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山元委員 これはきょうテーマではありませんけれ
ども、問題意識を持ってほしいと思うのですが、
公益法人というのは現在二万五千以上あるわけですね。どんどんふえつつあるわけです。そしてそれを調べてみると、ここへの
天下りというのはすさまじいものがあるわけです。
例えば、建築関係のある財団法人を見てみますと、従業員が七十一人です。七十一人の財団法人で、これは建築確認の申請の
仕事をしているわけですが、七十一人。役員が十一人いるのです。その十一人のうち九名が建設省のOBなのですね。そして、言葉を一番悪く言うと、好きなようにそういう建築確認の
仕事を差配をしているわけです。
二万五千ある
公益法人全部だとは言いませんし、押しなべていいかげんだというふうに言えば語弊がありますから言いませんけれ
ども、
公益法人への
天下りについては
人事院としてもこれから考えるということにならないと、やはり
公務員の綱紀といいますか
行政のゆがみというものがひどくなっていくだろうというふうに思いますから、これはぜひ、あとは、詳しく
お尋ねしょうと思ったのですが、監察局には
お尋ねしません、時間がありませんから。ですから、問題意識をぜひ
人事院としてもお持ちをいただきたいというふうに思います。
そこで、事実を幾つか言いましたけれ
ども、今世論も大変大きな
批判を持っているし、私たちも問題意識、特に私の立場で言いますと
政治改革プロジェクトで問題意識を持っているのです。けれ
ども、ここにも「官僚」という言葉が使ってありますけれ
ども、たくさんいらっしゃるわけです。
私は、
天下りとか再就職が悪だとか何だ、そういうことは思っていないわけです。けれ
ども、今の
状況というのは何とか
解決しなければならぬ。その
解決をして、
公務員の
皆さんに誇りも持っていただきたいし、生きがいも持ってほしいし、
長官がおっしゃるように士気高らかに
仕事をしてほしいというふうに思いますよ。
私は、特殊法人のことを整理をしておるときに、特殊法人にお勤めになっていらっしゃる方に泣かれたのです、うちの息子が学校へ行って、おまえのところの父ちゃん特殊法人に行ってはるのやなといっていじめに遭うと。特殊法人を論議すると特殊法人すべてが悪だ、そんなことではなしに、本当に
公務員が生き生きと
仕事をする、そして再就職も第二の生きがいを求めて堂々と行ける、こういう日本の
公務員のあり方というものをつくらなければいけないんだというふうに思うのです。
それで、それには具体的にどうだということです。幾つかの論議を今まで私も耳にしましたし、私も考えました。
例えば、Ⅰ種の採用定員を半分にしろと。半分にして、ずっとピラミッド型になっていって、途中からこう、転げ落ちるといったらぐあいが悪い、この構図をできるだけ小さくするというためにも採用人員を半分にせいという意見が一方でありました。一方では、五倍にせいという論議があるのです。みんなに、本当に競い合っていい
仕事ができる者が責任ある立場に立っていくというふうに、
公務員のⅠ種を五倍にせいという意見がありました。なかなか難しいだろうと思うのです。さきがけの
皆さんは、一括採用をして省帰属意識をなくして、そして、本当に国の
行政をしておるんだという意識をみんなが持ってやればいいという御提案もあります。
私は、
一つ、私がいつも今まで言ってきたことで、これも
人事院から御意見を聞きたいのですが、やはり
退職年齢を引き上げることが大事なのではないかというふうに思うのですね。
先ほ
ども宮路先生からもありましたけれ
ども、確かに、
局長クラスになると五十三、四歳だ、
事務次官でも五十五、六歳だ。そうして下の人はもっと若いわけですから、五十前後でしりが浮いてしまうというようなことでは、これはとてもじゃないがよくない。日本の
行政最高の頭脳を持っていらっしゃる方々、最高の経験を持った
人たちが五十前になってもうしりが浮いてくるというようなことでは、これは日本の国にとっても損失ですし、そしてやはり本人さんが一番つらいだろうというふうに思うのですね。そういう
意味からいうと、
退職年齢を引き上げていく必要があるんだというふうに思うのです。
それで、その方法としては、一遍にもうやりなよ、
定年は六十だぞといったら、これは大変なことになると思うのですね。ですから私が言っているのは、例えばことし課長が、まあ数はわかりませんけれ
ども、
退職予定が百人いるとしたら、三十人にお前はもう一年頑張れと、次、来年もまた三分の一は頑張れというと、三年に一年の
退職年齢の引き上げということはできるではないか、こういうふうに思うのですよ。それは技術的にはいろいろ難しいわけですけれ
ども、やはり対策を考えて
退職年齢を引き上げることが、息が長いけれ
ども根本の問題ではないかという気がするのです。
もちろんポストが膨らんできますから、だからポストの問題も考えなければなりません。ラインとスタッフの問題もありましょうし、シンクタンクをつくるという問題もありましょうし、給与体系を、私は教師出身ですけれ
ども、ずっと給料が上がっていって、途中から折れ曲がってきて、試験を受けて教頭になるとぴゅっと上のレールに乗って上がるのです。それでまた折れ曲がってくると、校長になるとぴゅっと上がるのですね。
公務員の
皆さんも、わしはそんな管理職にならぬ、この専門職でいくのやといったら、ずっと折れ曲がってもいい給与体系というのはやはり考える必要があるのではないか。ずっとてっぺんまで行くという、そういうことで、途中から転げ落ちていくということではいかぬのと違うかということを
一つ考えなければならぬ。
賃金体系の問題とポストの問題と、もう
一つはやはり
退職勧奨というのを、さっき
長官もおっしゃいましたけれ
ども、
退職勧奨で若くやめたらどんといくよというようなことはやめて、頑張りなさいよという方が正道ではないかというふうに思うのですが、そういう点についてどうでしょうか、
人事院、
検討するということ、私が言ったのは暴論なのでしょうか。いかがですか。