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1996-06-05 第136回国会 衆議院 農林水産委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年六月五日(水曜日)     午前九時五十二分開議 出席委員   委員長 松前  仰君    理事 二田 孝治君 理事 松岡 利勝君    理事 仲村 正治君 理事 初村謙一郎君    理事 増田 敏男君 理事 田中 恒利君       荒井 広幸君    小野 晋也君       金田 英行君    岸本 光造君       栗原 博久君    七条  明君       東家 嘉幸君    浜田 靖一君       穂積 良行君    松下 忠洋君      三ッ林弥太郎君    森田  一君       山本 公一君    木幡 弘道君       須藤  浩君    千葉 国男君       野呂 昭彦君    畑 英次郎君       堀込 征雄君    宮本 一三君       矢上 雅義君    山田 正彦君       石橋 大吉君    永井 哲男君       野坂 浩賢君    山崎  泉君     五十嵐ふみひこ君    金田 誠一君       藤田 スミ君    徳田 虎雄君  出席国務大臣         農林水産大臣  大原 一三君  出席政府委員         農林水産政務次         官       小平 忠正君         農林水産大臣官         房長      高木 勇樹君         農林水産省農産         園芸局長    高木  賢君         食糧庁長官   高橋 政行君  委員外出席者         農林水産委員会         調査室長    黒木 敏郎君     ――――――――――――― 委員の異動 五月二十七日  辞任         補欠選任   簗瀬  進君     金田 誠一君 六月五日  辞任         補欠選任   金田 英行君     小野 晋也君   須藤  浩君     山田  宏君   小沢 鋭仁君   五十嵐ふみひこ君 同日  辞任         補欠選任   小野 晋也君     金田 英行君   山田  宏君     須藤  浩君 五十嵐ふみひこ君     小沢 鋭仁君     ――――――――――――― 五月二十八日  植物防疫法の一部を改正する法律案内閣提出  第七〇号)(参議院送付) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 六月四日  農業政策の充実に関する陳情書  (第三一  二号)  新たな食料・農業農村基本法制定等に関す  る陳情書外三件  (第三一  三号)  ミニマムアクセス米減反上乗せをやめ、日本  の米作を守る諸施策に関する陳情書外一件  (第三一四号)  学校給食の安全で安心な国産米供給に関する陳  情書  (第三一五号)  養殖漁業振興対策に関する陳情書  (第三一六号  )  二百海里体制確立等に関する陳情書外二件  (第三一七号)  森林交付税創設等に関する陳情書  (第三一八号)  山林の保水機能による水源確保に関する陳情書  (  第三一九号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  植物防疫法の一部を改正する法律案内閣提出  第七〇号)(参議院送付)      ――――◇―――――
  2. 松前仰

    松前委員長 これより会議を開きます。  内閣提出参議院送付植物防疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより趣旨説明を聴取いたします。農林水産大臣大原一三君。     —————————————  植物防疫法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 大原一三

    大原国務大臣 植物防疫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  我が国国際植物検疫につきましては、戦後間もない昭和二十五年に制定された植物防疫法に基づき、全国各地港等に配置された植物防疫官検査等を行うことにより、我が国への有害動植物侵入防止に重要な役割を果たしてきたところであります。  しかしながら、近年、国民の食生活が多様化してきたこと、生活に潤いと心の豊かさを求めるようになってきたことから、また、植物輸送手段の発達に伴って、植物輸入が量的に増加し、質的にも多様化してきております。これに伴い、植物に付着している有害動植物の種類も増加し、我が国への有害動植物侵入可能性が高まっていることから、より効果的に植物検疫実施することが求められているところであります。  また、昨年発効いたしました世界貿易機関を設立するマラケシュ協定に基づく新たな国際的枠組みのもとで、植物検疫制度につきましても、国際的に調和させていくことが求められているところであります。  このような状況を踏まえ、我が国国際植物検疫につきまして、有害動植物危険度に応じた検疫措置実施するとともに、検疫手続をより迅速に行うため、この法律案を提出することとした次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、我が国自然環境農業事情を勘案して、有害動植物侵入する可能性侵入した場合の被害等考慮しまして、国際植物検疫対象とする有害動植物範囲を定めることとしております。  第二に、輸入時点における検査では発見が困難でありますが、輸出国栽培地における検査では発見が容易な有害動植物につきまして、輸出国栽培地における検査を義務づけることとしております。  第三に、重要な有害動植物の付着するおそれの少ない植物につきまして、輸出国における検査を要しないこととしております。  第四に、輸入禁止品につきまして、例外的に輸入を許可する場合の範囲を学術、教育等の用に供する場合等にまで拡大することとしております。  第五に、輸入植物検査手続につきまして電算化を行うこととしております。  以上がこの法律案提案理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  4. 松前仰

    松前委員長 これにて本案の趣旨説明は終わりました。  午後七時十五分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午前九時五十四分休憩      ————◇—————     午後七時十五分開議
  5. 松前仰

    松前委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中恒利君。
  6. 田中恒利

    田中(恒)委員 これは事務当局に聞いた方がいいと思いますが、これまでの植防法と今度の改正案はどういう点が変わったのか。それから、新しい条項があるのですね。特に具体的な内容について、要点でいいですからちょっとお知らせください。
  7. 高木賢

    高木(賢)政府委員 今回の植物防疫法改正につきましては、現在あります輸入禁止制度を維持するとともに、輸出国での検査輸入時の検査制度が現在あるわけでございますが、これに加えまして、輸入時における検査では発見が困難な有害動植物の付着するおそれのある植物につきまして、輸出国による栽培地検査証明を求めるというのが第一点でございます。  二番目には、栽培の用に供しない植物有害動植物の付着するおそれが少ないもの、これにつきましては、輸出国での検査証明は免除をいたしますけれども、輸入時の検査は従来どおり実施し、有害動植物の付着が確認された場合には検疫措置をとるということでございます。  それから三番目には、国内の至るところに存在しておりまして、国による防除などの対象とされておらず、国内農業影響を及ぼすおそれのない有害動植物、これにつきましては、その危険度の評価を行った上で検疫対象とする有害動植物範囲から除外する、こういうことを主たる内容とするものでございます。  また、検疫手続迅速化を図るために、輸入植物検疫手続電算化いたしまして、通関手続とのインターフェース化を行うということもあわせて内容としております。
  8. 田中恒利

    田中(恒)委員 これまでは、輸入されたものを全部防疫所検疫するということでしたね。これが少し変わって、危険度に応じた検疫をやる、こういうことになったわけですね。  そこで、危険度に応じた検疫ということになりますと、今防疫所が持っておるさまざまな知見では足りない部分がたくさんあると思いますので、そういうものも集めなければいけませんでしょうし、特定するわけですから、そういう特定するためのいろいろな仕事が加わってくると思うので、これはちょっと煩雑になっていくのじゃないかと思います。そういう意味では、今の植物防疫官八百七十二、三名ですか、それでやれるのかどうかちょっと心配になるわけです。そういう点はどういうふうに考えたらいいのか。  それから、実際の日本の風土に適した防疫制度として考える場合に、さまざまな問題が出てくるように思うのです。その意味では、植物防疫官研修の問題とかあるいは防疫官防疫員関係とかいろいろ問題があると思うのですが、そういう検疫体制をどういうふうに強化していくかという意味で何か考えられておる点がありましたら、お知らせいただきたいと思います。
  9. 高木賢

    高木(賢)政府委員 植物検疫につきましては、今先生御指摘のように、植物輸入が量的に増加しているということ、また質的多様化をしている、これに的確に対応するということが必要であると思います。また、今回の法改正によります危険度に応じた植物検疫ということを的確に実施する、こういう必要がございます。  そのために、これまでも職員適正配置とか資質向上に努めてきたところでございますけれども、特に、危険度に応じた植物検疫に対しまして的確に実施するということで、本年度、八年度には、有害動植物危険度解析専門実施する調査官並びに有害動植物の高度な固定診断専門に行う固定官というものを設置いたしまして、新たな事態に対応できる体制整備を図っているところでございます。  また、検疫有害動植物の概念の導入に伴いまして、特に有害動植物固定診断ということにつきましては御指摘のとおりでございます。一層的確かつ迅速に実施していく必要があるということから、有害動植物固定診断技術開発とあわせまして、検査現場への技術普及を図るために職員に対する研修、これを一層充実させるという考え方で臨んでおります。これらによりまして、植物検疫の一層的確な実施を図っていく考えでございます。  並びに、御指摘のありました検疫体制整備につきましては、今後とも職員適正配置資質向上などを推進いたしまして、的確な検疫の実を上げてまいりたい、このように考えております。
  10. 田中恒利

    田中(恒)委員 去年でしたか、大阪を中心セアカゴケグモという毒の入ったクモ発見をされて、関係地区では大変大きな騒動になりましたね。  あれは、後でいろいろ聞いてみると、どこが中心になってやるのかということで、農林省厚生省がお互いに、わしのところは知らぬと。クモ植物食わぬからうちの管轄じゃないと農林省は言うし、厚生省は法定の伝染病以外はやらぬのだから農林省仕事でしょうというような、そういう出来事がありましたね。  しかし、いろいろ聞いてみると、あのクモは大変な毒を持っておって、千匹くらい見つかったわけですね。あれが内陸部まで広がってくると大変なことになったのじゃないかといって相当大きくマスコミも報道したわけですが、ああいうような、人間の体に影響するとかあるいは自然環境に大きな影響を与えるといったようなものは、今度の場合、どういうふうになるのですか。  これは当然検疫対象にしなければいけないと私などは思っておるのですが、そういう自然、生態系関係したものがたくさんあるように思うのですよ。そういうものについてどういうふうに考えたらいいか、お示しいただきたいと思います。
  11. 高木賢

