○
川端委員 私は、
電話というもののいわゆる秘匿性というのですか、一対一でないしょ話みたいな
状況で話ができるということと、それから不意打ち、突然
電話がかかってくるという
部分等々、
電話というものの特徴があると思うのです。
ちょっと一般的な
部分として
大臣にお尋ねをしたいのですが、今
審議官おっしゃったように、今大変不況である、
景気が悪い。就職難、就職氷河期と言われて久しいわけですけれども、仕事が少ない、就職できない。あるいはしても、これしがなかったからということで仕事についた。そういう
部分に例えば
電話がかかってきて、いわゆるきちっとした行政書士とか一般旅行業務取扱主任者、あるいは宅建の主任者等々の資格も含めて、もっとちょっとインチキくさいのも含めて、いろいろな資格を取りまぜんかと。あるいは主婦であれば、今までパートに行っていたのがパートがなくなった、ローンは返さなければいかぬという
部分でいうと、こういう資格の研修を受けてくれたら仕事をセットで差し上げますよと。
例えば
資格講座の勧誘で、合格したら仕事を保証するということを言われて、大枚払って資格を取ったけれどもナシのつぶてで、仕事も何もない、ただその教材を買わされただけであった。資格もほとんど何の意味もないものである。解約しようと思ったら、
契約は成立しているから解約できない等々の
被害が続出しているという
部分では、やはり
一つは大きな不況というものが
背景にある、だろう。
被害が続出するというので今回こういう
法改正をされるということは、行政の立場では当然のこととして意義のあることでありますけれども、こういうものが起こってきたから、ただ罰則を厳しくする、あるいはいろいろな
消費者保護の
政策を考えるということも当然
一つの柱として大変大事なのですが、こういうものを生み出している社会環境、
背景というものに対して、政治あるいは行政がどういう認識を持って対応するかということを間違わないでいただきたいというふうに私は思うのです。
一つは、やはり
景気が悪いということ。それからもう
一つは、最近の若い人にいわゆる青い鳥症候群というのですか、自分は就職してこの仕事をしているけれども、本当は自分はもっと違う仕事が向いているのではないか、何かはわからないけれども今のではないのではないかというふうにいつも思っている。あるいは、仕事というのは、自分が生活するという
部分で楽しい人生を送るためにたまたま仕事をしている、だからよりお金が多くもらえた方がいい、お金さえたくさんもらえればいいというふうに、私
たちが子供のころ育った社会の通念、倫理観、あるいは仕事に対する意識というものと随分さま変わりをしてきている。
そういう
部分で、やはり少しでもお金がたくさんもうかればいい、あるいはいい資格を取ったらもっとほかの仕事ができますよと、仕事がないときに何かそう言われると、要するに、おいしいごちそうが目の前にあると、いとも容易にそっちへ移ってしまう。仕事に対して、金銭の多寡ではなくて、やりがいがある、あるいは世の中の
一つの大きな支えになっているという誇りがあるということがお金にもかえがたい大変大事なものであるというふうな要素、社会を支える要素がどんどん希薄になっているということに、私は大変な危機感を持っています。
私は工学部を出ました。いわゆる技術屋です。当時、技術屋というのはやはり
日本の工業社会を支えるんだという思いで、私の仲間はほとんどがそういう分野に就職をした。ところが、十年ほど前に大学へ行きましたら、半分以上は自分の専攻と違う、いわゆる金融、証券、保険という当時のハブリーなところへ全部就職する。
先生、これはどうなっているんですかと言ったら、給料が全然違うんだと。そうすると学校というところは、ただいいところに就職する、いいところというのは給料が高いところに就職するということのために学校へ来ている、それは何学部でも何でも関係がないのだというふうなことを聞いて、愕然としたことがあるのです。そういう
部分で
日本のこれからの人材が育っていくということで、極端に言えば、
日本の
産業社会を支える人がいるのだろうかというふうな思いを持ちました。
そういう
部分で、こういう
電話の勧誘等々も含めた、悪質商法と言われるのですが、商売の原則で言えば、よしあしは別にして、お客さんがいれば商売がそういう
部分にざあっと展開されることは当然だと思うのです。悪いことをするのはけしからぬよと言うのも大事だけれども、そういうことにならないという
部分で言うと、根源的に、やはり間近に言えば今の
経済対策、それから今の社会、若者を支配している社会の倫理観、これはさかのぼれば教育とかいう問題にもかかわるのだと思うのですが、先ほどの
野田先生の御
質問で、賢い
消費者ということにしなければいけない、これは大きな柱だと思うのです。
そういう
部分で言えば、世の中的に、こんなことで商売をやってもだれも食いつかないしもうけにもならないと思ったら、こんなものは
法律で
規制しなくてもやらなくなるのですよね、極端に言えば。そういう意味で、私は、
通産省というもの、それから
政府というものとして、いろいろな社会のひずみの
部分の、何かできものができた
部分の
一つにこういう悪徳商法というのがはびこっているということであって、根っこの病原として、今社会に政治がやらなければならない
課題というのは大変大きいのだなという認識を、どのようにお考えになっているのかということを、まず一番初めに
大臣にお伺いをしておきたいと思うのです。