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愛知委員 新進党の
愛知和男でございます。
新進党を代表して
質疑をさせていただきますが、私は、今たまたま新進党の中で政審会長をいたしております。このような立場の私が、偉そうなことを言うわけではありませんけれ
ども、こういうところで
質疑をさせていただくというのも若干異例でございます。あえてやらせていただくことになりましたのは、この
NPO法案というものに対して、私
ども新進党がいかにこれを重要視しているかということを世間にも知っていただきたいという
意味も込めまして、あえて
質疑に立たせていただいたのでございまして、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
また、この機会に
委員長を初め
与党の
理事の
皆様方にもお礼を申し上げたいと思いますが、この
NPO法案、実は
与党の方から案が出ているわけではない。この時点で、私
どもの案をこの
委員会で取り上げていただきまして、こうして公式の場で
質疑をさせていただく、取り上げていただくということになりました。
委員長の大変な御配慮があったものと思います。この機会に厚く御礼を申し上げさせていただきます。
また、
提案者の
河村議員を初め皆さん、今日まで御苦労さまでございました。ようやくここまでこぎつけたということかと思いますが、むしろこれからがまた本番ということかと思います。ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、今日まで、若手の皆さんがこうして
法案を
提案するというところに至るまで、大変な御苦労をされたと伺っております。
これは、世間でよくあることでございますが、いわばパフォーマンス的にやったということではなくて、何年もかかって、もちろん
市民団体のいろいろな
意見を聞くということもそうでありますが、それのみならず、専門家の、
法律の専門家はもとより、また
行政関係者、こういう
人たちとも
意見のすり合わせを極めて綿密に丁寧にやって、そして現実的な案ということで出した、こういうふうに聞いております。こういうプロセスを踏んだということを、これも極めて高く評価するに値するものと思います。
やはり政治家は、
国民に対していろいろパフォーマンス的にアピールするということも必要ではございますが、それだけでは政治家としての役割をきちっと果たしているとは言えないわけで、やはり現実があるわけでございますから、そういう中できちっと現実を踏まえてつくり上げた案ということでございまして、私はそういう点でも高く評価をいたしたい。ぜひ今後ともそういう姿勢を忘れずに取り組んでいただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
ところで、私は
提案をされた方々と同じ立場でございますから、若干基本的なことをお伺いするということになろうかと思いますが、まずもって、私
ども新進党の立党の理念は改革ということでございまして、たゆまざる改革というのを旗印に掲げて一年半前に結党しました政党でございます。この改革という中身については、いろいろと
考え方があるいはあろうかとは思いますが、私は、結局のところ、改革というのはこの
社会全体の改革だ、それを目指しているのだと思っておりまして、政治改革、
行政改革、いろいろございますが、それも結局、最終的には、
社会そのものの仕組みを新しい時代にふさわしいように変えていくという、そこに改革の本当の
意味があるのではないかと思っているわけでございます。
今の
日本の
社会の仕組みというのは戦後できた仕組みでございます。あの敗戦という私
どもにとりましては本当につらい経験がございましたが、あれを機会に、戦争の前のいろいろな
社会の仕組みをすっかり変えて、新しい
社会の仕組みにして出発したわけでございます。
それから五十年、今日までその仕組み自体が極めて有効に機能して、仕組みが機能しただけではもちろんありません、その中で、私
どもの世代からいいますと前の世代の方々に大変な御努力をいただきました結果、今日このような
日本にすることができた。そういうことに関しましては、私
ども、特に若い世代に所属をする者は
感謝の
気持ちでいっぱいでありますし、その
感謝を忘れてはいけない、こう思います。
五十年たって、
日本の
社会、
日本の立場というのは内外ともにすっかり変わってしまった。敗戦直後は食べる物にも困るような
日本の国内の状況でございました。
世界の中でも
日本は大変かわいそうな国だと同情をされたわけでありました。また、
世界そのものも東西対決ということで厳しい対決の様相でございました。
今日どうなったかといいますと、我が
日本は、食べ物に困るどころかあちこちに食べ物が余っている、そういうような状況でございますし、いわゆるベーシック・ヒューマン・ニーズといいましょうか、
人間が生きていくための最低限のことはまず全国どこへ行っても整ったという状況にもなりましたし、
世界の中での
日本の立場ももう有数の大国の一つになった。
世界の国々から同情されるどころか、
日本という国はむしろうらやましがられるというか、まあ場合によっては余り好まれない、憎まれてしまうような、そういうような存在になった。
世界そのものも、東西対決はすっかりなくなってしまって全く新しい様相になった。
こういうように内外ともにすっかり変わった状況になったわけですから、
日本の
社会の仕組み全体も時代にかなった新しい形に改革をしていかなければいけない、これが私
どもの党の掲げた改革というものの最終的な
意味であると思っているわけでございまして、その役割をこれから党として果たしていきたい。
確かに、世の中の仕組みが一度できますと、それを変えるというのは容易なことではございません。その仕組みの中でそれぞれの立場を築いてこられた方があちこちにいるわけですから、変えるとなりますと立場が変わる、また一からやり直さなければならないということもあるでしょう。したがって、口で言う改革というのは簡単でございます。口で言うのは簡単ですけれ
ども、実際にそれを実のあるものにし実行していくということは容易なことではないわけでありまして、時には痛みを伴う、多くの方々の反対をあえて乗り越えていかなければならない、そういう課題だと思うのでございまして、改革というのは容易なことではない。しかし、それをやらなければこの
日本は将来だめになってしまう。
私
ども現代に生きる者の役割というのは、今私
どもがいい目に会うということは、大いに困った方々を助け、またよりよい状況を目指して頑張るということはもちろん否定するわけではありませんが、それでは、私
どもの次の世代に続く者のことを考えなくてもいいのか。それはいけないのでありまして、やはり
人間として生きていく以上、今生きている我々がよければいいということだけでやっていたのでは、これは生きる資格がないとすら思うわけであります。
私
ども、特に政治家は、常に私
どもに続く世代の
人たちのことを考えながら今何をするかという視点が大変大事だと思うのでございまして、改革という私
どもが言っている中身にはこういうことも大きくあるということを私は思うのでございます。
まあちょっと演説が長くなりましたけれ
ども、まず基本的にお伺いをしておきたいのは、この改革という私
どもが掲げております基本的な理念の中で、今回のこの
NPO法案をどう
位置づけておられるのか、意義づけておられるのか、このことをお伺いしておきたいと思います。