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1996-05-21 第136回国会 衆議院 厚生委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年五月二十一日(火曜日)     午前九時三十二分開議 出席委員   委員長 和田 貞夫君    理事 衛藤 晟一君 理事 木村 義雄君    理事 鈴木 俊一君 理事 青山 二三君    理事 石田 祝稔君 理事 柳田  稔君    理事 横光 克彦君 理事 荒井  聰君       伊吹 文明君    稲垣 実男君       狩野  勝君    熊代 昭彦君       近藤 鉄雄君    田中眞紀子君       高橋 辰夫君    竹内 黎一君       戸井田三郎君    長勢 甚遠君       根本  匠君    堀之内久男君       持永 和見君    保岡 興治君       山下 徳夫君    赤松 正雄君       粟屋 敏信君    大野由利子君       鴨下 一郎君    北村 直人君       久保 哲司君    高市 早苗君       福島  豊君    桝屋 敬悟君       山本 孝史君    五島 正規君       森井 忠良君    枝野 幸男君       岩佐 恵美君    土肥 隆一君  出席政府委員         厚生大臣官房長 山口 剛彦君  委員外出席者         参  考  人         (元厚生省血液         製剤小委員会委         員長)     風間 睦美君         厚生委員会調査         室長      市川  喬君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  厚生関係基本施策に関する件(エイズ問題)      ――――◇―――――
  2. 和田貞夫

    和田委員長 これより会議を開きます。  この際、申し上げます。  本日は 委員室での喫煙は御遠慮願いたいと存じます。  また、報道関係者方々にお願いいたします。傍聴人の撮影は御遠慮願いたいと存じます。  以上、御協力をお願いいたします。     ―――――――――――――
  3. 和田貞夫

    和田委員長 厚生関係基本施策に関する件、特にエイズ問題について調査を進めます。  本日は、参考人として、元厚生省血液製剤小委員会委員長風間睦美君に御出席を願っております。  風間参考人に一言ごあいざつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。  議事の進め方といたしましては、初めに委員会を代表いたしまして委員長から総括的にお尋ねし、次いで委員質疑にお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。また、参考人委員に対し質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  まず、委員長から風間参考人にお尋ねいたします。  参考人委員長を務められた血液製剤小委員会結論は、より安全な濃縮製剤の開発の必要性指摘しながらも、当面は非加熱製剤継続使用を認める趣旨であったと理解しておりますが、非加熱製剤継続使用によるエイズ感染危険性についてはどのように考えておられたのか、簡潔に御説明願いたいと思います。
  4. 風間睦美

    風間参考人 冒頭に、ちょっとお時間をいただきまして、エイズの問題が起きた当時、医療に携わっていた者といたしまして、一言申し上げたいと思います。  私どもが長年おつき合いしておりました血友病患者さんたちが、あのころを境にいたしまして、HIVの感染を起こし、発病し、亡くなっていく姿を見て、非常に私たちは大きなショックを受けました。まことに私たちの不徳の至りと申しては言葉が足りませんけれども、深く患者さんたちにおわび申し上げなければいけないと思っております。  この会をいただきまして、私たち考えを表明できる場をいただきましたことに感謝いたします。また、今後、私たち医療に携わる者としてはどういうことをやっていかなければいけないのかというようなことを一生懸命模索しているところでございます。  それで、委員長の御質問でございますが、当時、非加熱製剤外国より輸入されています濃縮製剤により血友病患者さんがエイズにかかるという危険性に関しては、皆、程度の差はあれ、関係者が等しく憂えていたところでございます。  ただ、結論から申しますと、これからも議論が出るかと思いますけれども、そのエイズ惨禍薬害エイズがどのように広がっていくかということは全く読み取れなかった。今から考えますと、この薬害エイズ惨禍を過小評価していたということは間違いございません。そこが当時の、非加熱製剤を続けるという、これは私たち自身、それから外国でのいろいろな意見を徴しまして、選択した理由でございます。
  5. 和田貞夫

    和田委員長 血液製剤小委員会の審議及び結論の取りまとめに関して、参考人に対して、エイズ研究班安部班長から随時意見等が伝えられたと言われていますが、その内容及びこれに対して参考人はどのように対応したのか、簡潔にお述べいただきたいと思います。
  6. 風間睦美

    風間参考人 血液製剤小委員会経緯も後ほど申し上げるチャンスがあると思いますが、いずれにしましても、まず中間報告というのをつくりまして親委員会報告し、親委員会でいろいろな要望が出まして、それを参考にして最終報告をつくってまいりました。  既にいろいろ報道されておりますように、安部先生からこの小委員会、私を中心とした小委員会メンバーに、特にクリオプレシピテート評価に対して強い意見の表明がございました。それを受けて小委員会報告が変わったのではないかというふうに言われております。  ただ、あの当時の安部先生の小委員会報告に対する批判と申しますのは、クリオプレシピテートの質的な問題、つまり、剤型の問題で非常に注射しにくいのだ、剤型としてはもう使うにたえないものであるというような御指摘が専らであったと思います。  当時、私がその発言をいろいろ聞いておりまして、安部先生の言われるクリオのいわゆる欠点というのは、血液製剤小委員会中間報告で既に指摘してあるところであります。したがいまして、なぜそういうことを改めて指摘されるのかというのは当時はわかりませんでしたし、小委員会報告には既に書いてあることでございましたので、その点は改める必要がないと考えておりました。  したがいまして、既にたくさんの資料厚生省から提出されておりますので、その経緯をごらんになっていただければ、安部先生指摘されたクリオ欠点それからクリオ適応に関しては、本質的に変わってはおらない、つまり、そのために小委員会結論方向変換をしたという記憶はございません。
  7. 和田貞夫

    和田委員長 以上をもちまして、私からお尋ねすることは終わりました。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。衛藤晟一君。
  8. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 風間参考人にお尋ねをいたしたいと思います。  風間先生は、血液製剤小委員長として、血液製剤の問題に中心的に取り組んでまいられましたので、ぜひそのことについてお聞かせいただきたいと思います。  クリオ製剤適応拡大につきまして、安部氏と大河内氏の意見対立をいたしまして結論が出なかった、そのために、第三回エイズ研究班参考人が呼ばれて血液製剤小委員会の組織を命じられたと言われておりますが、事実でしょうか。
  9. 風間睦美

    風間参考人 さようでございます。
  10. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 そうしますと、血液製剤小委員会は何を検討することを目的として設立されたのでしょうか。
  11. 風間睦美

    風間参考人 第二回の親委員会でいろいろ討議があったということは伺っております。多分、それに基づきまして、別に小委員会を設置して、血友病血液製剤をこの小委員会討議して、それを答申せよという趣旨で小委員会が設置されたものだと解釈しております。
  12. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 いろいろな文書を読みますと、クリオ製剤濃縮製剤関係、切りかえが可能かどうかということと、国内血自給体制がとれるのかとれないのかということが目的だという文書がいろいろ出ておりますけれども、間違いございませんでしょうか。
  13. 風間睦美

    風間参考人 その二つのことが小委員会討議の柱になっております。
  14. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 参考人安部氏のお弟子さんだとお聞きをいたしております。血液製剤小委員会メンバーも、血友病関係治療先生方ばかりがお集まりになられております。安部先生血友病学会でのトップリーダーだとか、あるいはドンだとかいう言い方をされておりました。  そういうぐあいになりますと、そういう血友病治療の医師ばかり集まっているわけでございますと、おのずから安部先生の言う方向で全部結論が見えていたのではないのかというようなことが巷間言われております。いわゆる結論はもう決まっていたのでないのかということを言われておりますが、この点について、参考人はどういうぐあいに考えますか。
  15. 風間睦美

    風間参考人 確かに安部先生というのは、当時、血友病の診療に関しては大きな力を持っておられました。  ただ、当時の小委員会メンバー、私が選ばせていただきましたけれども、各地区から代表を平均的に選ぶということを留意してやったと思います。それから、もし結論どおりに小委員会が方針を出したとすれば、先ほどの委員長の御質問のように、小委員会メンバーがあれほど強硬に怒られるということはなかったのではないかと思います。
  16. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 強硬に怒られるということはどういうことですか、意味をもうちょっとはっきり。
  17. 風間睦美

    風間参考人 小委員会では、いろいろ討議をした結果、クリオ濃縮製剤適応範囲というのを設定いたしました。そのときに、クリオ適応範囲というのが安部先生の学問的な考え方では不適切であるという指摘でございます。
  18. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 それに対して先生方はどういう見解を持ちましたか、小委員会においては。
  19. 風間睦美

    風間参考人 先ほどとちょっと重複いたしますが、クリオ欠点クリオはいけないのだという強い指摘があったわけですが、もうそれは既に小委員会報告の中に明記されておることでございます。そうしますと、今さらそのことについて改める必要はない。それから、これはもうそれ以上のことは安部先生もおっしゃらなかった。  今から考えると、したがって、クリオの条項を削除しろというようなお気持ちだったのではないかと思うのですが、そのことは一度もそういう指摘がありませんでしたので、私たちの当時の考えでは、その安部先生指摘されたことは既に小委員会のレポートに書いてあるので今さら改める必要はないという考えでございました。
  20. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 血液製剤小委員会の主な検討事項であります非加熱濃縮製剤からクリオ製剤への転換について、今、若干の経過の御説明がございましたが、どのような意見が出されてどのような結論となったのか、もう一回ちゃんと詳しくお聞かせいただきたいのですね。  そして、それに対して、今、安部先生が大変怒られたとか、いろいろな御意見がございましたけれども、どういう経過だったのか。例えば山田委員意見はどうだったのか、長尾委員意見はどうであったのか、そういうことも含めてもうちょっと詳しくお聞かせいただきたい。  また、参考人意見はどういうぐあいであったのか。それから、参考人意見に反対していた人たちや賛成していた人、おのおのどういう御意見が大勢だったのか。そしてまた、その中で山田委員長尾委員意見もどういうぐあいに言われでいたのか。そういうことについて詳しくお聞かせいただきたいと思います。
  21. 風間睦美

    風間参考人 多くの委員の方からその質問がございましたので、本日、小委員会経緯をまとめた書類をお配りしておりますので、それに基づいて説明させていただきたいと思います。  小委員会は前後三回開いておりますが、一番最初討議のことを今御質問になられたのだと思います。それは、当初、郡司課長が既にここでおっしゃいましたように、厚生省とそれから親委員会大河内先生というのは、当時の情勢から考えクリオに切りかえるべきだということを強く主張なさっておられました。そのところに私が出席いたしまして、実はちょっと記憶にはなかったのですが、当時の記録をひつくり返して見ましたところが、その問題を重大に考えて小委員会に諮問すべきだという、私自身クリオという言葉大分頭の中へ強く持ってその小委員会を組織したという形跡がございます。  それで、小委員会を開きまして、討議事項としては、クリオ加熱製剤、その他の製剤についての評価を逐次行ってまいったわけでございます。  最初に、クリオについての各委員評価を伺いましたところが、多少私のメモは不備なところがございますので発言者のはっきりしないところがございますが、福井委員長尾委員、それから森委員だったと思います、齋藤委員、それから、ちょっと発言者はわかりませんが、神谷委員あるいは山田委員の御意見はほとんど同じような意見でございました。すなわち、小さい子供さん、新生児、小児あるいは四歳以下とか未成年の子供とかいうのがクリオ適応である、そして大きくなった、成人を含めてこれは濃縮製剤適応であるというほぼ共同の意見でございました。  それで、山田委員意見に関してはメモがございませんので、そこのところはちょっとあいまいでございますが、私の記憶としては、クリオ濃縮製剤に対しての激しい意見というのはなかったと記憶しております。そこで、山田委員に依頼いたしまして、今の討議をまとめてほしいということで、山田委員山田メモというのをつくってもらったわけでございます。それが既に資料として提出されておりますし、小委員会中間報告最終報告の骨子になっておるわけでございます。
  22. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 この内部の検討については大変詳しい資料をいただきまして、どうもありがとうございました。相当突っ込んだ議論をされているという実態はよくわかりました。  ただ、今度は、今まで徳永委員は、訴訟においては、クリオ製剤供給について、いかようにもできましたというぐあいに証言をされております。さらに参考人質疑の場、この場におきましても、クリオ製剤への転換は可能だったという旨をはっきりと発言をされております。  これに対しまして、参考人は、非加熱製剤の輸入をとめ、かわりにクリオ製剤供給することは供給能力の面でできないというぐあいに徳永氏が発言した旨を証言しておられます。また安部氏も、血液製剤小委員会結論によればクリオ製剤供給は不可能だった旨、発言されております。また、この委員会における参考人発言によりましても、そういうぐあいに発言をしておられます。  このように、徳永氏の証言それから発言と、参考人及び安部氏の証言発言対立をしているわけでございますが、真相はどうなんでしょうか。
  23. 風間睦美

