貫して言ってきましたこの経過から、今回の住専補てん、六千八百五十億円というのはどう考えても地元としては受け入れがたい、そういうことを申し上げて、質問させていただきたいと思うのであります。  今、神戸に総理大臣でも大蔵大臣でも行って、六千八百五十億円税金で払いますからね、出しますからねと言ったときに、それはもうやはり九割五分は反対でしょうね。石が飛んでくるかもわかりません。それほどもう怒り狂っていると言ってもいいんじゃないでしょうか。  先日ある障害者の団体に行きましたら、障害者の人が、自分でその署名書をつくりまして、自分で印刷して、自分で集めているんだけれども、どこへ持っていったらいいだろうかと言うので、私のところに送りなさい、こう申し上げたのです。一貫して政府は個人財産の補償はしないと言ってきたのであります。もう一年たちました。私ども被災者は、ああそうか、国は個人的な補償は一切しないんだなということで今日まで過ごしてまいりましたけれども、この住専問題が出てまいりましたら、あに図らんや、税金を使うんだというわけであります。  今、被災地で何が起こっているかということを私なりに少しまとめてみたいと思うのであります。  一つは、ローンの支払いとか、あるいは仮設以外のところに入っていらっしゃるアパートの家賃であるとか、あるいは住宅を再建したいんであるけれども担保不足であるとか二重ローンであるとか、そして、ある企業にとっては賃金カットや失業があって、その失業者や生活苦にあえいでいる人がおよそ二十万人ぐらいいるのではないかというふうに言っております。そういう個人的な生活が非常に行き詰まって、どうしたら自分は立ち上がれるんだろうかと。私の考えでは、大体被災民の二割は立ち上がれないと思います。そういう感じを持っております。  それだけでなくて、二番目に、市民の間の亀裂が広がってきておるわけです。例えば、被災地の 人と非被災地の人たちの間の人間関係の難しさ、あるいは、復興事業は開発ばかりやっているのではないかと言って批判する生活派と、いや、開発もやらなければいけないんだという開発派、あるいは被災市民の間の対立とか葛藤があるわけであります。  例えば、もう更地の中に立派な建物がどんと建って、夜に行きますとごうごうと電気がついている家があると思えば、その周りは広大な更地なんです。何とか建て上げようとする。あの人はもう建て上げたけれども私は建て上げられないという。そうすると、そこに微妙な、昔いいおつき合いをしていた市民の間に、そこに言ってみれば格差、そしてそこから生まれる葛藤、対立というものがございます。  行政も、神戸市でもそうでありますけれども、このインフラだとかあるいは公的な事業はやることができましても、個人的な市民の生活に触れることができない。それはもう、まず財源がないわけです。そして、もう少し細かな行政的配慮をしようと思うと財源がないし、今の既成の法体系の中ではそれはできないわけでありまして、そうすると、行政は何もしないということを市民が感じて、そこにも行政と市民との間に対立が生じてまいります。その結果、結局、何とかしなければならないと思いながらどうにもならないという絶望感がずっと広がっておりまして、そして、もう自分の人生を放棄してしまっている人、もうどうでもいいや、自立などということはもう考えまいと。  その結果どういうことが起こっているかというと、非常に感情的になります。そして時々は、違法建築をしたり、あるいはむちゃくちゃな建物を建てて、そして法令や都市計画や再開発の手法に全く耳を傾けない人が出てまいります。感情的になり、超法規的な行動が見えてまいります。  こういう事態は神戸市民だけが悪いんでしょうか。神戸市民だけが自立していないんでしょうか。私はそうじゃないと思うのであります。この巨大な現代都市の、しかも直下型の地震が来たときに、どこの市民でも陥るような問題性、悩み、そして六千人を超える人が死に、七千戸を超える家を焼き、四十万棟がひつくり返ってしまったこの事態というのは、この日本国のどこにでも起こる問題だと思うのであります。  神戸市民は甘えているんじゃないか、焼け太りじゃないか、まだ被災地のことを言うのかと言う人がございますけれども、それはとんでもない間違いで、どこでも起こる事件だということであります。  そうした中で、兵庫県は、十年間削りに削って一兆六千八百億円の赤字が出ます、それを、半分は身を削って何とかしますから、その残りの半分、これを何とかしてくれないかという要望書が出ております。神戸市の財政計画を見ますと、この十年間にわたって職員の給料も一切上げない、物件費も一切上げない、全部切り詰めていって六千億赤字が出るんです、神戸市は。兵庫県は一兆六千八百億円です、兵庫県の全体を合わせれば。  そうすると、六千億というのが聞こえてまいりますと、もう神戸市民はみんな六千八百五十億円ということがびんと頭にくるわけです。それをくれませんか、こういうふうにもう平気で言います。  最終的に神戸市は、公債制限比率を超えまして、平成十四年で三四・七%まで上がってしまいます。そういう中で、私は何も行政だけのことを言っているんじゃありませんで、市民の生活、市民一人一人が本当の意味で立ち上がらないと神戸の復興はない、阪神地区の復興はないというふうに考えるのであります。そのときに何が一番有効かといえば、お金なんです。お金を思い切って、私は個人に渡せとは言いません、個人救済に限りなく近い出費をして、そして——もう一年たちました。二年、三年たっともう立ち上がれません。だから、この早い時期に六千億、兵庫県に貸していただけませんか。そして、兵庫県の県民が、神戸市民が、その原資を何とか自分の生活再建のために使えるような施策をしてほしいと思うのであります。  そこで、今までずっと伝統的に、個人財産は補償しない、こう言ってこられましたが、これの理論的な根拠は何なのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
  143. 鈴木和美

