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貝沼委員 そういうことだけではないのですよ。真っ先に申し上げましたように、縦割り行政がありまして、これはむだだと思っても、自治省に言われたからといってさっと削るようなことはなかなかできないのです、そうするとこっちの方から怒られますから。ですから、それは市長選挙があったとかそんなことだけじゃないのですよ。
そこで、私
ども、今公明ですが、公明の団体として
調査をいたしました。その結果、いろいろなことが言われておりますが、幾つか申し上げたいと
思います。
例えば、分権等に関する部分を見ましても、とにかくこれじゃ困る、何とかしてくれという項目、これで一番多いのが都市計画関係のことなんです。大変だ、だれも面倒を見てくれない。二番目が農地転用の関係なんですね。あるいは、三番目が保安林の指定・解除、それから四番目が医療保健・福祉、それから五番目が土地利用関係、それから六番目が下
水道事業関係、こういうのが県知事さん、市長さんの問題提起です。何とかこの部分だけでも解決してくれるなら、相当進むということだと
思います。
そこで、例えば、都市計画関係、これについては、個性的な
町づくりと言うけれ
ども、制約がある。それで、「
地域の顔である、まちづくりという最も住民に身近な行政であるにもかかわらず、建設
大臣の認可があまりにも多すぎて、
地域の個性が生かせない」そう言っています。
読売新聞ですか、あれらにも出ておりましたが、計画作成するため数省庁に延べ六十人で五十一日間出張するようなこともある。あるいは地方農政局関係でも、高さ一メートルといったら、これぐらいでしょうね、約一万枚に及ぶ資料の提出がなされなければならないので、巨大なロスがあると言っております。これが
一つの例ですね。ですから、こういうのを解決してやらないとできないのですよ、こういうのを具体的に解決してやらなければ。
それから、農地転用関係についてでございますが、農地転用の実質的な審査は県が行っておるにもかかわらず、許可までに多くの時間と協議がかかり過ぎるというのが非常に多いですね。これは確かにそうだ。それで、時間がかかり過ぎますとどういうことになるかというと、ある県では、農地を工業団地に転用して
地域活性化を図ろうとしたが、余りにも時間がかかり過ぎたために、肝心の企業を誘致したところが、もうこんなに長くかかるのでは仕事にならぬ、やめたと言って帰ってしまった。もう
地方自治体の努力が報われないのですね、これは。こういうのはたくさんあると
思いますよ。
それで、先ほどの都市計画関係でありますと、この通達に例えばこう書いてあるのですよ。「許認可等の事務手続自体について洗い直しを行い、手続の簡略化や
処理日数の短縮化等についても」ちゃんとやれ。これは、実際は
地元はやりたいのですよ。だけれ
どもできないのですよ。それを策定して計画つくれと言う方が、正しいのだけれ
ども、無理なのか無理でないのか、
実態に合わないのか、その辺をよく解いてやらないとできないということを今、僕はいいとか悪いとか言っている話ではない、
実態がそうだということ。
それからもう
一つは、農地転用の問題にいたしましても、これは時間がかかり過ぎるというのは、「行政効率、効果等を十分吟味して、事務
事業の整理合理化を図る」とあって、重点項目の真っ先の方に書いてある。それらが、困っていることをただ書いてあるみたいな話なんですね。
それから、「「保安林の指定・解除」への要望」というのがありまして、これは現場周辺の保安林を熟知している
自治体の意見を尊重すべきだ。だから、尊重されていないということであります。それから、現行では保安林の指定・解除については農林水産
大臣の許可が必要である。しかし、県の方がその内容を十分習熟しているのが
実態だ。「形式的な手続きに過ぎないにもかかわらず、許可するまでに多大な労力と時間を要しているので早急に知事に権限を移譲すべきである」ということが言われております。これもこの中にあるのですね。先ほどのと同じようにちゃんとやれと言っているのですけれ
ども、こちら側の方でリンクしているものですから、外せないのですよ。それをちゃんとしてやらないと。
それから、たくさんありますけれ
ども、幾つか申し上げますが、土地利用関係についてのことがありまして、土地利用
基本計画の総理
大臣の承認というのが必要なんですね。総理
大臣の承認というのはどういうものかと
思いますが、例えば計画策定において、
市町村長への意見照会、これをやりますね。それで、国土庁など国の関係省庁との協議を経て、まず国土庁
長官のオーケーをとる必要があるのです。その上にさらに内閣総理
大臣の承認を必要とする。もう屋上屋もいいところですね。何で国土庁
長官がやったのをわざわざ総理
大臣まで出てこなければならぬ。それなりの理由はあったと思うけれ
ども、これはちょっと屋上屋の感じがする。「協議を経たうえでの改めての承認は実質的な意義はなく、形式的なものとなっている」、これが
実態でありますから、この辺も外してやらなければなりません。
それから、下水道関係がありますね。これは幾つかありますが、例えば「公共下水道は建設省、農業集落排水は農林水産省、合併
処理浄化槽は厚生省と類似の
事業を複数官庁が別個に所管」しておる。これは事実まだやっております。昔、複合建築というものがございまして、これは私も決算
委員会で取り上げたりしましたが、当時、たしか後藤田
長官だったと
思いますが、そんなべらぼうなものは許せないといって、ぱっとやめたことがありますが、そういう、個別に所管しており、それぞれ完結した施設として
整備しなければならないようになっておる。
それで、例えば厚生省の補助でつくった合併
処理浄化槽の
処理済み排水を、
処理済みですよ、排水を道路の側溝に流すことができない。「したがって、排水処
理事業として一体的に
整備できるよう地方への権限移譲が求められている。」つまり、側溝は側溝、それから厚生省関係のものは別にまたつくらなければならない、こうなっているのですよ。
まあ、たくさんあるからやっていても何ですが、これぐらいにしておきますが、そういう要望を、どうなんでしょうか、自治省がこの通達を出しておるのですが、どうも、圧力をかけたら
数字は出てくるが、本当は余り進んでいないのじゃないか。じゃ、どうなっているのかな、どこに問題があるのかな、こういう
調査をするかと思ったら、いや、市長選挙があったからおくれたとか、そういうことなのですが、そうじやなしに、もうちょっと親切に、丁寧に
調査する、意見を聞く、要望を聞く、こういう必要があるのじゃないでしょうか。いかがですか。