    風間参考人 徳永先生のここでの御発言はよく存じております。そして、私たちの小委員会エイズ委員会分担報告の中でも、クリオであれば供給ができたというふうに報告を出しておられます。  しかし一方、私たち委員会あるいは親委員会では、当時の親委員会発言記録を見てみますと、供給は難しい、そうおっしゃってもおられます。私たちが当時、討議の過程で認識できるのはその御発言でございまして、その後の報告あるいは法廷の証言は、私たちの当時の考えの組み立てにはこれは役に立たないわけでございます。それが一つでございます。  それから、これは私たち報告書に、あるいはその当時のメモを総合してみますと、クリオの、当時我が国で必要でありました一億単位製剤供給というのは、当時の血液事業体制である限りは完全な供給不足であるという数字を出しております。  もう少し具体的に申しますと、報告書に書いてありますように、当時、献血血液は七百六十七万本でございました。そのうち、規格外、それから全血輸血として使用されます分を除きますと、血漿として分画可能な血液本数が五百三十一万本でございます。これはほとんど、その当時は新鮮凍結血漿として使用されておったわけで、当時の日赤記録を見ますと、四百万本から四百二十万本が新鮮凍結血漿に使われておったということでございます。そうしますと、その当時の第Ⅷ因子製剤に回せる血漿本数が百万本から百三十万本ぐらいになるかと思いますが、ここからつくり得ますクリオの量というのが約六千万から七千万単位ということになります。一億単位必要であるということであれば、やや不足であるということになります。  これが、当時の徳永先生の御発言、当時の日赤資料、それから私たちの試算というものから考えますと、クリオ十分適応ができ、その当時のそのままの体制クリオが十分供給されるということは考えられなかったわけでございます。
  24. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 何かやはりわかったようなわからないようなところがありまして、徳永先生はここでは、いかようにもできましたと。それから今、風間参考人は、事前に何回か聞きに行ったけれども徳永先生はできないというぐあいにおっしゃったと。製造能力がないとおっしゃいましたがと聞くと、供給の面で製造能力がありませんとおっしゃったというぐあいに裁判記録にありますけれども、この行き違いは一体どこに起こっているのですか。時期の問題ですか、それとも製造能力の問題、供給能力の問題、そういうお互いに何か勘違いしながら話をしたのですか。どうなんですかね、ここのところは。
  25. 風間睦美

    風間参考人 私どもの当時の解釈は、今申し上げたとおりでございます。ただ、徳永先生はそれを行われる主導の方でございますので、その当時できたとおっしゃれば、できるはずであるとおっしゃれば、私たちはそれについて批判することはできません。  ただ、私、もう一つ申し上げたいことは、そうしますと、先ほどの数字から推定いたしますと、当然、新鮮凍結血漿の補給を減らしてそれを血液製剤の方に回すということが一つ。それからもう一つは、当時、日赤供給していた第Ⅷ因子製剤の量は二十万単位から三十万単位だったと思いますけれども、それを一億単位にふやす操作をやらなければいけない。しかも、それは一年、二年の時間でやってはいけないことであって、極めて短い時間に切りかえられなければ全く意味がないことでございます。そういうことができたのかどうか、それは私にはわかりません。
  26. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 非加熱製剤使用を継続することにした理由について、この小委員会の今いただきました報告の中にも若干書かれておりますけれどもエイズリスクということを考えれば、当然に何らかの対策が講じられるべきであると考えるのですね。当時の方々のお話をお聞きしますと、みんな心配をしておりましたと異口同音に言われるわけです。  しかし、それだけ心配をしてこのエイズ研究班をつくり、そしてまた小委員会をつくり議論をしたにもかかわらず、そういうぐあいにならなかったというのは、私どもから見るとどう考えてもわからない、そういうぐあいに思うのですね。これにつきまして、非加熱濃縮血液製剤安全性の確保についてどういうぐあいに考えていたのか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  27. 風間睦美

    風間参考人 二つ、三つちょっとお答えすることになると思いますが、当時の全くエイズが知られていない時代の非加熱製剤をそのまま使うということの危険は、みんな承知しておったわけでございます。ただ問題は、一体このエイズ危険性がどの程度のものかということは、全くだれにもわからなかったし、私たちもわからず、冒頭申し上げましたように、過小評価したというのが事実でございます。  当時のトラベノールの報告もございますし、小委員会それからアメリカあるいは外国でのいろいろな勧告にもございますように、当時の可能な範囲での避退措置と申しますか、エイズの危険のあるような、エイズのハイリスクグループの人たちの供血を避けるようにというような勧告が出ておりましたし、私たちもそれを重く受けとめまして、小委員会報告にもそれは書いてございます。排除するとすれば、それが一番可能な避難方法であるというふうに当時私たち考えておりました。  最も重要なことは、エイズの危険が当然考えられるのになぜ濃縮製剤の廃止を決めなかったかということでございます。  これは非常に大きな問題がございます。後ほどまた御質問があるようでございますが、最も理想的に、理想的と申しますか、ちょっと極論を申しますと、この感染加熱製剤クリオ安全性ということももちろん当座はわからない、確認はできないわけでございますから、理論的にちょっと暴言でございます、暴論的でございますが、完全に危険をゼロにするならば、当座補充療法をやめてしまうというのが一つ選択肢でございます。  そうしますと、血友病そのものリスク、危険、これはいろいろな評価があるようでございますけれども、当時の私たち、現在でもそうですけれども血友病そのものリスクというのは非常に重くとらえられなければいけないと思っております。幾つかの証言あるいは記録にも述べられておりますように、血友病そのものの生命の危険というのは決して小さいものではない。一説によりますと、大体、年間の亡くなられる患者さんの率というのは数%だということも書いてございます。  そうしますと、その数%という危険にどこまで私たちは下がっていかなければいけないのか。つまり、今やっと濃縮製剤家庭療法というのでほぼ補充療法というのが理想的なところまでいったのに、この危険に臨みまして私たち家庭療法を放棄し、それから、先ほど申し上げましたように、ちょっと不足ぎみクリオのところまで引き返していかなければいけないのかという選択を迫られたわけでございます。  そうしますと、先ほどの、血友病患者さんの、血友病リスクを、引き戻っていってそこまでリスクを冒すことなのか、あるいは当時の血友病エイズの広がり方から見て、それを両方を勘案して、ぎりぎりの選択として現在の濃縮製剤選択したわけでございます。それはもちろん、私どもが世界的な流れに反して決めたものでもございませんし、いろいろな報告あるいは各学会などの発表を考案いたしまして、小委員会の中でも何回か討議いたして、結果の選択であったわけでございます。
  28. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 それでは、松田参考人は、四月十七日の参考人質疑におきまして、クリオ製剤への転換安全性ではなく利便性によって否定されたというように発言しております。また、芦沢参考人は、五月十六日の参議院での参考人質疑において、濃縮製剤使用を継続するという血液製剤小委員会結論を聞いて驚いたという旨発言しておられますが、どういうぐあいにお考えですか。
  29. 風間睦美

    風間参考人 これは、端的に言いますと、クリオ濃縮製剤薬剤としての評価がまず根本にあるかと思います。ここの討論でも濃縮製剤利便性というふうに言われておりますけれども、これは、私の目から見ますと、クリオ濃縮製剤製剤としての評価の差を小さくする議論であると思います。これは確かに、注射をしやすくなった、それから、患者さんに渡して安全に注射をすることができるという技術的な進歩でございます。それを単に利便性と私たちは片づけてはおりません。  と申しますのは、これは別にこの製剤だけではなくて、いろいろな技術的な進歩というものが、この濃縮製剤について申しますならば、クリオから濃縮製剤転換されたということによって治療信頼性が高まっていく、それから、家庭療法によって患者さんの生活レベルが飛躍的に高進した、つまり、技術の改良によりまして、血友病治療そのもの、ひいては血友病そのものに対する考え方も変わってきたわけでございます。それは単に利便性という言葉だけで片づけられない進歩だったと思っております。  したがいまして、薬剤としては単位をそろえれば同じだというような議論もございますけれども、そういう意味では、技術の革新というのが血友病治療血友病の物の考え方に大きく影響しているというほどの評価をしたいと思っております。
  30. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 それでは、加熱製剤の緊急輸入についてお尋ねをいたしたいと思います。  今、資料でも大分出ておりますけれども、端的に言って、加熱製剤の緊急輸入はなぜ見送られたのか。やはりこれは、私どもにとりましては、いろいろな資料を見てもどうも何か納得できないという感じであります。それから、加熱製剤もいろいろなものがずっと徐々に改良されていって、その時点において加熱製剤の緊急輸入ということについて、これだけ治験に時間をかけるのではなくて、その途中においても議論される余地は十分あったと思うのですけれども、何ゆえにその途中においても緊急輸入が議論されなかったのか、これについてはどうですか。
  31. 風間睦美

    風間参考人 しばしば安全な加熱製剤ということが言われております。しかし、私どもがこの加熱製剤安全性ということを確認できるようになりましたのは八四年の後半、いろいろな製薬会社がウイルスの失活の成績を出し、それから、ある程度治験で臨床的な安全性というのが確かめられるようになってからでございます。  八三年当時の加熱製剤を、私ども当時、トラベノールの製剤でございましたが、それを聞きまして、安全性それから有効性に不安を感じたわけでございます。当時の詳しいデータというのは記憶になかったので、最近、トラベノール社からその当時の加熱製剤資料を取り寄せてもう一回読み直してみたわけでございます。そうしましたところ、有効性については、多少力価が落ちるけれども、保証されたということでございます。  最も加熱製剤目的でありますウイルスの失活化という点でございますが、この成績を少し詳しく申し上げますと、製剤に肝炎ウイルスをまぜまして、それを加熱して、そして、それをチンパンジーに注射して発病するかどうかということを検討した成績が最終的な安全性の確認として出されております。そうしましたところ、その成績をもう一回読み直しましたところが、加熱製剤を打たれました、ウイルスを加えて加熱処理をした製剤を四匹のチンパンジーに打っておりますけれども、それは全部、B型肝炎を発病しております。感染しております。  それからもう一つ、当時はノンAノンB、現在はそのほとんどがC型肝炎でございますけれども、当時、いわゆる輸血肝炎として非常に注目を浴びておった肝炎でございますが、それは非A非Bという言葉で固定できる肝炎ではございませんでした。この治験では、チンパンジーの肝臓の組織を逐次とりまして、ノンAノンBの肝炎を起こしたのは一匹だけであったというような報告をしております。  しかし、それは医学的に申しますと、感染と発病というのは明らかに別でございまして、体の中に入ったウイルスが増殖をしているということは、当時、全く把握されておらない、つまり、ウイルスの失活化に関しては全く頼りにならない成績であるということを改めて確認いたしました。  そうしますと、その安全性というのは、一体、当時どこでだれが確認したのだろうかということは甚だ疑問でございます。私たちの当時の、現在そういう資料を集めて再検討いたしましても、当時の加熱製剤安全性というのは全く保証されておりません。
  32. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 今、そういうお話をお聞きしましても、やはり疑問が残るのですね。  クリオについては、先生方は、相対的対応としては乳幼児、小さい子供さん方、それから年長児や成人の場合でも「経度」、これは恐らく軽いという意味だと思うのですけれども、ちょっと字が違っていると思うのですけれども、軽度の場合がいいよと。そうすると、そういうところに意識的に使うという指示を出したような形跡が今まで余りないのですね。聞いていないのですね、そういうところでもっとじゃんじゃんクリオの拡大をしなければいけませんよというぐあいに。結果的には、この年にクリオは三倍ぐらいふえていますね。五十三年に百三十万単位ぐらい使われていたのが、五十八年、五年後には十六万ぐらいまで落ちて、翌年には危険が言われていたというので、クリオがちょっとふえていますね。だから、医療現場の先生方は、一部の先生方は、やはりある程度クリオにかえなければいけないということになりますが、この小委員会、研究班からは、クリオに一部かえるべきだ、子供さんやあるいは成人の軽度の場合にはクリオにかえるべきだという明確な指示が出ている形跡はないのですね。  しかも、加熱製剤ということについて、当時はどうもおかしいなということになるのですが、秋には加熱製剤についての検討を始めるわけですね。やはりこのまま非加熱でいったら危ないよということがちゃんと議論をされて、そしてこの後、加熱製剤の導入について治験が始まるわけですね。治験の方向を出すのは十一月ですから、既に、やはり加熱製剤について何らかの形でやらなければいけないという決定はもっと早く出されているはずなんですね、十一月にいきなりできるわけではないのですから。  そうしますと、どうも何かつじつまが合わない。医学的に言われることは一部わかるのですよ、確かにそうなのかなと。私ども医学的な知識は詳しくありませんから。わかるのでありますが、その経過からいうと、やはりおかしいのではないか。それだったら、本当に、加熱に対する治験なんか始めないのであったらよくわかりますよ。しかし、すぐその直後に、十一月に加熱に対する治験が始まるわけですね。やはり加熱に切りかえなければいけないということで始まるわけです。緊急輸入はしなかったかもしれないけれども、そういうことが具体的に始まるということになると、やはり何かおかしいものを感じざるを得ないというぐあいに私は思うのですね。  さて、そこでちょっとお尋ねしますけれども参考人は、安部氏の弟子として血液製剤小委員会委員長となっております。安部氏との密接な関係ということは、もうだれもが新聞等によりましても存じ上げているというぐあいに思います。そして参考人は、血友病総合治療普及会の設立にも携わったということでございます。安部氏は、この血友病総合治療普及会の設立に関して、どのようなことを依頼されて、どのようなかかわり合いを持ちましたか。  それから、この普及会が設立されるようになった契機、これは、安部氏は、血液製剤協会から勧められてやりましたと。ところが、血液製剤協会からは、そういうことを言った覚えはありませんというぐあいに言っていますね。それから、途中から一部の外国のメーカーは、こういうことをやられて寄附を強要されるので困るという議論が出てきたという話もありますね。  そうしますと、一体、どういう方がこの普及会をつくるべきだということを言い始めて、そして、安部先生はその会長になってつくるようになったのか、そして、それに対して風間参考人はどういうかかわり合いをしたのか、これをまず御説明いただきたいと思います。
  33. 風間睦美