    高木(賢)政府委員 お話のありましたセアカゴケグモというものは、人に被害を与えるということでございますので、植物に対する検疫というものの対象にはならないわけでございます。ただ、輸入検査の際に当然いろいろなものが入ってくるわけですが、植物防疫官がこういうものを見つけた場合には衛生当局とかに通報しまして、そこでしかるべき措置をとっていただくということにしておりまして、今後ともそのような協力に努めてまいる考えでございます。  それから、二つ目お話環境とか生態系という問題でございます。これは、やはり植物というものが生態系環境の重要な構成要素になっております。そこに対する影響考慮して危険度解析して、悪影響がある場合にはこれは当然有害動植物として検疫対象にしていく、こういうことになるわけでございます。したがいまして、我が国にこれまで発生しなかった有害動植物などというものは、これは悪影響がないということが積極的に立証されない限りは当然植物検疫対象となる、このように考えております。
  12. 田中恒利

    田中(恒)委員 だから、それはこの植防法関係があると見て対象になるということでしょう。人体影響するから大変だということで殺虫剤でもまいたら、その殺虫剤でまた周辺の生物が大変な影響を受けるわけですよ、周辺環境に対して 大きな変化を与えるわけですから。  それからあと、この問題で、厚生省中心になって専門家会議を何遍かやっていますね。結論は出たのですか。今話があったような形で結論は出たのですか。
  13. 高木賢

    高木(賢)政府委員 ただいま申し上げたのは、ストレートに人に被害を与えるという毒グモでありますので、植物という媒介がないわけでございまして、そういう意味植物検疫対象にならないということでございます。  ただ、現場では、先ほど申し上げましたように、毒グモ防除につきまして協力体制をとるということで対応いたしております。
  14. 田中恒利

    田中(恒)委員 ちょっとわからぬな。このクモの問題は、クモ植物を食べないから植防法対象にならぬというのだけれども、こういうものが自然環境生態に大きな影響を与えていくのだから。協力するというのはどういうことなんだ。  参議院でのこの法律審議でも、あるいは附帯決議の中にも、こういう自然環境影響を与えるものについては特別な考慮をするということを書いておるのだ。特別な考慮をするということはどういうことなんだと聞いておるわけです。これは対象にするということでしょうと私は理解しておるのだが、そうじゃないのですか。
  15. 高木賢

    高木(賢)政府委員 その毒グモ植物を例えば食い荒らすとか、そういうふうに直接的に植物影響を及ぼすということであれば当然植物検疫対象になるわけでございますが、そういうことではなくて人にかみつくとかいうことでありますと、植物検疫ということにストレートにはならないということを申し上げているわけでございます。
  16. 田中恒利

    田中(恒)委員 わからぬね。そうしたら、こういう場合にはどこが責任官庁になるのだ、農林省厚生省か。きょうは厚生省呼んでおらぬのだ、時間がないから、そんなこと聞く必要はないと思ったから。
  17. 高木賢

    高木(賢)政府委員 ただいまの現状の知見では、ダイレクトに毒グモは人にということでございます。さらに研究といいますか知見が進んで、例えばその毒グモ植物にも悪影響を及ぼすということがはっきりするような事態であれば、それは積極的に対応してまいりたいと考えております。
  18. 田中恒利

    田中(恒)委員 もう時間がないから、後で個別にでもちょっと話をさせてください。  それで、電算化ということが、スピードアップするためにこの植防法の中で本格的に取り入れられることになっておりますね。この電算化のメリット。特に、これは電算化を進める計画というものがあるのだろうと思うのだが、いつごろまでにやってしまうのか。予算の関係もあるが、金も少し要ると思うのだが、そういったようなものについての電算化推進計画、この大要をちょっとお知らせいただきたい。
  19. 高木賢

    高木(賢)政府委員 電算化が進みますと、輸入する人が輸入の申告と植物輸入の届け出を同時に行うことが可能となります。したがいまして、輸入植物検査手続迅速化ということに大いに寄与するわけでございます。  現在は植物検査手続電算化のためのシステム開発を行っているというところでございまして、このシステム通関手続システムとのインターフェース化につきましては、平成九年度から実施するということを目標といたしまして、現在植物防疫法上の指定港であり、かつ税関通関手続が既に電算化された港あるいは空港におきまして実施するということにいたしております。その後、税関におきます電算化導入状況などを見ながら、逐次その拡大を図ることにしております。
  20. 田中恒利

    田中(恒)委員 臭化メチルの問題が、これは国際的な縮減の方向に向かって進めなければいけないということになっておりますね。これは植防関係では消毒等の非常に大きな役割を果たしておるわけでありますが、これが人体環境、そんなものに与えておる影響は非常に大きいわけなので、国際的な問題として臭化メチルをどういうふうにしていくかという問題があるわけですが、今日本では大体どの程度これを使っておるのか。それから、これにかわる技術研究はどこまで進められているのか。その状況をちょっと知らせていただきたい。
  21. 高木賢

    高木(賢)政府委員 臭化メチルは、御案内のように、二〇一〇年を目途にいたしましてその生産と消費を全廃するということが国際的に決定されております。ただし、検疫用途臭化メチルにつきましては、現在代替措置がないとか農産物の国際流通に不可欠であるというような理由で、この規制から除外をされております。しかしながら、農林水産省といたしましては、地球環境保護の観点から、従来から臭化メチル薫蒸代替技術開発を進めてきております。  どういうところまで進んでいるかということでございますが、現在までに、臭化メチル使用量を約三分の一に減らす、こういう切り花の消毒技術でありますとか、二酸化炭素を利用した穀類の消毒技術、こういうものが開発をされております。また、臭化メチルの完全な封じ込め、これを可能とする消毒施設というものがどういう要件を備えればいいかという基準を定めております。  今後とも、こういう技術普及を含めまして、臭化メチル使用方法の改善を指導するとともに、加熱消毒という化学物質によらない消毒技術開発、こういうものに重点を置きまして代替技術開発を進め、使用の削減に努めてまいりたいと考えております。
  22. 田中恒利

    田中(恒)委員 大臣、もういいですか。あなたのおいでをお待ちしておりましたが、もう時間が参りました。あなたは今までの経過は聞いていらっしゃらないのだが、植防法の問題で今度少し様子が変わってきましたので、私も実は横浜も行ってみたし、成田もちょっと見てきたのですけれども、あれだけたくさんのものが入ってくると、これを処理するのはなかなか大変だと思っておるのですよ。そういう意味では、植防関係者には大変無理なことになっていくのではないかと思うのです。  行政としては、一つはやはり要員ですよ。農林省の中でも確かに何人か人間がふえておりますが、要員をやはり少しまたふやしてやらないと、今度のようなやり方でやると、今までのように入ってきたものは全部検疫をしてオーケーとかなんとかいろいろ判断するのと違って、その中で特定しなければいけないものと区別しなければいけないから、その分仕事が非常に繁雑になってくるのですね。  あるいは、地方空港というものが各県庁所在地あたりにできてきましたね。地方空港へは出張して検疫に入らなければいけませんね。そういう要員ではちょっと手不足になるのではないかと思っておるので、これについてはやはり大臣の方で十分考えてもらって、十分な体制をとってもらいたいということをお願いをしておったところです。  そのほか検疫全体についていろいろな問題があるわけですが、いずれにせよ植防法の運用、運営全般をこれから大臣中心になって進めるわけです。中心になってといっても、あなたが旗を振るわけではなくてあなたの部下たちがやるのだが、やはり責任者はあなたなんだから、あなたの方でしっかりとした方針を持って進めてもらいたいと思うのです。  最後に、この法律について、参議院でも審議しているのだから大体大要は御承知だと思いますが、あなたの御見解を承って、私も時間が来たから失礼したいと思います。
  23. 大原一三

    大原国務大臣 せっかくの田中委員質問、ただいま金融特が終わりまして、十分聞けなかったことは大変残念でありますが、今御指摘もありましたように、またるる御意見の御開陳がありましたように、我が国はどちらかというと動植物被害の起きやすい環境にあるのではないのかな。しかも、島国でございますし、一たん発生しますとやはり全体的な影響も大きい、こういうことでございますから、せっかく新たにこの法律をつくるわけでございますが、やはり何と申しましても人 員の増加等も十分配慮していかなきやならぬ問題だろうと思っています。  そういったような我が国自然環境農業実態を十分に考慮した上で、有害動植物危険度解析を十分行いながら、その危険度に応じた、より適切な植物検疫実施を図ってまいりたいと思います。委員指摘のように、有害な動植物侵入防止に今後とも万全を期してまいりたい、かように考えております。
  24. 田中恒利

