○谷口
委員 ただいまの
平田議員の
質問でございますが、全く納得ができません。きちっと統一
見解を出していただいて、その後に検討させていただく、こういうことでよろしく
お願い申し上げます。(発言する者あり)出てないよ、出てないじゃないか、今。
今の
住専処理システム、私が本
委員会におきましてずっとこの審議を聞いておりますと、極めて粗雑で、また極めて拙速で不透明であるということがわかってきたわけでございます。私は、この
住専処理システム、非常に危惧をいたしております。
これは、本
委員会を通じて
総理また
大蔵大臣もおっしゃっておられますように、今回のこの
住専処理システムは、
金融システムを守っていかなきゃいかぬ、ここに大きな眼目があるんだ、このような御
答弁をされておると思うわけでございますが、御存じのとおり、先日
大蔵大臣も出られたNHKの番組、アンケートを見ますと、棚上げすべきという人が六三%ですよ、今回の
住専処理スキームですね。撤回すべきというのが二二%なんです。実に八五%の人が、これはやはりよくない、このようにおっしゃっておるわけでございます。
それに対して、今
政府は無理やり、本当に
国民の税金が突然出てきたわけです、六千八百五十億円というのが。この
処理スキームの変遷をずっと見ておりますと、極めて不可解で、突然出るわけでございますので、このような
処理を力ずくでやるということは、
国民が非常にこの
処理に怒っておるわけでありますから、私は、今後
処理を進めるに当たって極めて危惧すべき状況になるのではないか。
それは、私は、昨年からずっと
大蔵委員会、予算
委員会、また本
会議において
質問しておった大きな眼目の
一つは、
不良債権がかなりたくさんあるんだ。当時
政府の方は、大体四十兆の
不良債権があるとおっしゃっていたんですね。その後、この四十兆を
ベースにして、三十七兆というのが積み上げの計算で出てきた、こういうようにおっしゃいました。私は、
不良債権の金額はこのくらいじゃないんだ、このようにずっと申し上げていたんです。
昨年の末、十二月でございましたが、あの例の
大和銀行の不祥事の問題でアメリカに行ってまいりまして、アメリカの金融監督当局でございますニューヨーク連銀のマクドナー総裁、また、FRB、FDIC、OCC、SEC、また、米国下院の銀行
委員長のジム・リーチさん、その他いろいろお会いして、ずっと聞いてまいりました。
とにかく日本の今の金融行政は不透明だ、あの
大和銀行の事件に関して言うなら、
大蔵省と銀行当局がぐるになって不正を隠匿しておる、このように厳しいことをおっしゃっておりました。極めてそのあたりは重要な問題で、私はその後帰りまして、昨年末の予算
委員会の集中審議におきましてこのあたりを厳しく当時の村山
総理並びに
大蔵大臣、武村さんでございましたが、
質問いたしたわけでございます。
そういうようなアメリカの
我が国に対する
金融システムの見方、昨年十月にG7があって武村さんが行かれて今の状況を
説明したわけでしょう。これは、そのくらい日本発の金融恐慌が
発生する
可能性が高い、こういう観点で海外、欧米は極めて関心を持って見張っておるわけでございます。
米国議会
調査局のレポートというのがございまして、これを見ますと、先ほど私申し上げました四十兆という
不良債権、米国
基準で
考えると、これが五十兆から八十兆と見る
専門家が多いというようにおっしゃっていますね。また、最も高く見積もっておるのは、UBS証券
経済分析
専門家で、これは百兆に上る、このように見ておるようでございます。また、ドイツ銀行資本市場の見積もりでは最低で六十兆、JPモルガンでは七十兆。このような金額が出ておるにもかかわらず、
我が国の
政府はまだ四十兆、四十兆じゃない、三十七兆とおっしゃっておるのです。このような極めて不透明なやり方が今責められておるわけでございます。
今回の
大和銀行の問題は、八五年にプラザ合意がございまして、プラザ合意以降日本がどんどん自由化、国際化するのは、今日あるのはわかっておったわけであります。それにもかかわらず、日本の金融行政は全く何もやらなかった。この十年間何にもやらなかったんですよ。その結果、あの
大和の不祥事が生じ、今回の一連の
不良債権の問題が出ておるわけじゃないですか。本来、今日あることを
前提に金融行政を見直し、やるべきところをそうやっていなかった。極めて大きな問題があると思うんですね。これは行政当局に大きな問題がある、私はこのように思うわけでございます。
また、その際に、この米国の議会
調査局のレポートでございますが、これは
不良債権に対する日本
政府のやり方というものが書いてありまして、これは
一つは、護送船団方式でやっておるんだ。護送船団でやっておる。また、これは時間が
解決するだろうというやり方でやっておるというんです。時間が
解決するんだ。先送りですよ。今回のこの
処理見ても何にしても、全部先送りなんですよ。こういうやり方に対して、これは将来銀行が持ち直すという
前提であればこれでいけるんですよ。ところが、今はもうそういうような状況じゃないわけでありますから、そういう状況の中で本当に今の金融行政そのものを見直していかなければいけない、このように思うわけでございます。
また話は冒頭に戻るわけでございますが、なぜ私が危惧を感じておるかといいますと、今回のこの
住専処理の
スキームは極めて粗雑で乱雑で乱暴だと思うのです。突然出てくるわけですから、
国民の税金を納めなければいかぬという、
財政支出六千八百五十億円。これは、今後またノンバンクがあり、また
一般金融機関の
不良債権処理の問題が出てくるんだと思いますよ。この
処理を間違えますと全部うまくいきませんよ。そういうことを
考えてやっておられますか、
大蔵大臣。