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石破委員 参考人の皆様、御苦労さまでございます。本日は御足労いただきまして、感謝申し上げます。
今まで三名の方から
質疑がございました。もし重複をする点がございましたらば御容赦をいただきたいというふうに思っております。
私は、この
委員会に十年近く籍を置きまして、
水産関係のときにたびたび
質疑にも立ってまいりましたが、どうも
漁業というのは本当に資本主義というものになじむのかなというお話を前にしたことがございます。それは同じ農林水産省のテリトリーではございますが、農業というのは一生懸命技術の向上をやって生産性を上げると、大臣からよくぞやったということで表彰状をもらうわけですが、漁師が同じことをやりますと、何ということをやるかといってしかられることが多いわけでありまして、これは本当に今までのいろいろな概念をそのまま適用してやっていけるものなのかなという気がしております。
今回、私
どもとしても、本当に二百海里の
全面適用ができるということであれば、これはまことにめでたいことでありますけれ
ども、
政府の姿勢等々を見ていますと、本当にそれはできるのかしら、これから先やってみなければわからぬというグレーゾーンの
部分が随分ありはしないのかなという気がしている。おととしのWTOのときもそうだったのですが、アメリカがどういう
態度に出てくるかわからない
状況で
日本が本当にWTOというものを
批准していいのかなということを考えたこともございます。私は選挙区は鳥取でございますが、鳥取の
漁民の方々がお越しになったときに、その見通しがはっきりしないで
日本が
批准をするなり関連法案なりを採決するということが本当にあっていいのだろうかということを申し上げたこともございます。
これはもちろん
韓国も
批准をしておる、中国も
批准しておる。そうすると、
日本だけがしないというわけにはならぬのでしょうけれ
ども、昨日来、いろいろな
質疑の中で我が党の同僚議員も言っておろうかと思いますが、これは附帯決議とかそういう話ではなくて、
委員会の決議とかそういう話でもなくて、
日本国の
国会の意思として、二百海里の
全面適用というものをきちんとしなさいということは、
国会の決議として、国家の意思としてやっていく必要があるのではなかろうか。
そしてまた同時に、
長崎の
まき網なんかもそうですが、それによって
被害をこうむる人たちに一体どういうような手当てがなされるのか、これはなかなか技術的に難しいお話だと思いますし、外交
交渉上そういうことを言ってしまうとだめだということかもしれませんが、しかし、現実に国益を守ることによって
被害をこうむる人たちがいる。国家としてどういう対応をすべきかということはきちんと言わねばならぬであろう。
同時に、これから先の水産業の再生のあり方、
漁業基本法というお話もありますが、そういうようなものをきちんとしておくということも、今、画期的な時期に必要なことではないのかな、そういうふうに思っております。
そういうような基本認識のもとに、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしく
お願いを申し上げます。
まず、今回、竹島の問題がいろいろ言われております。私
どもも、山陰でございますから、竹島どうするのだということをいろいろお話を聞きま
す。北方四島の場合には、これは主管官庁が総理府ということになっておって、総理府設置法にもこの役所がそれをやるのだよということが書いてある。しかし、竹島をどこの役所がやるのだねというと、これは法律にはどこにも書いていないし、どの役所の設置法にもそれは書いていないのではないかというふうに私は思っておるのです。竹島をどうするのだということ、これは私
どもの国として、先ほどの議員の質問にもございましたが、
我が国はどういう姿勢で
韓国に向かって外交
交渉をしていくか。
私は、必要なことは、確かに私
どもの国が
韓国に多大な御迷惑をかけたことも事実でありましょう、そういう過去の贖罪というものをやっていかねばならないということも私はある面正当だと思う。しかしながら、そのツケを
漁民に回していいという話には私は絶対にならないだろうというふうに思っておるのですね。
そうしますと、これは
韓国の人から聞いた話ですが、何で
韓国がこんなに強く出てきたのだろうか。竹島というのは何か聞くところによると日比谷公園ぐらいの面積なのだそうですね。広いのか狭いのか、とにかくかなり、岩ではないわけだ、もうとにかく島ですよ。そこにもう
韓国の国旗をどんとこう据えて、まあ
日本人には考えられない。そしてまた、あそこは私
どもの領土であるという歌が大変
韓国ではやったということもある。それはもう
国民運動的なものが
展開されておる。総選挙の前だったということもあるでしょう。同時に、もう
一つは、やはり北朝鮮ということを抜きにして
韓国の
国民の感情ということを語ることは非常に難しい、理解することは難しい、私
ども日本人にはよくわからないことですが。しかしながら、例えば
日本が北鮮に対して米の援助をする、何で
韓国の頭越しにそんなことをやるのだというようなことも
韓国民にとっては非常にアピールしやすい、そういうような
状況であったのだろうなというふうに思うのですね。
二点ほどお尋ねしたいのですが、
我が国は
韓国に対して、そしてまた中国に対してどういうような姿勢で臨むべきであるかというふうに
漁民の方々はお思いであるかということが第一点、これは皆様にお尋ねをいたしたい。
それからもう
一つは、どういうふうに線を引くかということであります。つまり、竹島というものを
日本の領土として線を引く、向こうは向こうの領土として線を引く、そうすると重なる
部分が出てきますよね。その
部分を一体どういうふうにしたらいいのか。私
どもは
日本の領土として線を引きたい、しかしながら、向こうも自分の領土として線を引くでしょう。そういう場合に重なる
部分、そこにどれだけの
漁獲があり、どれぐらいの利益がどのようにして守られるべきとお考えか。一番最後の
部分は
吉岡さんにお尋ねしたいのですが、その前の
部分は皆様にお尋ねをいたしたいと存じます。