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1996-06-18 第136回国会 衆議院 大蔵委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年六月十八日(火曜日)    午前十時四分開議  出席委員   委員長 久間 章生君    理事 石原 伸晃君 理事 大島 理森君    理事 金子 一義君 理事 青木 宏之君    理事 北側 一雄君 理事 村井  仁君    理事 永井 哲男君 理事 錦織  淳君       柿澤 弘治君    岸田 文雄君       熊代 昭彦君    中村正三郎君       福永 信彦君    堀之内久男君       村田 吉隆君    茂木 敏充君       山中 貞則君    井奥 貞雄君       上田 清司君    太田 昭宏君       谷口 隆義君    中田  宏君       中村 時広君    藤井 裕久君       宮地 正介君    網岡  雄君       関山 信之君    中村 正男君       早川  勝君    細谷 治通君       田中  甲君    佐々木陸海君       小森 龍邦君  出席政府委員        大蔵政務次官   鉢呂 吉雄君  委員外の出席者        議     員  河村たかし君        議     員  上田 清司君        大蔵委員会調査        室長       藤井 保憲君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十四日  辞任         補欠選任   谷口 隆義君     羽田  孜君   吉田 公一君     中野 寛成君 同日  辞任         補欠選任   中野 寛成君     吉田 公一君   羽田  孜君     谷口 隆義君 同月十六日  辞任        補欠選任   吉田 公一君     畑 英次郎君 同日  辞任        補欠選任   畑 英次郎君     吉田 公一君 同月十七日  辞任        補欠選任   岸田 文雄君     三塚  博君   上田 清司君     渡部 恒三君 同日  辞任        補欠選任   三塚  博君     岸田 文雄君   渡部 恒三君     上田 清司君 同月二十四日  辞任        補欠選任   網岡  雄君     田邊  誠君 同日  辞任        補欠選任   田邊  誠君     網岡  雄君 同月三十一日  辞任        補欠選任   網岡  雄君     田邊  誠君 同日  辞任        補欠選任   田邊  誠君     網岡  雄君 六月五日  辞任        補欠選任   岸田 文雄君     宮里 松正君   熊代 昭彦君     野中 広務君   栗本慎一郎君     川崎 二郎君   佐田玄一郎君     金田 英行君   網岡  雄君     田邊  誠君 同日  辞任        補欠選任   金田 英行君     佐田玄一郎君   川崎 二郎君     栗本慎一郎君   野中 広務君     熊代 昭彦君   宮里 松正君     岸田 文雄君   田邊  誠君     網岡  雄君 同月七日  辞任        補欠選任   網岡  雄君     田邊  誠君 同日  辞任        補欠選任   田邊  誠君     網岡  雄君 同月十二日  辞任        補欠選任   網岡  雄君     森井 忠良君 同日  辞任        補欠選任   森井 忠良君     網岡  雄君 同月十三日  辞任         補欠選任   上田 清司君     渡部 恒三君 同日  辞任         補欠選任   渡部 恒三君     上田 清司君 同月十八日  辞任        補欠選任   衛藤征士郎君     福永 信彦君 同日  辞任        補欠選任   福永 信彦君     衛藤征士郎君 六月六日  住宅地震災害保険に関する法律案(石井一君外  九名提出、衆法第五号)  