○古賀(一)
委員 大臣の御決意、全く私もそう
思います。今、リーディング産業としての情報分野という話を特に強調されたと思うのですが、私は、
大臣の
思いも
郵政省の
思いも全く同じだと思うのでありますけれ
ども、きのうおっしゃいました「社会構造改革の切り札」という言葉は、恐らく、いわゆる需要とか雇用とか、あるいは設備投資とか、そういう問題だけではない、今
大臣がおっしゃいました高齢化社会とか、そういうものを、古い秩序を切り開いていくその突破口だという
思いだと思うのです。私も全くこれは同感でございまして、これは
質問ではございませんが、後ほどいろいろ申し上げまずけれ
ども、情報化による
日本のいわゆる隘路打開というか、あるいは社会構造、
経済構造改革という切り口で
郵政省はもっと分析をされ、マスコミ等も通じて発信をすべきではないかと私は思うのです。
後ほど
予算制度の話も申し上げますけれ
ども、今
大臣が、同じパターンではだめだ、あるいは新しい秩序をつくっていかなければならない、こうおつしゃいましたけれ
ども、現下の
平成八年度の
予算、特にこの
情報通信の
予算を見ましても、後ほど申し上げますけれ
ども、これは、やはり古いパラダイムというか、古い秩序そのものだと私は思うのですよ。そういう
意味で、やはりそれを変えていく。その突破口はこの
情報通信分野だし、それは
情報通信分野という狭い分野だけでなしに、教育問題、あるいは政治改革そのものだって、選挙
制度が変わりましたけれ
ども、今度は情報化という切り口でやっていったら、
日本の政治は変わると思っているのです。このすべての
委員会の
審議状況を
国民がテレビを通じてアクセスできるならば、
日本の政治は一発で変わると私は思うのです。そういうことも、昨年本を書いたわけでありますけれ
ども、そういう
意味で、多様な各分野における構造改革、そういうものの戦略的な手段として情報化がこれだけ役立つというアピールを、ぜひ
郵政省は勉強をされまして世に問うていただきたい、私はこういう
思いが大変強うございます。
地方分権一つとってもそうですね。もうこの十年、二十年、地方分権が必要だ、地方の時代だと言っておりますけれ
ども、全然変わらない。変わらないと断言してもいいぐらい変わっていないと思うのです。それはそうです。地方には人材がいない、人材が育っていない、権限を渡したってどうせだめだろうという論議と、いや、まず権限を渡してくれれば、あるいは財源を渡してくれれば何とかなるという論議がずっと空回りをしてきたのですね。これだってこの情報化で、とりわけ行政情報あるいは
国会情報を地方自治体があまねくとれるならば、地方自治体というのはあっという間に実は変わってくると私は思うのです。
そういう
意味で、冒頭、社会構造改革の切り札として情報化戦略あるいは
情報通信施策が何をなし得るかという点について、ぜひとも
郵政省を挙げて検討と、対外的な発信といいますか、これを私はお願いを申し上げたいと
思います。
二番目の
質問に移りたいと
思います。
これとよく似た話でありますけれ
ども、きょうの午前中の
質問で、
小沢鋭仁議員の方からも国家的プロジェクトという言葉が出ておったように
思いますが、高度情報化と国際化という大きい波が来るわけでありますけれ
ども、そういう中にあって、私は、国家的な戦略プロジェクトだろうと思うのですよ。
アメリカのNII、例のゴア、クリントンが私より年が一つ上で、ゴアが一つ下ということで、ちょうど私は真ん中の世代になるわけであります。三年前ですか、彼がNII構想を出したとき、確かに
日本からも、
郵政省から、情報スーパーハイウエー構想というのは何だということで、その
報告を、当時新生党でございましたけれ
ども、
報告を受けたことがございます。あのとき、
郵政省の幹部の方がかなりショッキングなものに触れて、アメリカのすごい構想があるということを、興奮といいますか、一つのインパクトを受けて帰って、我々
報告を受けたことを
思い出しますけれ
ども、このNIIをとっても、ナショナル・インフォメーション・システムでもないし、ネットワークでもないのですね。インフラストラクチャーなんですね、NIIと。
このインフラストラクチャーという言葉を、私は別にゴアさんに聞いたわけじゃないのですけれ
ども、なぜネットワークとかシステムとかつけずにインフラストラクチャーとつけたかというと、恐らくこれからの二十一世紀のアメリカの基礎構造だ、単に
情報通信の
世界をどうするという話だけではない、結局アメリカの社会構造あるいは
経済構造も変える基幹部分がこのNIIだ、情報だということで、私はインフラストラクチャーという言葉をつけたのじゃないかと勝手に推測しておるわけでございますが、そういう面で私は、今般の
予算を見ましても、いろいろなものを見ましても、いわゆるこの情報化戦略というものが国家プロジェクトとしてまだまだ
認識されていない、それにはほど遠いという感じを強く持ちます。
ちなみに、去年の十一月二十九日、
日本でも、格でいえばトップクラスの例の
経済審議会、生活大国五か年計画をフォローするような
意味合いだそうでございますが、「構造改革のための
経済社会計画」と、ちゃんと「構造改革のための」という形容詞がついておるわけでございますが、このための
経済計画をつくられた。私は、これをひもといて見てみました。そうしたら、数少ない高度
通信にかかわる記述がございまして、こう書いてあります。「高度
情報通信社会構築の意義」と、タイトルは大したものです。ところが、書き出しが「オンラインショッピングや電子出版物など、従来は無かった新たな
サービスを」云々と、ここから始まるのですね。私はこういうものじゃないと思うのです。
経済計画にしてこうでございます。しかも、そのタイトルは「構造改革のための」と銘打った
経済審議会のこの
答申においてすらこの
程度の位置づけだというのに、私はちょっと驚いたのですね。
もう一つは、これも高度
情報通信社会
推進本部というのがおととしできた。去年二月に
報告を出されました。基本
方針というのが書いてございます、七つの行動原則。ここに、手元に見させていただいたものがございますけれ
ども、これは総理
大臣が本
部長、ここの記述も、これからの高度
情報通信社会の行動原則も「社会的弱者への配慮」とか「誰もが
情報通信の
高度化の便益を安心して享受できる」とか、こういう七原則が書いてあるのですね。
私は、とりわけ
経済が不透明である、時代の変わり目だ、途上国の追い上げはすごい、
日本の財政も年金もいろいろなものが今険路に立って先行きが見えない、そういう社会の中での唯一のリーディング産業でもあり、ほかへいろいろなインパクトを持ち得るこの情報化でございますから、
経済計画等でこれだけの位置づけであるということに、一つの危機といいますか心配を覚えるわけでございます。
この点につきまして、私は
大臣に、今後その情報化戦略の持つ
意味を踏まえて、今後
政府部内において、
政府を挙げてこれをもっと、NII構想以上とは言いませんけれ
ども、これに負けないような位置づけで
推進していくというお
考えがあるのかどうか、この点、お伺いをしたいと
思います。