○振角説明員 お答えいたします。
主に二点の
指摘を受けたかと思っております。
一つは、
総量規制が不動産不況を招いたんじゃないかということについてどう
考えているのかという点が第一点、それと、今回の大口
貸出先リストによっていろいろ影響が出ているんじゃないかという点が一点かというふうに思っております。
まず最初の
総量規制の話でございますけれども、
先ほど先生は
総量規制通達のことを具体的な文章を挙げつつ御説明になりましたけれども、まさしくそこに、
総量規制通達に書いてありますように、当時の地価動向を見ますと、「大阪圏で著しい地価上昇が続いているほか、名古屋圏でも
かなりの地価上昇がみられ、また、
地方圏においても著しい地価上昇又は
かなりの地価上昇を示す都市が相当数に上るなど、地価上昇の
地方への波及傾向が一段と強まっている
状況にある。」ということで、こうした中において土地問題が大きな社会問題となっておるということでございまして、その当時は、土地
基本法というのができまして、全般的に
政府としても挙げて土地問題について取り組んでいこうということでございまして、その中において金融行政においても何かできないかということでございまして、当時の海部総理等の指示を受けまして、当時大蔵
大臣をしていたのは橋本でございますけれども、何かできないかということでぎりぎり
考えたところが土地の
総量規制ということでございます。
それ以前にもいろいろな
通達の発出とか特別ヒアリングの実施等を通じまして投機的な土地取引に係る
融資を厳に排除すべく
指導してきておったのですけれども、それでもまだ効果が上がらないという
状況下において、
政府全体として取り組むということの中におきまして
総量規制通達をやっておりまして、その当時におきましても、公共的な宅地開発は除こうとかいろいろ配慮しておる中でそういう
措置をとったことでありまして、当時の
状況にかんがみますとやむを得ないというか、そういうことではないかということで、橋本総理もその旨国会等で答弁しているところでございますけれども、確かにその後急激な地価下落を招いたことは事実でございまして、大蔵省としても、今後そういう
経済実態の的確な把握と適切な
政策決定に心がけるようにしていきたいと思っております。それが第一点でございます。
第二点の方は、今回の特に五十社等の大口
貸出先の実名公表につきまして、中には優良な借り手もいるのでそこに迷惑がかかっているじゃないかという御
指摘かと思います。
先ほど先生が冒頭に
指摘されましたように、今回につきましては、
国民の
税金を投入したということもありまして、国会等あるいは
国民から資料開示をできるだけやるようにという強い要請を受けておるところでございまして、今回の大口
貸出先リストにつきましては、本年二月一日に衆議院議長からいわゆる議院証言法に基づきまして大蔵
大臣に対して提出要求がありまして、それに対して内閣としていろいろ検討しましたが、内部の承認を得た上で衆議院議長に対して提出したものでございまして、
政府としては、今回のいろいろな処理方策の実情にかんがみまして、国会の国政
調査権に対してはできる限り協力するべき立場にあるというのが
基本的な姿勢でございますけれども、先生御
指摘がありましたように、個人のプライバシーとか、取引先に迷惑をかけてはいけないということで、
住専、金融専門会社七社上位の貸付先実名リスト等の提出に当たりましては、不良債権額とかあるいは
損失見込み額がゼロの貸付先については二つの星、また
損失見込み額がゼロの貸付先については
一つの星印を付すなど、
信用の
確保に十分配慮するとともに、国会に対してもプライバシーや
信用の保護が十分に
確保されるよう特段の配慮をお願いしたいというふうに我々としては要望しましたけれども、あくまでも国会に対しての提出資料でございますので、その上で国会がどう公表されるかは国会の御
判断にお任せしますということでございまして、我々としてもいろいろな
状況は聞いておりますので、今後とも
住専問題をめぐる情報の開示につきましては、プライバシーや
信用の保護が十分に
確保されるよう引き続き努力をしてまいりたいというふうに
考えておる次第でございます。