    風間参考人 普及会の設立の経緯に関しましては、私は、お答えする材料は何もございません。  私の知っている限りでは、安部先生が、八二年の末ごろだったと思いますけれども、財団をつくるのだということを言っていらっしゃったのを覚えております。最初は、安部先生は恐らく厚生省と直接交渉していらっしゃったと思うのですが、八三年の初め、前半ごろに、私が事務長と申しますか、事務局長のようなことをやれということを命じられたわけでございます。その前の経緯、今御質問になった、血液製剤協会が依頼したかどうかということは、私、全く存じません。  それから約十カ月ほど、私はこの血友病財団の設立の事務長として^主に厚生省と折衝いたしました。それはいわゆる財団の規約づくりでございます。何回か厚生省に参りまして、規約案文をつくって、書き直しては、またしばらくすると、担当者がかわったのでもう一回説明し直してというふうなことを八三年いっぱいやっておりましたのですが、八四年の初めになりまして、事務長を交代いたしまして、それ以後は血友病の財団の設立に関係しておりませんので、その当時、今御質問の第二の、外資系の会社が、協賛金ですか、寄附金というのに関して何か事務局にクレームがあったかどうかということは、それ以後の情報は、私、存じませんのですが。
  34. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 そうしますと、これは、つくる契機になったのは、厚生省とも話は風間参考人はされたということで、規約づくりについて話をされたということでございますが、血液製剤協会全体が安部先生に勧められたというぐあいにお聞きしていますか、それとも、ある国内メーカーを中心に、あるいは一部の、トラベノールも入っていたかもしれませんけれども、一部の製剤メーカーが勧めたというぐあいにお聞きしていますか。それとも、聞いておりませんか。
  35. 風間睦美

    風間参考人 全く私、その経緯に関しては存じません。
  36. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 この血友病総合治療普及会の理事でございます政治家としては、政界のドンとしての小沢辰男先生が出られていますね。それから理事長には、血友病治療のドンと言われた安部先生が出ております。それから、財界のいろいろな方も入っておられます。それから、これをつくるに当たって、少なくとも安部氏は、血液製剤協会あるいは血液製剤メーカーの中心的なところは恐らく何らかの形で勧めたのだと思うのですね。だからこういう発言をしているのだと思うのですね。  そうしますと、血液製剤メーカーと、それから医者の、血液製剤の中心である安部先生と、そして当時、厚生省に対して極めて強い影響力を持っていた、あるいは製薬会社に対して極めて強い影響力を持っていたと言われる小沢辰男先生が呼びかけ人にもなり、理事になってくるということになって、そしてこれで進んでまいりますと、大体、日本の政治のあり方としてはその方向に決まってしまうのではないかというぐあいに私は一応推察するのですね。  そして、この血友病総合治療普及会というのは、サマーキャンプとか、いろいろやられて、とにかく家庭療法ができるようになったよ、非加熱濃縮製剤という大変いいものができている、じゃんじゃん使いなさいよということをやるわけですね。  このつくろうかというころには、実は非加熱濃縮製剤危険性というものについていろいろな指摘が出始めているころなんですね、八二年の暮れくらいですから。それにもかかわらず、ずっとつくり続けて、その途中においては、いわゆるエイズ菌も固定されるという状況も起こるわけです。それでもこの財団をつくり上げてしまうということについて、不自然を感じませんか。何かあったという話を聞きませんか、これについて。
  37. 風間睦美

    風間参考人 ちょっとまだ先生の御議論をフォローできないところがありますけれども、私の見えております限りでは、先ほど申し上げましたように、厚生省の事務との事務折衝でございまして、それ以上の上の折衝に関係しておりませんので、責任あるお答えは、私、情報を持っておりませんので、全くお答えできません。
  38. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 ミドリ十字の当時の内藤さん、松下さん、それから小沢さんと安部先生との関係ですね、どういうぐあいに聞いておりますか。安部先生は、小沢先生に対して、あるいは内藤さんや松下さんに対して、いろいろなところで、彼はこうだ、こうだという話をしているのですね。恐らく風間参考人にもそういう話をしているのではないかと思うのですね。そういうことは、どういう関係だということを、当時、安部先生からどういうぐあいに聞いていますか。
  39. 風間睦美

    風間参考人 小沢先生に関しまして私が存じておりますのは、たしか終戦直後に、当時の、国をしょって立っていこうという方たちが集まった、たしか青年懇話会という会議安部先生が参加して、そこで小沢先生を知ったということを聞いております。  それから、もちろん、ミドリ十字の内藤先生に関しましては、これは安部先生が、クリオとか濃縮製剤をつくってもらうとお願いしたり、それから、たしか財団、あのミドリ十字でも財団をつくっておりますが、その中の重要なメンバーになっているという関係がございます。  ただ、一人一人に関してどういう程度の親密な関係にあったかということは、私、外にあって、存じ上げません。
  40. 衛藤晟一

    衛藤(晟)委員 この血友病総合治療普及会は、結果的には、非加熱製剤の、いわゆるもっともっと使うことはいいですよというPRをしてもらって、ふやしていったのですね。これは、非加熱製剤危険性が察知される時期にそういうことが企画をされ、そして、それがはっきりわかったにもかかわらず、それがそのまま突っ走ってしまう。  私は、これがもっと違う方向で積極的に、例えばクリオヘの一部転換だとか1全量できなかったということは、いろいろなお話を聞いて私も大体理解しました、クリオに全部戻るということは。しかし、非加熱製剤危険性があれだけ言われていたのですから、一部クリオに戻すとか、あるいは加熱製剤についても、これを治験を始めなければいけないという決定は十一月になされたわけですからね。ということは、血液製剤小委員会でいろいろな議論がなされているときに、既にやはり加熱製剤についての治験をやらなければいけないのじゃないかということの議論はちゃんと進んでいたと思うのですね。それは、先生方の中でも一部その議論は進んでいたわけですね。当時の、今、トラベノールだけの問題については一部あったかもしれない。しかし、やはり加熱の導入をやらなければいけないのじゃないかということはちゃんと進んでいるわけですからね。  その一方で、安部先生が、いわゆる学会の権威と言われる人たち、有力な政治家あるいは製剤メーカーが一体になってこの売り込みを続けるということについて、拡販みたいなことを続けるということについて、不自然さを感じませんか。
  41. 和田貞夫

    和田委員長 衛藤晟一君、申し合わせの時間を経過しておりますので、ひとつ御承知おきいただきたいと思います。
  42. 風間睦美

    風間参考人 私が存じております財団のアクティビティー、活動というのはたしか三つございます。一つは、血友病の研究に対する奨学金の給付、それから、年何回か各地区で行われます血友病患者さんを相手にしての講演会、それから、定期的なヘモフィリアニュースという印刷物の配付でございます。  今先生が繰り返しおっしゃいました非加熱製剤をPRするということは、私の目には見えておりませんでした。
  43. 和田貞夫

    和田委員長 石田祝稔君。
  44. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 風間参考人、きょうは御苦労さまでございます。私たちは真相究明のために全力で頑張っておりますので、どうか御協力をお願いしたいと思います。  今、衛藤委員からいろいろと御質問ありましたが、安部英氏との御関係について簡単に御説明いただけますか。
  45. 風間睦美

    風間参考人 私が東京大学医学部を卒業しまして、第一内科に入局いたしましたのが昭和三十三年でございます。それで、安部先生の研究室に入るということが決まりましたのがその直後でございましたので、三十三年ですから五八年でございますので、ほぼ四十年のおつき合いでございます。  その間、研究の指導を、博士号も取らせていただきましたし、その後、帝京大学へ安部教授が移られたときも、スタッフの一人としてアメリカから呼び返されたわけでございます。その後、安部先生が、血友病というのは一つの自分のライフワークであるということでいろいろな活動をされましたけれども、ある時期までそれを一生懸命手伝わさせていただいた、こういうことでございます。
  46. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 参考人は留学の予定を変更されて、急遽、帝京大学の方に早く帰ってくるように、こういうことでお帰りになったというふうに承知をしております。  それで、血友病患者さんを参考人は昭和五十九年以降診察をしていないということを裁判の証言でおっしゃっておるというふうに承知をしておりますが、これは紛れもなく、ただ一人ももうそれ以降はやっていないということですか。そして、その離れられた理由というのは何なのでしょうか。
  47. 風間睦美

    風間参考人 一九八三年つまり五十八年、一番エイズが問題になりまして、私がエイズの小委員会委員長を拝命していたころは、安部先生血友病に対する活動というのは非常に高いものでございまして、一つは、先ほど問題になりました財団の設立、それから、もちろん帝京大学におきます血友病患者さんの診療、それから、八三年の後半に始まりました加熱製剤の治験、こういうものを、私、当時、事務局的なレベルとしてすべてお手伝いしておりました。  ただ、血友病患者さんの診療に関しましては、大体八二年のころからほとんどタッチしなくなった。特に入院患者さん。それは、血友病の診療チームというのがだんだんできてまいりまして、それが中心になって外来の患者さん、入院した患者さんの診療をやっております。それで、八二年ごろから帝京大学内での診療というのにはほとんどタッチしなくなったというのが実情でございます。  それから、八四年の一月、二月になりまして、先ほど申し上げましたように、財団の事務長をおり、それから、安部先生が幾つかの経緯がございますけれども加熱製剤の治験グループの事務長的な役割もおりたわけでございます。そうしますと、実質的には八四年以降は血友病患者さんに関して主体性を持って対応するという立場ではなくなったというわけでございます。
  48. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ちょっと先ほどの御発言の中で確認をさせていただきたいのですが、そうすると、参考人が小委員長になられた八三年の段階、これはエイズが問題になっていたということを先ほどおっしゃいましたが、そういう認識というのは間違いなくあったということでよろしいのですね。  それともう一点は、八三年末に治験が始まったというふうにちょっとおっしゃいましたが、これは加熱製剤の治験が始まったということですね。  この二つは、うなずいていただきましたから、これで確認をさせていただきたいと思うのですが、この小委員会議論結論というものが親委員会にどういうふうにとられたのか。ですから、参考人が小委員会委員長として結論を出されたことが即親委員会の方の、研究班の方の結論になる、また、大変な影響力を与えるという認識のもとで議論を、小委員会の運営をされておりましたか。
  49. 風間睦美

    風間参考人 この小委員会報告と申しますのは、親委員会に対する答申という形だと私は解釈しております。それを親委員会がどう評価するのか、それから、親委員会がそれをさらに厚生省にどうフィードバックしていくのかということに関しては、ちょっと考えが及びませんでした。
  50. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 一九八三年の八月十九日に、参考人はオブザーバーとして第三回の研究班に参加をされておりましたね。そのときに、ほかにオブザーバーとして参加をされていた方はいらっしゃいますか。
  51. 風間睦美

    風間参考人 オブザーバーとしては、厚生省の担当の方たちはこれはオブザーバーの立場だと思います。ただ、私たちのような立場の人がいたかどうか、これは全く記憶がございません。
  52. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 その八月十九日のときに、参考人はオブザーバーとして出席をされた、そして、その会合の席上で小委員長に委嘱をされたというか、あなたやってくれ、こういうことになったというふうにお伺いをしておりますが、これは、前もって参考人を小委員長にしようということで参考人をお呼びになったというふうに感じましたですか。
  53. 風間睦美

    風間参考人 親委員会のそれまでの経緯というのは私存じませんけれども、私がオブザーバーとして呼ばれたというのは今の御質問のとおりだと思います。
  54. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、参考人に第三回の班会議出席をするように、こういう御連絡ないし命令と言ったらおかしいですけれども、そういうことがあったと思うのですが、これはどなたからお話がございましたか。
  55. 風間睦美

    風間参考人 これは安部先生であったと思います。
  56. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、安部先生風間参考人をこの問題での小委員長にしようということで当初からもう予定をされておって、そして、先ほど御記憶がないということをおっしゃいましたが、どうも参考人以外にいわゆる学者という立場で出席された方がはっきりしないのですが、そうすると、安部先生の御意向で参考人が呼ばれて、そしてその場で小委員長、こういうことでよろしいですか。
  57. 風間睦美

