○正森
委員 どうやら、
提案者の答弁を聞いておりますと、バブルあるいはバブル崩壊後の
状況の変化に伴って本
法案が必要とされるようになったという
趣旨のようであります。しかし、そういう
理由で、今後何十年間も国民の
権利義務に対して大きな影響を与える基本的な
執行法を
改正することには非常に問題があるのではないでしょうか。
例えば、今度の住専関連で、債権者が回収しやすいようにということですが、調査によりますと、
暴力団が逆に債権の譲り受けを受けて、その
暴力団が当該
物件に対して
執行を行ってくるというケースも
報告をされているわけであります。
また一方、私がいただいた資料を見ますと、住専の
関係者は、これまで長い間債権の回収が行われなかったにもかかわらず、債権回収に必要な手を打っていないのですね。例えば、ここに本年三月四日の朝日新聞がありますが、
こうした中で住専の不良債権回収は、「ほとんど手つかずの状態」だ。「貸出先の上位百社のうち、担保
物件を
競売しているのはゼロに近い」と、日本住宅金融の担当者は話す。こういう記事が出ております。
あるいはまた、
平成七年十一月六日の日本経済新聞によりますと、債権回収に詳しいある
弁護士が、
「
債務者に対してもっと強い手段に出るべきだと言っても、債権者からそこまではやりたくないと言われることが多呂と話す。
債務者が開き直って昔の
関係を表に出したりするのを嫌うためで、「金融機関は必ずしも債権回収に手段を尽くしているわけではない」
こう言っております。
つまり、自分らが、昔の
暴力団等とのくされ縁を暴かれるのが嫌だということで、強制
執行あるいは抵当権の
実行を十分に行っていない。日本住宅金融の担当者によれば担保
物件を
競売しているのはゼロに近いというような
状況で、国家に
一般の
占有者の
権利義務に重大な影響を与える
法律を
改正までさせて、そして、自分はやらないで住専処理機構にこれをやらせるなどということはもってのほかのことではないかというように思います。大蔵省、今私が申し上げましたが、まず大蔵省がなすべきことは、住専会社などの消極的な対応を、みずからの責任で回収させるために積極的な手段をとることではありませんか。
そのためにまず第一にやらなければならないのは、例えば、ここにことし二月十一日の朝日新聞の社説がありますが、「そのために大蔵省は、住専各社にまず次のことをやらせなければならない。不良債権の全額について、①
暴力団やその関連企業がからんでいることがはっきりしている②その疑いがある③
暴力団とは一切無
関係、」この三つに分類させて、それを
関係方面に
提出させるということがまず大事だという
提案をしております。
あるいは、去年の十二月三十一日の朝日新聞に、現在日弁連会長になった鬼追
弁護士の一問一答談話が載っておりますが、その中でも「債権の回収で問題なのは、借り手に関する情報を開示していないことだ。実態がわかると困るのだろうか。」という問題提起がされております。
この点は、当国会でもいろいろ資料が出されましたが、
暴力団関係の資料はほとんどと言ってもいいぐらい出されなかったと聞いておりますが、この点について大蔵省の答弁を求めます。