住宅地震災害保険特別会計法案(石井一君外  九名提出、衆法第六号)  法人税法等の一部を改正する法律案(河村たか  し君外五名提出、衆法第七号) 五月十日  消費税廃止税制改革に関する請願(吉井英勝  君紹介)(第二二五八号)  土地登記登録免許税制抜本的改正に関する  請願(山田英介君紹介)(第二二五九号)  共済年金の制度の改革に関する請願(坂口力君  紹介)(第二二六〇号)  同(石井智君紹介)(第二二八八号)  同(林義郎君紹介)(第二二八九号)  同(福永信彦君紹介)(第二二九〇号)  同(石井智君紹介)(第二三二二号)  同外一件(玄葉光一郎君紹介)(第二三二三号  )  同(金子一義君紹介)(第二三六六号)  同(田名部匡省君紹介)(第二三六七号)  同(竹内黎一君紹介)(第二三六八号)  同(野田聖子君紹介)(第二三六九号)  同(野田実君紹介)(第二三七〇号)  同(竹内黎一君紹介)(第二三八二号)  同(根本匠君紹介)(第二三八三号)  インドネシアヘの原発輸出に対する日本輸出入  銀行の融資反対等に関する請願(小森龍邦君紹  介)(第二二六一号)  消費税の廃止に関する請願(松本善明君紹介)  (第二三二四号) 同月十七日  共済年金の制度の改革に関する請願(根本匠君  紹介)(第二四一三号)  同(大石千八君紹介)(第二四八〇号)  同(河村建夫君紹介)(第二四八一号)  同外一件(熊谷弘君紹介)(第二四八二号)  同(岡田克也君紹介)(第二五一〇号)  同(岸本光造君紹介)(第二五一一号)  同(高村正彦君紹介)(第二五一二号)  同(野田実君紹介)(第二五一三号)  同(野呂昭彦君紹介)(第二五一四号)  同(柳沢伯夫君紹介)(第二五一五号)  同(山本拓君紹介)(第二五一六号)  同(石井智君紹介)(第二五六九号)  同(大石千八君紹介)(第二五七〇号)  同(大島理森君紹介)(第二五七一号)  同(河村建夫君紹介)(第二五七二号)  同(野田実君紹介)(第二五七三号)  同(三ッ林弥太郎君紹介)(第二五七四号)  同(森喜朗君紹介)(第二五七五号)  同(柳沢伯夫君紹介)(第二五七六号)  インドネシアへの原発輸出に対する日本輸出入  銀行の融資反対等に関する請願(穀田恵二君紹  介)(第二四一四号)  同(寺前巖君紹介)(第二四一五号)  同(東中光雄君紹介)(第二四六〇号)  同(矢島恒夫君紹介)(第二四八三号)  同(岩佐恵美君紹介)(第二五一九号)  同(岡崎宏美君紹介)(第二五二〇号)  同(佐々木陸海君紹介)(第二五二一号)  同(不破哲三君紹介)(第二五二二号)  同(藤田スミ君紹介)(第二五二三号)  同(正森成二君紹介)(第二五二四号)  同(山原健二郎君紹介)(第二五二五号)  同(吉井英勝君紹介)(第二五二六号)  消費税増税の中止、消費税の廃止に関する請願  (吉井英勝君紹介)(第二五一七号)  消費税の増税中止・廃止に関する請願(古堅実  吉君紹介)(第二五一八号) 同月二十八日  共済年金の制度の改革に関する請願(相沢英之  君紹介)(第二五九五号)  同(奥田敬和君紹介)(第二五九六号)  同(笹木竜三君紹介)(第二五九七号)  同外二件(津島雄二君紹介)(第二五九八号)  同(野田実君紹介)(第二五九九号)  同(宮里松正君紹介)(第二六〇〇号)  同(山下八洲夫君紹介)(第二六〇一号)  同(安倍基雄君紹介)(第二六四〇号)  同(今村修君紹介)(第二六四一号)  同(嶋崎譲君紹介)(第二六四二号)  同(田名部匡省君紹介)(第二六四三号)  同(野田実君紹介)(第二六四四号)  同(山下八洲夫君紹介)(第二六四五号)  同(安倍基雄君紹介)(第二六六三号)  同(今村修君紹介)(第二六六四号)  同(田名部匡省君紹介)(第二六六五号)  同(仲村正治君紹介)(第二六六六号)  同(松前仰君紹介)(第二六六七号)  同(今村修君紹介)(第二六七二号)  同(大口善徳君紹介)(第二六七三号)  同(大島理森君紹介)(第二六七四号)  同(瓦力君紹介)(第二六七五号)  同(西銘順治君紹介)(第二六七六号)  同(平泉渉君紹介)(第二六七七号)  同(柳沢伯夫君紹介)(第二六七八号)  同(奥野誠亮君紹介)(第二七〇三号)  