    風間参考人 私が選ばれたということが安部先生の一存であったのか、あるいはそれまでの親委員会でのディスカッションの中であったのか、そのところは、私、つまびらかにいたしませんですが。
  58. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 それで、小委員長になられて、ほかの十名の方を人選をされたと伺いましたが、これは、参考人の一存で十人を選ばれたのか、それとも、安部英先生なりどなたかに御相談をされて選ばれましたか。
  59. 風間睦美

    風間参考人 これは、たびたび申し上げましたように、私の一存、私の考えで選ばさせていただきました。
  60. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、このメンバーを拝見いたしますと、十一人中八人が血友病関係の方ということになっておりますが、これは何かそういうことを意図されて選ばれたのでしょうか。
  61. 風間睦美

    風間参考人 これは、血友病血液製剤をどう評価するかというのが一番、先ほどの二つの柱のうちの一つの大きな柱でございますので、比重を大きくして血友病の専門医を選んだわけでございます。
  62. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、十一人のうちの八人が血友病関係の方、こうなりますと、どうしても血友病をどうするかという議論で終始をするのが、普通考えればそうなると私は思うのですが、どうも議論もそういうふうに進んでいったように思いますけれども、これは、血友病専門医の方を選ばれたということが最終的な結論に大変な影響を及ぼした、こういうことですか。
  63. 風間睦美

    風間参考人 ちょっとどうお答えしていいのかわかりませんが、先ほど来申し上げておりますように、小委員会討議する大きな一つは、血友病治療をどうするかということでございましたので、そういう人選こなったわけでございます。  それで、もう一つの大きな柱である、それを裏づける血液事業をどうするかということがございましたけれども、それから製剤評価ということがございましたけれども、それに関しては日赤徳永先生メンバーに入れて、それを交えて討議しようという人選をしたつもりでおります。
  64. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ここで二つ目的をおっしゃいましたが、その血友病治療をどうするかということですね。  これについて私はお伺いをしたいのですが、それまでも、クリオから濃縮製剤に移って、血友病治療というものは、エイズという問題を抜きにすれば、極めて順調に進んでおったのじゃないのですか。ですから、改めてそこで血友病治療をどうするかということは、いわゆるエイズということが先ほどおっしゃったように大変な問題になっておった、ですから、エイズということと血友病治療が大変密接な関係にあるということで、これからの血友病治療をどうするか、こういうことですか。
  65. 風間睦美

    風間参考人 親委員会討議の内容、それから私たち血友病関係している医者の認識、それは、先生がおっしゃいましたように、あくまでも問題がなければこういう委員会はできなかったはずでございます。そういうことがあったからこそ、この親委員会ができ、なおかつ、それを踏まえて小委員会討議をするようにというふうに要望されたと思っております。
  66. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、私は大変わかりにくいのですが、この議論の中で、また最終的な結論の中で、濃縮製剤からクリオヘの転換はできない、こういうことで結論が出されているように思いますが、そうすると、エイズということが大変大きな問題だったというのは全委員の共通した認識だった、そういうもとで、血友病治療もこのままでいいのかという大きな問題提起というのが、実はエイズということが大変な問題提起だった。  ですから、まさしくクリオ濃縮製剤かという選択は、エイズということを抜きにして議論はできないというふうに私は思うのですが、これはエイズということが根本にあってクリオ濃縮製剤かを議論されたということでよろしいのですか。
  67. 風間睦美

    風間参考人 ぞれは、中間報告最終報告にも書いてありますように、それを踏まえての議論、当然でございます。
  68. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そういたしますと、これはいわゆる安全性の問題ということになろうかと思いますが、どうもクリオ濃縮製剤かという議論は、最終的に、クリオが詰まるとか詰まらないとか、いわゆるもっと有効性という観点から考えると濃縮製剤がよくてクリオの時代に返れない、どうも議論の流れが、それから安全性ということよりも有効性の方でずっと議論が収れんをしていくように私は思いますが、どうしてエイズということが大きな問題になっていながら――最終的に、私の理解するところによれば、どうも有効性の方で議論がまとめられた、こういうふうに感じられてならないのですが、こういうことではないのでしょうか。
  69. 風間睦美

    風間参考人 先ほどの先生の御質問とも同じようなことになるわけでございますが、薬剤といいますのは、有効性と安全性と両方をにらんで総合的に判定しなければなりません。もし安全性ということだけで結論を下すならば、クリオが第一選択だったと思います。  しかし、もう一つの、有効性というのは、これは血友病治療そのもの関係する問題でございまして、そこから、先ほど申し上げましたように、安全性を第一にしてクリオ選択した場合、血友病のその当時の治療からどれほど戻らなければならないのか、もとへ、昔に戻っていかなければいけないのか。これは、有効性が大きく減殺されるということになります。その有効性の減殺というのは、血友病患者さんそのものに対する脅威であるということになりますので、その間の有効性と安全性考え選択ということをやらなければいけなかったわけでございます。
  70. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、先ほど参考人がおっしゃったように、安全性ということを考えればこれはクリオだ、しかし、安全性と有効性を考えていろいろ議論した結果、将来的には加熱製剤ということも考えられるけれども、今のままでいこう、こういうことになった。ですから、安全性と有効性をてんびんにかけて有効性の方をとったということですか。
  71. 風間睦美

    風間参考人 先ほどもちょっと端的な数字を挙げて申し上げましたけれども安全性だけを考慮してクリオに戻った場合の利害と、それからその当時の輸入非加熱製剤を続けた場合の利害、これを勘案して、当時の私たちの知識あるいはアメリカあるいは国際会議でのいろいろな議論というものを勘案した結果、先ほどから申し上げております、当座は非加熱濃縮製剤選択する。外国でもいろいろな討議がございましたけれども、そういうこと、危険は十分承知しているけれども治療を変更する必要はないという議論がございまして、それが私ども参考になったことも事実でございます。
  72. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ですから、私が最初にお聞きをしたように、十一人の委員の中で八人まで血友病の専門の方を入れるということは、これは血友病治療という観点からの結論になるのではないですかと。ですから、十一人中八人ということですから、大変これは過半数を大きく超える人数、そういう人たち血友病の専門家であるがゆえにいろいろと御心配なされたと思うのですけれども治療という観点から一歩も抜け出せない議論結論を出してしまったのではないか。ですから、これが、人選のときから血友病専門医をたくさん入れ過ぎたといったらおかしいですけれども、入れたということで、私は、最初からある意味でいえば結論がもう決まっておったのではないか、こういうふうな思いを抱くのですが、これは間違っておりますか。
  73. 風間睦美

    風間参考人 血液製剤小委員会というのは、血液製剤評価を行う、血友病治療評価を行うということでございますので、血友病の専門医を中心とした委員会であると私は当初から考えておりました。  それに対して、例えば、当時は厚生省とかあるいは大河内先生大河内先生血液事業の立場からでございますが、厚生省血液事業の立場からですが、クリオということを主張しておられたわけでございます。それは、当時の私たちの目から見ますと、これは血液事業が第一であって、それを完成するためにはクリオであるという選択であったと思います。  私たちは、血友病治療をどうするか、当時のリスク、ベネフィットを考え血友病治療をどうするかということで、当然スタンスは多少違って議論の分かれるところもございますが、血友病治療を中心にした場合には、やはり血友病治療者、血友病の専門家が中・心になるのは当然だと思っておりましたのですが。
  74. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 重ねてになりますけれども、私は、最初に申し上げたように、この小委員会ができたときに、血友病の今後の治療をどうするかということは、確かに外国からたくさん血液を輸入し過ぎるという問題はもちろんございましたけれどもクリオから濃縮製剤に変わって自己注射もできるようになった、その年の二月、保険適用もなった、こういうことで使用量も飛躍的にふえていくわけでありますけれども治療方法自体としては、エイズということがなければ安全性議論というのはほとんどその時点でする必要はなかったのではないでしょうか。ですから、改めてそこでつくられたということは、血友病治療の有効性とかいうことではなくて、まさしく安全性はどうなのかという議論を私は本来すべきではなかったのか。  エイズということが大変大きな問題になっておった、こういうことは全委員の共通認識だったというふうに私は伺いましたけれども、そこのところを、どうして安全性ということをもう少し考え結論が出せなかったのか、大変不思議でなりませんが、参考人はどのようにお考えですか。
  75. 風間睦美

    風間参考人 今先生がおっしゃったように、もしこういう問題が当時起きなければ血友病エイズ委員会あるいは小委員会というのも組織される必要は全くなかったと思います。組織されたというのは、そういう安全性に問題があるからこそっくられたわけでございますし、一つ血液事業の立場からいいますと、厚生省大河内先生意見のように、安全性を含めて自給体制を確立すべきだという御議論もございます。もちろん、そういうことは私たちの視野に入っておりますし、当時の皆様方の認識程度血友病エイズリスクも十分承知しておるわけでございます。  それを視野に入れてなおかついろいろ議論をした結果、当時の方針としては、治療方針を変える必要はない、ただ、クリオ適応といたしまして、小さい子供さん、少量の輸注で済むのであれば、これはエイズだけではなくて肝炎の危険のことに関しても小ロット制度というのは安全なはずでございますので、そこはクリオ適応ができる限りはクリオ使用してくださいという結論になったわけでございます。
  76. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 では、次にお聞きをしますが、参考人は小委員長を引き受けられた時点でトラベノール社の自主回収のことについては御存じでしたか。
  77. 風間睦美

    風間参考人 当時は存じませんでした。
  78. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 当時、血友病治療参考人はされておったわけですね、五十九年以降はやっていないとおっしゃいましたが。そのときに、いろいろな製薬会社からの情報を集めておられたわけではないのですか。自分の治療に際して、いろいろな血液製剤メーカーがある、それで、その自主回収をされたというふうな、そういうことは一そうしたら、いつごろ承知したのでしょうか。
  79. 風間睦美

    風間参考人 これは、ことしになって厚生省からいろいろな資料が出てまいりましたときに報道されたということで存じたわけでございます。
  80. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 残念ながら、私たちは、参考人がそのまましゃべっていただいているということで、もちろんそれを信じて質問をしているわけですが、どうもにわかに信じがたい話ではあるのですが。  そうすると、トラベノール社の自主回収ということを知っておったら結論は変わっておったでしょうか。
  81. 風間睦美

    風間参考人 そういうことをおっしゃる方が何人もおられます。ただ、私たちの小委員会報告書を見ていただければおわかりになると思いますが、そういうことを小委員会の中では主張しておるわけでございます。つまり、スクリーニングを厳しくしてエイズリスクのない血液製剤供給してもらいたいと。  もし当時、そういうことを、トラベノール社が回収したということを知りましたならば、私たちのリコメンデーションが事実実行されているなというふうに考えたと思います。
  82. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 もう少しそこのところを詳しくお話しいただけませんでしょうか。私はスクリーニングということも疑問を若干持っているのです。アメリカの売血される方はお金がほしくて行っているわけですから、そういうときに、自主申告のような質問をして本人に答えさせて、いや大丈夫ですよ、こういうお墨つきをもらっても、これは余り役に立たないというふうに私は思うのです。  ちょっと先ほどの、トラベノールの自主回収ということを知っておったら自分たちの問題というのはリコメンデーションされたのだ、これをもう少し詳しく御説明いただけませんか。
  83. 風間睦美

    風間参考人 済みません、ちょっと聞き取れなかったのですけれども。もう一度お願いいたします。
  84. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 先ほど御自身がおっしゃった、トラベノールの自主回収を知っておったら私たち委員会のやっていることが逆によくわかってもらったのではないか、こういう趣旨の御発言をされましたが、そのことをもう少し詳しく教えていただけませんか。
  85. 風間睦美

    風間参考人 ちょっと繰り返しになると思いますけれども血液製剤小委員会のリコメンデーションとして、清潔な血液供給するように、これはもちろん、当座のアメリカのCDCだったですか、いろいろなところからも、清潔な血液供給するように、これはもう技術的には非常に難しい、当時は難しいことでございましたが、これは強くいろいろなところで勧告をされておるわけでございます。私たちももちろん、先ほど来の危険性考えれば、そういう材料というのはなるべく排除してほしいということで、この委員会報告の中に書いてあるわけでございます。  そういうことを当然委員会討議したわけでございますが、トラベノールが回収したということに関しては、それ自体に関しては、私たちは、今言ったような評価をした、知っていたならばしたと思いますが、さらに大きな問題は、これが一体アメリカではどのぐらい大きな背景があるのかという情報、引き取ったという情報がどれほどアメリカで深刻にとらえられていたのかという情報とともに与えられたとすれば、これは私たち考え方に大きな影響はあったかと思います。
  86. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 この小委員会議論は、三回小委員会が開かれて報告を出されたというふうに思いますが、いろいろな方の御意見を聞きますと、三回になっておるけれども議論を徹底的にやったのは一回で、あとはその取りまとめられたのを各委員がちょうだいをして、それに対する意見を求められた、そしてそれが最終的にまとめられた、こういう御発言の方もいらっしゃったように記憶をしております。  この取りまとめについて、これは参考人最初、下書きと申しますか、草案ですか、それをお書きになって、各委員に、これでよろしいか、意見があれば出してもらいたい、こういう形でまとめられたのでしょうか。
  87. 風間睦美