    田中(恒)委員 あとまだ二、三分あると言ってくれました。  今言われたように、日本のこれまでの植物検疫というものは国際的にも非常に厳しい、こういう声が外国にありました。それだけ、ある面では厳格であったと思うのです。私は、植防法の基本的な考えはそこにあると思うのです。いわゆる水際で一匹たりとも入れない、こういう決意で作業を進められ、検疫をやってこられたわけであります。それには今大臣が言われたように、日本の置かれた自然的な地形条件島国である、南北に長い、気象条件も違う、そういったような自然環境というものが大きくあったと思うのです。それを無視して画一的に検疫が行われるということについては、これは問題があると思うのです。  今度の制度の中には、WTOの問題を中心にして国際的な調和を図っていく、こういう言葉があちこちに見られます。調和というのは、進んだところは少しやわらかくしていく、おくれているところは引き上げる、こういうことは常識的に考えられるわけなんで、そうすると日本の場合は検疫がちょっと不安になってくる面もなきにしもあらずであります。そういう意味から、既に市民団体などでは、この点、この点は厳しくしてくれと言っているわけです。そういうものに私は耳を傾ける必要があると思っております。  ですから、さっきもクモの問題でちょっとやり合いをしたのですけれども、ああいったような問題も私は厚生省農林省相当話をしておるのかと思っておったのだが、どうも今の答弁を聞くと、そんなに突っ込んだ話をしているようにも思わぬのです。それは厚生省でも農林省でも構わない。構わないけれども、確かにあれがあの程度にとどまったからよかったようなものの、あれが広がって——マツノザイセンチュウ日本の松は全滅状態になろうとしている。金ももう一千億を上回る金を使っている。そういうものがどこから入ってきてどういうふうになったか。あれは恐らく相当古い昔に入ってきたのだと思いますが、そういうことになると、やはり植物防疫が持っている任務というか仕事は大切なわけでありますから、よほどしっかり腰を構えて進めていただきたい。  こんなことを特にお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
  25. 松前仰

  26. 矢上雅義

    矢上委員 新進党の矢上雅義でございます。  本日は、植物防疫法の一部改正について質問いたします。  御存じのように、植物防疫法は、昭和二十五年制定でこれまで来ております。ただ、今回の一部改正規制緩和の一環ではないか、また外圧による改正ではないか、また今回の改正が過度の簡素化であり非常に不安を覚えるとか、多種多様な世論がございます。そういう背景がございますので、本日は、条文に沿ってと申しますか、逐条的にいろいろ解釈等質問をしていきたいと思います。  まず第一番目に、今回法改正に至った背景及びその経過について、農林水産省よりお聞きしたいと思います。
  27. 高木賢

    高木(賢)政府委員 今回の法改正に至った経過でございますが、一つには、近年の植物輸入の量的増加あるいは質的多様化に伴いまして、我が国への有害動植物侵入の危険性が高まっているということがございます。それから二番目には、国際的な動きといたしまして、FAOにおいて有害動植物危険度解析のガイドラインが策定されたということを背景にいたしまして、我が国自然環境農業事情などを考慮した上で、より効果的な植物防疫実施するということを目的として行うものでございます。  法改正の検討に当たりましては、私どもだけがひとりで考えたということでなくて、有識者から成ります懇談会を開催をいたしまして、幅広い観点から検討を行ってまいりました。今回の改正によりまして、海外からの有害動植物侵入防止がより的確に行われまして、我が国農業生産の一層の安定が図られるものと考えております。
  28. 矢上雅義

    矢上委員 今御説明がありました中で、貨物、特に球根とか切り花の輸入量が増加しているということで対応されておる、非常に現実的な問題であります。  ただ、二番目に移らせていただきますが、法律案大綱の中で、その危険度に応じた植物検疫措置を決定するとともに、より効果的な植物検疫実施するという、先ほどとダブる表現がございます。非常に抽象的でございますので、その具体的な内容について御説明いただきたいと思います。
  29. 高木賢

    高木(賢)政府委員 危険度に応じた植物検疫措置ということの具体的内容でございます。  これは、現行の輸入禁止制度は維持をするということ、それから、現行の輸出国での検査並びに輸入時の検査、基本的にこれも維持するという前提のもとに、一つには、輸入のときにおきます検査では発見が困難な重要な有害動植物の付着するおそれのある植物につきまして、輸出国栽培地における検査を要求することができることとするのが一つでございます。  それから二番目には、栽培の用に供しない植物、つまり消費用の植物などで検疫有害動植物が付着するおそれが少ない、これは長い間の経験上判明をいたしておりますが、これにつきまして輸出国検査証明書を要求しないというのが二つ目でございます。  それから三番目には、国内農業影響を及ぼすおそれのない一部のものにつきましては消毒などの植物検疫措置を行わないというのが内容でございます。  このように、有害動植物の性質といいますか、特質、危険度に応じまして植物検疫措置をとる、その多様化を図るということと、電算化によります植物検疫手続の迅速化ということで、全体といたしましてより効果的な植物検疫の実現が図られるものと考えております。
  30. 矢上雅義

    矢上委員 大体概略をお聞きいたしましたが、さらに具体的な問題に入ります。  第五条の二で、国際植物検疫対象となる有害動植物範囲が省令によって定められるとされております。お聞きいたしますところによると、世界じゅうで病害虫の数が十万種にも上る、そう言われる中で、何をもって国内農業影響を及ぼす病害虫か否か、どのように判断し、またどのように対象物を特定するのか、そのことについて具体的にお聞きしたいと思います。
  31. 高木賢

    高木(賢)政府委員 国際植物検疫対象となります有害動植物につきましては、法律の定義にも書いてございますが、有害動植物のうち、蔓延した場合に有用な植物に損害を与えるおそれがあるものであって、国内に存在することが確認されていないもの、あるいは既に国内の一部に存在はしておりますが、国により発生予察事業その他防除に関し必要な措置がとられているものを対象として、その範囲を定めることにいたしております。  今後、有害動植物につきましてその危険度の評価を行っていくという手順になるわけでございますが、これにつきましては、我が国自然環境農業事情などを考慮いたしまして、有害動植物侵入する可能性、並びに侵入した場合にどのような被害が生じ得るかということを想定して評価を行うことにいたしております。  この場合、世界じゅうには今御指摘のような物すごい数の有害動植物が存在しております。これにつきまして、一つ一つの情報は必ずしも十分ではございません。危険度を判断できないものがはっきり言ってございます。こういうものは、逆にといいますか、疑わしきを入れずということで ございまして、潜在的な危険性を考慮いたしまして、危険性がないことが確認されたものをいわばネガティブリスト方式で定めまして、その危険度がないことを確認された以外のものが検疫有害動植物だ、こういう取り扱いにしたいというふうに考えております。
  32. 矢上雅義

    矢上委員 確認のためにお伺いしますが、この五条の二を裏返して言うと、日本じゅうどこにでもいて深刻な被害を与えない動植物であると認められれば、その認められるものを除いた残りが国際植物検疫対象になる、そういうことでございますか。
  33. 高木賢

    高木(賢)政府委員 端的に申せば、そういうことになると思います。
  34. 矢上雅義

    矢上委員 これは大変日本農業影響を与える範囲の特定でございますので、今申しました検疫有害動植物範囲を定める際に、五条の二ではさらに公聴会を開いて検討するとなっておりますが、公聴会の運営については具体的にどのようにお考えですか。
  35. 高木賢

    高木(賢)政府委員 植物検疫上とられる措置につきましては、国民の利害に重大な影響を及ぼすということで、これまでも植物防疫法の規定に基づきまして輸入禁止品を定める場合などにおきましては公聴会を開催いたしまして、利害関係者並びに学識経験者の意見を聞いてきたところでございます。  公聴会の開催に当たりましては、その適切な運営が確保されるよう、公聴会の日程につきましては事前に公示するとか、十分な数の公述人を選定するとか、議事を公開するというようなことを通じまして、公平性、透明性のある運営に心がけているところでございます。  検疫有害動植物範囲を定めるに当たりましても公聴会を開催するということにいたしているわけでございますが、これまでの公聴会の考え方に沿いまして適切な運営に努めてまいりたいと考えております。
  36. 矢上雅義

    矢上委員 今回の一部改正におきまして、検疫有害動植物範囲を定めるということは非常に大きな関心事でございますので、公聴会の運営はぜひ公平に、また透明性をもってやっていただきたいと思います。  続きまして、これは私自身の疑問でもありますが、平成八年二月十二日の日本農業新聞にも出ております。今回の新植物防疫システムはフリーパスであるのではないかとか、また病害虫をめぐり外圧がかかっておるのではないかとか、こういう報道もなされております。私自身、ぱっと条文を見ますと、検疫対象となるもの、ならないものと申しますと、検疫対象となるものはきちんとやるが、対象以外のものはまるで素通りで、検査も何もせずにフリーパスで入ってくるような印象を受けております。  私自身、今回勉強させていただいて、自分の認識もちょっと間違っておったと感じておるわけでございますが、一般に、先ほど申しましたように、片方が検疫対象である、そして片方に検疫対象外の有害動植物がある、こういう条文の表現の中で、フリーパスであるかのような印象を世間に与えたということもございますので、その辺についてどのような検査体制で対応されるのか、お聞きしたいと思います。
  37. 高木賢