同(岸本光造君紹介)(第二七〇四号)  同(坂本三十次君紹介)(第二七〇五号)  同(杉山憲夫君紹介)(第二七〇六号)  同(田野瀬良太郎君紹介)(第二七〇七号)  同(田村元君紹介)(第二七〇八号)  同(高市早苗君紹介)(第二七〇九号)  同(中島洋次郎君紹介)(第二七一〇号)  同(杉山憲夫君紹介)(第二七四九号)  消費税増税の中止、消費税の廃止に関する請願  (佐々木陸海君紹介)(第二六〇二号)  同(中島武敏君紹介)(第二七三〇号)  インドネシアへの原発輸出に対する日本輸出入  銀行の融資反対等に関する請願(今村修君紹介  )(第二六〇三号)  同(濱田健一君紹介)(第二六〇四号)  消費税の増税反対等に関する請願(岩佐恵美君  紹介)(第二七一一号)  同(五島正規君紹介)(第二七一二号)  同(穀田恵二君紹介)(第二七一三号)  同(佐々木陸海君紹介)(第二七一四号)  同(志位和夫君紹介)(第二七一五号)  同(田口健二君紹介)(第二七一六号)  同(田邊誠君紹介)(第二七一七号)  同(寺前巖君紹介)(第二七一八号)  同(中島武敏君紹介)(第二七一九号)  同(東中光雄君紹介)(第二七二〇号)  同(不破哲三君紹介)(第二七二一号)  同(藤田スミ君紹介)(第二七二二号)  同(古堅実吉君紹介)(第二七二三号)  同(正森成二君紹介)(第二七二四号)  同(松本善明君紹介)(第二七二五号)  同(森井忠良君紹介)(第二七二六号)  同(矢島恒夫君紹介)(第二七二七号)  同(山原健二郎君紹介)(第二七二八号)  同(吉井英勝君紹介)(第二七二九号) 六月五日  共済年金の制度の改革に関する請願(越智通雄  君紹介)(第二七五八号)  同(野田実君紹介)(第二七五九号)  同(木村義雄君紹介)(第二七六九号)  同(船田元君紹介)(第二七七〇号)  同(小渕恵三君紹介)(第二八二一号)  同(二階俊博君紹介)(第二八二二号)  同(小川元君紹介)(第二八四六号)  同(木部佳昭君紹介)(第二八四七号)  同(坂口力君紹介)(第二八四八号)  同(遠藤利明君紹介)(第二八七六号)  同(浜野剛君紹介)(第二八七七号)  消費税率引き上げ中止に関する請願(岡崎宏  美君紹介)(第二八三三号)  同(小森龍邦君紹介)(第二八三四号)  同(岡崎宏美君紹介)(第二八四九号)  同(小森龍邦君紹介)(第二八五〇号)  同(岡崎宏美君紹介)(第二八七八号)  同(小森龍邦君紹介)(第二八七九号)  インドネシアヘの原発輸出に対する日本輸出入  銀行の融資反対等に関する請願(濱田健一君紹  介)(第二八八〇号) 同月十日  消費税増税の中止、消費税の廃止に関する請願  (佐々木陸海君紹介)(第二九二七号)  インドネシアへの原発輸出に対する日本輸出入  銀行の融資反対等に関する請願(金田誠一君紹  介)(第二九二八号)  共済年金の制度の改革に関する請願(石橋一弥  君紹介)(第二九四二号)  同(笹川堯君紹介)(第二九四三号)  同(原田昇左右君紹介)(第二九四四号)  同(古堅実吉君紹介)(第二九四五号)  同(牧野聖修君紹介)(第二九四六号)  同(村田敬次郎君紹介)(第二九四七号)  同(石橋一弥君紹介)(第二九八八号) 同月十一日  共済年金の制度の改革に関する請願(上原康助  君紹介)(第三〇三一号)  同(斉藤斗志二君紹介)(第三〇三二号)  同(若林正俊君紹介)(第三〇三三号)  同(斉藤斗志二君紹介)(第三一二七号)  同(谷津義男君紹介)(第三一二八号)  同(山岡賢次君紹介)(第三一二九号)  同(山口那津男君紹介)(第三一三〇号)  同(尾身幸次君紹介)(第三三一五号)  同(木部佳昭君紹介)(第三三一六号)  同(小杉隆君紹介)(第三三一七号)  同(斉藤斗志二君紹介)(第三三一八号)  消費税増税の中止、消費税の廃止に関する請願  (吉井英勝君紹介)(第三三一九号) 同月十二日  共済年金の制度の改革に関する請願(木部佳昭  君紹介)(第三五一三号)  同(佐藤泰介君紹介)(第三五一四号)  同(高橋一郎君紹介)(第三五一五号)  同(羽田孜君紹介)(第三五一六号)  同(堀込征雄君紹介)(第三五一七号)  同(伊藤英成君紹介)(第三六一五号)  