○
斉藤(鉄)
委員 税金をつぎ込むわけですから、そのつぎ込んだ分だけの
成果を出してもらわなければいけないということはわかるのですけれ
ども、
成果がはっきりわかっているような
研究は、はっきり言うと
研究じゃなくて、これはルーチンワークですね、こうやっていけばこういう結果が出る。ルーチンワークは他省庁に任せて、
文部省ぐらいは本当にどういう結果が出てくるかわからないというものに
お金をつぎ込んでもらいたい。ちょっと
言葉足らずですけれ
ども、意を酌んでいただきたいと思いますけれ
ども、そういう
基礎研究的なものもこの「
応用」という
言葉の中に含んでいただいて、
基礎研究に力を入れていかなくては
科学技術基本法の
精神が達成されないのではないか、このように思うわけでございます。
それに関連しまして、科研費との関連を質問させていただきます。
大学それから
国立研究機関の
研究費のほとんどはこれまで科研費、
科学技術研究費、これは補助金ですけれ
ども、これによって賄われてきました。
文部省の御
努力によって大変大きな伸びで、
平成八年度は一千億円を超えました。この科研費も、最近
研究者の中で言われておりますのは、昔は、一律配分じゃないのですけれ
ども、一律配分的な要素があった。だから、何が何だかわからないような、ほかの人が理解できないような
研究にもその科研費が行って、思わぬ
成果を生む、こういうところがあったけれ
ども、最近、その科研費も傾斜配分的に、プロジェクト的な、
目的的研究的なものに重点配分されるようになってきた。
今回のこの
振興会法によって百十億円という
お金が、これこそ、先ほど言いましたけれ
ども、非常に
目的的な
応用研究につき込まれる。いよいよ
基礎研究に行く
お金が少なくなる、
日本の
科学技術の基盤はどんどん少なくなるということが危惧されているわけですけれ
ども、今回百十億円、この
振興会の
事業として新たに
目的的研究が、プロジェクト型の
研究が追加をされることになりましたので、例えばその枠、百億円程度の科研費を本当の
基礎研究につき込んだらどうかと思うわけですが、科研費との関連も含めまして、この点いかがでしょうか。