○
山田(英)
委員 私
どもの
修正案は「
公共の
利益」という言葉を使ってございます。そういう観点からいたしますと「
公共の
利益」というのは、
国民の生命財産の保全など、
国民生活に直接
関係するもので、広く
社会全体の
利益を
意味する、こう理解をいたしております。
憲法第十三条の「
個人として尊重される。」ということとの
整合性でございますが、私は、
公共の
利益が確保されることが
個人として尊重される前提といいますかバックボーンといいますか、また、
個人として尊重されるためには
公共の
利益というものがしつかりと守られていなければならない、こういう
関係にあるのだろうと理解をいたしております。
それから、私
どもが
修正案でお示しをいたしました
提出命令手続につきまして、屋上屋ではないのか、あるいは
訴訟上これが複雑で遅延の原因になりはしないかという御指摘でございますが、実は二点ございまして、まず、
裁判所が
監督官庁に
意見を必ず求めなければならないという義務
規定であれば、御指摘のとおりの御懸念が出てくるかと思います。我が党
修正案は、
裁判所が
判断して、求める必要があるかどうかということを決めることにしておりますから、基本的に御心配は、御懸念はないと存じます。また、
声明のところも、必ず
声明を
監督官庁に求めなければならないという義務
規定ではございません。これも、
声明を求めるかどうかは
裁判所の
判断にゆだねられているという点から、その御懸念はないと思います。
それから、例えば
地方自治法の百条の
規定ぶりあるいは
議院証言法並びに
行政事件
訴訟法などの
規定ぶりを見ますと、いずれもやはり相当工夫をしておりまして、実際にレアケースだけれ
ども、もしそういうケースがあった場合どうなるかということを例えばチャートにするとかということになると、かなりやはりこういう似たような感じになってまいりますが、既存の
法律の
規定ぶりなどを全く参考にせずに、何か私
どもが独自に考えた、全く独自にということではございません。既に
幾つもの同じような
規定ぶりがあるということ
でございます。
それからいま一点でございますが、
先ほどもちょっと触れましたが、例えば原子炉設置許可の申請
手続書類とか、当
委員会でもしばしば
議論されました、監獄内で暴行を受けた、そのことで
訴訟が起こされ、
証拠としてカルテを出してもらいたい、こういう事件とか事例とか、あるいは今日的で言えばHIV、薬害
エイズ訴訟などに見られる厚生省の
資料隠しとか、それから、やがて起こされるかもしれません住専
訴訟などで、
文書の
所持者大蔵省、そこから出してもらいたいというようなことが起こるかもしれません。あるいは、北海道のトンネル崩落事故で国の道路管理の責任を問うような、そして管理日誌だとかあるいは事故調査報告書とか、こういう
公文書についても
証拠として出してほしいというようなことが将来起こり得るかもしれません。あるいは、当
委員会で
参考人から述べられた健康茶、有害物質が出てきた、その
情報開示の問題、あるいは処分場のゴムシートが破れて有害物質が土壌にしみ込んだ、その
関係する
文書、記録を出してもらいたい。例えばこういうものは、
インカメラがきいていますので、大体
裁判所は
監督官庁から
意見を求めるとか
声明を求めるとかというところに進まずに、
インカメラで審理をして、
文書提出命令にほとんどがトタに行く、こういうふうに我々は思っております。
しかし、実際に
判断するのは
裁判所でありますから、必ずしも一方的には言えないかもしれません。しかし、それはそうであって、
意見を求める方に仮にいったとしても、疎明の
理由に合理性がなければ、
裁判所はそのまま
文書提出命令を発令するという、この辺でほとんどがおさまるのではないのか、こんな感じを持っておりますので、屋上屋を重ねることにはならないと思いますし、
訴訟の遅延の要因にはなり得ないというふうに考えてございます。