同(浦野烋興君紹介)(第三六一六号)  同(狩野勝君紹介)(第三六一七号)  同(熊代昭彦君紹介)(第三六一八号)  同(古賀正浩君紹介)(第三六一九号)  同(佐藤信二君紹介)(第三六二〇号)  同(平沼赳夫君紹介)(第三六二一号)  同(宮下創平君紹介)(第三六二二号)  同(貝沼次郎君紹介)(第三七七三号)  同(古賀正浩君紹介)(第三七七四号)  同(逢沢一郎君紹介)(第三九四一号)  同(青木宏之君紹介)(第三九四二号)  同(網岡雄君紹介)(第三九四三号)  同(江崎鐵磨君紹介)(第三九四四号)  同(小沢辰男君紹介)(第三九四五号)  同(岸本光造君紹介)(第三九四六号)  同(町村信孝君紹介)(第三九四七号)  同外三件(村田吉隆君紹介)(第三九四八号)  同(石田幸四郎君紹介)(第四一〇七号)  同(稲葉大和君紹介)(第四一〇八号)  同(片岡武司君紹介)(第四一〇九号)  同(川島實君紹介)(第四一一〇号)  同(久野統一郎君紹介)(第四一一一号)  同(草川昭三君紹介)(第四一一二号)  同(高鳥修君紹介)(第四一一三号)  同(日笠勝之君紹介)(第四一一四号)  同(平林鴻三君紹介)(第四一一五号)  同(水野清君紹介)(第四一一六号)  同(江田五月君紹介)(第四二六三号)  消費税増税の中止、消費税の廃止に関する請願  (佐々木陸海君紹介)(第三五一八号)  同(岩佐恵美君紹介)(第三七七五号)  同(不破哲三君紹介)(第三七七六号)  同(矢島恒夫君紹介)(第三七七七号)  同(穀田恵二君紹介)(第三九四九号)  同(志位和夫君紹介)(第三九五〇号)  同(中島武敏君紹介)(第三九五一号)  同(古堅実吉君紹介)(第三九五二号)  同(吉井英勝君紹介)(第三九五三号)  インドネシアへの原発輸出に対する日本輸出入  銀行の融資反対等に関する請願(金田誠一君紹  介)(第三五一九号)  同(松本善明君紹介)(第三九五四号)  同(今村修君紹介)(第四一一七号)  消費税率引き上げ中止生活必需品の完全非  課税に関する請願(岩佐恵美君紹介)(第三九  四〇号)  同(草川昭三君紹介)(第四一一八号)  消費税の税率引き上げ中止に関する請願(岩佐  恵美君紹介)(第四二六四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 六月四日  税制改革連結納税制度導入に関する陳情書  (第二八四号)  ベンチャービジネス振興のための税制措置に関  する陳情書  (第二八五号)  新たな保険・共済制度創設等に関する陳情書外  五件  (第二八六号)  公共用地の先行取得及び代替地要求への対応の  ための税制措置等に関する陳情書  (第  二八七号)  日本鉄道共済年金の格差是正に関する陳情書  (第二八八号) 同月十日  不公平税制消費税率見直し等に関する陳情書  (第三五九号)  消費税率引き上げ反対等に関する陳情書外一  件  (第三六〇号)  法人税率引き下げ等税制改革に関する陳情書  (  第三六一号)  地震災害共済保険制度の創設並びに被災個人住  宅等に対する再建資金保障措置に関する陳情  書  (第三六二号)  産業の活性化に向けた金融・資本市場の空洞化  対策に関する陳情書  (第三六三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  法人税法等の一部を改正する法律案(河村たか  し君外五名提出、衆法第七号)      ――――◇―――――
  2. 久間章生

    久間委員長 これより会議を開きます。  河村たかし君外五名提出法人税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。河村たかし君。     —————————————  法人税法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 河村たかし