    風間参考人 これは、今お配りいたしました資料に詳しく書いてございますが、もう一回ちょっと繰り返して説明いたしますと、第一回には、幾つかの項目について議論いたしまして、それを私が第一回原案としてまとめさせていただきました。それを各委員に配りまして、意見を聴取いたしまして、それを直したのが第二案でございます。  その第二案をもとにいたしまして第二回の会合を開いて、その原案について逐条的に、徹底的に議論いたしました。それに基づいて書き上げたのが中間報告でございます。  中間報告を出したときに、親委員会から、この中間報告に関してのいろいろな要望がございました。その要望に関して、私がまた原案をつくりまして、各委員に配り、さらに第三回の会合では、それをまた逐条的に直して、最終原案の第一稿と申しますか、それができたわけでございます。  そういう経過をごらんいただければ、そのメンバーの先生が余り議論しなかったとおっしゃったとすると、それは私としては極めて意外でございます。
  88. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 平成四年十月二日の証人調書の中で、こういうことを述べられているのです。九月十四日に第一回の会議があって、そこで議論をして分担をした、そうすると、九月十四日の会議で大筋の方向は出たということでよろしいのですかという御質問に対して、「はい、その後で草案が出来上がったというわけですね。」こういうことなんです。  そうすると、一回の議論で大筋の方向を決めて、そしてそれに沿って草案が書かれた、こういうことですか。
  89. 風間睦美

    風間参考人 繰り返しになりますけれども、第一回の議論というのは、これはあくまでも原案の材料集めと申しますか、そういうことになります。実際の文書ができ上がりましたのが第一案でございまして、それに関して、先ほど申し上げましたように、第二回の会合を開いて、それの原案を徹底的に直した、そこで一応中間報告のコンセンサスができた、こういうふうに考えて申し上げたのだと思いますが。
  90. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、第一回の会議が終わって草案の取りまとめ、書かれたと。それはどなたかと御相談をされましたでしょうか、委員以外の方と。
  91. 風間睦美

    風間参考人 それは全くございませんで、御質問なさりたいのは、あるいは安部先生からの何か注文があったのじゃないかということでございますが、事実、中間報告の原案を書き上げて、これからこれを親委員会に出すのだというふうに原案を相談に行ったことがございますが、そのときにはほとんど何も注文ございませんでした。
  92. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 それでは、次にお伺いをします。  一九八三年十月十八日、家庭療法促進委員会という会合を開かれていると思うのですが、これは参考人安部英氏も参加をされているわけですね。それでよろしいですか。
  93. 風間睦美

    風間参考人 さようでございます。
  94. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 私がちょうだいをした資料の中で、テープを起こされた中の安部英氏の文章、いただいたのをそのまま読みますので、お聞きをいただきたいと思うのです。  ねいいか風間先生、とにかくあなたはなつ  ちゃったんだから、今更やめるわけにはいかな  いからね。…うん、あれは詰まるんですよ。誰  もが文句言う人いない。ずっとありまして、   あなたの学問的な良心だったらあるいは嘘を  ついてるということになるかもしれないがだ。  しかし一回でも詰まれば詰まる訳だ。それからその次に、  風間先生書いとけよ。そのコンセレートでなけ  ればならないという、まあ今るる述べられたと  いう結論になった訳です。  こういうことの御発言があったと、これはテープを起こしたという資料をちょうだいしたのですが、こういう発言はございましたか。
  95. 風間睦美

    風間参考人 当時そのままを私がはっきり覚えているかというと、これは覚えておりませんので、たしか一年前か二年前、こういうテープがあるよということで全部聞かせていただきまして、今おっしゃったようなことが述べられている。これは間違いないと思います。それでよろしゅうございますか。
  96. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、先ほどは、どなたとも御相談をせずに、結論、草案なりをまとめられた、こういうことでしたが、安部英氏からこういう発言があっても、それには一切影響を受けておらない、私は自分で良心に従ってと申しますか、自分の心のままと言うとおかしいですけれども、信じたままに結論を、草案を書いた、こういうことですか。
  97. 風間睦美

    風間参考人 安部先生は私の恩師でございますし、それまで私の個人的な論文というのはいろいろ指導を受けてまいっております。そういう点で師弟の関係というのはございます。  ただ、先ほど申し上げましたように、安部先生がその当時その場で強調されたことを、私、何回か繰り返して聞いてみましたのですが、クリオの質的な問題、剤型に関して非常に強く主張されておる。それを私、聞いておりますと、これはもう小委員会報告の中にクリオ欠点ということで既に書いてあるじゃないかと。そうすると、その点は変える必要がない。  それからもう一つは、この小委員会報告というのは私個人のレポートではございませんで、十一人の委員の、繰り返し討議したコンセンサスの結果出てまいったわけでございます。それが、その後、委員会で私に注意されたといって、変えるわけにはまいらない。  この二つ理由で、指摘された点に関しては最終報告まで変えておりませんでした。
  98. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 それでは、WFHのストックホルム会議についてお伺いをしますが、この会合に参考人も参加をされていたと思いますが、ほかにどなたが日本から行かれていたでしょうか。
  99. 風間睦美

    風間参考人 全員申し上げる記憶はございませんけれども、当時血友病治療関係した人、それから、そのすぐ後に国際血栓止血学会というのが開かれましたので、そこに出席する日本人、当時はアメリカに次いで日本人の医者の参加者が多かったと思いますので、非常に多数の人が参加したと思っております。
  100. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 この会議結論と申しますか、勧告、決議、これが先生の、参考人の小委員会に影響を与えたというふうにお考えでしょうか、また、それがさらにエイズ研究班の方の結論に影響を与えたとお考えですか。
  101. 風間睦美

    風間参考人 私たち、七月のころは、この問題を一体どう取り扱っていいか、私たち血友病エイズ患者さんというのは全く知りませんし。そうしますと、そういう会議ではアメリカとかヨーロッパとか、既に血友病エイズ患者さんを知っている医者がそこへ来て発言をしておるわけです。そういう発言がどうなのかというのは、私たちにとっては大変重要な参考資料になったわけでございます。  そこでの結論としては、エイズリスクはあるけれども、あえて現在の治療方針を変える必要はないという主張を学会の席上発表している医者がおりまして、そういうものかなというふうに考えて帰ってまいりました。その後、伺いますと、WFHの結論としてそういう方針が決まったということを聞いております。
  102. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 最後になりますが、参考人はその会議は御自身の研究のために、ですから、御自分の費用で、御自分の結論で行かれたということでよろしいのですか。
  103. 風間睦美

    風間参考人 私もちょっとよくそこら辺は覚えておりませんが、いろいろな報道によりますと、確かにミドリ十字から何人かの医者が旅費を持ってもらって会議に参加したと言われております。
  104. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 あなたはどうですか、一緒ですか。
  105. 風間睦美

    風間参考人 はい。
  106. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、当時の医学界の常識と申しますか、常識といえばおかしいのですが、そういうふうに製薬会社から旅費を出してもらって研究会に参加をする、こういうことは別に不思議なことでは、特別なことではなかったのですか。
  107. 風間睦美

    風間参考人 いえ、めったにございません。
  108. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ありがとうございました。
  109. 和田貞夫

    和田委員長 五島正規君。
  110. 五島正規

    ○五島委員 風間参考人、御苦労さまでございます。  社民党の五島でございます。  去る三月十九日、風間教授から厚生省に提供されました小委員会資料、これを読ませていただきまして、やはり今回の悲惨な事件の発生の最大の原因は、率直に言って、先生が主宰されたこの委員会結論にあるというふうに私は思わざるを得ないわけです。と申しますのは、九月の十四日以後開かれた委員会において、中間報告あるいは中間まとめの段階までの議論の内容と、お出しになられた最終報告との間に非常に大きな落差があるではないかという点を指摘申し上げたいと思います。  先ほどから先生は、クリオについていろいろお話しになりました。また、先日、当委員会安部元班長もおいでになりまして、盛んにクリオは使いにくい等々の御指摘をなさいました。その場合、正確にお使いいただきたいのですが、クリオの限界というのはいわゆる凍結液状クリオのことでございますね。どうですか。
  111. 風間睦美

    風間参考人 いえ、それは程度の差にはよりますけれどもクリオ全般だというふうに解釈しております。
  112. 五島正規

    ○五島委員 第一回の小委員会におきまして、これは九月の十四日に御討議なさいました。そして、この討議の中で、中間報告に盛り込まれるおおよそのことが整理されまして、その委員会の御意見を取りまとめられて、九月の二十一日、一週間後には各委員にこの取りまとめ案が配付され、各委員から意見文書で集約されて、十月五日には取りまとめられたと聞いております。  その経過を見てみますと、第一回の小委員会で、クリオプレシピテート評価としては、一つは、適応範囲が制限されるよということが指摘される。もう一つは、クリオの利点として、現在明らかな利点は肝炎伝播の危険性を減少せしめる点にある。同様の理由エイズに関して伝播阻止の可能性は推測される。そして欠点として、凍結クリオ欠点あるいはフィブリノゲンの問題、溶血の問題、あるいは非常に低単位で容量が多いというふうな使い勝手の問題等の指摘がございましたね。そして、この内容は中間報告まで、いろいろな御意見の中においても、各委員の御意見も大体、クリオの不便性といいますか問題点というのはこういう点で、議論が余り大きくはみ出さないという形で中間報告に書かれていると思います。  同時に、そうした中で加熱製剤評価、これもまた第一回目の委員会において、極めて当たり前だと思いますが、当時はエイズの発現物質と呼んでいたようですが、要するに、エイズウイルスの不活性化なんというのはその時点においては議論できないわけですから、そこのところは可能性しかないだろう、そしてむしろ、血中半減期の問題とかインヒビターの問題等々の問題が議論があって、治験を可及的早期に開始すべきだという結論を出された。  そして、第Ⅷ因子濃縮製剤については、ともかく一つ危険性の問題、安全性確保の問題、それからもう一つの問題は、非常に回収率が悪いという問題。したがって、これでいく限り、国内血でやっていくということは困難だというふうな問題が確認され、そして最後、国内自給態勢の確立ということの中で、それではフィブリノゲンを除去する加熱クリオあるいは中間クリオにしたらどうだろうか、そうすれば回収率は五〇%、約四、五倍上がるよ、それでやれば国内血でやっていける、だからこれを早期に進めるべきだという議論もございました。そして、この点については、中間報告がまとめられるまで、各委員からの意見においても何らの異論ございませんね。どうですか。
  113. 風間睦美

    風間参考人 中間製剤のことでよろしゅうございますか。  中間製剤経過に関しましては、第一回目の小委員会のときに、奈良医大の福井教授から、今先生がおっしゃったような利点のある製剤の開発をやったことがあるという発言がございまして、委員会としては、これは当時、一つ選択肢ではないかというふうに考えました。特に日赤徳永先生は強い興味をお示しになりましたので、これを一つの議題と申しますか、選択肢として中間報告の中に盛り込んだわけでございます。
  114. 五島正規

    ○五島委員 その点については、そのような形で第一回の会議が取りまとめられて、各委員にその取りまとめ案が配られ、そして書き込まれて、それぞれの委員の御意見を集めておられるわけですが、そこのところについては、各委員からの異論が記載されていませんね。そのことについて反対の御意見はなかったわけでございますね。いいですね。いいですね。  ところが、そういうふうな経過の中で中間報告として最終的にまとめられるのを見てみますと、いわゆる非加熱の第Ⅷ因子濃縮製剤については、多数のドナーのプール血漿を用いるため肝炎やエイズ伝播の可能性が考えられる、そして原血漿からの回収率が一〇から一五%と低いという指摘がございます。  それに対して加熱第Ⅷ因子濃縮製剤については、肝炎ウイルスが不活性化される可能性については甚だ興味が持たれ、また、エイズ発現物質除去の可能性についても検討の価値がある、しかし、エイズ対策としての評価を現時点で下すことは困難である、そしてそのほか、先ほど言ったような幾つかの、五点の問題を指摘されて、必要と思われる治験を我が国でも早期に開始すべきである、こうなっている。  そして、中間クリオについては、クリオ加熱その他簡便な方法により第Ⅷ因子活性を可及的に保ちつつ、主としてフィブリノゲンを除去する方法がある、これにより溶解性が簡単で第Ⅷ因子力価の比較的高い製剤を得る可能性があるのだという指摘中間報告ではございます。非常に重要なところでございます。  ところが、先生がお出しになった最終報告の中では、この加熱製剤についての言及と中間クリオについての言及は一切ございません。委員のお出しになった資料の中から見ると、参加された委員の中からはこれに対する異論が全く見当たらないにもかかわらず、この二つの重要な事項が最終報告から欠落した理由は何でございましょうか。
  115. 風間睦美

