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野田(毅)
委員 そのことも
承知しています。記者会見でそうおっしゃった。だけれども、議長総括というドキュメントには入っていない、事実は。それだけ申し上げておきます。それは枝葉のことです。
この問題本当に我々も、
日本の金融秩序がどうなってもいいなどというのはとんでもない。私
たちは、むしろ逆に、法律にのっとって、法治国家として、そういう
民間における債権債務の調整ということは、一々
政府や
行政が立ち入って、ここは力があるから、おまえ、これだけ負担しろ、ここは力がないから、これはまけてやれ、そんなことを何の権限に基づいてやるのですか。私は、そういうものこそ民事不介入ですよ。警察でも民事不介入といってなかなかやってくれないでしょう。それを、その原則をなぜ貫かないのだろう、本当に。それが実は金融秩序を守ることなんですよ。
金融秩序とは一体何ですか。こんなことをやったら、
住専一一〇番、私
たち、もう百件以上、怒りのファクスがたくさん来ています。一々紹介はしませんが、しかし、一つ二つちょっと言いましょうか。
要するに、
銀行系、農林系、彼等は仕事として事業を行い利益を上げようとした商売です。失敗したからといって
公的資金、そんなばかな話が通る筈がありません。貸手、借手、
行政等の
責任には触れずに導入をきめ、
国民の
批判が高まると
責任の所在をはっきりさせるとか言いだす。
国民に理解、納得出来るような
議論をした後に導入すべきで、先に財政
資金投入ありきでは納得が行きません。
白紙に戻して
国民が納得するまで
論議すべきです。
これは大津市ですね。
それから、
住専に
公的資金をもし充てるようなことを
政府が実施すれば、私
たちも
税金を納入しないことにします。
というのがある。
これは決してこの人だけではなくて、どうも最近、今度の確定申告を前にして、そういう不穏な動きがあっちこっちであるように耳に入っています。恐らく
総理の耳にも届いていると思うんですね。これは、健全な
日本社会の道義心を損ねることにもなっているんですよ。こっちの方がよりゆゆしき問題じゃないだろうかと思いますよ。
それは中には、
阪神震災、もともとこの
住専というのはスタートは
個人住宅ローンをやるためにつくった会社ですから、そこから借金してマンションを買った人も今日まだたくさんいますよ。それが大体二兆円ぐらい残っているんですね。これは
個人向け
ローン。この人
たち。二兆円、これは正常債権だ。実際このうちの三千億ぐらいはこっちじゃなくてこっちに入っていると思います。
不良債権の方へ仕分けされていると思います、三千億ぐらい。
だけれども、かなり多くの
個人住宅ローンを借りた人は、特に気の毒なのは、
阪神震災でつぶれちゃったんだ、だけれども
ローンは残っているんです。あるいは、この不
景気でしょう、会社が倒産しちゃった、だけれども
ローンは残っている。その日どうやって暮らしていこうか。一方では彼らは
税金を納めている。その
税金をですよ、ここの穴埋めのために何で投入されるのと。
金融秩序というのは、人から金を借りたら必ず返すというのが、これが金融秩序ですよ。そうでしょう。踏み倒したらその後は
税金で埋めてくれるというのなら、こんな金融秩序はないですよ。
今みんなどういうことを言っていますか。おれ
たちだって返すのやめようか、そしたら
税金で埋めてくれるんじゃないか。本当にちまたではそういう話が蔓延しているじゃないですか。そういう姿をつくっておいて、
日本が金融秩序を守るために
税金投入が必要だという論理は、私は通用しないと思いますよ。逆だと思います。
ですから、私は、初めに
税金投入ということを、このスキームを考えるんじゃなくて、冒頭言いましたように、やはり法的
処理、この
住専を破産
処理させなさいよ、当たり前に、淡々として。そして、いろいろな、マル暴絡みや何かで短期賃借権だとか妨害するんなら、むしろそっちの方の、必要なら法改正して、しっかりした破産管財人の仕事が執行できるようなバックアップ体制をつくることの方が金融秩序を守ることになるんじゃないですか。