    ○鈴木国務大臣 ただいま土肥先生のお話を聞いて、担当大臣としても現地の状況は十分つかんでいるつもりでございます。  そこで、災害問題については、いつも発生するたびに個人補償という問題が話題になってくるわけでございますが、個人補償については、現行制度の中で、私有財産制度のもとでは、やはり個人の財産を自由にかつ排他的に処分し得るかわりに個人の責任のもとに処理をしてもらうというのが、ずっと踏襲してきている中身でございます。したがいまして、現行の中ではこの方針を踏襲していくきりないと思うのです。  さて、今、行政は何にもやらないんじゃないかというお話でございますが、阪神・淡路大震災については、被害の甚大さにかんがみまして、道路など公共施設の復旧や公共住宅の建設などに全力を挙げてまいりました。いわば個人への直接の手当てとして、災害救助法による救助に加え、特別の立法などによって被災地の生活再建への支援措置を従来以上に拡充していると思っております。  個人補償という形ではありませんが、阪神・淡路大震災復興基金への地方財政措置や住宅金融公庫の特別な融資制度の創設など、大幅な支援措置を行っておりまして、国としても、三兆三千八百億円の問題であるとか、それから起債の問題であるとか、それに対する地方交付税の問題であるとか、十分手当てをしていると存じているところでございます。
  144. 土肥隆一

    土肥委員 もうよくわかっているんです、それは。道路がきれいになり、道幅が広くなり、インフラがきれいにでき上がって、このインフラだけきれいにでき上がって神戸市民はしゅんとしている。あっちこっちに更地が残り、個人住宅の再建が進まないとなれば、どういう町なんでしょうか、これは。そういうことを考えると、もっと踏み込んだ施策をしない限りだめだと言っているわけです。  例えば、今復興基金というのを大臣がおっしゃいましたけれども、六千億です。これの金利を利子補給や何かに使おう、仮設住宅の改善費なんかに使おうということですけれども、私は、直接何らかの救援機構、補償機構をつくって、六千億積んで、それを個人に貸し付ける。政府が貸し付ける。  今銀行で、ダブルローンなんかになりますと、土地の資産価値からいって、ダブルローンを組んで家を建て上げるだけの保証をしてくれませんよ。銀行が貸してくれないんです。それから、高齢者が三割、四割いっておりますから、これはいかなる金融機関も、政府系の金融機関も貸してくれません。そうすると、その人たちはみんな公的住宅に入りなさい、もう家を建てるのはあきらめなさいと言うのは簡単ですよ。だけれども、それで済むのかということであります。  私はあえて申し上げますけれども、その六千億をもう六千億積んで、半分は金利で、基金ですから、小さな問題については対処する。もう一つの六千億は、これは直接貸し出して、担保はあるわけですから、これは不良債権じゃないんです、みんな土地を持っているわけですから。ただし、銀行と政府系の金が一緒になって貸し出しをする。金利あるいは貸出期間などは長く考えたらいいと思うんでありますが、いずれにしても、何とか政府が個人補償に限りなく近いものを用意しない限り、神戸市民の復興はないということであります。  例えば、これから公営住宅が建ってまいりますと、大体二万、三万円で安い民間アパートに住んでいた人が新築になった市営住宅、県営住宅へ行ったって、やはり六万、八万払わなければいけないんです。家賃の補助はどうするんですか。家賃の補助は全部自治体に任せるんですか。そういうふうに考えないと、ずっと仮設に置いておいてくださいと言いますよ。どうですか、これは。家賃補助についての政府の考えはどうですか。
  145. 鈴木和美

    ○鈴木国務大臣 今先生御案内のように、住宅の問題は、一万八千戸の公営住宅とそれ以下、七万七千戸の公的住宅に今着手したわけでございます。したがって、間もなく公的な住宅というのはできてまいると思うんです。  そこで、今お話しの、それならば家賃がどうなるのかということが今一番現地で問題になっていることだと私も認識しております。今お話を聞いている限りにおいては、神戸市においてもまた県においても、どういう家賃体系にした方がいいのかというようなことが今討論中であるということも聞いておりますし、そういう御要求があれば、関係省庁とまた相談をしながら対応していきたい、こういうふうに考えております。
  146. 土肥隆一