    高木(賢)政府委員 一部に誤解の生じたのは残念でございますが、今回の法改正後におきましても、輸入の際の検査につきましては、そこにどのような有害動植物が付着しているかを判断する必要がありますので、対象としての輸入植物、これはすべて対象にして検査実施するということでございます。  ただ、先ほど来言っておりましたのは、その検査の結果、付着している有害動植物検疫有害動植物とはならない、そういうものだけがくっついているものがあったとしたら、それは消毒などの植物検疫措置を行わないということでございまして、それ以外のものが、複数の種類の有害動植物が付着しておりまして、一つが検疫有害動植物であるということになれば、当然消毒等対象になるわけでございます。  したがいまして、検疫対象となる有害動植物という、有害物の方を限定いたしたとしましても、それがくっついている方の植物検疫をフリーパスとするということではございません。今後とも的確な検査実施してまいりたいと考えております。
  38. 矢上雅義

    矢上委員 改めて確認しますが一検査は全部やる、検査は全部対象としてやるが、ただその検査の結果によって、消毒をするもの、しないものに分かれてくる、そういうことであって、一般的にとらえられるようなフリーパスではないということでございますね。
  39. 高木賢

    高木(賢)政府委員 御指摘のとおりでございます。
  40. 矢上雅義

    矢上委員 続きまして、次の質問に参ります。  今回新たにつけ加えられました措置として、第六条の二項で栽培地検査というものがございます。私の知る限りでは、特に種子等から大きな被害が出たとかいうことは余りないわけでございますが、今回、より強く規制するという形になりますが、この新しい栽培地検査をあえて取り入れた経緯についてお聞きしたいと思います。
  41. 高木賢

    高木(賢)政府委員 有害動植物、大変たくさんの種類があるわけでございますが、その中には、輸入の際の検査では発見は難しいけれども、輸出国栽培している期間、この期間に検査いたしますと発見が容易であるというものがございます。  具体的に申し上げますと、アメリカ合衆国で発生しておりますエンドウのフザリウム病などの種子伝染性病害、これは極めて被害の大きな重要病害でございますが、この病原は種子の内部に潜伏しておりまして、また、その寄生密度が極めて低いということでありますから、輸入の際の検査でこれを発見するということは極めて困難でございます。しかしながら、種をとります採種圃においてそれが栽培されておりますと、これは病気が出たということがすぐにはっきりわかります。特徴を持って病兆をあらわすわけでございます。したがって、栽培地検査をいたしますと、その発見は極めて容易であるというものがあるわけでございます。  これは今までどうしていたかといいますと、この種類のエンドウのフザリウム病などの伝染病の因子でございますが、これは、先ほど来言っておりますように、すべて輸入検査対象としてやっているわけですが、特殊な検査方法を工夫するということで、その侵入防止に万全を尽くしてきたわけでございます。しかしながら、どうも最近の知見によりますと、有害動植物の混入が極めて低密度であっても侵入が可能なことがわかってきたわけでありまして、いわば従来の検査方法だけでは限界が明らかになっている、こういうものがあるわけでございます。今回栽培地検査を要求することとしているものは、このような重要な種子伝染性病害等の発生国からの寄主植物でございます。これによりまして、一層効果的な植物検疫が可能になるものと考えております。
  42. 矢上雅義

    矢上委員 ところで、第六条の二項でこの栽培地検査を義務づけたとしましても、輸出国によっては、その政府機関の能力等ございますし、体制によっていろいろ左右されるところがあります。本当にこの輸出国の政府機関による栽培地での検査が実効性を持って行われるのか、その辺の担保は十分になされているのか。また、これらのガイドラインと申しますか、外国に対してこの程度のことをやってくれよときちんとある程度申し入れしなければならないと思います。そういう我が国としての他国に申し出るガイドラインづくり、その辺がどうなっているか。また、逆に日本側が輸出する場合には、日本側がその当事者として栽培地検査を行うわけでございますが、日本側が行う場合のノウハウ等の蓄積はきちんとなされておるのか。この二点についてお聞きしたいと思います。
  43. 高木賢

    高木(賢)政府委員 輸出国におきます栽培地検査の適正な実施がいわば確保されるのかどうかということでございます。  これは、輸出国の政府機関により発行されます検査証明書に、対象となる有害動植物の未発生が確認された旨を記載させるということにしておりまして、この検査証明書自身あるいはその写しを確認することによりまして、輸出国での栽培地検査実施の有無を確認することが可能であると考えております。  これは国家間のいわば約束みたいなものでありますから、それを本当にやっているかどうかというのをその都度確認するというところまではいかがかと思っておりますけれども、確実に本当に実施されたのかどうか、体制はあるのかどうかということにつきましては、我が国植物防疫官を適時に派遣いたしましてこれを確認する、こういつたことを検討してまいりたいと考えております。  それから、もう一つのお尋ねでございます。  国際的に見た場合、栽培地検査植物検疫措置の一つとして採用されておりまして、我が国でも、例えばEU諸国向けトマト種子などにつきましては、諸外国の要求に応じて検査実施しております。これは、我が国技術力といいますか、体制をもってこれをきちんとやっているというところでございます。
  44. 矢上雅義

    矢上委員 次に、やはり改正案第六条の中で「栽培の用に供しない植物であって、検疫有害動植物が付着するおそれが少ないものとして省令で定めるものを除く。」と規定して、ある一部のものでは検査証明書の添付を省略しておりますが、ここまで踏み込んで本当に大丈夫なのか、ここまで思い切って踏み込んだ場合に、本当に新たな有害動植物侵入のおそれはないのか、ここのところをきちんと確認しておきたいと思います。
  45. 高木賢

    高木(賢)政府委員 輸出国での検査証明書の添付を要しないものとする植物といたしましては、まず一つには、栽培の用に供しない、消費用の植物だということを要件として考えております。また、その植物に付着する有害動植物は、検疫有害動植物でないものだけである可能性が極めて高いものであること、また輸入時におきまして適切な消毒方法が確立されているというようなことを要件として考えております。具体的には、コプラとかコショウの実などが想定されるわけでございます。  これらは乾燥などが行われました嗜好香辛料あるいは漢方薬の原料、油糧原料というものでございますが、そういうものでありますから、そもそも有害動植物の付着することが少ない植物であります。それから、その多くは我が国では栽培が困難なものでございまして、それに付着する動植物我が国農業影響を及ぼすおそれというものは極めて少ないものと考えられます。さらに、これらのものは輸入された後また製品化のために加工される、その後流通、消費される、こういう特徴を持つものでございます。これまでの経験などもあわせて考えますと、こういったコプラとかコショウの実などに付着する有害動植物我が国農業影響を及ぼすおそれはないものと考えております。  なお、先ほど申し上げましたように、こういう植物でありましても輸入の際の検査実施するということにいたしておるわけでございます。
  46. 矢上雅義

    矢上委員 今のお答えをまとめますと、苗木等と違って乾燥物であるから有害動植物が生存しにくい、また、我が国栽培しているところがほとんどないから仮に入ってきても影響が少ない、それともう一つは、加熱等含めて加工されて入ってくるので有害動植物が生存しにくい、この三点があるから輸出国での検査証明書の添付を不要とする、そういう趣旨でよろしゅうございますね。
  47. 高木賢

    高木(賢)政府委員 今御指摘のありました三点目は、その原料として入ってきたものがさらに国内で加工されるという過程も経ますので、もう一つ安全度が高くなっているのではないかと思います。
  48. 矢上雅義

    矢上委員 次の質問にまた移らせていただきますが、花の博覧会とかいろいろ、この五年から十年の間は展覧会ブームでございますし、また最近、千葉、横浜また東京湾におきましてもいろいろな展示会が催されております。そういう中で、外国から米が展示品として輸入されて話題になったりとか、花とかいろいろなものが展示品として入ってくる。そういう中で、今回、輸入禁止品の中で例外的に特別に輸入許可が出るようになっておりますが、そういう例外として特別に輸入許可を与える場合においても極力慎重にやっていくべきだ、対応していくべきだと考えておりますが、この辺については対応をどのように考えておられるでしょうか。
  49. 高木賢

    高木(賢)政府委員 御指摘のありましたように、現行植物防疫法上、一定のものにつきましては輸入禁止品といたしまして原則として我が国への輸入が禁止されております。または、土につきましても、多種類の有害動植物が混入しているおそれがあるということ、また有害動植物の検出が困難であるということから輸入が禁止されております。  しかしながら、現行制度におきましても、試験研究の用に供する場合であって、蔓延を防止できるような条件を満たしているということで農林水産大臣が許可を与えた場合に限り、輸入の際にこれらの条件が満たされているかどうか確認した上で輸入ができる、こういうことになっております。  この輸入禁止品につきましては、最近、試験研究以外の目的での輸入というものを認めてほしいという要請が強まっております。例えば、博物館などにおきます展示用の標本として植物輸入する、あるいは犯罪捜査の証拠品として土などを持ち込むというように、試験研究以外の目的の輸入禁止品につきましても、検疫有害動植物が蔓延するおそれがない特別の用に供する場合には、例外的に輸入を認めることとしたいと考えているところであります。  ただし、これは、密封容器に入れるとか、そういった分散防止、国内に入ってきた後でいろいろ広がるようなことがないという条件をつけましての許可というものでございます。これによって有害動植物我が国侵入することのないように万全を期してまいりたいと考えております。
  50. 矢上雅義