    風間参考人 二つのことだと思いますが、きょうお配りいたしました資料にもその点をちょっと説明してございます。  加熱製剤に関しましては、中間報告の時点ではまだ治験は始まっていなかった、早く治験を始めてその評価をすべきであるということを述べております。  最終報告を出したのは三月でございますが、そのときには既に加熱製剤の治験は始まっております。それで、その評価、問題点をもちろんその治験グループが承知しておりまして、それの評価というものの主導権というのはそちらへ移ったものだというふうに考えましたので、この加熱製剤に関する注文は削ったわけでございます。ただ、もちろん、その文章の中の一部分に示してありますように、そういう加熱のような処理によってより安全な製剤をつくるべきであるという意見は後退したわけではございません。  それから、中間製剤に関しましては、これは最後の段階でございますが、委員の一人であります安田純一先生、これは国立予防衛生研究所の血液製剤の製品の評価をなさる先生で、当時、たしか中央薬事審議会の委員長かな、をやっていらっしゃる方でございました。その先生から、まだ製剤として形になっていない中間製剤を、あるものとしてここに記載するのはおかしいのではないかという指摘を最後の段階で受けたわけでございます。それで、それでは中間製剤、形のあるものであればという前提がございましたのですが、その先生の御意見、特にこの先生は製剤そのものに関しての評価を担当する方でございますので、その御意見を尊重して削ったわけでございます。
  116. 五島正規

    ○五島委員 安田委員はたしか風間参考人に対して書簡もお送りになって、その点について触れておられる文章も今回先生の方から厚生省に提出されています。  それを読ませていただきますと、加熱クリオは、乾燥抗血友病グロブリンすなわち凍結乾燥クリオの基準内で扱うことは可能、製造も可能なはずである、しかし、試験時の検体量も薬価も含め単位当たりでなく容量で決めるとなると高力価なものをつくりたがらなくなる、そこのところをどう指導していくのかということが問題だ、使用者の便利さと法令上の扱いの調整が特に日赤相手では難しいのではないでしょうかという御指摘をしておる。  したがって、安田委員は、基本的に、この加熱クリオをつくることはそれほど困難ではないし、やれるはずだと言う。ただ、法令との関係の問題、あるいはここでは、日赤相手ということで、その辺に何かネックがあるのではないかという御指摘があるだけなわけです。  この安田委員の書簡を読んだだけでは、その当時、製造元が高力価なものをつくりたがらないのではないかという御不安は別として、一体どういうところで法令上の扱いが問題になるというふうに先生にお伝えになったのか、あるいは、日赤相手で難しいというのは具体的にどういう点において日赤相手では難しいとおっしゃったのか、お答えください。
  117. 風間睦美

    風間参考人 問題は二つあると思いますが、後の方の御質問考えてみますと、日赤相手に難しいという意味はよくわかりません。  それから、中間製剤としての製剤そのものに関しては、これは製剤が完成する状態、つまり完成した製品として瓶に入れられまして、ラベルを張られて、それが認可されるという過程になるまでには、製剤そのものの力価はもちろんのこと、製品としては安定性、それは患者さんに打ったときの安定性ももちろんですし、製品そのものを保存しておいた場合にどのぐらい安定性が保たれるか、それから、もちろん副作用、催奇性などの前臨床実験を踏まなければなりません。それから、もちろん臨床的には、臨床の患者さんに、ある程度以上の患者さんに注射をいたしまして、それの安全性それから有効性を確かめなければいけない。  そういう点に関しては、当時の中間製剤は全く満たしておらなかったわけでございます。その点は、アメリカで既に認可されて、治験の始まりました加熱製剤とは同一に論ずるわけにはいかない。そういう製剤としての、まだこの世に生まれていないものに対しての安田先生の御批判だったと思います。
  118. 五島正規

    ○五島委員 製剤としてまだ商品化されていない問題に触れるなということであれば、加熱製剤についても、その当時、治験が始まったばかりでございます。  そして、今、安田先生がそういうふうにお話しになったということですが、少なくとも資料として先生から提出されている内容を見ると、十月六日の安田先生からの風間先生に対する書簡を見ましても、むしろクリオに戻るという話よりもその方がアピールするではないかということで、安田さん自身も含めまして、中間クリオというところ、そう技術的困難はない、あるのは法制上の問題と日赤の内部的な問題なんだというところがその当時の合意だったのではないですか。技術上の問題は、奈良医大の福井さんなんかを含めまして、もう既にやられたという技術もあったわけでございますから、また日赤も、八三年の二月にはその小委員会を内部的につくっておられるという情報も明らかになっております。  そうすると、こうした中間クリオによっていわゆる在宅療法も含めてやれるという可能性はあるのだというこの先生の委員会の初期の段階の結論というものが、なぜそこまで議論として煮詰まっておりながら最後の段階で消えたのか。それは、安田さんがそうおっしゃったということだけが原因である、理由であるとは思えない。もう少しそこのところを丁寧にお答えいただきたいと思います。
  119. 風間睦美

    風間参考人 技術的な問題で、ほとんど製剤としては完結された状態であるとは思えません。それは、当時のレポート、その製剤に関しての報告書は奈良の日赤から出ているレポートでございます。それに関しては、有効性に関して力価はこれこれである、それから、患者さんに使ってみたらこれだけの効果があったということがレポートでございまして、もしそれがそのまま中央薬事審議会に上げられたとしても、全くそれは製剤としては認可されないものでございます。まして、日赤が製品としてそれを開発を始めたかどうかという段階だったのじゃないかと思います。そういうことでございます、第一回としては。  ただ、この小委員会といたしましては、それは選択一つとして、可能性として私たち最初興味を持ったということも事実でございまして、その結果が中間報告あるいは最終報告のある段階までには記載されております。  最後に、安田先生の十月の手紙を今読んでいただきましたけれども、それも事実でございますし、最後の段階で安田先生からこれは不適当であると指摘されたのも、これは事実でございます。それ以外の圧力というようなものは全くございません。
  120. 五島正規

    ○五島委員 委員会議論の中で、中間報告にまでそのことが指摘されておりながら、その最終報告の中で、仮に安田先生がそれまでの主張をお変えになったとしても、一委員の主張だけでそういう重要なことが削られるということがあり得るのかどうか。委員会というのはそういうものかどうか。  それからまた、今おっしゃいましたけれども、例えば五十六度で三分間、あるいは、いや五十四度で十分間加熱すれば活性率は七〇%で保たれるとか、このことに関してのいろいろな情報が集約されているわけで、全く手つかずで、全く展望のないという議論ではなかった。もし研究者が集まって委員会をつくるとするならば、現在そこにまだ商品としてないとしても、そのことによってより安全なものが簡便に、中間報告にお書きになっているように簡便に、また安田さん自身も言われておりますように、現在の製法の基準の中で取り扱うということが可能であるならば、そこの形の中で安全性を確保するための強調というものがあってしかるべきではなかったかと思うわけですが、実際は残念ながら省かれてしまいました。  そこのところを、なぜこういう結論になったのかということを見てみますと、第一回が九月十四日、そして第二回の中間報告を挟みまして、十月の十四日に中間報告を第四回のエイズ実態調査研究班に報告される。そして、そのエイズ実態調査研究班の御議論を各委員にお知らせすると同時に、一月の十一日に最終案のまとめに入られるわけです。  その過程で、十月の十八日に、家庭療法促進委員会と称する、ある種この研究班全体を網羅するフラクション会議なんでしょうか、私はこれは公的な文書でなくて録音テープを、弁護団の方がおつくりになったものを、裁判所にお出しになられたものをたまたま手に入れておりますが、これはまともな学者の議論とは思えませんが、何かフラクション会議みたいなものが開かれた。  そこの中で、安部さんが中心になって、いかに強弁をして反対派を黙らせるかということをるる強調しておられるわけですが、この家庭療法促進委員会議論の中において、中間報告というのは委員会議論とは関係なしに決められたのではないですか。その辺はどうなんですか。
  121. 風間睦美

    風間参考人 誤解するといけませんので、ちょっと確認させていただきますが、小委員会家庭療法促進委員会関係の御質問でございましょうか。
  122. 五島正規

    ○五島委員 いや、風間委員長に対しても、安部さんを中心に、十月十八日の家庭療法促進委員会というところにおいて、先生がおまとめになった中間報告に対して大変な抗議をしておられますね。しかも、どういうふうに、例えば大河内先生などに対して対処しろとか、あるいはうそであっても明確に強弁することが大切なんだとか、いろいろなことを言っておられる。むちゃくちゃな話です。しかし、その中で、おいでになった先生方を含めて、安部さんに全然、率直に言って反論できない、抗弁できないままの委員会のテープのあれがございますが、こういうふうなことがあって、結局、中間報告であそこまでまとまっておきながら、最終報告の取りまとめのところはねじ曲がったのではないかというふうに聞いているのです。
  123. 風間睦美

    風間参考人 できなかったのではないかという御質問でございますが、これは、私のところからいろいろな資料をお見せいたしたことを見ていただければわかると思いますし、先ほど来申し上げておりますように、安部先生のあのときの指摘クリオの質的な問題だったわけでございます。  その点に関しましては、私たちは変える必要は毛頭ないと思っておりましたので、確かにああいう発言がございましたし、その後も、変えないということに関しまして安部先生からは個人的に大分指摘されたことがございますけれども、先ほど申し上げましたように、内容としては変えるような指摘ではなかったこと。それから、小委員会として出した結論、これを私が変えるわけにはいかない。委員の中からの意見であれば、これは考えなければいけないかもしれませんけれども、外からの意見ということに関しては、これは変えるわけにはいかないというふうに考えておりました。
  124. 五島正規

    ○五島委員 そうであれば、安田先生の責任に先生は転嫁されておられるわけですが、安部さんのおっしゃっているクリオというのも、自分が最初にやったとかなんとかいうことを含めて、液体クリオのことを指しておられますね、この家庭療法促進委員会の中の議論というのは。  ところが、小委員会のところにおいては、フィブリノゲンの一定の処理の問題を含めて、乾燥クリオというイメージが明確に出てきている。そしてそのことは、うまくいけば濃縮製剤にかわり得る可能性を持っているということを具体的に指摘しておられる。そして、そのことの開発を非常に当初から強調されているではないですか。にもかかわらず、安田委員がそういうふうな御意見があったというのはわかりませんが、あったのでしょう、先生おっしゃる以上。あったとしても、最後の段階で、一委員が、まだそこのところで製品化されていないものについて云々するのはという御指摘で、この重要な議論を打ちどめにされた。私は非常に残念です。  事実、その当時の状況の中で今からお考えになって、もしこの脱フィブリノゲンといいますかフイブリノゲン除去でエイズを非活性化できるかどうか、それからB型肝炎ウイルスを非活性化できるかどうか、それはわかりません。しかし、少なくともクリオとして、乾燥クリオとして先生方が臨床的に使い勝手のいいものをその時点で開発しようとしたら、どれぐらいの期間があればできるとその当時先生はお考えになったのか、そこのところを率直にお教えいただきたいのです。
  125. 風間睦美

    風間参考人 ちょっと期間のことについては、私、何とも申し上げられないのですが、これはもちろん開発のスピードということに関係しております。先ほど申し上げましたような薬剤そのもののいろいろな前臨床実験を済ませ、それから必要な、もちろんその中には一番重大な安全性のハードルをクリアするという問題、それから臨床に使ったときの有効性、安全性が十分の患者さんを対象に治験をした成績が出るという、これだけの時間が必要でございますが、それがどのぐらいでできるのかという予想はちょっと私には、これは日赤の開発能力によると思います。
  126. 五島正規

    ○五島委員 もう時間がありませんが、その点について安部委員が、十八日の家庭療法促進委員会の中において、一、二年かかるのだ、とんでもない話もしておられますね。事実、そういうことはあり得なかったはずですね。もう技術的には既に医療機関あるいは研究者の段階で先行していることですし、あとは、日赤の持っている血液の中において、どう行政的な力を得てそこのところに持っていくかということだけだっただろう。だから、安全性の確認というのは、五十四度という温度を考えた場合に、加熱製剤よりも低い温度でございますから、それ以上の危険性はあるわけがないわけで、治験の時間がそれ以上にかかるということも考えられません。  そういう点からいった場合に、これはどうも、クリオをより効率よく使っていって適応範囲を広げようということを、最初から、中間報告が出された段階から一斉に妨害が始まった、それに先生は圧力をお受けになったのではないか。その当時、先生はそういうふうな圧力をお感じになりませんでしたか。最後に、その点だけお伺いしておきます。
  127. 和田貞夫

    和田委員長 五島正規君、申し合わせの時間を経過しておりますので、御協力を願います。
  128. 風間睦美

    風間参考人 圧力をかけたということは、全く私にとっては……(五島委員「かけられたということです、先生が」と呼ぶ)私が。いや、圧力というのはどう解釈していいのかわかりませんが、安田先生の御意見は、これは製剤に関する班員からの意見であるということで、圧力だとは思っておりません。それ以外の圧力は一切ございません。
  129. 五島正規