    土肥委員 総理、何とか抜本的な対策、お金を使ってもらえませんか。  というのは、例えば、阪神・淡路、要するに兵庫県ですけれども、兵庫県の皆さんに六千億お貸ししましょうといったときに、国会もそれから国民の皆さんも、そんな公金を使うな、そんなものに税金を使うなと言うでしょうか。住専は、これは会社法人が不始末をしまして、そして全部帳じりを合わせたら、どうしても六千八百五十億円入れないとこの体系がもたない、このスキームがもたない、これも一つ公的資金民間におろしていることになるわけですよね。それは違いますか。どうでしょうか、大臣。そしてもう一歩大胆な施策は考えられないですか。
  147. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私は、住専の問題とは別途今の御意見を真剣に伺わせていただきました。  この阪神・淡路大震災のこれからの復興の中で、政府としてなお一層努力すべきこと、県あるいは関係の市、町とも十分御相談をしながら、これからも努力をしていきます。
  148. 土肥隆一

    土肥委員 私は、住専と別に考えようという総理大臣のお考えですけれども、これはもう被災民にとってはしょっちゅう頭にこびりついていることなんです。ですから、冒頭申しましたように、それは被災地の人たちに幾ら説明しても、なぜ個人的補償がなくて、そしてこの住専などというものに公金を出すのかということになるわけです。  ですから、私は個人補償に直接金を出せと言っているんじゃない。個人補償に限りなく近い補償を、それは貸し出しでもいいし、どうしても必要なときには直接その補償をするということもあり得る、そういう柔軟な構造の補償体系をつくってほしいと思うのです。なぜならば、これから個人にかかわる問題を解決しない限りこの被災地は立ち上がらないということでありまして、人間が立ち上がらないで町や道路や木が立ち上がったって何の意味もないわけです。  そうすると、これから例えば、今家賃の話を聞きましたが、仮設住宅が要らなくなったときに、あるいはこれは二年では済みませんから、三年、四年と住んでもらいますけれども、厚生大臣にお伺いしますけれども、二年たったら仮設住宅は何住宅になるのでしょうか。そしてそれは何のために、どういうふうな扱いになるのでしょうか。そしてそれを今度は撤去する、あるいは廃棄物になる。四万三千戸の仮設住宅の壮大な廃棄物ができるわけですが、これはどうするのですか。
  149. 菅直人

    ○菅国務大臣 私も、一月の十六、十七と神戸に出かけて仮設住宅をかなりあちこち見てまいりました。今土肥委員がおっしゃるように、いろいろな問題があるんだなと。例えば、少しアル中なんかになっている方も若干ふえているなんというお医者さんの話も聞いて、まさに人間一人一人が立ち上がれるかどうかということが大変重要だということを本当に痛感してまいりました。  今お尋ねの仮設住宅につきましては、仮設住宅の定義は二年間ということに一応建築基準法はなっているというふうに私も理解をしております。  しかし、今国土庁長官からもありましたように、できるだけ公営住宅等への入居ができるようにということを、この二年間でまず頑張ろう、さらにそれから引き続き頑張ろうということで、そういう点では、できるだけ自治体を中心に、一般住宅への転居が進むように厚生省としても最大限の協力をしていきたい。しかし、それでも二年間で全部の方が移れるということはなかなか率直に言って難しいと思われますけれども、その場合には、それぞれの関係官庁と協議をして、例えば島原の例とか奥尻の例とかいろいろな例がありますので、その段階で継続して使えるような手だてを考えなければならない。  そして今、もう一つ話のありました、この後どうするかという問題は、仮設住宅は、一応つくったものについては自治体が取得をした財産という形で位置づけられておりますので、将来仮設住宅を撤去する場合は、自治体のものですから、原則的にはそちらで負担をしていただくことが予定されております。ただし、大変大規模なものでもありますので、またそういう時期になりましたら、これも関係自治体、関係官庁と十分相談して対応していきたい、こう考えております。
  150. 土肥隆一

    土肥委員 最後に、今神戸市民は、個人補償をしない、そして神戸市も兵庫県も金がない、だから細かい施策ができないわけで、結局国とか行政というのは何にもしないんだな、こういう印象を強く持っておりまして、一種の無政府的な投げやりの感情が満ち満ちております。私は、この神戸市民の感情をいやさない限り、これは全国に宣伝されると思いますよ、何もしないのよと。そういう雰囲気をつくるということは、国家としてもあるいは政府としても非常に残念なことだと思います。  もう神戸市もぎりぎり、そして六千億の赤字を抱える。兵庫県もそうです。もうぎりぎり詰めて詰めて、なおこの金がないときに、地方自治体に、あれもしなさい、仮設住宅はあんたに上げたのよと。冗談じゃない、ごみの山になるわけでありますから。そういうふうにして言う限りは、神戸市民はますます行政に不信を持つということでございまして、橋本内閣としてやはりこの阪神大震災をお忘れになることなく、そして市民が本当に立ち上がれるような、その励ましになるような施策を国が援助していただきたい、このようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  151. 上原康助