    ○河村(た)議員 河村たかしてございます。提案者を代表して、法人税法等の一部を改正する法律案について、提案理由概要を申し上げます。  私は、本日、平成八年六月十八日は、国家あり方と税のあり方を考える上でまことに歴史的で記念すべき日になると確信いたします。  明治以来脈々と続いた、そして戦後復興を支えてきた官僚による画一的国家運営時代を乗り越え、一人一人の人間を大切にする多様な価値観に支えられた多元的社会への移行を国会が宣言する日だからであります。  このような二十一世紀日本国家像を問う法律案が本委員会で御審議いただけることは、まず市民団体皆様、そして学者、研究者皆様、そして党派を超えまして日本の将来を考えていこうとする議員皆様の力強く、温かい、そして燃えたぎる熱い思いのおかげであると心より感謝を申し上げます。  与党皆様の御提案がなされていないにもかかわらず、こうして私どもの新進党案を御審議いただけることに対しましても、委員各位に深く御礼を申し上げます。  今、NPO法人法制定NPO関連税制制定市民自主的社会参加を促進するボランティア関連税制制定は待ったなしてございます。NPOは世のため人のために活動する民間の団体でございます。したがって、NPO財政基盤の確立のためには、世のため人のための活動の対価すなわち税金NPOに入ることが不可欠であります。  ところで、税金の入り方には二つの道があります。一つは、従来型の補助金システムであります。他方は、市民寄附金税制支援をしていく方法であります。  中央集権的補助金システムから分権的な寄附金への税制上の支援システムへの転換は、税金の使途について市民の自発的な選択に基づいた多様な世のため人のための活動主体社会に登場させることを通じて、多元的社会の誕生を実質的に資金面から担保いたします。活動実績の悪いところには市民寄附をしなくなります。公的資金配分システム市民選択という競争原理を導入することにより、効率的な国家運営すなわち小さな政府福祉社会の共存の切り札となります。NPO制度化は、新進党結党宣言以来の主張でもありますが、国民負担率を四五%ないし五〇%以内に抑制しようとの橋本行革ビジョンに魂を入れるためにも、NPO制度化、そして税制上の支援措置は不可欠であります。  以上、NPO関連税制改革は、震災で活躍したような多くのボランティア団体支援を含み、さらに本質的には、二十一世紀日本を活力に満ちた多元的社会転換するため、絶対不可欠な税制改革であります。また、寄附金への税制支援はN OP財務の徹底した公開性市民相互チェックの意識を高め、かえって租税回避を困難にするのも重要な視点であります。  さて、このたびの法人税法等の一部を改正する法律案概要でございます。  まず、第一条、第二条において、市民公益法人課税については、原則として人格のない社団等と同様としております。  次に、市民公益法人のうち事業報告書等公開を行っていること等一定要件を満たすものとして都道府県知事認定を受けたもの(以下「認定市民公益法人」という。)の課税については、税率を除き公益法人等と同様とし、これに対する寄附金は、特定公益増進法人に対するものと同様に取り扱うこととしております。  それに従い、公益法人等のうち事業報告書等公開を行っていること等一定要件を満たすものとして主務官庁認定を受けたものに対する寄附金は、特定公益増進法人に対するものと同様に取り扱うこととしております。  以上は、徹底した公開金融機関に届け出た特定口座への入金という透明度の徹底した寄附金について、公益増進に著しく寄与する寄附金と同じく解釈するものであります。多元的社会へのパラダイムの転換財政面で支えるため、徹底した透明な寄附金税制支援を認めることこそ、解釈からも実態からも、最も公益増進に著しく寄与するものと言えると考えます。  次に、認定市民公益法人及び公益法人等寄附金損金算入限度額は百分の二十七としております。  次に、認定市民公益法人に対する寄附金特定公益増進法人に対するものと同様とすることに伴い、法人特定公益増進法人等に対する寄附金を支出した場合の損金算入限度額は、一般寄附金とこれらの寄附金を合わせて所得の百分の五としております。  次に、第三条及び第四条関係として、認定市民公益法人に対する寄附金制度整備に伴い、個人が一万円を超える特定寄附金を支出した場合には、所得の百分の五十を限度としてその金額の所得税寄附金控除を認めることとし、特定寄附金合計額が十万円を超えない給与所得者については、その控除額を年末調整の対象としております。  