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石破委員 それでは、別の質問に移りたいと思いますが、とにかく今やらなければいけないことは景気を回復させなければいけないということですね、これは与野党とも一緒の認識です。それはもう、住専の問題が
解決すれば景気が回復するなんというそんな簡単な話ではないわけで、景気の回復というのは今まで、公共
事業をやるとか公定歩合を下げるとか減税をするとかいろいろなことをやってきましたが、どうもどれもこれも効果がなさそうだ。それはもう一度うも構造的にそういうふうなときになってしまったのでしょう。これ以上国債を出しますと本当に価格が暴落するということが起こりますから、これ以上国債を出せるような
状況だとは思いませんし、公共
事業がそんなに拡大するということは次の
時代に物すごく大きなツケを残すことになるのではないかというふうに思うのです。減税をしてみたところで、それは貯蓄に回ってしまってなかなか
投資には回らない、公定歩合はこれ以上下がらないということだろうと思うのですよ。
そうしますと、これから先本当に景気を回復させるかぎというのは、やはり私は
住宅産業ということにならざるを得ないだろう、ほかにもいろいろありますが、一番ベースになるのは
住宅なのだろうというふうに思っているのです。ありとあらゆる
政策がそこへ収れんをしていくということが、私は、
観点としてなければならない。
もう
一つは、私いつも申し上げるのですけれ
ども、一番我々が視野に入れて
考えなければいけないのは、二〇二五年という年だろうと思っているのです。二〇二五年というのはどういう年かと言えば、地球の人口が最大になる年であり、くしくもその年は
日本の高齢化比率が最大になる年だと言われています。私もそのときは六十九歳になっていますから、三十年も先の話ですが、そういうような世代になってしまうわけですけれ
ども、それを避けるがためには、いろいろな手がありますが、どうしても子供の数をふやしていくということを
考えなければいかぬ。
私、昔厚生
委員会におりましたときに、子供の数というのは一体何に関係があるのだということを厚生省にお調べをいただいたことがあります。では、共稼ぎが多いから子供の数が少ないのかというとそうでもないのです。我々鳥取県なんというのは、婦人就業率が
全国で一位とか二位とかそういうところですが、出生率は
全国で第四位みたいな話です。では所得なのかというと、所得が一番高いのは当然
東京都、一番低いのは残念ながら沖縄県です。だけれ
ども、子供の数が一番多いのは実は沖縄県である、
東京はそんなに高くないということがある。所得というのもどうも関係がなさそうだねということになると、では何が関係あるのかということでいろいろなものを調べてみたら、やはり
住宅なんですね。
住宅の広さというものが子供の数と一番の相関関係を持っているということを、七、八年前でしょうか、教えていただいたことがある。
そうしますと、景気の回復ということ、そしてまたこれから高齢化対応ということ、いろいろなことを
考え合わせてみまして、これから先
住宅というものを
考えていかなければならぬだろう。
住宅産業というものを
考えましたときに、何でこれを
森林三法の話と絡めて言っているかというと、とにかく家が建たなきゃ
木材なんか出ないのです。どうやって家を建てるか。そして、もう確かに内装とかいろいろな話はありますが、これは基本的にやはり一戸建ての
住宅というものをたくさん供給していかねばならぬであろう。
そして、阪神大震災のときに問題になったのは、何かあったときに、関係の衝にある者が鎌倉に住んでいるとか船橋に住んでいるとか、そういう話で全然近場にいない。やはり近いところにちゃんとした一戸建ての
住宅を、宅地を供給しながらやっていくということがどうしても必要なことなんだろうというふうに思っておるところでございます。
さて、今規制緩和、規制緩和と言われておって、橋本
内閣の最大の課題は規制緩和であるということを総理も本
会議における所信表明で述べられたことでございました。そこで、この間規制緩和計画の
見直しというものがあって、大変に大部なものが出てまいりました。では農林水産省の関係ではどうなんだろうかというと、いろいろな規制緩和がありますね。価格
政策の問題もございますが、同時に、
住宅供給について、
生産緑地の問題や市街化調整区域の線引きの
見直し、そういうものも行政改革
委員会から出ている。そして、それはさすがに措置済みというふうにはなっていないけれ
ども、一応措置をしたということになっている。しかしながら、それがドラスチックに展開されているかというと、どうもそうでもなさそうだ。
それをやることはいろいろな問題はあるだろうと思いますよ。しかしながら、バブルというものが起こった
一つの遠因には、やはり私は土地
政策というものがあるだろうと思っている。プラザ合意があって金融が緩和されて、サラリーマンの所得がふえて、では何が起こったかというと、しかし、サラリーマンの所得で買えるほど土地は安くなかったということですよね。
そうしますと、それがおうちに行かないで、預金に回っていった、株に回っていった。その
お金はどうなったかというと、不動産会社に行ったり住専に行ったり、それがすべてだというような牽強付会的な
議論をするつもりは私はありませんが、やはり
住宅政策というものとバブルというも
のは密接な関係があったんだろうなというふうに私は思っておるわけでございます。
さて、
大臣、政治家として、これから先の
住宅政策というものはどうあるべきなんだろう。これは建設
大臣の所管だというふうにおっしゃるかもしれないけれ
ども、これは家を建てるということと必ず密接な関係があることなんですよ。そして、宅地がなければ家は建たない。そのときには市街化調整区域をどうするかという話が必ず出てくる。しかし、そこを
見直してしまったら
農協はどうなってしまうんだという話が当然出てくるでしょう。
だけれ
ども、今回のいろいろな系統金融機関の問題を見てみますと、住専にどんと貸してしまったなんというのはやはり都会の
農協なんですね。私
どもの方は、残念、いや幸運なことにと言うべきでしょうな、ほとんど貸してはおりません。都市の系統のあり方というものは
議論をしなければいけない。それは今は置きます。
大臣、政治家として、これから先の
住宅政策、それはどういうふうにあるべきだというふうにお思いになっていらっしゃいますか。