    ○五島委員 終わります。
  130. 和田貞夫

    和田委員長 枝野幸男君。
  131. 枝野幸男

    ○枝野委員 先ほど来、クリオの有効性と安全性の話が出ておりますが、私からもう一度単純にお尋ねをさせていただきます。  濃縮製剤を使っていたのをクリオに戻した場合、血友病患者さんの命にかかわるというようなことが出るということはあり得たのでしょうか。
  132. 風間睦美

    風間参考人 私たちはそれを一番心配しておりましたし、可能性は十分あると思います。
  133. 枝野幸男

    ○枝野委員 それはどういったケースを想定されておられましたか。
  134. 風間睦美

    風間参考人 治療が十分にいかない、つまり、先ほどの議論でも申し上げましたけれども、当時、即時的にクリオ供給が十分行き渡る、当時の血液事業体制では必要とされる濃縮製剤クリオ供給することはできないというためでございます。
  135. 枝野幸男

    ○枝野委員 では、供給量の話以外では大丈夫なんですね。  今先生がおっしゃったのは供給量の話です。供給量とは別の問題として、仮に十分な供給ができた場合は、命にかかわるようなことはないのですか。
  136. 風間睦美

    風間参考人 これは治療のやり方によると思いますけれども、例えば軽度の治療というのは両方でもできると思います。ただ、命にかかわるような重篤な治療の場合には、クリオで十分な投与を行うというのはかなり問題がございました。
  137. 枝野幸男

    ○枝野委員 濃縮製剤の前はクリオが使われていたわけですが、濃縮製剤がつくられる以前の段階、前の段階、クリオが使われていた段階で、現実に血友病患者さんがクリオ治療をしたのだけれども、それでは不十分で命をなくすケースというのは、先生は何度もごらんになっていたのですか。
  138. 風間睦美

    風間参考人 何度も見ておるわけではございませんが、クリオ治療によって大変苦労した、それが濃縮製剤によって非常に積極的に治療することができるようになった、あるいは家庭療法の導入を行えるようになったという違いは、身をもって体験しております。
  139. 枝野幸男

    ○枝野委員 私は命にかかわるという話だけしていますので、便利になったかどうかという話はちょっとおいておいでください。  先生がきょうお配りになった資料の中に、例えば三ページのところには、「相対的適応として」「乳幼児(ただし頭蓋内出血その他の重篤な出血の場合は濃縮製剤を用いたほうがよい)」というような書き方で書いてありますが、私がいろいろな、今までこのクリオ血友病の病気の性質等を聞かせていただいている中からすると、要するに、ここに書いてあるような頭蓋内で出血が起こったような場合のように、非常に大量の血液が非常に危険な部分から出てきたときには緊急に血をとめなければならないので濃縮でないと間に合わない、そういう理解なのではないのでしょうか。それは間違っていますか。
  140. 風間睦美

    風間参考人 治療の問題だと思いますが、重篤な、大量の出血、もちろん大量の出血がございますし、それから、当時の血友病患者さんの生命を一番脅かしていたものは頭蓋内出血でございます。それから、必要とされておりますいろいろな手術、これは関節の手術は待つことができますけれども、ほかに猶予を許さないような手術、こういうのは、当時の我々の、現在でもそうですけれども、我々の考えでは、濃縮製剤でなければコントロールできないということでございます。
  141. 枝野幸男

    ○枝野委員 例えば、血友病患者さんというのは頭蓋内出血というのは非常に多く起こるのですか。
  142. 風間睦美

    風間参考人 多くはございませんが、血友病患者さんの死因としては脳内出血それから大出血ということが大きなファクターでございます。
  143. 枝野幸男

    ○枝野委員 濃縮製剤が開発される前の段階で、頭蓋内出血に対してクリオを使っていたのだと思うのですが、クリオではどれぐらいの率で死亡してしまったのですか。
  144. 風間睦美

    風間参考人 帝京大学の中で、ほかの患者さんの状況は私よく把握しておりませんけれども、帝京大学の中では、何回か頭蓋内出血の患者さんを治療しまして、何とか食いとめております。
  145. 枝野幸男

    ○枝野委員 そうですよね。いろいろなところからお話を伺ってみますと、確かに濃縮製剤の方が便利で早くて有効かもしれないけれどもクリオでも相当数、命を守ることはできる、本当にごくまれなケースとして、確かに濃縮されたもので急いでとめなければいけないものがあるのかもしれませんが、それは一部のケースである、それが現実なんじゃないですか。
  146. 風間睦美

    風間参考人 済みません、最後がちょっと一言……。
  147. 枝野幸男

    ○枝野委員 要するに、濃縮製剤を使った方がとめやすいというのは確かかもしれませんが、今お話しになったとおり、帝京大の例でも頭蓋内出血をクリオで命をとめた、命を守れたというふうにおっしゃっているように、クリオだから命を守れない、死んでしまうというケースは、それはゼロではないでしょうけれども、ごくまれなケースというふうに理解すべきじゃないですか。
  148. 風間睦美

    風間参考人 それは、どうでしょうか、私、全体の像というのに対してちょっと責任持ったお答えをできませんですが、一応、必要な製剤量を十分手に入れた帝京大学のようなところでは、何とか食いとめられたということだと思います。ほかのところではどうだったでしょうか、これはかなり重大な問題だったのじゃないかと思いますが。
  149. 枝野幸男

    ○枝野委員 ここでお話を伺っていると、どの先生もそうなんですが、量の話をしていると、量の問題じゃなくてクリオでは不十分、要するに有効性とかの問題でだめだったのだ、今のように有効性のお話を聞いていくと、いや、量が足りないからだめなんだという話に、堂々めぐりをするのですよ。ですから、今は量の話はおいでおいでくださいと、有効性の話を申し上げたわけです。  それで、今お認めいただいたとおり、基本的にはクリオでも命は守れる、量さえあれば命は守れる。だとすると、エイズは、原因が特定されていなくても、少なくとも血友病患者さんに血液を介してうつってくる可能性が、疑いがかなり強い病気で、なおかつ、それによって死に至る病気である、この認識はある意味では一般的にはっきりしていた。そして、そういう前提で議論を始めた。  そうすると、片方はクリオでも量さえあれば命はとめられる、命は守れる、片方は命を失うかもしれないリスクだ。これは明らかにもう比較のしようがない、どちらが有効性があるとかないとかという議論以前に、命と命以外の問題ですから、これはもう比較のしようがないのじゃないですか。
  150. 風間睦美

    風間参考人 今の御議論はごもっともだと思いますが、命と命でないものの比較と私たちはとらえておりませんでした。やはり血友病治療の後退というのは命にかかわる問題でございますので、命と命との間の選択というふうに考えております。
  151. 枝野幸男

    ○枝野委員 今の説明はよくわからないのですが、クリオでも量さえしっかりあれば、死亡する例は少なくとも帝京大ではなかったということをお話しになっているわけですね。しかも、例えば、こちらが百歩譲って、どうしても濃縮製剤でなければ命が守れないケースがあったとすれば、それはごくまれなケースだということですから、そのときにはインフォームド・コンセントを十分とした上で濃縮製剤を使うという選択も、既に存在はしているわけですから、あり得るわけですね。  そうすると、ふだんはクリオを使いなさい、クリオを使って、そして、クリオでは足りないような大きな出血をしたときは、それはエイズリスク等それぞれ判断をして、濃縮製剤を使うか、それともリスクを負ってもクリオでやるかというふうな選択をするというのが常識だと思うのです。  今の先生のお話はちょっと常識では通用しない話だと思うのですが、もうちょっと説明してください。
  152. 風間睦美

    風間参考人 今の先生の御議論は、一つの前提、つまり、クリオが十分供給されるという量的な問題が前提になっておって、これはちょっと除いて議論しようということだと思います。  クリオ治療、十分量のクリオ使用するという問題でございますが、これは、中間報告にも大体その基本は書いてございますけれども、中等度以下の出血ではクリオは安心して使える、しかし、それ以上の、大量の使用をした場合には、それまでのクリオ使用の仕方では――実情を申し上げますと、クリオの時代と濃縮製剤の時代とでは、治療方針が全く変わってきているのでございます。  それは、クリオの時代、当時の第Ⅷ因子濃縮製剤使用量の推移を見ますと、第Ⅷ因子になってから使用量が飛躍的にふえております。これは、私たちが実感しておることでございまして、クリオに比べて濃縮製剤の止血効果が確かに確実であるということを私たち患者さんも実感として体得して、それでこの濃縮製剤に依存する率というのが非常に高くなってきた。そういう時代の濃縮製剤治療方針と、クリオしかなかった時代、恐る恐るいつ副作用が起こるかわからないというような時代とでは、治療方針が全く違うわけでございます。  その質的な問題の違い、これは今から考えれば数字を並べれば同じじゃないかということでございますが、クリオの時代の治療方針と濃縮製剤治療方針というのは、冒頭にも申し上げましたけれども利便性と申しますか、技術を改良することによって、治療方針、血友病考え方そのものが変わってきたという大きなメリットがあるわけでございます。
  153. 枝野幸男

    ○枝野委員 あなたの恩師でもある安部英さん、は、この場で私の質問に答えて、供給量の話を議論しなかったのかという趣旨質問に対して、供給量の話を議論する以前の問題として、クリオではだめなんだから供給量の話には行かなかったのですということを、ここで明確におっしゃっているのです。ということは、あなたは、安部英はうそをついたということをおっしゃりたいわけですね。
  154. 風間睦美

    風間参考人 供給量の問題、ここでは、中間報告を見ていただければわかると思いますけれども供給量の問題を私たち討議しております。そして、クリオでは、ある程度補充できるし、それから、当時の血漿を全部第Ⅷ因子製剤に回すならば、それは自給も不可能ではないということを私たち討議しております。  安部先生の御議論は、クリオという選択肢がないわけですから、その議論は初めからなかったと思いますが。
  155. 枝野幸男

    ○枝野委員 あなたも御関心がおありでしょうから、聞いていらっしゃらなかったのかと思うのですが、安部先生は、供給量の問題は議論をしなかった、議論をする必要がなかった、なぜならば供給量があったとしてもクリオではだめなんだから、だめなんだから議論をしなかったと。安部先生はですよ、安部先生たちは、親委員会は。それで、クリオではだめなんだという議論でやっていたのです。クリオはほとんど対象にならなかったということを、ここで明確にそういう趣旨のことをおっしゃっているのですよ。  ところが、今、風間先生がおっしゃっているのは、効用の問題とも絡むのですが、結局は量が足りないからクリオではだめなんですと。今先生のおっしゃっているのはそういうことですよね。要するに、治療の方法も変わっている、質も変わっているけれども、量がたくさんあれば命を失うことはない、基本的にはないとおっしゃっているのですから、命を失う可能性があるのかどうかは量の問題ですと先生はおっしゃっているのです。全然違うことをおっしゃっているのです。どちらかがうそをついていなければ、こんな話はあり得ないわけです。
  156. 風間睦美

    風間参考人 供給量の問題は、ここで、中間報告議論したということを申し上げたわけでございます。  もちろん、この問題に関しましては、質的な問題と量的な問題がある。そして、質的な問題に関しては、製剤としてのクリオ濃縮製剤の比較である。そして、それぞれの適応を私たちは設定したわけでございます。その点で、量的な問題、これは安部先生の御発言の方が正しいと思います。
  157. 枝野幸男

    ○枝野委員 安部先生は量の話をしていないと今何度も申し上げております。安部先生は、量の話は議論をしなかった、問題ではないのだと。量の問題ではなくて、クリオでは人が死ぬかもしれぬというような趣旨でしょうね、質の問題だと、効果の問題だというふうに。  もっと単純にお答えください。いいですか。片方はエイズという、かかれば死に至る病、少なくとも特に当時は間違いないと思われていた病、そのリスクが片方にあるわけです。もう片方で血友病治療しなければならないという話があるわけですが、片方が命を失うかもしれない話であるわけですから、こちらは、まさにこうしなければ命にかかわるという話以外では比較の対象にならないでしょう、基本的には。比較の対象になるのですか。
  158. 風間睦美

    風間参考人 先ほどから先生の御主張なさることはよくわかります。しかし、血友病それ自体のことを考えますれば、クリオ治療というのでは、特に生命の危険があるようなものに対する治療はどうしても制限がある。そういうことで、やはりクリオに関しての、濃縮製剤からクリオにもし転換するとした場合の血友病の生命の危険はあくまでもある。
  159. 枝野幸男

    ○枝野委員 では、その量の話をいたしましょうか、時間がなくなってきましたが。  量がないという判断は、どういう根拠に基づいて量が足りないと判断されたのですか。
  160. 風間睦美