    矢上委員 次の質問に移らせていただきます。もう一つのテーマである検疫手続迅速化についてでございます。  検疫手続迅速化というと、一般の人にとりましては、まるで検査自体を簡素化してしまうというようなイメージがございます。外国からいろいろ苦情があるからもうさっと通そうとか、そんなふうにイメージしてしまうわけでございます。ただ、今回法改正趣旨等をお伺いしますと、検査をより適正にやっていくということ、または迅速化の方も、検査迅速化という意味ではなくて事務手続の迅速化ということに主体がある、そういう二点を実現することに主体があると御説明いただきましたが、検疫手続迅速化のイメージというのですか、その辺誤解のないようにもう少し詳しく御説明いただければと思っております。
  51. 高木賢

    高木(賢)政府委員 最近の植物輸入につきましては、いわゆるコンテナ化が進展するとか航空貨物が増加しているということで、非常に多様な形態の植物輸入されるようになっております。この量的増加に対応いたしまして、やはり検査体制をきちんと整備するということが一つ大事なことでございますが、もう一つは、検査のいわゆる事務手続を迅速化するということも重要な課題であると思います。  このうち、検査手続迅速化につきましては、税関が既に電算システム導入し始めておりまして、これとインターフェース化を進めるということで考えているわけでございます。  もう一つ、空港検査体制という面で申し上げますと、地方空港におきます国際化が進展しております。航空貨物の量が増大するとか、あるいは非常に朝早く、あるいは夜遅くまでというような国際便が増大するという事態がございます。こういった空港の実態に応じた検査体制整備に努めることが必要であろうというふうに考えております。  したがいまして、植物防疫迅速化と申しましても、そういった体制整備あるいは事務手続の迅速化ということでこれを達成しようというものでございまして、検査自体を簡略化するとか手抜きをするとか、そういう趣旨ではございませんので、よろしくお願いしたいと思います。
  52. 矢上雅義

    矢上委員 先ほど申しましたように、一般的に手抜きするのじゃないかというようなイメージにもとられることがありますので、どうかきちんとしたPRに努めて、先ほど申されたように、いろいろ輸入するものもふえておる、また輸入される窓口もふえておる、そういう多様な展開に応じて検査の適正化または事務手続の迅速化について対応していただきたいと思っております。  続きまして、先ほど税関のOA化が出てきまして、税関防疫所関係のOAシステムのインターフェLスを図る、そういうことが出ておりましたが、最近話題になっておりますオンライン上での情報が盗まれる、例えばパソコン通信におきましてはハッカーによりパスワードが盗まれて、勝手に人のパスワードでパソコン通信を利用して利用料金がかかってしまうとか、また別の問題で、クレジットカードのナンバーを盗み出して人のクレジットカードで買い物をしてしまうとか、そういう問題が非常に起きております。どこでしたか、いろいろな個人の情報、住所、氏名、またはその人の経歴等が盗まれて別の面で使われるとか、特にそういう非常に重大な犯罪が出ております。  今回、物すごい申請量が予想される、また税関も通す、いろいろな役所から一つに集まってくるわけでございます。そういう重要な情報が盗まれるようなことがあれば、このせっかくのOA化による事務手続の簡素化も、世論の批判を受けて後戻りするような可能性もございます。そういう中で、きちんと個人のプライバシーを保護できるようなセキュリティーをどのように確保していくのか、その辺の具体的な対応策についてお聞きしたいと思います。
  53. 高木賢

    高木(賢)政府委員 御指摘のように、輸入植物  の検査手続の電算システムの利用に際しまして、利用者の秘密が他に流れるということは大変な問題でございます。そこで、磁気資格者識別カード、いわゆるIDカード、パスワードなどのさまざまなチェックシステムによりまして、この秘密が他に流れることのないように十分配慮してまいりたいと考えております。
  54. 矢上雅義

    矢上委員 ぜひセキュリティーの面はきちんとした信頼性のある体制を整えていただきたいと思います。  続きまして、輸入植物検査手続電算化が今後実施される港なり空港はこれからどのように展開されていくのか、具体的にどこから手始めにされていくのか、今後の電算化の予定についてお聞きしたいと思います。
  55. 高木賢

    高木(賢)政府委員 輸入植物検疫手続電算化につきましては、平成九年度から開始するということを目指しておるわけでございます。これにつきましては、植物防疫法上の指定港であり、かつ税関通関手続が既に電算化された港で、輸入植物の電算システムの利用頻度が高いと見られるところがら実施するということを考えております。具体的には、海の港であれば横浜港、空港では成田空港考えているところでございます。今後、税関の方の通関システムの拡大に伴いまして、逐次電算化する港あるいは空港を拡大していく予定でございます。
  56. 矢上雅義

    矢上委員 次に、大臣に対してお聞きしたいのでございますが、規制緩和という動きがここ数年重要なこととして出ております。私も、規制緩和というのは大事なことであり、進めるべきところは進める、そういう考えでおりますが、ただ、今回の法改正というものが、先ほどから何遍も申しますように、外圧による規制緩和の一環ではないか、そういうとらえ方もございます。  国内農業植物に対する影響を排除するために、こういう防疫というものはあるわけでございます。日本の農産物の安全性を守る、病害虫から守る、ひいては国民の食を守る、そういうことでもございますが、そういう世界じゅうから見ても当然優先されるべき、何よりも優先されるべき防疫体制の維持でございますが、外圧と絡んだ規制緩和の一環で緩められていったのではないかというような誤解がございます。私、そういうことを認めたくもないわけでございますが、改めて大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  57. 大原一三

    大原国務大臣 委員指摘のように、規制緩和による外圧、農家の方々は恐らくそういう気持ちで受け取られる方が多いと思うのですね。それで、非常な不安感を持っていらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思うのです。ですから、FAOのガイドライン、いわゆる解析基準等が決まったとはいいながら、我が国自然環境や風土、それから湿度も非常に高いところでありますから、乾燥地の方で余り羽ぶりをきかさなかった病害虫が我が国に入ってえらいこと羽ぶりをきかせるという、そういう個性なり特殊性というものも我々は十分勘案していかなければならぬと思っております。  先ほど規制緩和でコンピューターの話が出ましたけれども、私も規制緩和の方で与党で働いておりまして、EUの代表が参りまして、とにかく切り花の検査を早くしてもらわなければ商品価値が下がってしまうのだ、こういうごもっともなお話もありまして、特に成田空港でございますが、その辺の電算化ということは、これはやはり国際化の時代でやらなければならぬのではないのかな。  先日外務大臣が帰ってまいりまして、シラクさんと向こうの外務大臣にお会いしたそうであります。通産大臣も一緒だそうでありますが、私が農林水産委員長になっていました平成二年でございますか、やはりフランスに行きましたときに農業大臣から、何でフランスのリンゴをいつまでたっても入れないのかという議論がありました。なお今日に至るまで入れていないのであります。それに対して、大統領が外務大臣に、フランスのリンゴを入れてくれ、チチュウカイミバエとかコドリンガというのがあると言うけれども、これは明らかに日本はけちをつけておる、外国はどんどん入れてくれておるのになぜ日本だけ入れないのか、こういう御注文もあったようでございます。  私は外務大臣から直接その対談の中身を聞かせていただいたわけでございますけれども、先ほど申したように、日本の気候風土の特殊性、悪いものはやはり悪いのでありまして、そこらはやはり、農水省は今回の改正にかかわらずしっかりした姿勢でこの問題は臨んでいかなければならぬな、こう思っております。
  58. 矢上雅義

    矢上委員 ただいま大臣から答弁がありました中で、日本の国土というものは乾燥地と違って湿気もあり暖かくもある、そういう特性があって、外国では威力を発揮しないが日本では威力を発揮するものもある。私はそれを実感として感じております。  九州でジャンボタニシ、食用で、養殖用で持ってきたものが逃げ出して、気持ち悪いというか、水田にピンク色の卵を産みつけます。これなんかは、最初は養殖用として入ってきて、それが逃げ出して、逃げ出したときには、日本の寒さには耐えられないから越冬できずにいずれ消滅するだろうと言われておったのが、日本も温暖化しておりますし、非常に水分にも恵まれておるところでございますので、どんどん繁殖して、もう農家も、稲の小さいものほかじられて困っております。  そういうぐあいに、外国で適応できなくても日本に入ってくると予想もしない成長を遂げる病害虫も存在します。そういう実例もございますので、そういうところできちんと防疫体制をやっていただきたい、それが要望の一つでございます。  また、大臣の答弁の中でありました、確かに花は時間を置きますとしなびてしまいますし、特にここ数年三倍近く輸入が伸びております生鮮野菜類も、一々大したことのない害虫で消毒したり薫蒸しておれば、特に葉っぱ物の生鮮野菜類なんか、しなびてしまって商品価値はなくなる。外国が文句を言うのも当たり前の部分もございます。  今回の法改正では、いろいろ勉強させていただ きますと、厳しく対応するものには厳しく対応する、しかし、さほど厳しく対応する必要がなくて、そういう葉っぱ物、また切り花類のように急いで入れた方がいいというようなものに対してはある程度の配慮をしておる、そういう弾力的な手続ではないかと私も思っております。そういう、より効果的な検疫体制の拡充という姿勢で今後とも体制の充実に力を入れていただきたいと思っております。  続きまして、次の質問に移らせていただきます。  植物検疫体制整備についてでございますが、今回の法改正に伴い、危険度に応じた多様な検疫体制導入されるわけでございますが、それに対応しまして、現在の植物検疫体制の見直し及び整備が必要となってまいります。特に充実を図るべき部門について、どのようにお考えでしょうか。
  59. 高木賢

