○富田
委員 多分、今の刑事
局長の
答弁では日弁連側は納得しないと思うのですね。
警察の方が一生懸命やって検挙されたのだというのはもうそのとおりだと思いますし、なかなかオープンにできないものもあるということもよくわかるのですけれ
ども、わざわざ日弁連会長がこういう会長声明を出したということは、もう少し突っ込んだ
捜査情報の提供があってもいいんじゃないか。弁護士が拉致されたということで、日弁連もかなり
警察と協力して坂本さんの
事件についてはずっとやってきたわけで、そういう点からもこのような批判が出ているのじゃないかなというふうに私自身は感じました。もう少しこういう部分に関しては弁護士会とも協力して、もう一歩踏み込んだ
情報提供というのを今後は考えていただければなというふうに思います。
その件に関連してですけれ
ども、本法案の趣旨説明が行われました四月二十六日の本
会議で、我が党の山名
議員がこのように総理に
質問をしておりました。この
事件捜査の反省、教訓等、十分な検証が必要であり、その検証なくして制度の
改正のみで事足りるものと考えているなら、これは大きな間違いだ。今回の
オウム事件に対する認識、
事件の教訓、反省をどのようにとらえておられるのか、今回の
法改正で今後の
対応が十分果たせるのかというふうに山名
議員は総理に問いかけました。
それに対して、総理はこのように
答弁されました。
地下鉄サリン
事件を初めとする
一連の
オウム真理教の
関連事件は、複雑化する社会
情勢の中で生じてきた閉鎖的な集団による悪質きわまりない
組織的な
犯罪であり、善良な
国民を犠牲にした卑劣な
事件だと思っております。
この
オウム真理教関連事件の
犯罪としての特徴は、高度な科学技術を悪用したことであり、
組織的に証拠隠滅を図り、
全国の広範な区域に犯行が及んだことなどでありまして、こうした原因により
捜査が難航したものと承知しております。こうした教訓を踏まえて、専門
捜査員の育成、装備、資機材の充実等、科学
捜査力の
強化のための措置を講じながら、一方では、広域
組織犯罪などに迅速かつ的確に
対応するため、今回、本
警察法の一部
改正を
お願い申し上げた次第であります。
ぱっと聞くとなるほどなと思うのですが、ちょっとこれは二通りに読めるのですね。
捜査が難航したのは
オウムがこういう、
先ほど刑事
局長もおっしゃっていましたけれ
ども、
組織的に証拠隠滅を図ったとか閉鎖的な集団であったとか科学技術を駆使したという、これまでの
犯罪にないかなり特徴的なものがあった、そのために
捜査が難航したんだ、
オウム側に主たる要因があったんだというふうに、
警察側が悪いわけじゃないよと言っているようにも聞こえるのですね。また逆に、こういうことがあったので
警察は十分な
対応ができなかったんだというふうに弁解しているようにも聞こえるのですね。ちょっと、どちらかよくわからない。
公安委員長の方から前回の
委員会で提案理由の御説明がありましたけれ
ども、提案理由の中にも、
オウム真理教関連事件の経緯にかんがみ、
都道府県警察が
広域組織犯罪等に迅速かつ的確に
対処することができるようにするため一部の
改正を提案したんだというふうになっているのですね。この「経緯にかんがみ」というのはどういう
意味なのか、ちょっと教えていただきたいのですが、
橋本総理の挙げた要因により
捜査が難航したんだという
意味しかないのか、あるいは、
警察の方にも例えば初動
捜査等にミスなりあるいは不手際があったんだ、それを反省して、法案の
改正をしなければやはり機動的な
捜査はできなかったんだというふうに考えて
改正案の提案に至ったのか、そのあたりちょっとお聞かせ願えればと思います。