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1996-03-19 第136回国会 衆議院 法務委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成八年三月十九日(火曜日) 午前十時
開議
出席委員
委員長
加藤
卓二君
理事
太田
誠一
君
理事
佐田玄一郎
君
理事
志賀 節君
理事
細川 律夫君
理事
枝野 幸男君 奥野
誠亮
君
岸田
文雄
君 橘 康太郎君 萩山
教嚴君
福永
信彦
君 古屋
圭司
君
松岡
利勝
君
松下
忠洋
君
佐々木秀典
君
坂上
富男
君 正森 成二君
小森
龍邦
君
出席国務大臣
法 務 大 臣 長尾 立子君
出席政府委員
法務政務次官
河村 建夫君
法務大臣官房長
頃安 健司君
法務省刑事局長
原田 明夫君
法務省訟務局長
増井 和男君
委員外
の
出席者
外務省総合外交
政策局国際社会
協力部人権難民
課長
川田 司君
厚生省薬務局企
画課長
吉武 民樹君 参 考 人 (
株式会社東京
放送常務取締
役)
大川
光行
君
法務委員会調査
室長 河田 勝夫君
—————————————
委員
の異動 三月十九日
辞任
補欠選任
塩川正十郎
君
松岡
利勝
君
白川
勝彦
君
福永
信彦
君
浜野
岡君
岸田
文雄
君
横内
正明
君
松下
忠洋
君 同日
辞任
補欠選任
岸田
文雄
君
浜野
剛君
福永
信彦
君
白川
勝彦
君
松岡
利勝
君
塩川正十郎
君
松下
忠洋
君
横内
正明
君
—————————————
三月十九日
婚外子差別
を撤廃する
民法等改正
に関する
請願
(
小森龍邦
君
紹介
)(第五〇七号) 同(
佐々木秀典
君
紹介
)(第五〇八号) 同(
坂上富男
君
紹介
)(第五〇九号) 同(
正森成
二君
紹介
)(第五一〇号) 同(
小森龍邦
君
紹介
)(第五四六号) 同(
佐々木秀典
君
紹介
)(第五四七号) 同(
坂上富男
君
紹介
)(第五四八号)
夫婦別姓
の
民法改正案反対
に関する
請願
(上田 清司君
紹介
)(第五一一号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
参考人出頭要求
に関する件
裁判所
の
司法行政
、
法務行政
及び
検察行政
、国 内
治安
、
人権擁護
に関する件 ————◇—————
加藤卓二
1
○
加藤委員長
これより
会議
を開きます。 開会に先立ち、
新進党所属委員
に対し
出席
を要請いたしましたが、いまだ
出席
を得られません。やむを得ず議事を進めます。
裁判所
の
司法行政
、
法務行政
及び
検察行政
、
国内治安
、
人権擁護
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
参考人出頭要求
に関する件についてお諮りいたします。 各
件調査
のため、本日、
参考人
として
株式会社東京放送常務取締役大川光行
君の
出席
を求め、
意見
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤卓二
2
○
加藤委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
—————————————
加藤卓二
3
○
加藤委員長
それでは、まず
大川参考人
から、
オウム真理教坂本弁護士事件
と
TBS取材テープ
との
関連
について
意見
を聴取いたします。
大川参考人
、お願いいたします。
大川光行
4
○
大川参考人
今回の問題に関しまして、先週
弊社
が発表いたしました
調査
結果など、二通の資料をお手元にお届けしてございます。それと一部重複いたしますが、私
ども
の
基本
的な
立場
を述べさせていただきます。 問題になったのは、八九年十月二十六日でございます。この日、
富士宮
にあります
オウム真理教富士山総本部
で
水中
クンバカの
実験
があるという話がありまして、
社会情報局
の
番組
「三時にあいましょう」の
チーム
が、翌日に
放送
する
予定
で
取材
に向かいました。しかし、
実験
は、
事前
のふれ込みとは違って
麻原被告
の
実験
はなく、
取材チーム
はその後
麻原被告
の
インタビュー
を行って帰りました。この
インタビュー
では、血のイニシエーション百万円といった高額の
お布施
や
空中浮揚
の
信憑性
について
質問
しましたところ、周囲におりました
弟子たち
が、何を根拠にそんなでたらめを言うのかなこと口々に大声を出して険悪な雰囲気になり、結果として
放送
できるような
取材
には至りませんでした。 一方、
坂本弁護士
への
インタビュー
は、同じ日の昼に、
千代田
区の
科学技術館
にありました
TBS千代田分室
で行いました。そのころ、
オウム真理教取材チーム
は
富士宮
に向けて出発した後で、その
スタッフ
は
坂本インタビュー
の
内容
は知り得ませんでした。 この
取材チーム
が
千代田分室
に帰ってきたのは夜の十時前後と思われます。ほどなく、
事前連絡
もなしに、
オウム真理教
の
早川
、上祐、青山の三人の
被告
がこの
千代田分室
を訪れました。応対した
TBS社員
は二人でございます。この二人は、未
放送テープ
を見せてはいけないという原則はもちろん知っております。その上で、この二人に、
テープ
を見せた事実はないかどうかを私
ども
が確認しましたところ、
オウム
の
幹部
と一緒に五人で小さな
部屋
に入って、
坂本弁護士
初め三人の
インタビューテープ
を見るという異常な
行動
をとれば必ず覚えているはずだ、しかしそうした記憶はないとか、仮に見せようと思っても、
テープ
の
保管場所
も知らなかったので他の
スタッフ
の応援なしには不.可能などと述べています。周りにいた
スタッフ
に気づかれないで
テープ
を見せることは不可能と思われるのですが、周辺からもそうした証言は一切得られませんでした。 なお、
調査
結果を公表しました
記者会見
の席で、
調査
は当面打ち切りという表現を用いましたために、事実
関係
についての調べはすべて終了し、今後何も行わないかのように受け取られました。 ここで真意を
説明
させていただきます。私
ども
は、見せたか見せていないかということに関しての
調査
は、当面やるべきことをやり、一段落したと思っておりまして、
坂本弁護士事件
の初審理に当たって
調査
の概要をまとめて発表することにしたわけでございます。
調査チーム
を解散したわけ ではなく、必要な事実
調査
を今後も行うことは当然でございます。 次に、押しかけてきた
オウム
の
要求
を受け入れてあすの
番組内容
を
変更
したと疑われている点について申し上げます。 翌日、つまり二十七日の
新聞
の
テレビ欄
のうち、一部の
新聞
で当初の
予定
のままの「
水中実験
」と書かれたままでしたけれ
ども
、そのほかの
新聞
では別のタイトルに変わっております。
通常
、
番組内容
の
変更
を
新聞社
に伝える場合の
締め切り
は午後八時か八時半ごろがぎりぎりで、午後九時以降の
変更
は不可能でした。一方で、
オウム
の三人が
千代田分室
に来たのは夜十時以降と思われますので、結論として、
オウム側
が押しかけてくる前に
内容
が
変更
されていたということは確かでございます。
最後
に、
早川被告
ら三人が
千代田分室
を訪れた事実をなぜ
関係者
の
皆様
に連絡するなり公表しなかったかという点でございます。 御承知のように、八九年当時の
社会状況
は現在とは大きく異なっておりました。
サンデー毎日
が、
修行
の
あり方
や
お布施
の集め方などに多くの問題がある
集団
だと指摘し、それを受ける形で、
弊社
を含めました一部のマスコミが、
関連
する
取材
を始めたばかりでございました。今のように、
史上例
を見ない凶悪な反
社会的犯罪集団
とはまだ
認識
されておりませんでした。 また、
霊感商法
の問題など
宗教団体
をめぐる
報道
ではしばしば激しい
抗議
を受けることがありました。当時の「三時にあいましょう」の
制作担当者
は、
オウム
を異常な
犯罪集団
とは
考え
ていませんでしたし、
富士宮
での
麻原インタビュー
をめぐって
トラブル
があったばかりでもありましたので、
早川被告
らの来訪についても、
通常
ありがちな
取材
上の
トラブル
であり、それを超える
範囲
のものという意識はなかったのが実情でございます。決して隠していたわけではございません。去年の春以降に明らかになってきた
オウム事件
の重大な全貌にかんがみまして、いかにすれば八九年当時の
弊社
への三人の
抗議行動
が公表すべき
重大情報
だと把握することが可能であったのか、それを検証することがみずからに課せられた大きな責務であると
考え
ております。したがいまして、今回の問題を契機に、
テープ
を見せたかどうかという
範囲
を超えた幅広い問題について、社を挙げての
検証作業
に取り組む所存です。 このため、
弊社
の
放送倫理委員会
の討議、決定を受けまして、新たな
特別委員会
を発足させました。
特別委員会
では、
外部委員
の委嘱も行い、
オウム関連
の
取材活動
の
あり方
から
放送内容
の評価、
番組制作
に携わる者の
行動倫理
、さらには
視聴者
との
関係
など幅広いテーマを対象といたします。 どうぞ、以上のような事情と私
ども
の
決意
に御
理解
を賜りたく存じます。
加藤卓二
5
○
加藤委員長
これにて
大川参考人
の
意見聴取
は終わりました。
—————————————
加藤卓二
6
○
加藤委員長
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
太田誠一
君。
太田誠一
7
○
太田
(誠)
委員
きょうは、我が
法務委員会
の
審議
にこうして
TBS
の
大川常務
に御
協力
をいただきまして御
出席
をいただいたことを、本当に感謝を申し上げる次第でございます。
国会
の使命は、
裁判所
やあるいは
検察庁
のかわりをするということではないわけでありまして、特に
法務委員会
の役割は、今この場合、
刑法
とか
刑事訴訟法
といった本
委員会
でたびたび取り扱い、また
立法権
を持っておる課題について、
国民
を代表してそのような
国民自身
を律する
ルール
をここで定め、そしてその
ルール
が守られるように
検察当局
などに
執行権
を与えているわけでございますから、
立法権者
の
立場
としては、
検察庁
が適切に
刑法
や
刑事訴訟法
の
執行
をしているかどうかということを監視をする
責任
があるわけであります。 そういう意味において、この
坂本弁護士
の
事件
に関しまして、
検察側
の
冒頭陳述
と、今
概略お話
をいただきましたこの
TBS
の中の
内部調査
の結果が相当食い違っておるということを我々は看過をすることができない。すなわち、
法務行政
、
検察行政
の適正な
執行
が行われているかどうかという
観点
からすれば、もし事実が、
冒頭陳述
の方に事実と相違したことがあるのではないかという疑いが生ずるわけでありまして、そのような
観点
から、適切に
検察
の
行政
が行われているかどうか、
法務行政
が行われているかどうかという
観点
から
審議
をいたしたい。それについて
TBS
の
責任者
であります
大川常務
の御
所見
を伺いたいということでございます。 よく誤解されるわけでございますが、
証人喚問
と
参考人
の
招致
というものは全然違うものであります。
参考人招致
は、
文字どおり参考人
をお
招き
いたすというふうに書いてあるわけでございます。お
招き
いたすということは、そこで
責任
を追及するとかあるいは断罪するとかいうことではないわけでございまして、うそをついていいわけではありませんけれ
ども
、偽証罪も適用されるわけではないということでございますので、どうか率直に存分にここで御
所見
をお述べいただくことにしていただきたいと思います。 そこでまず
最初
に、この
委員会
でもって、その食い違い、すなわち
検察側
の
冒頭陳述
に書かれたこととそれから今おっしゃった
内部調査
が相当に食い違っているというところがきょうお
招き
をいたしました論点でございますので、その点についてどのようにお
考え
になるか、もう一回お聞かせをいただきたいと思います。
大川光行
8
○
大川参考人
お答え申し上げます。
社内
の
調査
は、予断を排し、
厳正
、公正に行いました。その結果を隠すことなく発表いたしました。
社内調査
では、
オウム
の三人に対応しました二人の
社員
のほか、当日建物内におりました