    上原委員長 これにて土肥君の質疑は終了いたしました。  次に、若林正俊君。
  152. 若林正俊

    若林委員 私は、持ち時間一時間で準備をして、それぞれ各大臣に質問の通告をさせていただきましたが、諸般の都合によりまして三十分ということに相なりました。したがって、御質問をしてお答えいただく分も含めて、私がぺらぺらとしゃべっちゃうようなことが間々あるかと思いますけれども、ひとつお許しをいただきまして、有効にこの三十分を活用をして、諸般の問題について御意見も賜りたいと思っております。  総理、橋本内閣が誕生をして一カ月余りでございます。文字どおり、もう息つく暇もない、大変な課題に取り組んでおります。とりわけ、この平成八年度予算の年度内成立のために全力を傾けておられることに敬意を表するわけでございます。  橋本内閣は、大変高い支持率、歴代内閣の中でも抜群の高い支持率でスタートを切っているわけであります。それだけ国民の期待が大きいということでございますけれども、総理御自身はこの高い支持率の最大の理由は何だとお考えですか。
  153. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私自身、この職責の重さを日に日に痛感をしながら、毎日毎日全力を尽くしているというのが実感であります。こうした気持ちをこれからも失いたくない、また失ったなら私自身の役割は終わるとき、そのような思いでこれからも過ごしてまいりたい、全力を傾けていきたいと思います。
  154. 若林正俊

    若林委員 私は、政治家橋本龍太郎という人は、どんなに難しい問題が起こっても決して逃げたりはしない、どんなに難しい問題があっても先送りをするようなことがない、いつも真っ正面から真剣に取り組むその政治姿勢、どんなに苦しくつらいことがあっても決して近道や裏道を歩かない、安易に横道にそれなりはしない、そういう姿勢国民が信頼を寄せ、そのような総理がリーダーを務める橋本内閣に対する期待が高まっているものだ、こんなふうに理解をいたしております。  まあ、日本丸橋本船長の心境は、天気晴朗なれども波高し、こんなお気持ちでかじ取りに当たられていると思います。  確かに、この日本丸は、何といっても長引いたこの不況からの脱出、景気の回復を軌道に乗せて、そして税収も確保し、一方で行政改革を推進しながら財政の立て直しを図らなければなりませんし、雇用の不安を取り除いて、安心して生活できる道筋をきちっと示していかなければなりません。  同時に、緊急の課題でありますけれども、国連海洋法条約の締結と海洋法制の整備の問題もあります。竹島や尖閣列島の領土問題につきましては、韓国や中国に対して筋を通して、国益を守るために毅然たる対処をしなければなりませんし、沖縄の米軍基地問題も含めまして日米関係を揺るぎないものにするために、四月十六日には日米首脳会談が予定されております。これが実りあるものにしていかなければならないわけでございます。橋本総理が二月二十三日に急遽訪米されてクリントン大統領と事前にお会いする、その決断をされたことを私は高く評価をいたしております。  それにしても、どうしても避けて通れない当面の最大の問題は、住専問題に象徴的にあらわれております我が国金融機関の不良債権処理の問題であります。当予算委員会におきましても連日、この住専処理に当たって公的資金を使うことの当否をめぐり、激しい論議が続けられております。国民も、情報の開示と、なぜ税金を使って住専問題を解決しなければならないのか、いまだに納得しているとは思われません。  住専問題については後で私の意見を申し述べたいと思いますが、住専に入る前に、整備新幹線の問題と中小企業対策の問題について、関係大臣に御質問をしたいと思います。  私は、昭和五十八年の初当選以来、そのころ凍結されておりました整備新幹線の、その解除と建設の促進に政治家として責任をかけて努力をしてまいりました。幸い、村山政権のもとで与党三党の整備新幹線検討委員会が発足をし、私が座長を命ぜられまして、平成六年十二月十九日には、整備新幹線の見直しについて連立与党三党の申し合わせをまとめることができたわけであります。これを受けて政府も、官房長官大蔵大臣、自治大臣、運輸大臣の関係四大臣間で申し合わせが行われております。  連立与党申し合わせでは、新幹線は国家的プロジェクトとして逐次その整備を推進することを確認した上、二十一世紀初頭には整備新幹線の全線フル開業を目指すということを明らかにしております。このため、現在建設中の三線五区間についての基本スキームに加えまして、財源、負担割合、着工優先順位などを含めて全体計画について新しい基本スキームを検討して、「平成八年中に成案を得るものとする。」と決めさせていただいておりまして、政府の四大臣の申し合わせの中におきましても平成八年中に結論を得るものとするというふうに、お互い定めているわけでございます。  最大の問題は、財源と、それを国、地方、JRとどう分担するかということにございます。東海道新幹線や山陽新幹線などの新幹線と違いまして、これからの線区は利用率も比較的低いし、また地方も財政力の乏しいところになってまいります。それだけ地方振興あるいは国土の均衡ある発展にとっては重要であり、その投資効果も、長い目で見ますと、国全体として見れば大変大きい、そういう地域だと思います。  現在の三線五区間の事業費は二兆二千億、これは平成六年度の起点であります。既に平成八年度予算まで含めますと一兆円の投資が決まっているわけですが、この二兆二千億を含めまして、仮に全線を建設するといたしまして、その事業費は七兆四千億円と私は推計をいたしております。JRは、受益の範囲内でなければ負担できません。地方も、応分の負担ということで、それぞれの地方の財政負担力を限界といたします。その意味では、国はかなりの財政負担をすることになると思うのです。  この事業は、もともとは全国新幹線鉄道整備法という法律に基づいて昭和四十八年に政府が定めた新幹線の整備計画、この整備計画で建設を国民に約束をしてきたものでございます。与野党とも選挙のときになりますと、そのたびに早期の着工を公約をしてきて二十有余年時がたっております。何といっても、橋本内閣のもとでこの国民に対する約束を果たして、政治の信頼を回復させるべきだと私は思います。関係地方公共団体は、予算の編成時期になりますと、知事さんや市町村長さん、あるいは地域の方々が大勢、真剣に陳情に上京されます。地元でも、一万人総決起大会などを毎年開いたりして熱望をしております。  私は、こういう方々にお会いしていると、政治家として本当に申しわけないことだと思います。国が定めて約束をして、それを前提に地域が地域振興計画、都市計画などを定めながら、いつやってくれるかわからないまま、ただ漫然と引っ張られてきているわけでございます。もう待てない、こんな思いの皆さん方に、私は、もうこれ以上先送りはできない、こんな決意で取り組んでいるわけでございます。  そういう状況の中で、この新しいスキームを平成八年中につくらなければなりません。このことにつきまして、運輸大臣の決意をお伺いをいたしたい。
  155. 亀井善之