    高木(賢)政府委員 植物検疫の円滑な運営のために、海外から有害動植物侵入防止を図るということで、植物輸入できる海港、空港を定めております。  今のような、申し上げたような植物輸入の量的増加とか質的多様化とかあるいはコンテナ化とか、こういう新しい事態に対応するために、逐次植物防疫官の増員を行う、あるいは植物防疫所の施設の整備に努めるということで量的増大、質的多様化に対応してきたところでございます。  そこで、さらに今後充実を図るべき部門は何かということでございますが、新しいこの法律のもとにおきます体制として予想されるものは、有害動植物危険度を評価する体制をつくるということが一つの重点部門であろうと思います。それから、動植物の固定体制の強化ということがもう一つの充実を図るべき部門であるというふうに考えております。したがいまして、平成八年度、このための組織、体制の強化ということを行いました。植物防疫官の増員あるいは組織の見直しを行ったところでございます。  今後とも、植物検疫を取り巻く環境変化に応じまして、これに対応できる体制整備に努力をし  てまいりたいというふうに考えております。
  60. 矢上雅義

    矢上委員 さらに質問でございますが、その検査体制整備の中で、先ほどお話に出てきましたが、地方空港の国際化が進んでおります。特に、一つの県に一つの空港ということでまず空港整備が進んで、また空港ができますと、そこの県としましては、アジアに向けて窓口を開くとかそういうスローガンのもと、自分の県の空港を国際空港化したいということで今頑張っておりますが、それに対応した税関の対応また植物防疫所の対応がなかなか、土曜、日曜日をどうするか、また午後五時以降、また午後九時以降どうするか、大変な問題となっております。税関の場合は、ある程度時間を遅くするということで、二十四時間体制を目指して頑張る、そういう方向が何年か前にうたわれておって、それに対しまして防疫体制の方が少し出おくれまして、いろいろな批判を浴びております。  地方空港の国際化または二十四時間等に対応した検査体制整備の今後の見通しについてお聞きしたいと思います。
  61. 高木賢

    高木(賢)政府委員 植物輸入が可能な空港といたしましては、これまで二十九空港を指定しておりまして、ここで植物検疫実施しております。  このうち、成田空港、名古屋空港などの主要空港におきましては、夜間などのいわゆる勤務時間外に輸入される貨物というものが増加をいたしております。これに対応いたしまして、旅客の携帯品につきましては既に最終便まで対応しているのでありますけれども、そうでない貨物につきましては、平成八年度以降、要員を確保いたしまして勤務時間を延長して、最終の貨物便まで検疫実施することにいたしております。なお、関西国際空港におきましては、すべての貨物並びに携帯品につきまして二十四時間対応を実施いたしております。  その他の地方空港におきましても、国際化が進展しております。国際チャーター便の新規就航とか増便というものが見込まれております。新規就航につきましては、植物検疫空港としての指定基準を満たした空港につきましては、要員を確保した上でこれを順次指定するということにいたしております。また、既に指定した空港も増便というような事態が出ております。これに対応できるように体制整備するという考え方でこれに対処しているところでございます。
  62. 矢上雅義

    矢上委員 さらに追加の質問でございますが、検査体制のあり方のほかに、植物防疫官資質向上と申しますか能力向上、これがまたさらに必要となってくると思います。  先ほどの答弁の中で、有害動植物危険度を評価する部門、また固定の部門、この固定というものは、対象物である病害虫と今検査しておる目の前におる病害虫が同じものであるかどうか、それを判断する部門であるとお聞きしておりますが、今回の一部改正趣旨に戻りますと、危険度に応じてより効果的に対応していくという趣旨でございますので、今以上に植物防疫官の個人的な能力の向上が求められてくると思っております。その新しい体制に応じた研修、対応というのは、きちんと今頭の中にお持ちでしょうか。
  63. 高木賢

    高木(賢)政府委員 たびたび申して恐縮でございますが、量が増加し質が多様化するということに対処して防疫をきちんとやらなければいけない、こういうことでございますから、植物に関する学問、植物学といいますか、昆虫学、植物病理学、農薬学、こういった非常に広範囲にわたる専門知識あるいは技術がまさに必要になっております。したがいまして、植物防疫所の職員資質向上ということは防疫をきちんとやる上で極めて重要である、こういう位置づけのもとに研修を着実に実施してきたところでございます。  特に今後、御指摘のように有害動植物固定診断を一層的確かつ迅速に実施するということになりますと、固定診断技術開発ということももちろん必要ですけれども、現場において技術普及を図るということが的確な検疫実施のために不可欠でございますので、研修につきましてはなお一層充実を図ってまいりたい、このように考えております。
  64. 矢上雅義

    矢上委員 今までの質問は、一番最初の水際で有害動植物侵入を押さえるということでございますが、検疫、防疫体制というものは水際で有害動植物侵入を阻止するという考え方でございますが、仮に検疫体制を突破されて有害動植物が入ってきた場合に、きちんとしたモニタリング等をやって蔓延を防ぐ、そういうように、入ってきたら直ちに各地で警戒態勢がとれるように、きちんと侵入警戒態勢を強化する必要があるのではないかと思っております。  特に、港、空港、その周辺でまず病害虫が逃げ出す可能性が一つ。さらには、苗木、種子等を通して産地にその病害虫が持ち運ばれる、危険度の高い地域というものが幾つかピックアップできるわけでございます。これからさらにモニタリング等の侵入警戒態勢を強化する、そのような考え方が必要となってまいりますが、今回さらに強化されるおつもりでしょうか。
  65. 高木賢

    高木(賢)政府委員 侵入を警戒すべき有害動植物につきましては、今御指摘のように、まさに海の港、空港などの近辺におきまして植物防疫所が侵入警戒調査を実施しております。また、生産地帯であります国内の果実、野菜主産地におきましては、病害虫防除所がモニタリングなどの侵入警戒調査を行っております。  また、発生予察事業ということをやっておりまして、病害虫防除所が定期的に産地を巡回いたしまして、有害動植物の新たな発生あるいは異常な発生というものがないかどうか調査をしているところでございます。  侵入警戒調査は毎年数千カ所にわたりましてやっておりまして、今後とも的確に実施してまいりたいというふうに考えております。
  66. 矢上雅義

    矢上委員 最後の質問大臣お願いしたいところでございます。  振り返ってみますと、空港における貨物とかコンテナの輸入貨物、この十年近い間に七倍なり九倍なりの輸入量の増加が起きております。それに対しまして、植物防疫所の総定員が、昭和六十二年七百四十六人、平成七年八百七十二人、その中で植物防疫官、特に今回重要となってくる植物防疫官が、昭和六十二年六百三十三人、平成七年七百六十一人。努力の結果ふえてはおりますが、この貨物量の増加とまた対応する時間帯、これから二十四時間体制と言われるような時代になってきておる中で、この植物防疫官の人数も少ない。組織の整備だけでなく、優秀な人材の確保そして配置が必要になってくると思います。  そこで、新たな植物検疫制度にふさわしい体制を確立し、組織整備そして優秀な人材の確保、配置などによって万全の検疫を進めていく必要があると私は考えておりますが、この点について改めて大臣の決意をお聞きしたいと思います。
  67. 大原一三

    大原国務大臣 いろいろ御指摘をいただいて、ありがとうございます。  我々としても最善の努力をしてきたつもりでございますが、輸入量に比べて定員の増加が少ない、おっしゃるとおりでございます。なお、この点については一時は二十五人、三十人ふやしてくれたのでありますが、最近はその増加率が減っておることも事実でありまして、新しい制度導入に伴いこの辺についてもさらなる努力をしていかなければならぬなと、御指摘の点についても十分配慮しながら努力を重ねていくつもりでございます。
  68. 矢上雅義

    矢上委員 これは補足でお聞きしたいのでございますが、食糧庁の話になりますが、米関係検査官が多過ぎるのじゃないか。だんだん米の方も規制緩和になってきて、そういう余剰人員をどのように活用するか、これから大事な問題にもなってくると思います。要らなくなったから生首を切るというようなこともできませんし、きちんとした検査官としての能力を持つ方々をこの植物検疫制度の中における植物防疫官として今後研修を積んで活用するような方策はないものか。  これは今回通告しておりませんので、どの程度お答えが返ってくるかわかりませんが、同じ農林水産省の中で部署が違うとはいえ、その辺の今までの経験なり能力を持っておられる方々の活用について、大原農林水産大臣の今後の展望、どのようにお考えでしょうか。
  69. 高木勇樹