外部スタッフ
などに
状況
を聞きました。
社員
二人は、何度追及されてもどうしても見せたとは思えない、狭い
部屋
で五人で
ビデオ
を見ているならば異様な
状況
なので覚えているはずだと話しております。他の
スタッフ
は、
テープ
を管理していた我々が知らないうちに
テープ
を見せるごとはあり得ない、だれにも気づかれずに
テープ
を見ることは不可能だと話しております。そうした
状況
から、我々は
テープ
は見せていないと確信しております。
検察庁
の
捜査
結果につきましては私
ども
はコメントできませんけれ
ども
、
社内
の
調査
では、見せたという事実は出ていないと確信しておる次第でございます。
太田誠一
9
○
太田
(誠)
委員
実は、
参考人
としてお
招き
をするということを私
ども
が決めた後、昨夜の
TBS
御
自身
の
報道
あるいはNHKの
報道
などにも、新たな事実というほどのことではないのかもしれませんけれ
ども
、
早川被告
の
供述調書
というものがわかったと。なぜわかったのか、私はちょっとそこもいぶかしく思っておるわけでございますが、私
たち
が
供述調書
を
国会
に提出をしていただきたいと言えば、当然
法務省
は嫌だと言うに決まっているわけでございますけれ
ども
、それがなぜか
報道
の方にだけは漏れる。まことに不思議な
出来事
でありますけれ
ども
、
国会議員
には見せないけれ
ども
報道
の方には漏れるというふうな非常に不思議なことでございますが、それはおくとして、この
供述調書
がこういうものであることがわかったということが昨夜
報道
されたわけでございます。 それは、
早川被告
の
メモ
によれば、
早川被告
はその
テープ
を見たと言っておる。そして、見た結果、けしからぬ
内容
だからといって
圧力
をかけて
番組
の
内容
を変えさせた、
芸能ネタ
か何かに変えさせたということのようであります。そして、そうしてあげた
お礼
に、どこかヨーロッパか何かで、
麻原被告
の
単独インタビュー
をさせてあげたというふうに
供述
をしておるらしいということが
報道
されたわけでございます。なおかつ、この
早川被告
の
メモ
は
証拠採用
されているというふうに言われておるわけでございます。 これは、今お話しをいただいたことと
検察側
が
証拠採用
をした
内容
とはやはり大分食い違っておると思うのでございますが、いかがでしょうか。
大川光行
10
○
大川参考人
きのうからけさにかけての
報道
で、
早川供述
の中で、
ビデオ
を見たことは公言しないと
約束
したとか口どめがあったというようなことが
報道
されたことは、私も承知しておりますが、そのようなことはないと思っております。私
ども
の
調査
結果では、
ビデオ
を見せたことにつながる事実は一切出てきておりません。この点につきまして二人は、見たことを公言しないというような口どめの
約束
などは全くなく、あり得ないことである、するはずもないと言っております。 ボンの
単独インタビュー
というのもございます。
番組
を
中止
した
お礼
に
インタビュー
させてやったということでございますが、
インタビュー
の交渉をしたのは
報道局員
でございまして、この
報道局員
はワイドショーの
番組変更
には一切かかわっておりません。職場も違うのでかかわることはございません。この
報道局員
は、
通常
の
取材
として
インタビュー
を交渉し、何度も粘り強く交渉したあげくに
記者会見
の直前になってようやくこの
単独インタビュー
の
約束
を取りつけた、こういうことでございまして、
通常
の
取材
であって
お礼
とか見返りであったということは全くあり得ません。 それから、
放送中止
を働きかけたとされております
報道局員
でございますけれ
ども
、十月二十六日に
水中修行
を
取材
した人物でございます。この「三時にあいましょう」の
スタッフ
でありますけれ
ども
、このとき「三時にあいましょう」の
スタッフ
がどんな
取材
をし、どんな
放送
を出すのかについて全く関知していない
立場
でありました。また、この
報道局員
が
坂本
さんの
インタビュー
の存在を知ったのは、
坂本
さんが
公開捜査
になった際「三時にあいましょう」が映像を出したためで、こんな
取材
もしていたのかと驚いたと言っております。知らないものを
放送中止
する働きかけをすることはあり得ない、こういうふうに思っております。
太田誠一
11
○
太田
(誠)
委員
あくまでも見せなかったということの御
主張
でございます。そして、見せなかったんだから、したがって弱みもないから
放送内容
を変えることもないし、したがってその
お礼
に
インタビュー
に応じてもらうということもなかったんだという御
主張
でございます。 そこで、では、見せなかったということは仮に事実だといたしまして、しかし、
オウム真理教
の信者が押しかけてきたということは、これ自体も
一つ
の重要な
出来事
であろうかと思いますけれ
ども
、この件について
捜査
に
協力
をするというか
当局
に
通報
をするということがなぜなかったのか、あるいはそういうことがあったということを
放送
で公表をしてもよかったのではないかということを疑問に思うわけでございます。 昨年でしたか、
サリン
の
事件
の後、
サリン
に
関連
して
サリン法
、
サリン関係
の
法律
をつくったわけでございますが、この
法律
の
精神
というのは、そういった
事件
に進展をするおそれがあるときには
国民
はそれを
当局
に
通報
しなければいけない、知らせなければいけないという
国民
の
一般
的な
義務
をうたっているわけであります。
一般国民
に対してこのような、これは去年の話でありますから最近のことですけれ
ども
、
一般国民
に対して、このような
犯罪
のおそれのあるときにそれを
通報
をする
義務
を直ちに課するかどうかは別として、およそそのような現場に立ち入ることの多い、あるいは
関係
することの多い
報道機関
としては、本来は、
犯罪
に至るおそれのある
出来事
に遭遇した場合にそれを
警察当局
などに
通報
をするというのは、
一つ
の
道義的責任
としてはもともとあったのではないかというふうに思うのであります。 これは、
サリン
の
法律
は新しい
法律
でございますから、今後私
ども
は、こういう
犯罪
のおそれがある、それが濃厚であるときに、どうそれを、公務員だけではなくて
一般
の
国民
やあるいは
責任
のある
立場
におられる
方々
はそのような
責任
があるということを、どのように
国民
の
ルール
とするかということは
考え
ていかなければいけませんけれ
ども
、ともかく、
TBS
の
方々
は、このようなことがあったということについて、それを
通報
するなり
放送
で公表するということをなぜしなかったかということについて御
説明
をいただきたいと思います。
大川光行
12
○
大川参考人
通報
しなかったということに関しましては、さまざまな御批判があることは承知しております。これにつきましては、ぜひとも当時の
社会状況
を御
理解
いただきたいと思っております。 当時、
オウム
につきましては、
サンデー毎日
が
修行
の
あり方
や
お布施
の集め方について取り上げていた
程度
でございまして、現在のように、史上まれな
凶悪事件
を起こす
集団
というふうにはだれも思っておりませんでした。その
認識
が
基本
にございました。 また、
宗教団体
の
取材
では、例えば
霊感商法
を取り扱ったときのように、
抗議
を受けるということはよくございました。ですから、二人の
担当者
は
オウム
の訪問を特に重大なものとは思わず、
通常
の
抗議
という
程度
の
認識
でございました。今から思いますればそうした
担当者
の
認識
に問題があるという御
意見
もありましょうけれ
ども
、当時の
社会状況
がそういうものだといったことをぜひとも御
理解
いただきたいと思います。
太田誠一
13
○
太田
(誠)
委員
そういうふうに、そのときの
状況
に立ち返って
一般
の
国民
や世間の風潮というものを思い起こすことは難しいし、今おっしゃったようなことだったかどうかということも確認はできないわけでございますけれ
ども
、今おっしゃりたいことは大体わかりました。 ただ、
オウム
が押しかけてきたことが事実としてあって、そして
放送内容
がその後
変更
されたということは紛れもない事実でありまして、その間に、先ほど
冒頭
に御
説明
をされましたように、
締め切り
といいますか、
番組変更
の
締め切り
の時間のことをもって、その
関係
は時間的には逆である、
圧力
によって変えたのではないというふうな御
説明
でございましたけれ
ども
、
一般
的にこのような、だれかが
圧力
をかけてきたらば
放送内容
を変えるというふうなことがあったのではないかというふうに疑われている点について、どうお
考え
でしょうか。
大川光行
14
○
大川参考人
お答え申し上げます。
オウム
の
圧力
で
放送
を
中止
したり
番組内容
を変えたのではないだろうか、こういうことでございますが、まず、
基本
的には我々はだれからも干渉されずに、
圧力
も排除して
放送
を出していくというのが、私
ども
の
基本
の
精神
であります。それから、今度問題になっております
番組内容
の
変更
についても、
オウム
の
圧力
で
中止
を決めたということではないことは確かでございます。事実
関係
といたしましては、先ほ
ども
申しましたけれ
ども
、翌日の
新聞各紙
の
番組欄
が既に
変更
になっておりました。
番組欄
の
内容変更
は、遅くとも夜八時半までには連絡しないと間に合わない。それが
変更
されているのでございますから、
変更
したのは八時半より前ということでございます。
オウム
の三人が
千代田分室
に来ましたのは夜十時ごろでございます。ですから、それから
番組欄
を
変更
することは不可能でございまして、それ以前に私
ども
が独自の判断で
変更
したということでございます。
太田誠一
15
○
太田
(誠)
委員
最後
の
質問
でございますが、別にこれは
法務委員会
として直接というよりも、
オウム事件
は結果としては破防法の適用に至るようなまれな
事件
でありますし、また、多くの社会的な混乱や不安を呼び起こしたわけであります。その中で、公共の
放送
、
報道機関
としてその一番
最初
の端緒の部分でかかわっておられたということは、結果としてはかかわっておることになろうかと思うのでございます。 そういう、このような
事件
、あるいは
報道機関
としての
関係
の仕方ということ全体を振り返って、今、
TBS側
の
内部
の
調査
をされた
責任者
として、
大川常務
は
坂本
さん
一家
に対してどういうお気持ちでおられるかということを
最後
にお聞きをいたしたいと思います。
大川光行
16
○
大川参考人
御
一家
の無念を思いますと言葉も ございません。また、御
遺族
の悲しみもいかばかりかと思います。 しかし、当社とのかかわりは御
説明
しているとおりでございまして、ぜひとも深い御
理解
をいただきたいと思います。
報道機関
としては、今後も
凶悪犯罪
を許さないという
基本姿勢
を貫いてまいりたいと思っております。
太田誠一
17
○
太田
(誠)
委員
ありがとうございました。
加藤卓二
18
○
加藤委員長
坂上富男
君。
坂上富男
19
○
坂上委員
私は、社会民主党の
坂上富男
でございます。
質問
をさせていただく前に当たりまして、
坂本弁護士一家
の
皆様方
や
オウム
のために犠牲になられた
方々
と御
遺族
様に対しまして御冥福とお見舞いを申し上げるとともに、
本件事件
の真相、そしてこれが再び起きないことのために
国会
においても努力する
決意
でありますことを申し上げさせていただきまして、
質問
をさせていただきたいと思います。 刑事局長おられますか。ちょっと、
参考人
に
質問
する前に整理由したいこともありますので、先般
質問
をしたこととダブる点もありますが、御答弁をお願いをいたしたいと思います。もう理由は余り要りません。できるだけ簡潔にお答えをいただきたいと思います。
TBS役員
、今
参考人
でお見えの
常務
さんが、
TBS社員
が
オウム幹部
に
坂本弁護士
に対する
インタビュー
の
内容
を知らせたことを否定されておりますが、
検察
は、
冒頭陳述
において、そしてまた
証拠
において、これは事実であるというような
冒頭陳述
がなされております。ただし、いわゆる
インタビュー
の
内容
を詳細に知った、こういう
冒頭陳述
でございますので、直接的には、