    ○亀井国務大臣 お答えを申し上げます。  かねがね、委員におきましては、整備新幹線問題につきまして特段の御尽力、また御支援をいただいておりますことに敬意を表する次第でございます。あわせて、連立与党の整備新幹線検討委員会の本年一月からの発足に伴い座長、またそれらにつきまして大変御尽力をいただいておりますことを感謝を申し上げる次第でございます。  御質問の、新スキーム検討に向けての決意、このようなことでございます。  運輸省といたしましては、平成六年十二月の連立与党申し合わせ並びに関係大臣申し合わせに基づき、未着工区間の整備のための新しい基本スキームにつき検討を行っているところであります。特に八年度においては新たに、未着工区間のルートごとに、関係自治団体及びJR等と一体となって整備新幹線を核とした地域振興計画を検討することとしております。これらを通じ、平成八年中に新しい基本スキームの成案を得べく鋭意検討を進めてまいりたい、このように考えております。
  156. 若林正俊

    若林委員 先ほども私お話ししましたが、どんな難しい問題でも先送りしない、決して逃げない、こういう姿勢総理は政治に取り組んでおられます。しかも、国鉄改革を実行された運輸大臣の御経験者でもあります。この新幹線問題につきまして、総理のお考えというものを一言伺っておきたいと思います。
  157. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 長年私は、まず絞り込んでいこう、そして長野オリンピックまでに長野までの新幹線の旅客輸送を確保しよう、それを中心にお話を申し上げてまいりました。その上で、平成六年十二月十九日の関係閣僚申し合わせにもありますように、国及び地域の財政事情、JRの健全な経営の確保等の配慮あるいは収支採算性の見通し、JRの同意、並行在来線の経営分離についての沿線地方公共団体の同意、さらには用地確保等、幾つかの要件を掲げております。そして、その上で平成八年の間に新しい基本スキームについて成案を得るということをお約束をしております。  今運輸大臣からも御答弁がありましたように、鋭意検討を進めて、基本スキームが御提示できるように努力をいたしたい、そのように思います。
  158. 若林正俊