    高木(勇)政府委員 これまでも農林水産省の全体の組織または定員につきましては、今先生おっしゃられたように行政需要も変化をしてきておりますので、内部での定員の振りかえ等については、または組織の合理化を含めまして対応をしてきたつもりであります。今後とも、必要な部署に必要な定員が確保されるように努めてまいりたいと思っております。
  70. 矢上雅義

    矢上委員 今回細かく逐条的にいろいろ解釈の御答弁をいただきましたが、改めて申しますが、きちんとした防疫体制整備していく、そういうことが日本の食を守る、また日本国内農業を守るということでございますので、どうか今後とも力強い意思で植物防疫体制の確立、充実に努力していただきたいと要望いたします。  これで私の質問を終わります。
  71. 松前仰

    松前委員長 藤田スミ君。
  72. 藤田スミ

    ○藤田委員 法案の中身に入ります前に、最初に一点だけ、八年産生産者麦価の問題についてお伺いをしておきたいと思います。  多くを申しませんが、最近も穀物需給の逼迫、価格の高騰が毎日のように報道されておりまして、食糧危機が現実のものになっていることを示しています。しかし、我が国の麦の作付面積は減少を続けておりまして、現在の自給率は小麦ではわずか九%にすぎません。  このような中で、国内生産を拡大し自給率を高めることは緊急の課題になっているわけであります。今こそ政府の買い上げ価格を、農家が生産を維持、拡大する意欲を持てる価格に引き上げていくべきであります。まず最初に、大臣にこの点をお伺いしておきたいと思います。
  73. 高橋政行

    ○高橋政府委員 お答え申し上げます。  ちょうど今麦価を、あす米価審議会を開くということで、現在最終的な詰めをしておるところでございます。  御承知のとおり、麦の政府買い入れ価格につきましては、新食糧法六十六条の規定によりまして、生産費その他の生産条件あるいは需要供給の動向、物価その他の経済事情を参酌し、再生産を確保することを旨とするということで、生産性の向上と品質の改善に資するよう配慮して決定しているところでございます。  それで、平成八年産麦の政府買い入れ価格につきましても、同法の規定によりまして生産費等を参酌し算定をいたしまして、米価審議会の意見を聞いて適正に決定してまいりたい、このように考えているところでございます。
  74. 藤田スミ

    ○藤田委員 きょうはもう肝心の法案の方に入らなければいけませんが、しかし本当にこれ以上麦価の引き下げあるいは据え置きというようなことも許されないだろうと私は思っています。特に、ことしまた引き続いて被害麦も出てきておりますし、何としてもその引き上げ等、万全の措置を求めて、法案の中に入ってまいります。  今回の植物防疫法は、言うまでもなく、SPS協定に基づいてFAOの定めた基準に沿った検疫体制改正が必要となったために行うものであります。  SPS協定は、検疫衛生措置の貿易に対する影響を最小限にするため、国際基準への調和化と、輸出国が衛生防疫保護の適当な水準を達成していることを証明したならば輸出国の基準を輸入国に採用させることができる同等性の原則を義務づけたものでありまして、これは日本植物検疫簡素化迅速化などの規制緩和を目指すものにほかなりません。  しかし、我が国植物検疫を取り巻く状況を見れば、農産物の輸入は量的にも急増し、質的にも多様化しております。農水省の「今後の植物検疫の改善方向」の中でも、特に生鮮農産物の輸入の増加、輸出国数の増加等に伴い、病害虫の種類が増加し、付着状態も卵、幼虫等々さまざまであることから、病害虫の侵入の危険性が高まってきていると指摘をしているところであります。  このような状況下で、植物検疫措置を、貿易に対する障壁を最小限にするために国際基準に合わせて緩和することは非常に危険なものであります。生鮮野菜や切り花などの鮮度を売り物にした農産物輸入のために検疫簡素化、スピードアップを求める内外の商社や輸出国の要求に押され、効率化という名のもとに国内農薬の安全確保を犠牲にするようなことはあってはなりません。大臣、この点はいかがでしょうか。
  75. 大原一三

    大原国務大臣 まさに御指摘のとおりでありまして、これだけたくさんの食糧を輸入して、それに病害虫まで輸入したのでは、我が国の自給率、農業生産等々に対する影響は極めて甚大であります。  そういう意味で、先ほどもちょっと申し上げましたが、国際基準と申しましても、我が国自然環境や風土等々の条件が、病害虫にとって非常に有利な環境条件であることもあり得るわけでございますから、御指摘のように、たとえこれらの条約やガイドラインがあっても、そういった問題については十分対処できる、その条約上の理由も書いてございますし、そういったことに万全を期するように我々としても今後対応していかなきやならぬな、こう思っております。
  76. 藤田スミ

    ○藤田委員 せっかくの大臣の御答弁でありますけれども、法案の中身はそういうことにはなっていないのじゃないかと私は思っています。  そこで、まず今回の改正案導入しようとしている輸出国での栽培地検査について質問をいたします。  輸入時の検査では発見が困難な病害虫について、輸出国栽培地での事前検査を義務づけて、感染症状を示す親の植物からの種苗は輸出しないシステムにするということですが、同時に、栽培地検査を行った種苗などについては、栽培地検査対象となった病害虫は輸入時の検査を行わない。つまり、農水省の例を引用すれば、エンドウの種子については、栽培地検査を行ったフザリウム病についての検査輸入時には行わない、こういうことですね。
  77. 高木賢

    高木(賢)政府委員 栽培地検査対象となる有害動植物として想定しているものは、輸入時の検査では発見が困難である、しかし輸出国栽培期間中の検査では発見が容易であるものでございます。  今お話もございましたように、具体的には、アメリカ合衆国で発生しているエンドウのフザリウム病などの種子伝染性病害、これは非常に被害が大きい重要病害であります。ところが、この病原菌は、種子の内部に潜伏しておりまして、また寄生密度が極めて低いということで、輸入の際の検査では発見することが極めて困難なものでございます。しかし、栽培をしてみると、そこでは発病して病気の兆候を示すということでありますから、栽培地での検査は容易であるということでございます。  これらの有害動植物につきましては、これまでどうしてきたかといいますと、輸入検査の一環といたしまして、非常に特別な検査方法を工夫いたしまして、その発見侵入防止ということをやってきたわけですけれども、どうも最近のいろいろな知見の集積によりますと、有害動植物の混入が極めて低密度であっても侵入が可能である、こういうことがわかってまいりました。つまり、従来の検査方法では限界があるということが明らかになってきましたので、今回の法改正によりまして、発見が容易な栽培地検査を求めることができるシステム導入しようということでございます。
  78. 藤田スミ

    ○藤田委員 私が問題にしているのは、二重チェックの原則をここで崩してきたということを問題にしているわけです。栽培地検査を行うのは輸出国の政府機関です。我が国植物防疫官ではありません。にもかかわらず、輸出国の発行した検査証明を信用して、我が国検疫は行わない、こういうことになるわけであります。  現在の検疫制度でも、有害動植物が付着していないとの輸出国による証明書を添付することになっていますが、九一年三月に実施された総務庁の附属機関総合実態調査結果に基づく勧告の中でも、検査証明書が添付されているものについての輸入検査結果について、合格率は二五%から八〇%程度であり、中には病害虫の付着によって大部分が不合格になっている品目が見られるなど、検査証明書は、これを活用して検査の効率化を図ることができるほど信用性の高いものにはなっていない、こういうふうに指摘をしているわけであります。  現場職員の方も、輸出する側の目と輸入する側の目とは違う、だから水際での検査を厳重に行っている、こういうふうにおっしゃっておられるわけです。であればこそ、病害虫の侵入を防ぐには、輸出国による検査証明と同時に、輸入時の港で自国による検査も行う、二重にチェックすることを原則にしてきたのじゃありませんか。輸入検査の省略は極めて危険な措置だと思いますが、いかがですか。
  79. 高木賢

    高木(賢)政府委員 先ほど申し上げましたように、輸入時の検査、現在行っておるものにつきまして限界がある、さらに言いますと、栽培地検査の方がよりはっきりと病害の状態がわかるということで、そちらの方が的確な植物防疫、病害虫の侵入防止のためにはよろしいということでございます。  もちろん、これからも検査技術開発はしていくわけでございますが、現在のところでは、輸出国におきます栽培地検査を上回る検査精度を確保できるような輸入時の検査技法を開発することは当面見込めないということから、栽培地検査導入するということにいたしたものでございます。
  80. 藤田スミ

