○戸谷
説明員 お答えいたします。
恩給欠格者の問題でございます。この問題は、私どもいつも申し上げているように、国のために家族を残し危険な戦務に従事されましたそういう
方々が、軍歴期間が短いということでございまして旧軍人軍属として年金恩給、こういうものを受給できない、そういう
方々が国に対していろいろな何らかの措置を求めてきた、そういう問題でございます。
この問題におきましては、
先生御案内のとおり過去に戦後処理問題
懇談会というのがございまして、そこにおきまして慎重な検討が重ねられまして、その検討結果では、もはや国において措置すべきものはない、しかし関係者に対し衷心から慰藉の念を示すための事業を行う特別の基金を創設すべきであると御提言をいただいたところでございます。この提言の
趣旨に沿いまして、政府としては、平和祈念事業特別基金という基金を設立いたしまして、関係者に慰藉の念を示す事業を現在行っているところでございます。
事業そのものにつきましては、まず恩給欠格者の
方々について、御労苦を後世に伝えるための資料収集、調査研究、展示、このような事業を行うとともに、運営
委員会の御議論を経まして、国として個々の
方々に慰藉の念を示すため、外地勤務で加算年を含めて三年以上、そういう資格要件を満たされる方につきましては書状、銀杯並びに慰労の品を贈呈する、また
平成七年度からは、書状、銀杯につきましては外地の勤務があれば加算三年以上なくても実役一年で贈呈するというような方途をとっているところでございます。また、
平成八年度の予算の中では、これまで対象とされておりませんでした内地勤務者につきましても、加算三年以上の勤務年限があれば、書状だけでございますが贈呈を行うというような制度改善をお願いしているところでございます。
私どもとしては、このような基金法に定める事業を適切に推進することにより、関係者の心情にこたえてまいりたいというふうに考えております。
それから、
先生の方から一時金というようなものはどうかという
お話があったわけでございますが、これも
先生御案内のとおり、既に恩給制度の枠内で実在職三年以上あるいは合算して三年以上の方につきまして一時恩給あるいは断続一時金というような措置がなされてきているところでございます。
先ほどの戦後処理問題
懇談会も、そのような中で慎重に検討を重ねたわけでございますが、それについて国において措置すべきものはないというようなところで、関係者に慰藉の念を示す事業を実施するというふうな結論をいただいているところでございます。
したがいまして、私どもといたしましては、今後とも基金法に定める事業、これを適切に推進するということで関係者の心情にこたえてまいる、そのように考えております。以上でございます。