○菅国務大臣
企業から学会への寄附という問題は、確かに今回の薬害エイズの問題ではそのことがあるいは影響されたのではないかという御
意見もあることはよく承知をいたしております。
ただ、ある
意味で、例えば他の分野でも、
企業が大学などに冠講座のようなものを設けて積極的に技術
開発に取り組むというような分野もたくさんあるわけでありまして、そういう点では
企業から学会への寄附を画一的になくすということについては、これは相当
議論があろうというふうに思っております。
そういった
意味で、現在は製薬業界の、これは自主
規制のような形ですが、
医薬品の
臨床試験の依頼に係わる研究費等の取扱いに関する綱領というものが出されておりまして、透明性を高めるとか、あるいは試験の委受託と関連づけた学会等への協賛も避けるといった、そういう自主
規制の綱領をつくられておりまして、
厚生省としてもこの綱領の
遵守を指導するという立場に立っております。
また、天下り問題につきましては、先日、処分に関連いたしまして、今回の薬害エイズに関連しては、
製薬企業への再就職については、次官、官房長、薬務
局長及び薬務担当
審議官は期間の限定なく
製薬企業への再就職を自粛する、他の
局長等についても一定の、従来よりは厳しい自粛
措置をとったところであります。
それで、今、岩佐
委員の方からは、認可法人等についても天下りをやめるべきではないかという御
指摘もありました。
この問題は、原理原則としては国家公務員法に基づくもの、あるいは職業選択の自由という問題もありますが、同時に、いろいろな、
国民から見たときの不明朗な形もありまして、私は、国家公務員制度全体の中で考えるべきことだろうと原則的には思っております。
それで、この特別認可法人という場合、必ずしも、これは営利
企業の場合とはちょっと性格を異にしているのだろうと思います。これはある
意味では、国が直接行うよりも、国以外の組織が
実施することが効率的と思われる事業などをお願いしているケースが多いわけでありまして、それだけに、完全な
民間企業よりは相当に役所の事業に近いものがあり、場合によっては
守秘義務な
どもかぶっているところがあるわけであります。それだけに、この法人の役員に
厚生省出身者がその
知識経験を
評価されて就任することというのを、一概にこれを否定的にとらえるのはどうであろうか。これも何らかのもう少し透明性の高い
ルールが必要だという
意味では私も感じておりますけれ
ども、一概に否定することはなかなかできないのではないかと思っております。