    若林委員 先ほども申し上げましたけれども、政治家、政治自身が地域の住民あるいは国民に法律に基づいてお約束をして、いつ仕上がるのかわからないという状況を長年続けてきているわけで、これはやはり政治に対する信頼を大変損なっていると思います。時間がかかってもいいから、こういうスケジュールでここまではやるんだ、こういうふうにやるんだということを我々は何とか決めていかなければならないな、こんな気持ちでおります。  官房長官大蔵大臣、自治大臣も、新しいスキームの作成につきまして前大臣からそれぞれお引き継ぎいただいていると思います。ぜひひとつ一緒になって取り組んでいただきたいことを御要望を申し上げておきます。  次に、中小企業対策について、通産大臣と大蔵大臣に御意見を申し上げながら決意を伺いたいと思います。  経済企画庁は、二月九日の月例経済報告の中で、景気には緩やかながら再び回復の動きが見られ始めているというふうに述べながら、個人消費、設備投資などの回復に加えて、生産にもようやく明るい兆しがあらわれてきているというふうに認識を示しておられます。  この景気回復の芽を大切にして、切れ目のない対策を引き続き講じていきながら、注意深く育てていかなければなりませんけれども、とりわけ日本の経済を根底から支えているのは中小企業であります。この中小企業の景気回復がややおくれをとっているということでございまして、景気回復の実感が出てきていない、ここが問題だと思います。  かつて中小企業省の設置だとか中小企業専任大臣の設置というようなことが中小企業団体から強く要望され、大きな政治問題になったことがあります。結局この問題は、昭和六十年に、通産省に置かれております二人の政務次官のうち一人を中小企業担当政務次官に任命をして、中小企業の振興と指導に関して通産省が国の各行政事務及び事業を一体的に遂行する責任を負う行政機関であるということを確認した上で、今日に至っているわけでございます。  そこで、通産大臣にお願いをしておきたいわけですが、通産省は毎年度、予算において中小企業対策関連予算、これは税制とか金融も含めてですが、大変きめ細かく措置をとってきており、その御努力には敬意を表するわけでありますけれども、実はいろいろ苦労をして確保した中小企業予算でありますが、中小企業団体の指導的立場の人たちと会いますと、この通産省に計上されている予算だけが国の中小企業対策費だ、こんなふうに誤認をしておりまして、農業予算などに比べて余りにも少ないではないかという不満をいつも聞かされているわけでございます。  しかし、大臣も御承知のとおり、農業基盤整備事業や農業構造改善事業の受注者の大部分は、これは中小企業でございます。中小建設業者であります。道路や河川、学校、公園、住宅などの事業についても、その相当部分は中小企業が受注しております。  ですから、通産省は、自分のところの計上している予算だけじゃなくて、こういうことも中小企業の指導者などに十分お話をしていただいて、国の中小企業対策について理解を得るように努力をしてもらいたい、私はそのように思います。また、各省庁との連携をもっと密にしていただいて、中小企業の育成に万全を期してもらいたいと思いますが、大臣、いかがですか。
  159. 塚原俊平

    ○塚原国務大臣 総理から縦割り行政はいかぬということで、しっかり御指示もいただいておりますので、個々のものにつきましてはいろいろとこれから検討しなければいけないものもございますが、十分に先生の御意見を頭の中に入れまして作業をいたしてまいりたいと思います。
  160. 若林正俊