ビデオ
を見せた、詳細に話をした、こういうことは言っていないのでございますが、その詳細を知った上で
麻原
に
早川
が報告をしたと
冒陳
では言っておるわけでございます。 したがいまして、いわゆる詳細に知ったその手段についてはまだこの法廷では明確にはなっておらないようでございますが、しかし、少なくとも言えますことは、
TBS
の本日の御
説明
と
冒頭陳述
は真っ向から食い違っておると言うべきでございます。
検察
はどのような
証拠
に基づいてそのような
冒陳
になったか、再度御答弁をいただきたいと思います。
原田明夫
20
○原田政府
委員
お答え申し上げます。
検察当局
は、収集いたしました
関係
証拠
を総合いたしまして、ただいま御指摘のような
オウム真理教
幹部
の三名が
TBS
の
放送
局に赴きまして、その折衝の過程で、
坂本弁護士
が
インタビュー
に応じまして、その中で
オウム真理教
団の活動の
あり方
を批判して、これを追及していく旨の発言をしていることを知ったという事実が認定されるものとして判断したものと思いますが、今後裁判が行われていくものでございますので、
検察
官が具体的にどのような
証拠
に基づきましてそのような判断を行ったかについては、申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。 なお、この事実は、今後の公判におきまして十分な審理が行われまして、最終的に
裁判所
の判断によって認定されるものであると承知しております。
坂上富男
21
○
坂上委員
報道
によりますと、中川
被告
の公判での、取り調べた
早川
の
供述調書
には、
TBS
に
抗議
に行き、
坂本弁護士
の教団批判
内容
を知り、その
内容
を自分の手帳に記載をしたという記載がある旨、いわゆる要旨の告知がなされたようでございますが、これは事実でございますか。
原田明夫
22
○原田政府
委員
お答え申し上げます。 そのような趣旨の記載があると聞いております。
坂上富男
23
○
坂上委員
さらに、中川
被告
の公判で、取り調べた
TBS
の二人の
社員
の
供述調書
、
オウム真理教
幹部
が来た後に
坂本弁護士
の
インタビュー
の
放送
を取りやめた、こういう記載がある旨
報道
もされておるようでございますが、これは事実でございますか。
原田明夫
24
○原田政府
委員
そのような趣旨の記述があると聞いております。
坂上富男
25
○
坂上委員
刑事局、ありがとうございました。 それでは、今度
参考人
にお聞きをいたしたいと思います。御苦労さまでございます。簡潔にお答、えをいただきたいと思います。 まず、
調査
報告書を二通見せていただきました。これはどなたが一おたくさんが
責任者
であることはわかっているのですが、具体的に文章にしたり、具体的に取りまとめてこういう文を作成をされたのはどなたか、これだけ言ってください。
大川光行
26
○
大川参考人
お答えいたします。 具体的にまとめましたのは、私の下にいる六人の
スタッフ
が分担したものでございます。六人で書き……(
坂上委員
「これは名前だけでも言ってくれませんか」と呼ぶ)名前は、この
調査
メンバーの名前がひそかにわかった段階でいろいろな変な電話などが来たりするようなこともございまして、私
ども
は、公表しない、私の名前だけを公表することで御勘弁をさせていただきたいというふうに思っております。
坂上富男
27
○
坂上委員
これは、一人一人からお聞きになったとき、調書をとるとか録音をとるとか、そういうことをしてありますか。
大川光行
28
○
大川参考人
メモ
は全部とってあります。
坂上富男
29
○
坂上委員
録音はありますか。
大川光行
30
○
大川参考人
録音は、原則的にはしておりません。
坂上富男
31
○
坂上委員
同時にお調べになったようなこともあるのですか、その
関係者
の皆さんを。
大川光行
32
○
大川参考人
同時という言葉でございますけれ
ども
、二、三人で一人の人間をというような意味でございましょうか。そういう意味でしたならば、ほとんどが複数で調べるというようなことをしております。
坂上富男
33
○
坂上委員
報告書によりますと、
調査
なさったのは
大川常務
さん、それから
番組制作
現場、管理部門の局長、それから部長六名、こう書いてあるのですが、名前は結構ですから、役職だけ言ってください。
大川光行
34
○
大川参考人
局長、次長、部長という人
たち
でございます。
坂上富男
35
○
坂上委員
制作現場の役職、管理部門の局長というのはどういう局長さんなのか、それから部長さんはどういう役職の部長さんなのか、こういうことを聞きたいのですが、余りやりとりしてもいけませんから、答えられたら答えてください。 その次に、
一般
的なことを聞きます。 本件
坂本弁護士事件
を離れまして、
放送
局が、対立する団体や個人の
取材
の中で、一方の当事者に他方の当事者の
放送
前の
インタビュー
の
内容
を教えるということ、あるいは
放送
前の
インタビュー
ビデオ
を見せるということは、
報道機関
の姿勢としては極めてゆゆしい問題だと思いますが、今回の問題を離れまして、
一般
的にこのことはどう
考え
ておられるのですか、
TBS
としては。
大川光行
36
○
大川参考人
一般
的に、そのような行為はいたしません。
坂上富男
37
○
坂上委員
放映前の
ビデオ
あるいはその素材といいますか、これを見せるということは、私は、
新聞
記者が
取材
メモ
を対立する相手方に見せるものと同様のものだと思っておるのですが、
TBS
はこの
認識
はありますか。
大川光行
38
○
大川参考人
同じようにそういう
認識
を持っております。
坂上富男
39
○
坂上委員
それでは具体的に聞きます。 三月十二日の東京地裁の中川
被告
の公判で、
オウム幹部
の
早川被告
らが民間
放送
局に
抗議
に赴き、その折衝の過程で
坂本弁護士
の
インタビュー
の発言
内容
を知ったと
冒頭陳述
で言っておるわけでございます。この民間
放送
はおたく様の方の
TBS
であること、そして
TBS
もこれを認めているわけでございます。
常務
としては、この
捜査
当局
の
冒頭陳述
の指摘について、どう
理解
して、どう感じておられます。
大川光行
40
○
大川参考人
見せたのではないか、こういうことでございますが、
社内
の
調査
は
厳正
に行いました。お配りしてある資料にもございますように、どんなに
調査
しても、見せたという事実は出てき ておりません。
オウム
の三人に応対しました二人の
社員
は、どうしても見せたとは思えないとか、小さな
部屋
で五人が
テープ
を見ていたなら、異様な光景なので覚えているはずだとか、どう
考え
てもそんな光景は浮かばないと話しております。他の
スタッフ
も、二人が置き場所の違う
テープ
を探し出して見せることはあり得ない、
テープ
を管理していた我々に断らずに見せることは
考え
られないと話しており、見せていないことにつながる
状況
も逆にございます。
坂上富男
41
○
坂上委員
私が聞いているのは、
検察
がこう言っていると言っているがどうですかと、こういうことに対する
TBS
としての所感です。皆さんが調べた結果はさっきから聞いているからもういいのですよ。
検察
の
冒頭陳述
について
TBS
はどういうふうに聞いているかということなんです。
大川光行
42
○
大川参考人
検察庁
の調べに関しましては、これは
検察庁
のお調べでございます。私
ども
としてはコメントしない
立場
でいたいと思います。
坂上富男
43
○
坂上委員
そうだとしたならば、あなた方としては、あり得ることでないというのでしょう。
検察
のおっしゃることについても、あなた方と事実が違うというのでしょうっそうだとしたら、東京地検へ何で
抗議
しないのです。これはもうあなた方のいわゆる
報道
としての命ですよ。この命を、全くおまえら違うよと公開の公判廷で言われたわけだ。なぜ厳重に
抗議
しないのですか。
大川光行
44
○
大川参考人
慎重にそれには対処させていただきたいと思います。
坂上富男
45
○
坂上委員
これ以上聞きませんが、お
立場
もあるからなんでございましょうが、何遍も言うように、
国民
は
報道
を信じるのです、私らも。でありますから、
検察
がこうまで言っているのに、あなた方は、違うんだというのだったら、どうして
国民
の前にも
抗議
をしないのですか。私は全くこれはわかりません。あってはならないことが
検察
はあったと言っているのだから。どういうことなんですか。もう一遍答えられませんか。
大川光行
46
○
大川参考人
この件に関しましては、慎重な検討をさせていただきたいと思っております。
坂上富男
47
○
坂上委員
さて次、
TBS
の
調査
では、
オウム
の
幹部
に応対した二人の
社員
は、
坂本弁護士
の
インタビュー
の
内容
を知らなかったと言っております。一方、
オウム
が
インタビュー
の
内容
を折衝の過程で知ったとするならば、そこで一緒に
ビデオ
を見たか、
インタビュー
をした
担当者
がその場に来たかしか
考え
られないのではないかと思いますが、そういう
インタビュー
取材
をした
担当者
は同席したのですかしないのですか。
大川光行
48
○
大川参考人
同じ
千代田分室
という建物の中にはおりましたけれ
ども
、そのとき応対には出ておりません。
坂上富男
49
○
坂上委員
インタビュー
取材
の
担当者
が同席していないとするならば、
ビデオ
を見せた以外に一体どんな方法が
考え
られるのですか。
検察
が言っていることはどうですか。
大川光行
50
○
大川参考人
私
たち
は、
ビデオ
を見せなかったという
状況
を確認しているだけでございます。
坂上富男
51
○
坂上委員
それだけでは答弁にならないのです、これだけついているんだから。
インタビュー
取材
の当事者が同席しないのだったら、
ビデオ
を見せた以外に一体どういう方法が
考え
られるのですか。方法を言ってくださいよ。こういう方法があるんじゃないですかといって私に教えてくださいよ。幾ら
考え
たって
考え
られませんよ。
記者会見
のときの話ですが、いいですか、
常務
、あなたは、
社内調査
を終了した、当面は打ち切ったと言ったそうですが、私が今指摘したようなこういう重大な問題が残っているままこういうようなことを言うのはおかしいのじゃないですか。もっとこれから徹底的な
調査
をしなければ
報道
としての任務は果たせないのじゃないかと思いますが、いかがです。
大川光行
52
○
大川参考人
調査
は、今後とも必要に応じて継続いたします。
坂上富男
53
○
坂上委員
これは、ぜひ
調査
をして、こちらにも報告してください。 大体
TBS
では、放映前の
テープ
を外部の人に見せないという決まりはきちっと確立しておりますか。
大川光行
54
○
大川参考人
報道
の当然のこととして、不文律でありますが確立し、そういう教育もしております。
坂上富男
55
○
坂上委員
そうですが。 それでは、また別の角度から。
TBS
は、
坂本弁護士事件
をめぐって、昨年の九月二十八日の「ニュース23」で訂正
放送
をいたしました。前日の同じ
番組
の中で流したニュースの中の表現や
取材
の過程で不適切な部分があったという
内容
でございました。 このニュースは、警察
関係者
が八月下旬に椿山荘で
坂本弁護士事件
の
捜査
の出陣式を行ったが、神奈川県警が加わっていなかったというニュースを訂正したものなんでございますが、どこが不適切だったのですか。いわゆるニュースで、不適切だ、こうおつしゃいました。答弁してください。どこが不適切だったの。
大川光行
56
○
大川参考人
問題の
取材
につきましては、一部の
取材
方法に行き過ぎがあったということでございます。翌日のニュースでおわびいたしますと同時に、警視庁にも謝罪いたしました。
坂上富男
57
○
坂上委員
警視庁から注意があったのでしょう。私は、このことを裏づけをとってみました。場合によっては警視庁から出てもらおうと思ったが、文書で答弁が来ました。それは警視庁
幹部
の私用の会合であった。
坂本弁護士事件
捜査
の出陣式と間違ったほか、
取材
現場では警視庁
幹部
らの出入りを撮影をしたカメラマンがおられる、
TBS
の。現場にいた警察官に友人の結婚式だと言って
ビデオ
を撮っておられたそうでございます。
取材
目的を偽ってカメラ撮影をしたわけでございますが、
TBS
さんは、こういうような
取材
上の問題点をしょっちゅうやっておられるのでございますが、そうやって偽った
取材
をする、そして、撮った
ビデオ