    ○藤田委員 輸出地での検疫によって輸入検査を簡略化する制度は、オランダの切り花、球根輸入などにも特例的に導入されてきましたが、九四年末、オランダから輸入された切り花で、原産地で日本検疫官の検査を受けていないものに検疫証明書がつけられていたことが成田空港で発覚しています。日本側の現地での検査があっても、かつこのような事態が起こるわけであります。  種苗類は、直接圃場に植えつけられるために、侵入病害虫の媒体となる潜在的な危険が大きく、最近の新たな病害虫の侵入事例についても、種苗類を経由するものが多いと推定されておりまして、このような点からも、輸入国自身の水際での検査を放棄するようなことがあってはならない、私は強くこのことを要求して、次の質問に移ります。  もう一つは、今回の法改正が、病害虫の侵入を防ぐために一番重要である水際での検疫体制が後退していく、その突破口になるということに非常な危機感を私は持っています。  今回の改正案では、一部の有害動植物検疫措置対象から外され、その有害動植物のみが付着した植物については、消毒、廃棄処分などは一切とられずに素通りするということになっているわけであります。検疫対象となる有害動植物は、改正案を見ましても、「国内に存在することが確認されていないもの」、それからもう一つは「既に国内の一部に存在しており、かつ、国により発生予察事業その他防除に関し必要な措置がとられているもの」となっています。  そこで聞きますが、現在国内で確認されている病害虫がどれだけあり、この改正案で言う公的防除対象となっている病害虫はどれだけありますか。また、今回検疫対象外にしょうとして検討されている病害虫はどれだけあるのでしょうか。
  81. 高木賢

    高木(賢)政府委員 質問の第一点でございますが、世界全体で現在知られているものだけで、有害動植物数は約十万種と言われております。このうち、我が国に存在することが知られている有害動植物は、動物で約二千二百種、植物で約二千五百種、合計約四千七百種でございます。  それから二番目のお尋ねでございます。我が国で公的防除対象となっているものは、有害動植物合計で約一千種でございます。  それから三番目のお尋ねでございます。だから、四千七百と千の差の三千七百が皆検疫措置対象外となるわけではございません。情報が十分でなく、危険度を評価できない有害動植物につきましては、その潜在的な危険性を考慮いたしまして、証明ができない間は検疫有害動植物として取り扱うという方式、すなわち、危険のないことが確認されたものをいわばネガティブリストとして定めるということでございます。  これでカウントいたしますと、まだ厳密に危険度の評価をしたという段階ではございませんが、カツオブシムシとかコウジカビ病菌など、有害動植物全体から見ますと極めて少数でございますが、三十ないし五十程度のものに限られるものと考えております。
  82. 藤田スミ

    ○藤田委員 今の御説明によりますと、世界では十万種あるが国内には大体四千七百種、その中で防除を行っているのは一千種、したがって、国内農業影響のない病害虫というのはいわば差し引き三千七百種、その中から特に安全だと思われる三十から五十ぐらいを対象にしてそれを外していく。極論を承知で申し上げますが、検疫対象外となる病害虫は、公的防除対象になっていない三千七百種近くまでは拡大が可能だということになるわけであります。  病害虫危険度解析、つまりPRAを行って、危険度に応じた検疫措置実施するということですが、病害虫の危険度に合わせた検疫措置はこれまでも行ってきたことであって、私はそれを否定するつもりはありません。しかし、今回の法改正では、どのような病害虫が検疫対象外になるのか、また、それぞれの病害虫の検疫措置内容も、どのような基準で検疫措置が決められるのかも明らかではなく、今後の運用の問題になるわけです。  検疫簡素化規制緩和の要求というのは、これまでも繰り返し、アメリカ、EUなどから出されてきました。検疫対象外の選定拡大の要求、検 疫措置の決定に対して規制を緩和しろという声は、内外から今後も必ず出てくるでしょう。今回の改正は、検疫体制を緩めていく突破口になる、規制を緩めることが可能な枠組みをつくることになるというふうには考えられませんか。
  83. 高木賢

    高木(賢)政府委員 今回の改正は、検疫有害動植物という範囲を定めるわけでございますが、日本国内の自然条件とか農業事情というものを十分考慮して、国内に既にたくさん存在しているとか、防除対象にもなっていないというようなもののうち、いわば安全なものを除くわけでございます。したがいまして、これがやたらとふえるとか、そういう性質のものではございません。検疫動植物の決定は、我が国自然環境農業事情考慮いたしまして、その動植物侵入する可能性侵入した場合の被害というものを科学的に予測して行うというものでございますから、そのような、みだりにどうこうするという御心配はないものと考えております。
  84. 藤田スミ

    ○藤田委員 大体、調和化を義務づけられた国際基準であるFAOのガイドラインに沿ってPRA、病害虫危険度解析導入している国は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、Eu、こういう国です。これらの国は農産物の輸出大国です。それらの諸国と、食糧輸入大国であり大量の農産物を入れている我が国が同様な制度導入するということは、病害虫の侵入可能性から考えると、極めて危険なものであると私はやはり言わざるを得ないわけです。  このPRAの問題について、オーストラリアの検疫体制を視察した農水省の職員の方のレポートを読みましたけれども、輸入量の少なさが病害虫危険度解析に基づく植物検疫を可能にしている面を見逃すわけにはいかない、こういうふうに言っておられまして、いや、全く私もそのとおりだというふうに読ませていただきました。  植物検疫は、今おっしゃいましたが、本当にそれぞれの国が、つまり、我が国我が国農業事情や立地条件、環境などを十分考慮し独自に実施されていかなければならないものであって、だとすれば、今なすべきことは、輸入農産物の急増に見合った人員増だとか抜き取り検査の量をふやすとかそういうことで、水際での検疫体制をより一層強化する、そのことが私は求められていると思う。それを、ほんの一部だ、入り口だけだということで、水際の検査を撤退させ、それから輸入防疫措置簡素化するというようなことはあってはならないというふうに考えるわけであります。  最後に、大臣にこの点についてお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。
  85. 大原一三

    大原国務大臣 いろいろ御忠告、ありがとうございました。  先ほどお答えしたとおりに、我々としても、今回の改正が特に日本のこれからの農業に与える影響、農家の方々の不安、そういったものに対して的確にこたえられるようにしていかなければならぬな、こう思っております。やはり個性のある、日本独自の検査体制ないしは検査のあり方というものがあるはずでございますので、その辺についても担当部局は十分勉強をしてくれるものと思っております。  人員の増加等につきましても、先ほど申し上げましたように、なお一層の努力を重ねてまいる所存でございます。
  86. 藤田スミ

    ○藤田委員 終わります。
  87. 松前仰

    松前委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  88. 松前仰

    松前委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。藤田スミ君。
  89. 藤田スミ

    ○藤田委員 私は、日本共産党を代表して、植物防疫法の一部改正案に対する反対討論を行います。  今回の改正は、言うまでもなく、SPS協定に基づいてFAOの定めた基準に沿った検疫体制の改定が必要となったために行うものです。SPS協定は、検疫衛生措置の貿易に対する影響を最小限にするため、国際基準への調和化を義務づけたものであり、日本植物検疫簡素化迅速化などの規制緩和を目指すものにほかなりません。  既にこのガイドラインに沿った危険度解析導入している国は、食糧自給率が高く、農産物輸出大国であり、輸入量の少なさが病害虫危険度解析に基づく植物検疫を可能にしているとの指摘もされているとおり、これらの国と同様の検疫体制を食糧輸入大国である我が国導入することは危険であります。  輸入農産物が急増し病害虫侵入の危険が増す中で、検疫簡素化しスピードアップを求める輸出国や商社、大手スーパーなどの要求にこたえるために、病害虫の侵入防止国内農薬の安全を犠牲にすることは許されません。  また、今回の改正は、一部の有害動植物検疫措置対象から外され、その有害動植物のみが付着している植物については、消毒などの措置がとられずに国内に持ち込まれることになります。さらに、輸出国による栽培地検査を行うことにより輸入検査を省略する制度導入されることになります。  今回の改正は、病害虫の侵入を防ぐために一番重要である水際での検疫体制を緩和し、我が国の有用植物を保護し、農業生産の安全を図ることを目的にした我が国植物防疫体制を大きく後退させる突破口になるものです。  今なすべきことは、検疫措置を国際基準に合わせて緩和することではありません。私は、輸入農産物の急増に見合った人員増や、抜き取り検査の数量をふやすなど、水際での検疫体制のより一層の強化を強く要求して、討論を終わります。
  90. 松前仰

    松前委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  91. 松前仰

    松前委員長 これより採決に入ります。  植物防疫法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  92. 松前仰

    松前委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  93. 松前仰

    松前委員長 この際、本案に対し、松岡利勝君外三名から、自由民主党、新進党、社会民主党・護憲連合及び新党さきがけの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨説明を聴取いたします。初村謙一郎君。
  94. 初村謙一郎

    ○初村委員 私は、自由民主党、新進党、社会民主党・護憲連合及び新党さきがけを代表いたしまして、植物防疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     植物防疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、効果的な植物検疫実施に遺憾なきを期すべきである。       記  一 有害動植物危険度に応じた検疫措置導入輸入禁止品の例外的な輸入許可の実施に当たっては、我が国への有害動植物侵入を確実に防止するよう厳正に対処すること。  二 輸出国栽培地における検査の義務付けに当たっては、当該検査の厳密な実施が確保されるよう措置すること。  三 輸入検査件数の増大に対処し、電算化による簡素化迅速化を図り、併せて、植物防疫官のさらなる質的向上適正配置を図る等円滑かつ的確な輸入検疫体制整備に努めること。   右決議する。  以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。  何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
  95. 松前仰

    松前委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  松岡利勝君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  96. 松前仰

    松前委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣大原一三君。
  97. 大原一三

    大原国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。     —————————————
  98. 松前仰

    松前委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 松前仰

    松前委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  100. 松前仰

    松前委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後九時三分散会      ————◇—————