○小池
委員 地元の意向というのはとうの昔に出されているはずでございますし、また
復興に際して、最初ハード面の方の作業が大変であったという事実は認めます。しかしながら、ソフト面での緩和といいましょうか、ソフト面の
運用ということが
神戸港のみならず他の港についても同じことが言える。ですから、モデル
ケースにということをよく言われておりますけれ
ども、この
神戸港というのはその辺非常に切迫した問題を抱えているわけでございます。ヒアリングをしてというのは、大体、これは何年もかかるというようなニュアンスがこの国会内ではあるようでございますので、ですから、もっと時間の感覚ということを持った上でやっていただかないと、あの橋本総理の指示というのは一体何だったのだろうか。野党の私が言うのもおかしいわけですけれ
ども、
地元の人間といたしましても、また日本という国を考えても、ぜひともそこは早くしていただきたいと思っております。
先ほど、大蔵それから厚生、それぞれ電算化ということを言われておりました。このリンケージをどのようにしていくのかということでございますけれ
ども、これは徹底してやっていただきた
と申しますのも、今世界でトラフィックを一番活発にやっているシンガポールでございますけれ
ども、シンガポールの場合には、一つのトラックがマニフェストというものさえ
提出すればあとはもう自動的に、トラックが通過するだけですべてができるというのは、もう
皆さんは既に御承知のことだと思います。そういうふうなソフト面を強化した結果、シンガポールという港がアジアの中でも最も活発にやっているということでございますし、また、そういったような総合的なビジョンを持った上でシンガポールという国づくりをやっているということでございます。
きょうの新聞にも出ておりましたけれ
ども、スイスの世界経済フォーラムで毎年発表している競争力ということで、一位がシンガポール、日本はベストテンにも入らない十三位ということでございました。この世界経済フォーラムというのは私も毎年出席している
会議で、このアンケートにも、私はできるだけ日本を一位に近づけさせたいと思ってちょっとげたを履かせてアンケートにも答えたわけでございますけれ
ども、結果的には全然、世界からは日本はもうおくれているということで、評価されていない。この事実もやはり知るべきだと思いますし、また船のコンテナ扱い量は、一九七五年
神戸港は世界第三位であったのが、八五年に五位、そして九四年には六位になっている、こういう事実もあるわけでございます。
もう一度繰り返して申し上げさせていただきますと、ハード面での復旧、
復興というのはほぼ進んできた。また基本的に、ハード的には
神戸港というのは非常に世界にも冠たるものを持っている。ところが、一方でコストパフォーマンスというのが極めて悪い。あちこちに同じような港があり過ぎるというような面で、まさに、ハブをつくっていないというような国家ビジョンの欠落ではないか。
そしてまた、それに従って、大変重要なソフト面というのもこれまた縦割りの最たるもので、最初に申し上げました書類の
提出から、船荷目録ですかマニフェストを出してから係留施設使用届を出して、停泊場所指定願を出して、移動届・
許可申請書を
提出して、また、夜になって入港する場合には夜間入港
許可願が要る。そして、危険品を積んでいれば危険物荷役
許可申請書が必要になる。そして、薬品などの名前を一つ一つ書き出して税関、消防署に申告する。消防署においては毒物、劇物、ガスは消防係、引火性物質は危険物係というふうに、もうありとあらゆることをやらなくてはいけないわけでございます。こういうことをやっていたら、日本はまだ十三位というふうになっているけれ
ども、もうとっくにアジアの国々全部に抜かれてしまう。
ですから、これは
神戸港で規制緩和をやる、そしてまた、来月六月十一日まで
特例措置という形で、とりあえず三カ月
延長して九月十一日までやっておられるということでありますけれ
ども、船の商売、船荷の商売、配船
計画というのは非常に長期にわたってやらなくてはいけない。何か、小出しにやるというのは、そもそもこれによって規制緩和の穴があけられるのが嫌でやっておられるのではないかとさえ私は思うわけでございます。
よって、今やっている
特例措置こそ、これが普通の国が当たり前にやっていることで、つまり、二十四時間年中無休体制というのが普通の国の港のあり方なのであって、日本というのはさまざまな問題もあるのはわかっておりますけれ
ども、しかしながら、このままだと
神戸だけではなくて日本全体が緩慢なる
災害に遭ってしまうというようなことで、私はこの際、
神戸港をモデル
ケースにして、ぜひともこういった
措置、規制緩和というのを、緩和ではもうだめで、むしろ規制撤廃という方向でおやりいただかないと、
神戸も浮かばれませんし日本も浮かばれないということを強く訴えさせていただきたいというふうに思っております。
それから、最後になりましたけれ
ども、先ほど申し上げましたようにポートオーソリティーということでございますけれ
ども、各国ではこのポートオーソリティーシステムでやっているわけですね。ところが、日本の場合は全部それが出先で、縦割りでということ。先ほどから言っているのはそのことでございます。そして、私もよくニューヨークとか香港などのポートオーソリティーの
方々に会いますけれ
ども、彼らはお客を引っ張るための営業努力もしているわけですね。日本でそれを一体どこがどういう形でやっておられるのか、一元化してやっておられるのか。私はやっておられないと思います、本当の
意味では。そんな
意味でも、
神戸港の問題、
震災ということで
被害に見舞われただけでなくて、緩慢なる国家
災害に
神戸港をこれ以上遭わせないでほしいということを強く訴えたいと思います。
時間もございませんので最後の一言になりますけれ
ども、そういった面でも、日本港湾協会といったところなど港に関連してさまざまな財団
法人等々がありまして、このあたりでますます規制緩和がしづらくなっているのではないか。これは
厚生省のみならず、港一つをとりましても同じことが言えるのではないかということを強く
指摘させていただきまして、私の
質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。