を相手方に見せる、そういうようなことは、そういうことをしちやならぬということがきちっと
社内
では方針として確立しているのですか。どうです、今言ったこと。
大川光行
58
○
大川参考人
残念ながらそのようなことはありましたけれ
ども
、こうした逸脱行為は非常にまれなことでございます。当社にそういう風潮があるとは思っておりません。しかし、今後とも正しい
取材
の
ルール
を守るように現場への指導を徹底するよう図ります。
坂上富男
59
○
坂上委員
そういうことが、しないということが方針として確立しているのですかと、こう聞いているのです。いいですか、こういう間違いをしたらしかるべき処分をしなきゃならないんじゃないですか。まだこれは被害が出なかったからいいんです。 この
坂本
君の場合はもう
一つ
一つ
が積み重なりまして、二十六日の
取材
でしょう、
ビデオ
を公開したかどうかはわからぬけれ
ども
、
検察
から言わせれば多分
ビデオ
を公開したんでしょう。二十七日放映
中止
だ、三十一日
坂本弁護士
への
抗議
だ、そして十一月の四日でしたかね、
坂本
君が行方不明になったのは。この
一つ
一つ
の
出来事
の積み重ねの結果が本件の殺害
事件
に至ったんじゃなかろうか。さらにこれが、あす一周年だそうでございますが、地下鉄
サリン
事件
あるいは松本
事件
、いろいろ起きたんじゃなかろうかと私は思っておるわけであります。 こんなようなことから
考え
まして、大変失礼でございますが、
参考人
から来てもらいまして、
一つ
一つ
、私
たち
は再びかかることのないようにどこに問題があったということを検証しなければ
国民
の安全を守るわけにはいかぬものですから来ていただいているわけです。だからもう率直に、
国民
の安全、命を守るために、私は、どういう点で問題があったかということをお話しをいただきたい、こういうことで来てもらっているわけでございますから、きちっと答えていただかなければ左らないと思っておるんでございます。 そこで、二十六日に
オウム
が来たことについて
通報
しなかったことについて、
記者会見
では、担当の人は当時それほどのこととは思わなかった、
認識
が低かった、
オウム
が大
事件
を起こすような対象ではないと
考え
ていた。そして本日もそういう御答弁をしておりますが、十月二十六日に来たこと、二十七日の放映が
中止
になったこと、理由はいいですよ、
抗議
で
中止
したかどうかは別として、
坂本
氏になぜそれを連絡しないんですか。大したことはないからというんですか。それだったら
坂本
君から何で
インタビュー
したんですか。
坂本
君、命をかけてこの問題で戦った、戦おうとした。それで、あなた、奥様や子供まで殺されるという事態が起きたんですよ。そんなことから見ますと、これはどうしてもその真相を解明しなければ私
たち
はその
責任
を果たせない。皆さん方も、これについて一片の疑いがあったらこれはきれいにひとつ
国民
の前に晴らしていただかなければならぬのであります。
坂本
君が行方不明になったから、どんな情報でも知らせてほしいと弁護団が要請をしておったわけです。知っているでしょう。行方不明でも二十六日に来たことを連絡すべきだと思いますし、そしてその後、行方不明になって
公開捜査
になったんだから、あっ、あのとき
オウム
が来た、あのときおれらは
認識
が薄かったけれ
ども
、あるいは大変なことがあったんじゃなかろうか、ありましたという連絡をなぜしなかったんですか。答えてください。——答弁できなければ無理して言うことないですよ。後で
考え
て文書で出してもいいですから。
大川光行
60
○
大川参考人
今にして思えば伝えておけばよかったという御指摘もございます。
担当者
としては、三人の来訪を、
捜査
機関を含めまして
社内
に知らせる必要があるものとは思い至らなかったというのが実情でございます。
坂上富男
61
○
坂上委員
じゃ、
調査
報告書によりますと、永岡被害者の会会長と牧
サンデー毎日
編集長の
インタビューテープ
は抹消してあるっていうんですね。何でこれだけ抹消したの。
坂本弁護士
の
インタビュー
と、
水中
クンバカというんですか、
水中
クンバカの
テープ
は抹消しなかった。これ、どういうことなの、一方は抹消して一方は抹消をしないというのは。理屈がわからぬね。 しかもあなたは一
坂本
事件
がいろいろ取りざたされるようになってからこの
テープ
をじゃんじゃんと流したんだそうじゃないですか、私は余り見ていなかったですけれ
ども
。こういうようなことから見ますと、この報告書、何で永岡さんや牧さんのを抹消して二つのものを抹消しなかったの。これにも非常に疑問を感じておりますが、どうですか。
大川光行
62
○
大川参考人
隠したり消したりということではございません。いわゆるワイドショーの
取材
をした
テープ
は当時ほとんど保存をせず、使い回しをすると、しばらくしたら消去するというのが通例でございました。したがいまして、
坂本
さんの
インタビュー
を除く二本のVTRは既に消去されております。 ただ、
坂本
さんの
テープ
だけは、
坂本
さんが
公開捜査
になった段階で
報道
局が譲り受けたと、それが残っていたと。あとは、
社会情報局
にあるものは、その原本はもう既にないという
状況
でございます。永岡さん、牧さんの
テープ
は現存しておりません。
坂上富男
63
○
坂上委員
それがおかしいと言うんですよ。いいですか。大したことがないから放映を
中止
したと言うんだ、あなた
たち
の言い分は。私は、
抗議
を受けたから
中止
したと思っているんですよ。一歩下がって、あなた方の言うようにこんな大したことのない
水中
クンバカ、こんなことは抹消したっていいんだ。それから、
坂本弁護士
のもそれほど重要だとは思わなかったと言うんだ。重要と思わなかったんだから永岡さんと同じように抹消するのが普通でしょう。何でこれだけ残ったのよ。わからぬね。荷物がいっぱいになっちゃって倉庫の中大変だから抹消したと、こういう話なんだけれ
ども
、同じ価値しかなかったんだよ、当時としては、あなた
たち
は。何でこれ抹消しないで残っていたの。そしてあなた
たち
は、特定のやっと言って何か放映したという話も聞いているんですが、どうなんですかね。本当に私は、これ聞きながら怒りを感じますよ。どうですか。
大川光行
64
○
大川参考人
先生が御指摘になりました
麻原
の
水中
クンバカというようなものも既に抹消して、ございません。 それと、
坂本
さんの
テープ
だけが残っている理由でございますけれ
ども
、十一月の十五日に
公開捜査
になりました。そのときに
報道
局が譲り受けて資料映像としてとっておいたのが残っておりまして、社会情報系はなくなっておりました。
坂上富男
65
○
坂上委員
さて、もう時間がありませんから私は打ち切りますが、これは、どうしてもあなた方の
調査
はまことにずさんじゃないかと思います。再
調査
、きちっとしていただきたいと思いますが、確約をいただきたいと思います。 それから、
ビデオ
を見せたか見せないか、
ビデオ
を見せたにかわるべき詳細な
説明
を
オウム
の
幹部
にしたかどうか、今後裁判等で明白になるだろうと思います。もし明白になった場合、
TBS
さんは、これだけ公開の席上で発言をなさっているんでございますから、それに対する
責任
は私はとってしかるべきだと思うのでございますが、御感想を述べてください。
大川光行
66
○
大川参考人
そのような問題は、これから公判が続きます、そういったことを見きわめつつ対処していきたいと思っております。
坂上富男
67
○
坂上委員
最後
に、あなた
たち
報告書で、
坂本弁護士
の
インタビュー
を見たと
供述
しておる
早川被告
人と、こう書いてある。
ビデオ
を見たということを
早川
が言っているということをあなた
たち
は去年じゅうに知ったというんだよ。どういうことで知ったの。 それで、今回、きのう
TBS
は、ドイツへ行って
麻原
にあなたのところが会ったということ、それから見せたということ、
ビデオ
を見たということ、放映したそうですわ。これは
取材
源であるから答えられないかもしれませんが、この際やはり答えていただかぬといかないんじゃないでしょうか。というのは、あなた
たち
は
テープ
を提出しているんだ、もう。
テープ
を提出しているんだから、この
取材
源もお答えになっていいんじゃないですか。どうですか。
大川光行
68
○
大川参考人
私
ども
の記者の
取材活動
の中からそういったものの存在は承知していたということでございます。
坂上富男
69
○
坂上委員
それは去年知ったのですか。あなたの報告書に去年知ったと書いてあるのだから。どうなの、去年知ったの、
早川供述
の
内容
。どうぞ。
大川光行
70
○
大川参考人
細かいところは私からはわかりませんが、去年のうちから一応その存在は私
ども
承知しておりました。
坂上富男
71
○
坂上委員
検察庁
、
検察庁
は私が聞いた以上のことはもう答えられないのでしょう。
報道機関
はこうやって、みんな調書に書いてあるといって、去年知っているんだ、これは。これじゃ全く法務
委員
なんというのはしない方がいい、こみっともなくてしょうがない。 本当に私はこういう
報道
の
あり方
にもいろいろ議論があるところだと思います。そして、あげくの果ては、まかり間違いまして
坂本
さんの殺害につながったと思われるような事態があるいは起きたのじゃなかろうか、大変気にしておるわけでございます。
常務
、
最後
に御感想を述べてください。
大川光行
72
○
大川参考人
その前に
一つ
訂正させていただきますが、私の先ほどの発言で、そのような存在を知っていたということは誤りでありまして、そのような風評といいますか、そういうことが言われているということを私
たち
は知っていた、こういうことでございます。 それから、非常に痛ましい
事件
でありましたし、こういうことに対して私
ども
は非常に謙虚に社会的
責任
を感じつつ、切瑳琢磨して
取材
に当たっていきたい、こういうふうに思います。(
坂上委員
「再
調査
は」と呼ぶ)再
調査
ということではございませんが、
調査
は必要に応じて今後も継続をしてま いります。
坂上富男
73
○
坂上委員
ありがとうございました。
加藤卓二
74
○
加藤委員長
正森成
二君。
正森成二
75
○正森
委員
早川被告
に
関連
したことで
大川
さんに
質問
をいたします。
冒頭陳述
によりますと、松本は、十月二十六日に
早川
から、右
放送
局、
TBS
ですね、被害者の会の
関係者
の
主張
をテレビ
番組
で放映するということを聞知するや、右放映は教団に不利益になるとして、
早川
に対し、右放映を
中止
させるように働きかける旨指示した。そこで、
早川
は、上祐及び青山とともに、同日夜、右
放送
局に
抗議
に赴きということで、その
内容
を知るや、これを偏見による
主張
であるとして、これを
放送
する場合には法的手段を講ずるなどと口にして、直ちにその放映
中止
の措置をとるよう執拗に迫ったというように
冒頭陳述
で書いております。 私はあえて言いませんが、
冒頭陳述
というのは
検察庁
が
証拠
によって証明すべき事実で、
通常
その
証拠
を十分に所有しているから
主張
するわけであります。 そして同じ
冒頭陳述
によれば、十一月二日から三日にかけて、
麻原
が
関係者
を呼んで、どういうように対処するかということでさまざまな方策が立てられた結果、結局今一番問題なのは
坂本
だ、それでこれを殺害せよ、こういうぐあいに指示したというように
冒陳
に明確に書かれています。ですから、まさに
TBS
を訪れてその
内容
を知ったということが殺害の重要な動機になったということを
検察
は
主張
しているわけです。 私は、
法務省
の
関係者
、きょう来ておりませんが、それは、
法務省
の
関係者
には先日私が詳細に
質問
して、刑事
犯罪
については動機が最も大切であるということ、
冒頭陳述
の
内容
は裁判の過程で十分に立証するというように答弁しましたから、あなたの横に、まあ言うたらあなたと対峙している
検察側
がいて、あなたが平静に
参考人
としてお述べになる気持ちを乱してはいけない、冷静に答弁していただきたい、こう思ってわざと退席をしていただいたわけです。 そこで私は伺いますが、あなたの方のこの報告書、これを拝見しましたが、例えば一番
最後
の結論のところでは、「VTRをみせたことにつながる記憶や事実
関係
はどうしても出て来なかった」、こう言っていますね。つまり、完全に否定はしていないわけです。非常に弱々しく、「みせたことにつながる記憶や事実
関係