    若林委員 御承知のように、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律というのがございます。この法律で、国の事業あるいは地方公共団体事業の中でできるだけ中小企業が受注を確保できるようにという配慮が示されているわけで、これによっていろいろな報告が出ております。  これで見ますと、平成六年度では、中小企業分が、四兆四千三百億余で国全体の中の三八・五%、地方公共団体では十四兆九千二百四十八億で六八・四%を占めております。建設省の国レベルのものを見てみたのですが、平成二年から平成五年までは中小企業向けの契約実績は四五%から四六%でありましたが、平成六年は四〇・九%に減少をしております。  これは、どうも私の邪推かもしれません、思い込み過ぎかもしれません。大手ゼネコンの談合事件とか贈収賄事件とかがございました。そして、公共事業の契約のあり方が大問題になり、その公共工事については公明、公正な競争入札を推進するということになった。その結果、実は、この競争入札で、力の強い大手ゼネコンがかえって中小企業の仕事を食ってしまったというようなことがあるのではないかなと心配になります。  最近では、地方公共団体の発注分について、十億台のものまで大手ゼネコンが競争入札によってとっていく。地方の中堅建設業者から、これでは地方の中堅建設業者はやっていけないよ、大手ゼネコンがいろいろ悪いことをして建設省がいろいろ指導をしたら、契約方式の改善の結果、かえって大手ゼネコンが地域の仕事を持っていってしまうといったような悲痛な声、不満が上がっております。地方に根差して、地方の経済に密着をして、地域とともに発展してきた優良な中小建設業については、これを育成し、体質改善をし、体力がつくように、建設省は指導的な立場で配慮すべきではないかな、こう思っております。  いろいろと努力をしていただいていることはわかっておりますが、時間の関係で、建設省官房長に聞く予定でありましたが、それはそれで評価をしつつ、建設大臣、国の発注分はもとよりですけれども、地方公共団体の、特に中小企業の受注の多い地方公共団体の仕事につきまして、地方公共団体との間で連絡を密にしながら、地方の中堅建設業の育成のためにも配慮したような御指導をぜひお願いしたい、こう思うのですが、いかがですか。
  161. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 お答え申し上げます。  確かに、委員指摘のように、中小企業庁そのものでは、大体、予算形態からいきましても、そういうものに十分な形がとれないかもしれません。千八百五十億円から千九百億円ぐらいということになりまするとなかなか全体的に潤うという形がとれないかもしれませんが、建設業界におきましても、先ほどの受注の機会の確保というものを、もうちょっと建設省の取り組み方というもので大企業のみに集中するような形でないような形というものはとれまいか、こういうような御指摘が多いと思うのです。  建設省におきましては、従来から、中小・中堅建設業の受注対象になる工事というものに対しましては他の建設業者が参入しないように発注基準を遵守する、これが非常に大事じゃないかな、そういうことで、これらの建設業者の受注が可能となるように分離・分割発注というものを推進する等、中小・中堅企業者の受注機会の確保というものに今からも努めて、全力を挙げたいと思っております。  昨今の中小・中堅建設業者を取り巻く厳しい状況にかんがみまして、特に昨年の七月及び十月にわたりまして、中小・中堅建設業者の受注機会の確保対策というものを取りまとめました。そういう中で現在精力的に取り組んでいるところでございます。  なお、工事の面につきましては、直轄工事なんかの面のことも申さなければなりませんが、当面の施策としましては、ジョイントベンチャーというものに関連しましてはこの条件を緩和する等、これまでよりも規模の小さい建設業者でも共同企業体に参加できるようにすべきではないのか、あるいは一般競争入札や公募型の指名競争入札の参加資格というものをもっと緩和していったらどうか、そして上位ランクの工事への参入を可能にするなどを初めといたしまして、地元を初めとする中小・中堅建設業者の参加機会というものをもっとより多く、大きなものにしていくような計らい を我々は考えていかなければなるまいということを、この間もその話を我々の省議メンバーでもしたところでございます。
  162. 若林正俊

    若林委員 まあ、現実はなかなか難しいのですよ。なかなか中小建設業、体質改善がおくれていることもあり、入札した場合の競争力が弱いということがありますね。それをいつまでも甘やかしていいということではありません。しかし、余り急激にやりますと、それらの企業が立ち行かなくなっていくということがあります。大変難しい問題だと思っておりますが、指導をきめ細かくやっていただきたいと思います。  いよいよ住専問題について御質問をし、御意見を申し上げたいと思うのですけれども、あと五分しかなくなってしまいました。そこで、当委員会でかなり論議が進展をいたしまして、総括質疑も昨日終わっておるわけですが、論点はほぼ出そろってきたというように思います。共通している部分、共通していない対立している部分、いろいろございますけれども、私、それを聞きながら、ちょっと気になることを一、二申し上げて、今後政府側の検討の参考にしていただけたらと思います。  きのう国税庁が末野興産など大口の債務のある五社に税務調査をしました。きょうは、関係住専にも税務調査に入ると報道されております。まじめに働いて生活している国民の気持ちは、仮に金融システムを崩壊から防ぐための公的資金を使わざるを得ないということはわかったとしても、住専からの借金を踏み倒したり、住専を食い物にしたり、ずさんな貸し付けをした住専幹部や、それを見逃したりした母体行、住専を悪用した母体行などについては、刑事上、民事上、あらゆる法令を駆使した責任を追及して、住専の貸付金の回収を図らなければいけません。同時に、これらの人について、損害賠償あるいは不当利得の返還請求を徹底していかないと納得しないという気持ちだと思っております。  そこで、国税庁が税務調査に手をつけたことは評価するわけでありますが、気になることとしては、きのう錦織委員指摘しておられましたが、住専を消滅させるに当たって、住専の保有する債権その他の財産をいわゆる住専処理機構という住専処理会社に譲渡する場合、住専が将来請求できる損害賠償請求権や不当利得の返還請求権を包括的にこの債権処理会社に移転できるのかどうか。何か契約で可能だといったような答弁でありましたが、ちょっと大事なことだと思うのですね。包括的に移転できるかどうかということについて、法律上の問題をもう少し詰めていただいて、場合によってはこの新法の中で法的根拠を明らかにしておいた方がいいのじゃないかな、その方がアピール効果もあるし、確認的なら、それを入れておいた方がいいのじゃないか、こんなふうに思います。これが一点であります。  次に、住専の破綻に伴う返済不能となった損失の負担については、一時期ありました母体責任とか、修正母体責任とか、貸し手責任とかが論じられました。貸し手責任などというのは全く論外でありまして、これは母体責任と同じ土俵で論すべき性格のものではない、こう思います。  貸し手である農協系統にももちろん責任はあります。ありますけれども、一義的には、それは会員である農協だとか組合員についてのその経営責任というものがあるのでありまして、母体行の中で発生した損失について分担して持たなければならないといったような、そんな責任はないわけであります。このことについては与党の中でも意見が一致し、政府もその線で割り切ったわけでございます。  母体行が原則としてすべての責任を負うべきものだというふうに私は考えておりますけれども、しかし母体行側は、債権の全額放棄以上に負担をすると株主代表訴訟で負けるおそれがあるというふうなことで、これが限界だというふうに主張をし、これを、合意が前提ですから、のまざるを得なかったという経緯があります。  私は、これについてはいささか異論がございます。しかしながら、別法人である住専の損失負担母体行に強制するということは法律上なかなか難しい。したがって、強制しようと思えば破産法などの手続によるほかはないだろう。  しかし、この手続によれば、逆に、既に当委員会でも議論されていますが、母体行の負担は、債権を公平に分配するという原則によれば一兆七千億でいいということになってしまいまして、著しく経済道義、経済倫理に反する結果になってしまうと思います。新進党の委員のかなりの人たちが破産法など法的手続をすべきと言っておりますけれども、その結果を考えると、これはどうも社会の常識に反するのではないかなと私は考えております。  なお、この場合の農協系統の負担でありますが、計算上は二兆七千億にもなってしまうのですね。こんな住専の経営責任の結果を農協系統が負担する理由は私は全くないと思っております。  そこで、これを、例えば全国の農協の組合員への経済事業も含めての全部の配当、年間約五百億なんですね。二兆七千億といいますと、五十年分ぐらいなんですよ。こういう非現実的な、仮にそういう破産処理をしますと、そういう問題をあわせ発生をしまして、もう全く農村地域のみならず金融の混乱、混迷をもたらすものだ、こういうふうに思っております。  時間でありますので、そういうことを申し上げまして、もしこの私の中で特段御意見がございましたら、どうぞおっしゃってください。
  163. 久保亘