私はそういう意味で、
大蔵大臣、これは
政治家として、今まではいろいろな経緯があると思うん
ですよ、それは。だから悩みに悩んだ結果、
大蔵省はこういうスキームをかいたかもしれない。しかし今、将来展望して、これだけの大きな犠牲を払ってその後に何が生まれるんですか、
日本の中で。結局道義的退廃を蔓延するような話じゃないですか。
私は、そういったことを考えると、やはりこの
住専処理機構という、こういうようなことじゃなくて、つくるならっくるで、
住専だけじゃなくて、さっき言いましたように、破産管財人の仕事をバックアップする、そういうものをばしっとつくりなさい。そして、こっちの方はやるならやりなさい、法的
処理を。
そして、特に農業系金融について、我々も零細な農家の預金をこれは一〇〇%保証しなきゃいかぬ、そのためにはやはり農協、漁協の貯金保険機構を、必要ならそれのために日銀からの
融資をやったって構わない、つないで。最終的に、どっちみちこれは農林系統も再編を出さなければいけないんです。
報道でもあるじゃないですか、来年の通常
国会には、信連を含めて農業系金融を再編しなければならぬ。今大変なことをやっているんだ。
私は、それも合わせてセットにしなさいよと。そういうものを、全体をワンセットにして、そして
日本は五年内に債権
処理はみんな終わるんだ、債権回収も、そういう全体像をワンセットにして世界に示してごらんなさい。私は、そこで初めて
日本が本当の意味での自由主義国の金融の上でのリーダーになれると思います。そうすれば、株価は心配せぬでいいですよ。
それを、いっときの混乱をいろいろ恐れて、よくわからぬ理屈にのっとって、こう言うとなんですが、談合型、もたれ合いの中で結局うやむやにして、そして、どういう理屈でどの
金融機関がこれだけ負担したかという、その負担の配分の論理がどこにも出てないのですよ。押し合いへし合いの力比べの結果出てきただけの話ですからね。ですから、積算根拠がないと言ったのはそこなのですよ。そういう不透明な中でこの問題を
処理したら、私は、必ずや禍根を残すことになる、こう思っています。
話があちこち行きましたが、そこで農林
大臣、恐縮ですが、さっき言いましたが、農業系
金融機関、これ、やらざるを得ないのですよ。それで、
住専だけじゃなくて、新聞にも出ていたでしょう、元日の読売新聞に。
住専以外のノンバンクにも五兆円の
融資がある、そのうちの二兆円が既に倒産または
再建中、まだその先どうなるかわからぬ、それ以外にもあるかもしれない。
それだけじゃなくて、今農協全体が非常に、今日まで長い間、地域社会の中核になって、単に
経済的な支柱だけじゃなくて精神的にも社会的にも大きな支えになってきた、これは事実です。しかし、これから新食糧法なりポスト・ウルグアイ・ラウンドの問題なり、いろいろな中で本当にみんな悩んでいます、苦しんでいますよ。それだけに私は、やはり農協が
再建するということは大事なことだ。そのために、やはり
国民は理解しなければいかぬと思うのです。それは思います。
その中で、ただ、協同組合ですから、本来協同組合は、協同組合金融に、原点に戻った方がいい、本来の。員外からお金を集めて、そして員外にお金を貸して、そして運用益で云々という時代ではない。
私は、もう少し農協
自身も、つらいけれどもリストラに、勝手にしろというんじゃない、一緒になってリストラにみんなで
協力しようじゃないか、そういう姿をもっと前面に出せないものだろうか。私は、それを勇気を持つべきだと思う。だけれども、何か、いや、これは農業のために出した金じゃないんだとか、すぐそんなことでやつちゃうものだから、何かいかにも言われたくない、何かこうふたをしておかなければならぬような、そんな扱いにされたら、かえって私はまじめな農家にとっては不本意だと思いますよ。
どうですか。その辺、これからの農業金融、どういうふうに立て直すのか、ちょっと教えてください。