はどうしても出て来なかった」と言うにとどまっております。 それに対して
早川被告
などは、明白に、押収された
メモ
などに基づいて、
犯罪
の動機という自己に最も不利益な事実について
検察側
に証言しているわけであります。常識から言えば、一方は弱々しい、記憶はそういうことがつながらないということだけだ、一方は
メモ
もあり、そして明白に証言しているということになれば、
TBS側
が非常に真実についてあいまいな態度をとっているというように思われるのは当然だと思うのですね。 そこで、私はきょうは、あなた方が
報道機関
に出しているこの
主張
に基づいてこれから
質問
をしたいと思います。 あなた方のこの
主張
によりますと、
オウム側
の三名がやってきたのは二十六日の、あなた方が午後十時ごろ帰って間もなくだったから、午後十時ごろだろう、帰ったのは午後十二時あるいは午前一時ごろだというように書いていますね。そうすると、最低二時間、恐らく三時間だということになりますが、間違いないですね。
大川光行
76
○
大川参考人
そのような
程度
の時間だったと思います。
正森成二
77
○正森
委員
同じように、あなた方のこの報告によれば、
報道
番組
が、既に翌日のものが
変更
されておる。そうすると、
通常
の場合は
変更
は八時から八時半に連絡しなければそれは不可能だ、ところで、
オウム
が来たのは十時だから、
オウム
の
抗議
や
主張
をまつまでもなく自主的に
変更
していた可能性が極めて強い、恐らくそうである、こう言っていますね。これも確認しませんが、ここに書いてあるからそのとおりだと思います。 そうすると、重大な矛盾が起こるのではないですか。
オウム側
は、自分らが尊師と仰ぐ
麻原
から放映を
中止
させるという使命で三名が行っている。ところが、行ったときには既に
放送
しないということになっていた。行ったときに既に目的を達しているのではないですか。あなた方が、もう既に
番組
は
変更
しております、放映いたしませんと言えば簡単に済むことなのに、なぜ二時間も三時間も
オウム
と会談したのですか。そして、そのときは相当激論が行われたというようなことも言っていますが、これは全く道理にも合わないし、つじつまが合わないじゃないですか。来たときには、ああそうですが、その件はまだ
取材
は不十分なので放映しないことにしましたと言えばそれで済むことであります。なぜ三時間も粘ったのですか。それ自体不合理じゃないですか。
大川光行
78
○
大川参考人
富士宮
でいろいろ
取材
をしました。
麻原被告
が、実際には潜らなかったのですが、
水中
クンバカの
実験
をやり、それからその後、
麻原被告
の
インタビュー
も行いました。ここで、先ほ
ども
申し上げましたように、かなり激しいやりとりが
弟子たち
も含めてありまして、そのことの
抗議
であったというふうに思いますし、それでいろいろ激しいやりとりがあったのではないか、こういうふうに思っております。
正森成二
79
○正森
委員
いろいろ話があったりって、友人が友人のところへ行って思い出話をしているんじゃないんですよ。
麻原
の指示を受けて、翌日の放映を
中止
させろという使命を持って来ているのに、それがもう
中止
して
番組変更
までしたということになれば、あなた方が幾ら忍耐強くても、
オウム
の教義を長々聞いてみたり、あるいは既に済んで向こうは知っている
麻原
との
インタビュー
を長々と話をする、そんなことはあり得ないじゃないですか。 もう
一つ
言いましょうか。あなた方のこれによると「「
オウム
に対して偏向した不当な
放送
を行なうことはゆるされない」と言ったこと、「一方的な
オウム
攻撃の
報道
は
中止
すべき」ことを強調していたとのことです。」こう言っている。ところが一方では「
坂本インタビュー
に関する話が出たかどうかははっきりしない」、そんなばかなことがありますか。 一方的な
オウム
の攻撃の
報道
は
中止
すべきというような
一般
的な話は聞いたが、まさに自分らが使命として来た、具体的な
坂本インタビュー
に関する話が出たかどうかもはっきりしない。放映しないと言ったかどうかとか、そんなことじゃないよ。
坂本インタビュー
に関する話が出たかどうかもはっきりしない。こんな人間が
報道機関
務まりますか。世間を繕うのもいいかげんにしたらどうですか。 あの
冒頭陳述
を見ると、龍彦さんという一歳の子供まで口をふさがれて窒息死しております。弁護士以外に都子さんまで、腹をけられ、ネグリジェで首を絞められて窒息死されております。そういうのに一定の原因をつくったということについて、
放送
機関だけでなしに、社会人としての良心や反省もないんですか、あなた方は。 こんな不合理なことが通用すると思っているんですか。
坂本インタビュー
に関する話が出たかどうかもはっきりしない。不合理じゃないですか。答えられないでしょう。
大川光行
80
○
大川参考人
そういうお
考え
もあるかもしれませんが、私
ども
は
調査
を真摯に行いまして、今まで述べましたような結論を引き出しました。
正森成二
81
○正森
委員
そういうお
考え
があるかもしれませんがなんて人ごとのように言いますが、あなたのような
考え
を持っているのは
TBS
のごく一部だけで、一億二千万の日本
国民
の中でそんな
考え
を持っているのは、あなた方の、
TBS
の
内部
の一部だけですよ。常識的に見てもそういうことはあり得ないことをあなた方は無理に
主張
しようとしている。
関係者
が何とか自分の
責任
を免れるためにのらりくらりとするというのはあり得ることであります。それを正して、
報道機関
の社会人としての任務を明らかにするのが当たり前のことじゃないで すか。 あるいはまた、あなた方は否定するについて、応対に当たった二人とも、見せたという記憶はどうしても出てこないとか、素材の
保管場所
も知らなかったとか、あるいは、当日は
スタッフ
が七名おったが、VTRを見せたことにつながる記憶を持っている
スタッフ
はいないとか、そういうあいまいな表現であります。 しかし、私のところに
内部
告発がありましたが、何も応対した人が
ビデオ
をとりに行かなくても、また
ビデオ
を撮影した人がみずからVTRを設営しなくても、上司が電話一本でも
ビデオ
を持ってこいと言えば
ビデオ
を持っていくようになっていると言っております。どの
部屋
にもVTRぐらい、私のように機械に弱い人間だってVTRぐらいつけられる、そういう設備はあると言っております。電話で指示をして持ってこさせて、そして
オウム
関係者
に見せるというようなことは十分に可能であり、それを否定するようなことはこの
調査
内容
でも出ていないじゃないですか。 そういうことになれば、きょう各紙に
報道
されているように、あなた方は
抗議
を受けてから放映しないということにしたのだが、それではメンツがつぶれるから、放映はしないが、こういう
抗議
はなかったことにしよう、こういうことで話をつけた。だから、その
内容
が
早川
の
メモ
にも残っているんじゃないですか。そしてそのかわり、見返りとして、犯人を連れてドイツへ逃げた、ボンで
単独インタビュー
が成立した、それが見返りだと言われているのはまさにそのとおりじゃないですか。 そういう見返りを得るために、人の命を危険にし、
事件
が起こってからもそれを隠し続けて、
捜査
機関から去年の秋に言われるまでひた隠しに隠しており、今もここで隠す。
TBS
は人間の良心があるんですか。
大川光行
82
○
大川参考人
今おっしゃいましたような事実
関係
はございませんし、ボンの特別
インタビュー
等についても、見返りとかそのようなことはございません。
正森成二
83
○正森
委員
そこまで言うのなら言いますが、
検察側
は、裁判の過程では
冒頭陳述
に書いてあることを立証するために全力を尽くすと言っております。もちろん
早川
を
被告
人本人の
質問
で出すでしょうし、あなた方の下請である
取材
をした
ビデオ
関係者
も出るでしょう。また、応対をした二人、あるいは途中で退席した一人を入れて三人ですが、証人として呼ばれる可能性もあるでしょう。そのときに、証言が真実に反し、しかも自分の
認識
を十分に伝えていないということになれば、偽証罪で告発せざるを得ないこともあります。 私
たち
は
報道
関係者
がそうなることを望みませんが、しかし、本件の重大性と
TBS
の
責任
の重大さにかんがみれば、たとえ
報道
関係者
といえ
ども
、偽証罪の制裁のもとに徹底的に追及することは
国民
にとって求められていると思います。 そのときにあなた方はよもや、偽証を教唆したり、本当のことを言ったら解雇するとか、不当な
圧力
を加えることはないでしょうね。それだけを伺っておきたいと思います。
大川光行
84
○
大川参考人
私
ども
は、
報道機関
として真摯にこの
調査
を行ってまいりました。誠実に公表もいたしました。二人の人
たち
、聴取を受けた人
たち
に何らかの違ったことを言えというような
圧力
をかけたこともございませんし、本人
たち
は真実をそのまま述べているというふうに信じております。
正森成二
85
○正森
委員
私は今回の
質問
をするに当たって、
坂本弁護士
が所属した横浜
法律
事務所の弁護士からも
意見
を伺いました。公開
質問
状が出ていることは、あなた方御承知のとおりであります。真摯に答弁すると言われておりますが、きょうの
参考人
質問
でのあなたの態度を見ると、真摯さの
程度
が疑われるということは申し上げておきたいと思います。 しかし、
インタビュー
が録画され、
抗議
を受けたのは一九八九年の十月二十六日であります。
坂本弁護士一家
の
事件
が起こったのは十一月四日の未明でありました。そして、
公開捜査
が全国に発表されたのは十一月五日であります。どんな記憶の薄い者でも、あのときにおたくへ行った同じ三名が
坂本弁護士
の事務所に十月の末に行っておるということも周知のことでしたから、ああ、あのことかということで記憶を喚起するのは人間として当然であります。 もし、そのときにあなた方の
報道
が、あるいは事実の申告が
関係者
にあれば、
捜査
の方向も大きく変わっていた可能性があり、その後の
事件
についての推移も変わっていた可能性もあります。それを、そういうことを
関係者
に言うことは思い浮かばなかったということで済むでしょうか。それよりは、なかったことにしようということだときよう各紙に
報道
されていることの方がはるかに信感力があり、それだからこそ
報道機関
にばれるまでは
TBS
は厚顔にも沈黙を守った、そう全
国民
が思うのは当然じゃないですか。
最後
に伺って、私の
質問
を終わります。答えられないだろう。
大川光行
86
○
大川参考人
先生のおっしゃったことの中で、
公開捜査
は十一月十五日だと思いますが、いずれにしましても、私
ども
は、こういった事態を非常に重く受けとめ、今後、
社内
においてもこういったものを検証し続けなきゃいけないと思っております。 私
ども
の
内部
に、先ほ
ども
御報告しましたように
特別委員会
を設けまして、
オウム
報道
全般の
あり方
やこれからの
報道
の
あり方
、我々の生き方等も含めまして、いろいろな角度から検証を行い、外部の方の
意見
も伺いながら、我々を浄化する、自分
たち
をもっともっと力のある
報道機関
にしていく努力を続けていく所存でございます。
正森成二
87
○正森
委員
時間が終わりましたから私はやめますが、我々は、Tというイニシアルの、
ビデオ
を見せたという人の本名も知っております。しかし、きょうは武士の情けで出さなかったのです。あなた方が反省して、本当に人間の良心に立ち返ることを望んで、私の
質問
を終わります。
加藤卓二
88
○
加藤委員長
小森龍邦
君。
小森龍邦
89
○
小森
委員
大川常務
さんにお尋ねをいたします。 ここで、事実の
関係
として異論のないことは、
オウム真理教
の
関係者
が、おたくのテレビ会社を訪ねて、
坂本弁護士
から
インタビュー
をしたことに
関係
をして、おたくのところへ話に来た。これは間違いないですね。
大川光行
90
○
大川参考人
十月二十六日に
千代田分室
に来たということは間違いございません。
小森龍邦
91
○
小森
委員
そうすると、それから余り時間を隔てずして
坂本弁護士
の行方がわからなくなった、
一家
みんなわからなくなったというときに、普通の常識ならば、あの動きと非常に深い、あの動きというのは、おたくを訪ねてきた動きと非常に深い因果
関係
があるなということぐらいは頭にひらめきませんでしたか。
大川光行
92
○
大川参考人
当時の
社会状況
から
オウム
集団
の大きさを推しはかることができず、やはり