    久保国務大臣 大変貴重な御意見をお聞かせいただいたと思っております。
  164. 若林正俊

    若林委員 どうもありがとうございました。
  165. 上原康助

    上原委員長 これにて若林君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして平成七年度補正予算両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  166. 上原康助

    上原委員長 両案につきましては、日本共産党から討論の通告がありましたが、理事会において協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。  これより採決に入ります。  平成七年度一般会計補正予算(第3号)、平成七年度特別会計補正予算(特第3号)の両案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  167. 上原康助

    上原委員長 起立多数。よって、平成七年度補正予算両案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました平成七年度補正予算両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 上原康助

    上原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  169. 上原康助

    上原委員長 この際、御報告申し上げます。  来る二月十五日、十六日の両日、本委員会に出席を求める参考人の人選につきましては、さきに委員長に御一任いただいておりましたが、理事会において協議いたしました結果一お手元に配付いたしました名簿のとおり決定いたしました。  なお、委員でない議員の出席についても、お手元配付の名簿のとおり出席を求めることで協議が調いましたので、御報告をいたします。     —————————————    予算委員会参考人名簿 ○二月十五日(木)  (午前九時)     元大蔵省銀行局長   土田 正顕君     前大蔵省銀行局長   寺村 信行君     元農林水産省経済局長 眞鍋 武紀君     農林中央金庫理事長  角道 謙一君     全国銀行協会連合会会     長          橋本  徹君     住宅ローンサービス代     表取締役社長     井上 時男君     末野興産株式会社代表     取締役社長      末野 謙一君  (午後一時三十分)     元大蔵省銀行局長   土田 正顕君     前大蔵省銀行局長   寺村 信行君     元農林水産省経済局長 眞鍋 武紀君     農林中央金庫理事長  角道 謙一君     日本興業銀行頭取   黒澤  洋君     前日本住宅金融株式会     社代表取締役社長   庭山慶一郎君     株式会社桃源社代表取     締役社長      佐佐木吉之助君 ○二月十六日(金)  (午前九時)     元大蔵省銀行局長   土田 正顕君     前大蔵省銀行局長   寺村 信行君     元農林水産省経済局長 眞鍋 武紀君     農林中央金庫理事長  角道 謙一君     信託協会会長     藤井  健君     株式会社住総取締役社     長          山本  弘君     株式会社富士住建代表     取締役社長      安原  治君    委員外議員名簿  (午後二時)     衆議院議員      加藤 紘一君     衆議院議員      田名部匡省君     衆議院議員      藤井 裕久君     衆議院議員      武村 正義君     —————————————
  170. 上原康助

    上原委員長 次回は、明十五日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十分散会