次に、第九条及び第十条関係として、市民公益活動を促進するため、本人及び一定の親族の無償ボランティアへの参加並びに自宅への無償ホームステイの受け入れに要した費用のうち一定のものを、所得税寄附金控除対象としております。  次に、第五条から第八条関係として、市民公益法人制度創設に伴い、相続税法地価税法等について所要の整備を行っております。  以上、ゴーイングコンサーン、永続的活動組織としてのNPO財政安定化多様化には税制上の支援措置は不可欠であります。  補助金から寄附金についての税制上の支援策への転換は、NPO自主性確保、そして与党プロジェクトチームが検討しておられる官益法人天下り法人化抑制の特効薬にもなり得ます。  さらに、NPO活性化は、それに伴う雇用の拡大、今までは任意団体として埋もれていた団体収益事業への法人税課税により、税収は増加いたします。結果として国家財政健全化への道を歩み、競争原理の枠外でふえ続ける歳出に見合う税収確保といった増税路線ではなく、官僚権限拡大に終わらない、真の財政再建を実現することができます。  憲法第八十四条は租税法律主義を定め、憲法第四十一条は、国会は国の唯一の立法機関であると規定しています。今、NPOセクター、そして国民各位政治政治家に期待しているのは、憲法の原点に立ち返った行動ではないでしょうか。かつて、議会制民主主義は歴史的には税との戦いがそのスタートでありました。内閣提出法案になれ切ってはいけません。議員がみずから税の立法をすること、すなわち大蔵委員会こそが国会主戦場であることを確認してほしいのです。  戦後復興のための画一的財政運営時代から、市民寄附金への税制支援による多元的社会へ、時代は確実に歩みを開始しております。もう一度日本を元気いっぱい生きがいに満ちた国にしていくために、どうかどうか党派を超えた情熱あふれる御議論により、一刻も早く本法案を御可決賜らんことを心より心よりお願い申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)
  4. 久間章生

    久間委員長 これにて趣旨説明は終わりました。      ————◇—————
  5. 久間章生

    久間委員長 この際、御報告いたします。  本会期中、当委員会に付託されました請願は十四種三百十四件であります。各請願の取り扱いにつきましては、理事会において慎重に検討いたしましたが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、御了承願います。  なお、本会期中、参考送付されました陳情書は、消費税税率引き上げ実施反対に関する陳情書外二十二件であります。      ————◇—————
  6. 久間章生

    久間委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  国の会計に関する件  税制に関する件  関税に関する件  金融に関する件  証券取引に関する件  外国為替に関する件  国有財産に関する件  専売事業及びたばこ事業に関する件  印刷事業に関する件  造幣事業に関する件以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 久間章生

    久間委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  次に一石井一君外九名提出  住宅地震災害保険に関する法律案  住宅地震災害保険特別会計法案及び  河村たかし君外五名提出法人税法等の一部を   改正する法律案以上の各案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  8. 久間章生

    久間委員長 起立少数。よって、各案につきまして、閉会中審査の申し出をしないことに決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 久間章生

    久間委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午前十時十五分散会      ————◇—————