通常
の
トラブル
というような形で
認識
してしまいました。そのために
通報
等に思い至らなかった、こういうことでございます。
小森龍邦
93
○
小森
委員
結果において、
サリン
事件
など全く理不尽なことをやった教団だということがみんなにわかったわけですが、しかし、
空中浮揚
とかいうようなことは、今日のお互いの科学的な知識で、常識としてあり得ないことでしょう。それを、わけのわからないことを言いよるので、興味を持っておたくの会社が
取材
に行った。それは、できないことを言っておるという気持ちで行ったんだと思うけれ
ども
、そういうでたらめなことを言うグループだから、おたくのところへ文句を言いに来たことを、本当言うたら、これは危険だな、ちょっと
関係者
に知らしておかぬと危ないなというぐらいはどうして気がつかないのですか。
大川光行
94
○
大川参考人
取材
というのは、何も大
事件
、大事故、大きなものばかりを追いかけるわけではありません。いろいろな角度のものを
取材
することは多々あるわけでございます。そのときは、ある 種の好奇心もあって行ったのかと思いますが、いずれにしましても、
オウム
というものの凶悪さには少しも思い至りませんでした。
小森龍邦
95
○
小森
委員
私は、
オウム真理教
の
麻原
さんという人と、ここに
メモ
を持ってきてないから明確なことはわかりませんけれ
ども
、多分九一年だったと思います、どこかの大学の宗教学を専攻された先生が司会者で、私と二時間やりました。 私は、出向いていくときに、あの人は、輪廻転生、つまり人間は生まれる前に牛であったとか馬であったとかというようなことを
主張
するあの輪廻転生について、あるテレビ会社の
放送
であの人の発言があったということを聞いたから、その会社へ言って、そんなでたらめなことを言ってもらっては困る。それはどういうことで困るかといったら、つまり前世の悪業がたたって今日の世の中の不幸せがあるのだ、こういう理論になるから、それでは、この時点で障害者であるとか、現世において差別部落に生まれたとかということはみんなそういうことになって、この現実の世の中で解決のしようがないことになるではないか、だったらひとつ
麻原
さんと対談させい、こう言ってテレビ会社に言うたことがあるのです。しかし、それはぐずぐずしておったから、仕方がないから、ある雑誌社が、その対談を私らが記録して
報道
しましょうということになったから、受け合ったのですけれ
ども
、私もそれに行ったのですけれ
ども
、私はそういうような緊張感を持ってこの人と話しました。 あなた方のところへは、わざわざ来て文句を言うたわけでしょう。あなた方はそのことを受けて、どういうふうな感じ方で受けたかわかりませんよ、しかしながらテレビの
放送
が事実としてとまったわけでしょう。おたくがそういうことをやられるぐらいなら、
インタビュー
して
ビデオ
に撮っておる相手の弁護士に、こういうことがありましたよ、ひょっとしたらどういうことが起きるかわかりませんから、うちの会社からおたくへ迷惑をかけることになるからというぐらい言ってあげなきゃいけないのじゃないかな。なぜそれを言われない。
大川光行
96
○
大川参考人
放送
を
中止
しましたのは、
取材
内容
が不十分といいますか、
富士宮
での
取材
が十分でなかったために自主的な判断で取りやめたのでございます。
小森龍邦
97
○
小森
委員
恐らく、ずっと今まで自主的にやめたんだということを言っていますが、しかし、
オウム
の
関係者
は、自主的にやめたということにしてくれやといっておたくが言ってきた、こうなっております。そして、この大惨事に結びついたことや——
検察
の、どういいますか、
最初
の法廷に出す文書を見ると、詳細にそのことが、私らが読んでみると、それはその事実が持つ迫真力というのがあるのですよ。事実が持つぐっと迫ってくるものがあるのですよ。おたくが言うのは全然迫ってくるものはないよ。言い逃れしておるように思うよ。 じゃ、言わなかったということについては、今はどういうふうにおたくは反省しているのですか。——時間が私は余りないのですからね。
大川光行
98
○
大川参考人
伝えておけばよかった、こういう御指摘はあります。しかし、
担当者
としましては、三人の来訪をいろいろな各所に伝えるという必要があるとその時点では思い至らなかったというのが実情で、その辺は御
理解
をいただきたいと思います。
小森龍邦
99
○
小森
委員
そういうことは、御
理解
を賜りたいというようなそういうことではだめなんですよ。 私は、
オウム
の教主
麻原
彰晃氏と話をしたときに、あの人は業の問題で私と大変やり合って、前世を見てきたと言うたんですよ、私に、前世を。ほう、あんたどうやって前世見てきたんか言うたら、いや悟りを開いたら前世は見えるんじゃと言うから、私はそのとき言うたの、あなたはそれは幻覚症状じゃないんですかと。これは私との対談を読んでみてください。 しかし、いいですか、そのときに私はさほど身の危険を感じなかったけれ
ども
、もしあなたが
坂本
さんの側にいろんなことを言っておってくれたら、世の中はもっと緊張して、私もその場合にいろんな防衛措置を講じて論理を展開しますわな。たまたま私の場合は、そういう空中遊泳は、いや
水中
遊泳はうそじゃとか
空中浮揚
はうそだと言った
坂本
さんはやられたけれ
ども
、前世を見てきたというのはあんた、幻覚症状じゃないかというようなことを言って、ひょっとしたらそういう目に遣わされておるかもわかりませんよ。私は、そう
考え
たらぞっとしますよ。だから、あなた方の
責任
というものはそのときに十分に果たされていないわけでしょう。そこまで思いが至らなかったということじゃないですか。そこまでやらなかったということは、本当の意味で、仕事
関連
のことについてあなた方は真摯な態度をとっていないということでしょう。
国民
の前に何とか表明してみなさい、それを。
大川光行
100
○
大川参考人
ただいまの先生の御指摘にもありましたように、私
ども
、もっともっといろんな形の努力をしていかなければならないと思っております。
報道機関
といたしまして、さらに自己検証を高め、自分
たち
をさらに鍛えまして、皆さんの御負託にこたえたい、こういうふうに思っております。
小森龍邦
101
○
小森
委員
子供だけは助けてください言ってお母さんが殺される前に言うたのに、無残にも殺したわけでしょう。そんな、あんた
新聞
を見て心が痛まないですか。今のような言葉で、これは
国会
の
審議
というのは
国民
の前で言うとることなんですよ。今のような言葉で、あんた方は人間として務めが済むと思うんですか。もう一度言ってみなさい。
大川光行
102
○
大川参考人
坂本
さんの件につきましては、まことに痛ましい
事件
だと思っております。心からお悔やみ申し上げます。
小森龍邦
103
○
小森
委員
ちょっとよく聞こえませんね。よく聞こえませんね、
最後
は。
最後
の言葉がよく聞こえませんでした。
大川光行
104
○
大川参考人
坂本
さんの
事件
に関しまして、まことに痛ましいというふうに思い、心からお悔やみを申し上げます。
小森龍邦
105
○
小森
委員
言っておきますが、いいですか、宗教的な物の
考え
方からいいますと、私は浄土真宗の門徒ですけれ
ども
、親鸞上人がどういうことを言っておるかというと、これは非常に哲学的に
関係
があるから申し上げるんですけれ
ども
、うのも、羊のもの先にいるちりばかりも、つくる罪の宿業にあらずということなしを知るべし。いいですか、本当、そのもの先についておるちりでも、いろいろ因果
関係
があって、回り回って自分が果たさなきゃならぬ
責任
があるんですよ。 あなたは恐らく、この
坂本
事件
の問題について、
インタビュー
をし、その
インタビュー
に対して文句を言ってきて、それをまたやめて、やめたものを、文句を言われたからやめたんじゃなしにうちが自主的にやめたんですよというようなことを言っておるような、そういう弁解の中で、
責任
を感じた言葉とは思えませんよ、今のようなことは。どうですか。回り回って、この件について私らが占める位置は大きかったと思います、まことに申しわけありませんというぐらい言ってやらないと、どんな立派な人生が展開したかもわからぬあの小さな
坂本
さんの子供さん、どうなるんですか、あんた。 くどいようですけれ
ども
、もう一遍言ってください。
大川光行
106
○
大川参考人
ただいまの先生のお言葉を真剣に真摯に受けとめまして、個人としましてもそれから会社としましても、さらに検証を続け、仕事を、誠意を持って
報道機関
の責務を果たしていきたいと思っております。
小森龍邦
107
○
小森
委員
やはりそれは本当に真摯ということになりませんよ。私だったらまず相済まぬという気持ちが先に出ますよ。よう、いんで
考え
てみなさい。 時間が来ましたからやめますけれ
ども
、
最後
に簡単に答弁してください、
検察庁
の、刑事局の……。 こういう、つまり後から理屈を言うんだから、あの
冒頭陳述
というのかね。
最初
のあれ、出す文ですな、
裁判所
へ。あの中に書いてあることは、こちら側の、
TBS
の会社側を呼んで、
オウム
はこう言っておるが、この事実はどうかというのを一応調べた結果やっとるんですか。それとも
オウム
が言うたことをばあっと一方的に出したんですか。ちょっとそれを答えてください。 なぜ私がそういうことを問うかといったら、以前も、金丸信さんの問題のときに、自民党の
幹部
が大分知らぬ間にいろんなことを書かれておったわけ。取り返しのつかない問題も起きてくるから、
検察側
もやはり
証拠
は固めて、一たん
冒陳
とか起訴状の中に書くことというものは、相手がこう言うたいって書くだけではだめなんですよ。自分の側からまさにこれは真実であるというようなことをきちっとしなきゃいかぬのですね。それはどうなんですか。
原田明夫
108
○原田政府
委員
お答え申し上げます。
検察
は、
捜査
過程におきまして収集いたしました全
証拠
に基づきまして総合的に、ある事実について存在するということで、
証拠
により証明すべき事実ということで提示いたしたものと
考え
ております。
小森龍邦
109
○
小森
委員
それは観念だけじゃが、総合的にというのは、観念で、自分の頭でまとめただけではいかぬのですよ。相手側から調べとったら、こんなこと、こんなでたらめやらぬのですよ。 以上のことで私はきょうはやめておきます。
加藤卓二
110
○
加藤委員長
この際、
参考人
に一言
お礼
を申し上げます。
大川参考人
には、お忙しい中を長時間にわたり御
出席
をいただき、まことにありがとうございました。
委員会
を代表して厚く御礼を申し上げます。
大川参考人
は御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
加藤卓二
111
○
加藤委員長
それでは、質疑を続行いたします。枝野幸男君。
枝野幸男
112
○枝野
委員
外務省おいでいただいておりますね。 民事訴訟法案に
関連
をして、外務省の虚偽回答
事件
についてお尋ねをさせていただきます。 従軍慰安婦に関するクマラスワミ報告書の草案というものを外務省として入手しているかどうか、ことしの一月二十日前後に私
ども
の事務所からお問い合わせをした事実ございますね。
川田司
113
○川田
説明
員 お答えいたします。 御指摘の附属文書、クマラスワミ女史の報告書でございますけれ
ども
、ジュネーブ時間の二月の六日午前に公表されたものでございます。我が方のジュネーブ代表部は……(枝野
委員
「聞かれたことだけ答えてください」と呼ぶ)国連人権センターより……(枝野
委員
「聞かれたことだけ答えてください」と呼ぶ)はい。(枝野
委員
「問い合わせがあったかどうか聞いている、一月二十日に」と呼ぶ)一月二十日に先生の方から、問い合わせは伺いました。
枝野幸男
114
○枝野
委員
一月二十日の時点では外務省は入手してないと間違いなくおっしゃいましたね。
川田司
115
○川田
説明
員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、我が方のジュネーブ代表部は……(枝野
委員
「聞かれたことだけ答えてください」と呼ぶ)国連人権センターより草案……(枝野
委員
「
委員長
、注意してください。聞かれたことだけ答えてください。一月二十日に何と答えたのかと聞いているんですよ」と呼ぶ)今その点をお答えしているところでございます。(枝野
委員
「イエスかノーでしょう」と呼ぶ)はい。ですから、その時点におきましては、国連人権センターから、厳に日本政府限りということで受け取ったものですから……(枝野
委員
「そんなのいいんだ、私に何と答えたのかと聞いている」と呼ぶ)そういう事情を踏まえまして……(枝野
委員
「
委員長
、とめてください。私の事務所に何と答えたか聞いているんですよ」と呼ぶ)
加藤卓二
116
○
加藤委員長
ちょっと、
質問
をしている方の答えだけ言ってください。
川田司
117
○川田
説明
員 はい。今、一月二十四日の先生の事務所から御照会のあった時点においては、このような、入手したことについては明らかにできないという事情を踏まえてお答えしたものでございます。 それで、外交においては、相手方のあることもございまして、必ずしも十分に御
説明
できないことがあるということは御
理解
いただければと思うのですけれ
ども
。
加藤卓二
118
○
加藤委員長
答弁は本当に簡潔にお願いします。
枝野幸男
119
○枝野
委員
順番に物事を聞いているのですよ。いいですか。一月二十日前後に、私
ども
の事務所から、クマラスワミ報告書の草案を入手をしているのかどうかとお尋ねをして、それに対しては、あなた方は、今のようなごちょごちよした理由なんかつけずに、入手をしていませんとお答えになっているのですよ。外交上の秘密にかかわるようなことでもあるから、入手をしていたとしても公開をしろとは言えないかもしれない、公開できないかもしれない、そういった事情はある。だけれ
ども
、入手をしているのかどうかということを聞いたら、あなた方は、入手しているかどうか答えられないではなくて、入手していませんとお答えになりましたよね。間違いないですね。イエスかノーですよ。入手しているかどうか答えられないではなくて、入手してないと答えましたね。
川田司
120
○川田
説明
員 お答えいたします。 附属文書をお渡しできないという事情を踏まえまして、入手については明らかにできなかったということでございます。必ずしも適切でない対応の仕方があったかと思いますけれ
ども
、外交という性格上、御
理解
いただければと思います。
枝野幸男
121
○枝野
委員
あなた、きのう、入手をしてないと言ったことは認めましたよ、私の事務所に来て。入手をしてないと言ったかどうかということをまず正確に答えてください。言いわけはその後でいいですよ。入手をしてないと一月二十日前後、言いましたね、私に。
加藤卓二
122
○
加藤委員長
川田人権難民
課長
、簡潔にお願いします。
川田司
123
○川田
説明
員 必ずしも事実
関係
をきちんと把握しておりませんけれ
ども
、入手してないということを多分言ったのだと思います。入手ということについて明らかにできないという事情があったものですから、その点を踏まえてのお答えの仕方、実際にどういうお答えの仕方をしたかは正確にはわかりませんけれ
ども
、お渡しできないという事情を踏まえて先生に御
説明
申し上げたかと思います。
枝野幸男
124
○枝野
委員
実質的には、実際には一月九日に入手をしていたということも事実ですね。
川田司
125
○川田
説明
員 ジュネーブ代表部の方で一月九日、現地時間で一月九日に入手をいたしております。外務本省としては、即座にそれの送付を受けまして、こちらの時間で一月十日に入手をいたしております。ただし、これはあくまで草案でございまして、事実、いろいろな手書きの入った、まさに原案であった段階でございました。
枝野幸男
126
○枝野
委員
いいですか。一月九日に文書は入手をしていて、私が一月二十日前後に、入手をしているのですかしていないのですかということをお尋ねをしたら、入手をしていないとお答えになったのです。入手しているかどうか答えられないという話ではないのです。私、別に野党ではないですよ、野党的なことばかり言っていると怒られますけれ
ども
。外務省から外交上の機密に関する話であるからお答えできません、入手しているかどうかお答えできませんという答えと、入手をしていませんという答えと全然意味が違いますよ。あなたは私にうそをついたのですよ。 しかも、単なるうそではないですよ。私はどういう趣旨で外務省に対して草稿は入手しているかどうかお尋ねをしたかといえば、公表になった段階ですぐに外務省としてコメントされては困る。少なくとも、政府・与党という言葉で共同の
責任
を負っている与党に対して、このクマラスワミ報告書をどう評価をするのかという
意見
を一応聞いてくれと。それは外務省の言い分もあるだろうけれ
ども
、一応、政府・与党一体なんだから与党の
意見
を聞いてくれ、そのためにも、できるだけ早い段階で与党に相談をかけてほしいというニュアンスのことをそのときにもお伝えをしました。そういう趣旨のことをお伝えをしました。 ところが、あなた方は、入手をしていませんといううそをついた上に、公開できるその日になったら、公開と同時に官房長官名で、こんなものは評価に値しない、議論に値しないものだということを、与党に対して全く相談なしに、勝手にお答えになっているのですよ。しかも、人権にかかわる報告書について法務大臣にさえ相談してないというのは、参議院の
委員会
の記録からも出ていますよ。 うそをついて隠しておいて、そして外務省限りで勝手に政府としての見解を、それは官房長官と総理ぐらいは聞いているかもしれないけれ
ども
、そのクマラスワミ報告書に対する政府見解は、政府全体、そして政府・与党一体で我々も
責任
を負わなければならないのですようそをつかれて、入っているものを入ってないと言われた上で
責任
まで負わされてはたまらない。 外務省は、与党に対して
責任
を負わなくていいと、政府は政府で勝手にやる、外務省は外務省で勝手にやるということなんですか。どういうことなんですか。
川田司
127
○川田
説明
員 お答えいたします。 繰り返しになりますけれ
ども
、お渡しできないという事情があったものですから、その点を踏まえての対応になったかと思います。一部不適切な表現方法があったことは、担当
課長
としてこの場をかりましてお謝りいたします。 問題の報告書の処理方法ですけれ
ども
、
内部
で検討しまして、先ほど先生からも御指摘ありましたけれ
ども
、総理、官房長官以下、御協議させていただきまして、政府としての本文書に対するとりあえずの見解というものを決めたわけでございます。それを踏まえまして、二月六日に本件報告書が発表されたわけですけれ
ども
、その日の朝、官房長官の方からコメントをしていただきまして、また、総理の方からも記者からの
質問
に答えて我が国政府の見解を発表したという経緯があったわけでございます。
枝野幸男
128
○枝野
委員
要するに、皆さん、
国会議員
を信用しているのか、信用していないのかということですよ。外務省の皆さんも外交官としての守秘
義務
を負っているかもしれないけれ
ども
、我々だって
国会議員
として守秘
義務
を負っているのですよ。それ以上に、我々は有権者に対する
責任
を負っているわけですよ。いいかげんなことをやったら選挙で落とされるし、いいかげんなことをやったら守秘
義務
に違反しているとたたかれるのですよ。あなた方は自分らで、自分
たち
だけ隠していて、せめて外交上の秘密にかかわることは答えられないと答えるのが、我々を信用しているのだったら最低限の線ですよ。それを、うそをつくことはないでしょう。あなた方は、
国会議員
は、しゃべると、守秘
義務
に反してうそをつくけれ
ども
、自分
たち
だけはちゃんと隠すべきことは隠す、外交官というものはそういうものであって、
国会議員
というものは外交上秘密にすべきものも秘密にしない者
たち
なんだ、そういう前提ですよね。
川田司
129
○川田
説明
員 お答えいたします。 本件、なかなか難しい問題でございますけれ
ども
、一応、対外
関係
の処理ということは、政府、外務省の主管ということになっておりまして、本件につきましても、とりあえずは政府部内で検討させていただいたわけでございます。その過程で先生方にも御相談という、それは見解としてはあるかと思います。そういうことも大事だと思いますけれ
ども
、一応、対外
関係
の処理ということで、政府内、外務省内で処理させていただいたわけでございます。
枝野幸男
130
○枝野
委員
今重大なことをおっしゃっていますよ。議院内閣制なんですよ。確かに外交は政府、外務省の仕事でしょう。しかし、それはそれで、おれ
たち
で勝手にやるのだ、
国会
は
国会
で知りませんよ、相談しませんよというのだったら、我々、これから外務省から、これは外務省が政府として条約を結んできたものだから与党である以上は賛成してくださいと言われたって、理屈にならないですよ。外務省が勝手にやってきたのだから、それは私は反対だから反対だ、与党だけれ
ども
反対だという話が通りますよ。それでいいのですか。 政府・与党一体というのはそういう意味じゃないでしょう。政府として結んできたものには我々も
責任
を負えとあなた方は日ごろ言っているわけですよ。政府の提案だから与党だから賛成しろと、あなた、日ごろから言っているわけですよ。それをあなたの今の発言は否定しているのですよ。いいのですか、それで。
川田司
131
○川田
説明
員 私の
説明
が一部不適切であったかと思います。もちろん
国会
の御承認を得て締結する条約とか、そういう話がもちろんございます。これはもちろん先生方に密接な連絡をとりながらやらなければいけない問題だと思います。 ただ、片や日常の、いわば外交
一般
の事務と申しますか、そういうものがございまして、それは対外
関係
事務の処理ということで、政府限りで判断できる部分もあるというふうに
考え
ております。ただ、これはもちろん事案によって、それぞれ場合がございますので、検討しなければならないことだとは
考え
ております。
枝野幸男
132
○枝野
委員
ここでこのことを余り議論しても、外務
委員会
じゃないですからあれなのですが、
国会
の承認を要する条約の
範囲
は何なのかということは既に議論になっているわけですよ。外務省は、外務省が決めることだというような趣旨のことをこの
国会
の承認を要する条約の
範囲
についておっしゃっているのですよ。違うのですね。
国会
の方でどこまでは
国会
の承認を
要求
しろということを決めないと、外務省は勝手に、ここまでは我々の専権事項だから勝手にやりますでは、チェック・アンド・バランスが働かないわけですよ。 今回の件に関して言えば、私だって中身を出せだなんて言ってなかったのですよ。それは出してもらえるなら出してほしいけれ
ども
、うそをつくことはないじゃないですか。しかも、今のような趣旨からいえば、これは少なくとも私
ども
の党としては、私
ども
としては非常に関心のある問題であるので、ですからあえてちゃんと相談をしてくださいと申し上げたことを尊重してもらえないんだったら、外務省に対して我々も信用は持ちませんよ。初めから不信感を持って、その前提で、外務省というのは信用できないものだということで仕事を進めさせていただきますよということを申し上げているんです。 それで、こういったうそをつくような職員を放置しておいていいんですか。処分する気はないですか。
川田司
133
○川田
説明
員 対応がまずかったことは深く反省したいと思います。処分なりという趣旨は必ずしもよくわかりませんけれ
ども
、私、担当
課長
として全
責任
を感じております。もし何らかの処分があるのであれば、それは当然担当
課長
としてきちんとその責に甘んじる覚悟でございます。
枝野幸男
134
○枝野
委員
それで、これは法務大臣もお聞きいただいておりますが、今度の民事訴訟法案は、政府が、
行政
が、これは秘密ですということを言ったら、文書提出命令の対象にならないで
裁判所
にすら出さなくていいという案を今閣議決定してお出しになっているわけですよ。
国会議員
にさえうそをつくような、与党の
国会議員
にさえうそをつくような職員がごろごろ転がっているようじゃ信用できませんよ。 よっぽど、裁判官の方を信用して、裁判官といえ
ども
、裁判に必要なことを
考え
ていっても、やはり外交上大事なもので出せないということになったら出せないということで判断するでしょうし、
国会
にまでうそをつくような外交官よりは
裁判所
を信用して、これは国家の運営上とても表に出せない重大な秘密かどうかという判断は、少なくともあの
課長
さんよりは裁判官に、最終的には最高裁が統一的に決めるわけですから最高裁に決めさせた方がずっと信用できると私は思うんです が、外務省さん、そう思いませんか。
川田司
135
○川田
説明
員 お答えいたします。 ただいまのは民事訴訟法改正法案のことかと思いますけれ
ども
、同法案において規定されている文書提出命令の申し立てがされた場合における公務員の職務上の秘密に関する文書の提出につきましては、訴訟の円滑な進行や公共の利益、公務遂行くの影響などを考慮しまして、守秘
義務
によって守られるべき公益と文書の提出によって得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較考量することにより決定されるべきものと
考え
ております。外務省としましては、文書の提出について御照会があった場合にはこれに可能な限り
協力
すべきものと
考え
ておりますが、提出命令の申し立てに係る文書の
内容
が公になることにより、国の安全が害されますとか相手国との信頼
関係
が損なわれますとか、またはそうしたおそれがある場合などにおきましては、文書の提出を控えざるを得ない場合があってもこれはやむを得ないというふうに
考え
ております。
枝野幸男
136
○枝野
委員
やはり聞いたことにお答えいただいていないんです。その判断を、外務省だけじゃうそをつくかもしれないから信用できないと言っているんですよ。それを、裁判官にだけはチェックをさせるべきだと思いませんかと、みずからうそをおつきになったあなたに答えていただきたいんですよ。あなたはうそをつくかもしれないから信用できないんですよ。せめて
裁判所
に、僕は公開しろだなんて言ってないですよ、裁判官だけでいいんですよ。裁判官にだけはチェックする機会を与えるべきでしょう。違いますか。
川田司
137
○川田
説明
員 お答えいたします。
裁判所
より提出命令があった文書が、外交上の秘密、すなわちその漏えいが国の安全なり利益に損害を与えるおそれがあるものであるかどうかについては、我が国の対外
関係
事務を一体的に処理する
責任
を負っています外務省が判断することが最も適当であると
考え
ております。
裁判所
がこのような判断を下す
立場
に位置することが適当かどうかについては、慎重に検討をしていく必要があるというふうに
考え
ております。
枝野幸男
138
○枝野
委員
そういうのを盗人たけだけしいと言うんですよ、自分でうそをついておいてね。うそをついているかどうかぐらいのチェックをさせろと言っているので、
行政
的な判断、外交上の判断でこれはやはり出せませんよということは、裁判官に対してしっかり
説明
すればいいんですよ。 それじゃ裁判官を信用していないということなんですか。裁判官は外交のことを全くわからないから、外務省の人間が幾ら
説明
したってわかってもらえないということをあなたの発言は前提としているので、
裁判所
を侮辱して、憲法を侮辱していることですよ。国家公務員には憲法遵守
義務
があるんですからね。三権分立の基礎をぐらっかすような発言をしたら本当は懲戒免職ですよ。憲法の三権分立をあなたの発言は無視しているんですよ。これだけじゃないので、これは引き続きいろんな場で追及させていただきます。 もう
一つ
、薬害エイズ訴訟に
関連
してお尋ねをいたします。 薬害エイズ訴訟では、
法務省
が、訟務局が訟務検事、指定代理人として訴訟活動を行っているわけですが、ないないと、指定代理人として答弁をしていたいわゆる郡司
メモ
というようなものが結果的には出てきました。それから、当時の郡司生物製剤
課長
は、これは双方申請ですので、
被告
国からも申請をして、
立場
からいって原告にとっての敵性証人、
被告
国にとっての味方の証人ということになりますが、この方が、これが
犯罪
としての偽証罪に当たるかどうかは別として、言われてきている客観的事情からは、証言した事実と客観的な事実とは食い違っているということが既に明らかになってきています。 厚生省においでいただいていますが、厚生省は、
法務省
の指定代理人、訟務検事に対して、こういう結果的にいいかげんな後ろ指を指されるような訴訟行為をやらしたことになるわけですよ。
法務省
に対しての
責任
を、今まで被害者の皆さんに対しての
責任
とかいろんな
責任
をお認めいただいてきていますが、厚生省として、
法務省
の指定代理人、訟務検事に対しての
責任
をしっかりお認めになって、謝罪をしていただきたい。
吉武民樹
139
○吉武
説明
員 ただいまお尋ねがございました郡司元生物製剤
課長
のファイルにつきましては、一月二十三日に厚生省にプロジェクト
チーム
を設置いたしまして、それまで何度か資料につきまして
調査
をいたしておりますが、改めて
調査
をいたしまして、一月二十六日に薬務局の審査課の中のワクチンの係のファイルから発見されたものでございます。 先生御案内のとおり、この資料の中では、いわゆるエイズ研究班の第一回から第三回までの議事次第あるいは配付されたと思われます資料それから第四回のエイズ研究班につきまして、診断基準小
委員会
から提出されたと思われる資料がございまして、従来確認できないと言っておりました資料が発見されまして、このことにつきましては、私
ども
の過去の
調査
が十分でなかったということは事実でございます。 今回のエイズ訴訟につきまして、訴訟あるいは今最終的な和解協議をやらせていただいておりますが、こういう点につきまして指揮をしていただいております
法務省
に対しまして、まことに申しわけなく思っております。
枝野幸男
140
○枝野
委員
逆に今度は
法務省
にお尋ねしたいんですけれ
ども
、これは
一般
の民間での裁判だったら、クライアントが、依頼者がこんな態度をとったら弁護士としては辞職ですよ。おまえみたいな信用できぬところの代理人なんかやっていられるかと言って辞職するような話ですよ。指定代理人だから辞職の自由もないわけですが、こういった厚生省の今回の薬害エイズ訴訟に対する対応を、指定代理人としての
立場
というか訟務局としての
立場
というか、どういうふうに御
理解
になっていらっしゃるんでしょうか。
増井和男
141
○増井政府
委員
お答えいたします。 いわゆるエイズ訴訟につきましては、現在和解協議が重要な段階に差しかかっております。また厚生省におきましても、当時の事実
関係
に関する
調査
を進めているというふうに聞いております。したがいまして、現在、これらの経緯を見守りたいというふうに
考え
ております。
枝野幸男
142
○枝野
委員
弁護士と依頼者の
関係
だったら、今のように最終的には、弁護士を信用しないというか弁護士の指示をちゃんと守ってくれないというような依頼者に対しては、辞職をして、弁護士として、
法律
家としての筋を通す権限が与えられているわけです。それを担保にして、きちんと誠意を持った訴訟行為をしてください、出さなきゃならない資料はちゃんと出してください、法廷で偽証しないでくださいということを依頼者に対して私
たち
は弁護士として申し上げて、最低限の
ルール
といいますか、それを裁判の場で守っているわけです。 ところが、御承知のとおり、指定代理人には辞職をする自由もありません。辞職の自由がない以上は、それにかわって、実際の訴訟の当事者であるこの薬害エイズのような場合は、厚生省に対して指定代理人からきちんと物事を守らせるとか、例えば、きちんと資料を探せということについて探させるだけの権限というか、あるいは偽証もどきのような証人を出さないようにというような指示を出せるような権限というものが、現行ではないと思いますが、それで
責任
を持った代理人としての活動がおできになるのでしょうか。
法務省
、いかがでしょう。
増井和男
143
○増井政府
委員
法務省
といたしましては、
行政
庁の方から報告あるいは提供を受けました事実
関係
ないし資料といったものに基づきまして、法的な
観点
から検討を加え、
行政
庁を指揮しつつ、統一的あるいは一元的な訴訟活動を行っております。
行政
庁の指示を必ずしも代弁しなければならないという
関係
にもございません。 そういったことからしますと、現在のところ、御指摘のような
観点
から権限法を改正していただく必要があるというところまでは
考え
ておりま せん。 以上でございます。
枝野幸男
144
○枝野
委員
今の御発言は大変重要なのですけれ
ども
、当該担当省庁の
意見
を代弁するだけではないということを今おっしゃいました。もしそうであるのだとすれば、これは逆に、菅厚生大臣は被害者の皆さんにおわびをされましたが、こんなに裁判が長く続いたことによって、
事件
発生自体の
責任
だけではなくて、七年間も八年間も裁判が長く続いたことによる被害というものを被害者の皆さんは受けているわけです。今局長のおっしゃった、別に代弁をするわけではないというのが正確であるならば、これは裁判が長く延びたことについて、あるいは長尾法務大臣に被害者の皆さんに対する謝罪をしていただかなきゃならなくなりますが、よろしゅうございますか。
増井和男
145
○増井政府
委員
法的な
観点
から
法務省
訟務局としては訴訟を追行しておりますわけで、必ずしも、今
委員
の御指摘のような
観点
から大臣の謝罪に直ちに結びつくというような問題ではなかろうかと思っております。
枝野幸男
146
○枝野
委員
民間同士の裁判の場合は、当事者つまり弁護士から見て依頼者本人が、要するに正義に反するような裁判行為を行うかどうかというときに弁護士のチェックが入るわけです。 弁護士も最近いろいろな弁護士がいますから、お金のために依頼者の言うとおりに何でも動くというような弁護士も残念ながら少なからずいますが、少なくとも建前の上と、それから大部分の弁護士は、どんなに依頼者からお金を積まれようが何をしようが偽証をするとか大事な資料を隠すとかということを許してはならない。誠実に、もちろん依頼者の利益のためにやるのではありますが、最低限の裁判を遂行する上での社会的な
ルール
あるいは
法律
的な
ルール
というものを守らせる
責任
が実は代理人である弁護士にはあるわけです。だからこそ、そこで
一つ
チェックが入った上で、裁判の場に出されてきて
裁判所
がチェックをする、二重のチェックがかかっていて裁判の場に真実がかなり出てくるというような現実があるわけですし、私は建前の土でもそうなっていると思います。 ところが、国が
被告
の
事件
の場合には、指定代理人という制度で、一見訟務検事の方が
法律
家としての、プロフェッショナルとしての
立場
からチェックを入れているかのような姿が見えますが、少なくとも、今回の薬害エイズの姿を見ても、それから今の御答弁をお伺いする限りでも、
法務省
訟務検事の皆さんが役所に対して強い
立場
で、いや、それは役所の
立場
はそうかもしれないけれ
ども
、裁判の
ルール
、
法律
的な
ルール
、あるいは裁判上求められている最低限の社会的な
ルール
から
考え
ると、もっとしっかりやってもらわなければ代理人としての行為はできませんというようなことを強く言えるような仕組みをつくらないと、国が
被告
の
事件
だけ一方的に社会正義の実現されない確率が高くなるのじゃないかと思っているのです。 ぜひ、この指定代理人の制度について、これは
法務省
としてこの薬害エイズの
事件
をきっかけに見直してもいいんじゃないか。例えば、地方自治体は指定代理人などという制度はないのですよ。民間の弁護士をその
事件
の都度雇っているわけだ、
基本
的には。むしろその方が、もしかすると若干コストはかかるかもしれないけれ
ども
、それじゃ訟務局の検事の皆さんは、その分
検察
官も、刑事
事件
をやる現場の検事さんの数も足りないわけですから、訟務局やめて、弁護士をその
事件
の都度依頼をしてやった方がむしろいいんじゃないかというぐらいの発想があってもいいと思うのですけれ
ども
、いかがでしょうか。
増井和男
147
○増井政府
委員
法務省
訟務局といたしましては、先ほど申し上げましたように、訴訟を国として統一的、一元的に行う必要がある、そして適正な紛争の解決に寄与するということを
考え
ておるわけでございまして、そういった
考え
方のもとに法務大臣権限法が制定され、それが運用されておるわけでございますから、今後とも一層そういう立法当初の趣旨に基づいて所掌の事務を遂行してまいりたいと思っております。 以上でございます。
枝野幸男
148
○枝野
委員
時間になりましたので終わりますが、別に
法務省
のそういった統一的なことをやる上での関与を外したらなどということは申し上げていないわけですよ。逆に、例えば今回の場合だったら厚生省が
法務省
と相談をしながら、例えば、極端なことを言えば、民間の弁護士を
事件
ごとに依頼をするという形にするというようなやり方はあるんじゃないのかな。民間というところまでいかなくても、少なくとも現在の制度の
あり方
について、少し立ちどまって見直すことを始めていただきたいとお願い申し上げまして、私の
質問
を終わります。 ありがとうございました。
加藤卓二
149
○
加藤委員長
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会