    風間参考人 量の問題は小委員会では討議をいたしません。ただ、量の問題がその後いろいろ討議されておりましたので、今改めて、数字だけでございますけれども検討してみたわけでございます。  それは、最終報告に書いておりますけれども、当時の献血の数は七百六十七万本あった。これは日赤資料でございます。その中で、規格外を落とすと七百十九万本である。その七百十九万本の中で全血として使われるものを除きますと、血漿分画で……(枝野委員「細かい数字ではなくて、要するに当時のデータに基づいてということですか」と呼ぶ)はい、当時のデータに基づいて、新鮮凍結血漿を削らない限りはクリオ供給量は不十分であると判定いたしました。
  161. 枝野幸男

    ○枝野委員 時間になりましたので終わらなければいけないわけですが、仮に当時の献血量で足りなかったとしたら、もっと献血をふやしてください、これこれエイズという新しい病気が出てきて、外国から、だれからとったかわからない血では不安だから、日本人の皆さんの、間違いない、身元のはっきりしている血でやらなければいけないからというようなことをすれば、ふえるかもしれない、ふえないかもしれない。でも、ふやす努力をするというのが仕事じゃないですか。少なくとも、当時のとり得るベストの方法じゃないですか。それでも足りないからという話であるならばともかくとして、初めからそういう前提を考慮せずに、努力もせずに、当時の量から比べれば足りません、だからだめです、そんな話は全く無責任としか言いようがない。  さらにもう一つ言えば、エイズの方については、少なくとも特に当時はエイズ血液を介してうつるらしいということに疑いが強く持たれていたわけですが、確定をしていなかった。しかも、感染をしても発病するかどうかわからないようなことも当時言われていた中で、確かに濃縮の方が便利だ、一般生活をする上でもいいと。そうしたら、もしクリオで足りないのだとしたら、例えば選択肢としては、こういう状況でクリオを選んでいただけば間違いないでしょう、濃縮製剤では危ないかもしれないけれども便利ですよと患者さんの選択に任せるとか、そうすれば、一気にはクリオに戻らないで足りるかもしれない。そういった努力をされた形跡が全く感じられない。そうした努力をした上で、足りないからやむなく濃縮製剤を使っていましたというならともかくとして、初めから濃縮製剤ありきという結論が出ていたとしか思えない。これは小委員会の責任を十分に感じていただかなければいけないなということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  162. 和田貞夫

    和田委員長 岩佐恵美さん。
  163. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 今、血友病エイズ感染させられた患者の皆さん、五日に一人亡くなる、そういう状況にあります。エイズ感染をしたということは、死を感染させられたということと同じなんです。  参考人委員長を務めた血液製剤小委員会が、危険な輸入血液製剤使用をやめる、安全なクリオ等の製剤にかえるという結論を出していたならば、このような大きな被害を出すことはなかったし、血友病患者の皆さんを苦しめる、家族の皆さんを苦しめる、そういうこともなかったのではないかというふうに思います。その点、参考人はどうお考えでしょうか。
  164. 風間睦美

    風間参考人 先生の御発言、まことにごもっともだと思います。  今から考えますれば、その当時の私どもの知識というのをベースにした場合を別として、現在、いろいろな情報、クリオそれから加熱製剤安全性、それから患者さんの現在の悲惨な状態ということから考えますれば、今の私の考え方からすれば当時はどういう選択肢があったかということになりますけれども、それは、やはり第一選択肢としてはクリオであったと思います。もしそれが不十分であるとすれば、何とか、当時の加熱製剤というのは不十分であったのですが、第二選択肢としては加熱製剤、それでもどうしても量が足りなければ、これはインフォームド・コンセントのもとに緊急避難として濃縮製剤を使う、そういう態勢があったと思います。
  165. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 当時は情報が不十分だったということのようですけれども、しかし、エイズ感染するということは死を感染させられることなんだ、非常に大変な事態だ、だから、エイズ研究班もできたし、血液製剤小委員会もつくられていくわけですね。そういう経過をたどっている。だからこそ、さまざまな場面で、それこそ先ほどからも言われますけれども、激論があったというようなことがあるのじゃないでしょうか。  例えば安部氏について、参考人は当時どういうふうに考えておられたのか、今現在、安部氏についてどう評価をされているのか、その点について伺いたいと思います。
  166. 風間睦美

    風間参考人 ちょっとお答えにくい御質問でございますが、安部先生に対してどう評価するかという御質問、これは公的活動のことをおっしゃっているのか、個人的な意見をおっしゃっているのかわかりませんが、公的な活動に関しては、当時、血友病治療のあらゆる面で非常にアクティブに行動しておった人だというふうに解釈しておりますが。(岩佐委員「現在、今」と呼ぶ)  現在の安部先生をどう評価するか、あるいは当時の安部先生を現在からどう評価するかということかと思いますけれども、前者に関してはちょっとお答えすることはできませんが、当時の安部先生の活動に対して私たちが今どういうふうに思うか、今から振り返ればということになりますけれども、非常にアクティブにやっていたことは間違いない。しかし、それに関して、確かに安部先生の気性と申しますか人格と申しますか、非常にある意味では強引に局面を引っ張っていたというところはあるかと思います。
  167. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 小委員会についてですが、徳永参考人は、前回のこの委員会で、だれが考えましても、議論をしていけばクリオでなければつじつまが合わなくなるということは明らかでございますから、そういう趣旨での話に終始したが、最終的な文章はかなりニュアンスとしては違ってきているという印象を持った、そういう発言がありました。  例えば、第二校正原稿にあった、「クリオ血友病治療の大きな進歩をもたらし、本疾患の止血対策が決して困難ではないことが広く認識されるようになった。」こういう文章が第二校正にはあるのですね。つまり、これは、クリオが果たしてきた、あるいは当時果たしている、そういう役割を評価した当たり前の表現だと思うのです。こういう表現まで最終文書から削られてしまっている。これは一体何なんだ。結局、クリオを全面的に否定するというような流れがあったから、だからこういう当たり前の文章まで削られてしまったのじゃないかというふうに思うのですが、その点、参考人はどうお考えでしょうか。
  168. 風間睦美

    風間参考人 二つの御質問があると思います。徳永先生の御意見と、それから報告書を改正していった経過の問題の御質問だと思います。  前の質問に関しては、徳永先生の御発言の件でございますが、徳永先生の御発言の件に関しては、私は、議事録を読みまして、いささか意外な感じがございます。  と申しますのは、最初から最後まで徳永先生メンバーとして出席し、かつ私たちの原稿を必ず見ていらっしゃる方で、第一回の討議のときに、クリオというものの適応というのをその場で討議して、一応コンセンサスをとっておるわけでございます。それを、その後のクリオ適応に関しての記載をごらんになればおわかりと思いますけれども、その点に関しては基本的に変わっておらない。それがどこかで変わったというような御発言、あるいは先生が知らないうちに変わっていったという御発言、これは私にとっては大変意外な御発言だったと思います。  それから第二番目の、クリオ評価をした部分が削られているというのは、たしか第二原稿を第二回の小委員会で逐語的に言葉を追って原稿を改訂していったときに削られた部分じゃないかと思います。ただ、それが、だれが発言して、どういうふうに削られたかという記憶は私はございませんので、何ともわかりませんが、ただ、最初クリオを高く評価しようというスタンスがあって、それが経過を追っている間、それから安部先生の注文がついた間にクリオに対する評価の仕方が減少していったということはないと思います。
  169. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 事実がそういうふうに物語っているような気がしますけれども。  国際会議での発言が先ほどからありました。国際会議では議論があった、しかし、現在の治療法を変える必要がない、そういう結論が、例えば小委員長としての活動、最終報告等に影響があったというふうにおっしゃられたと思います。  この国際会議のことなんですが、六月二十六日に、いわゆるお医者さんの会議というのが二十九日の総会に先立って開かれていたわけですけれども、そこに参考人出席をされておられたのかどうか、伺いたいと思います。
  170. 風間睦美

    風間参考人 六月二十六日の会議というのが具体的にどういうものか、ちょっと思い出せませんのですが、私の記憶にありますのは、これは総会じゃなくて学術会議のところで、たしかアメリカのドクターだったと思うのですが、血友病の専門のドクターが、先ほど申し上げましたように、血友病エイズリスクはあるけれども、あえて濃縮製剤を使うのだというふうに発言された局面を覚えております。それが二十六日の会議だったかどうか、ちょっと私、記憶ございません。
  171. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 いずれにしても、いろいろな議論があった会議であっただろうというふうに思うのですけれども、最終的には、結論部分だけが安部氏によって日本のエイズ研究班報告をされた。  つまり、いろいろ議論があったけれども、最終そうなったということではなくて、最初からしゃんしゃんとその報告が決まったかのような、そういう報告がされて、そしてその報告がその後のエイズ研究班なり小委員会なりの方向を決めていったのではないだろうかというふうに思えて仕方がないわけです。その点、いろいろな議論があったということは先ほど言われたので、ああそうだったのかというふうに思っているわけですけれども。  参考人はミドリ十字から旅費をもらったということですけれども安部氏はやはりミドリ十字からの旅費で行ったのでしょうか。
  172. 風間睦美

    風間参考人 そういう質問をしたことがございませんけれども、たしか、安部先生がそういう話を内藤先生からもらって何人かのドクターを組織したという経過があると思いますので、当然、安部先生もその中に含まれていると思います。
  173. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 先ほど参考人は、旅費をメーカーからもらって、それで出席をするということはめったにないことだというふうに言われました。  めったにないことが、この重要な血液製剤をどうするのかというような、あるいはエイズ患者の認定をどうするか、本当にそういう重要な議論がされている最中、そういう最中に、あるメーカーから、特定のメーカーからお金をもらって外国に行くということ自身が、小委員長として中立公正で働かなければいけない、そういう小委員長として、これからの仕事できる、ちゃんと中立公正にやれるのだというふうに思われたのですか、それとも何か影響が、お金ですから、もらっちゃったということで影響が出たのかどうか、その点について伺いたいと思います。
  174. 風間睦美

    風間参考人 私がその製剤委員長に選ばれましたのは、たしか第三回の、日時はちょっと忘れましたけれども、八月だったでしょうか。(岩佐委員「八月、会議の後です」と呼ぶ)はい。指名されたのは八月だったと思います。会議は六月でございますから、委員長としての意識というのは当然そのときにはございません。ただ、血友病治療医の一人として、ストックホルムのWFHがどういう方針、そのときその方針というのが出るかどうかわかりませんけれども、興味を持って参加させていただいた。
  175. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 済みません。ちょっと時間が来ているのですが、そうじゃなく、委員長として引き受けられたということについて適正だったかどうかということを伺っているのです。  メーカーからお金をもらって国際会議まで行っているわけですね。その方がメーカーの利害にかかわるような問題を討論する委員長としてちゃんとやれるというふうに思ったのかどうか、引き受けたこと自身についての参考人の判断を伺っているのです。
  176. 風間睦美

    風間参考人 思ったかどうかという問題でございますけれども、それは、こういうことは別として、血友病の当時の治療方針というのを決める重大な責務を負わされたという責任感があってそれを引き受けたわけでございます。
  177. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 これで終わりたいと思いますが、別になるわけないというふうなことを指摘して、終わりたいと思います。
  178. 和田貞夫

    和田委員長 土肥隆一君。
  179. 土肥隆一

    ○土肥委員 御苦労さまでございます。  風間参考人が、第三回のエイズの実態把握に関する研究班会合にオブザーバーとして出席しておられます。そのときを契機にして小委員会委員長になられるわけでありますけれども、本委員会親委員会について、風間参考人はどの程度情報を得ておられましたか、第一回、第二回などのやりとりは御存じでしたでしょうか。
  180. 風間睦美

    風間参考人 それはほとんど存じておりません。
  181. 土肥隆一

    ○土肥委員 それじゃ、初めて第三回にお出になった。そして、初めて親委員会のやりとりをそこで見た。それを聞いて安部先生に、君、小委員長になってくれと言われた。それで小委員長になった。そういうことですね。
  182. 風間睦美

    風間参考人 そう記憶しております。
  183. 土肥隆一

    ○土肥委員 その小委員会でございますけれども風間先生がみずから委員をお選びになった。特に血友病先生方を八人お選びになっていますけれども、この八人で先ほどの国際会議に出られた方はどなたとどなたでしょうか。ここに名前が、先生の資料の中に名前が出ておりますから、これに従って教えていただけますか。
  184. 風間睦美

    風間参考人 ちょっと責任を持って申し上げられませんけれども、多くの方はやはりストックホルムの会議出席されたのじゃないかと思いますが。
  185. 土肥隆一

    ○土肥委員 じゃ、ほとんど出られたと認識していいのですね、小委員会先生方は特に。(風間参考人「はい」と呼ぶ)わかりました。  それで、この小委員会の設立された趣旨などについて、一九八三年九月十四日の第一回の小委員会のときに、郡司課長は、本委員会の委嘱の経緯を説明した。しかし、記録はなし。そのときに郡司さんは、どういう目的でこの小委員会をつくったのかということをおっしゃった。その記憶はございますか、何をおっしゃったかということ。
  186. 風間睦美

    風間参考人 これも何回も聞かれましたのですが、具体的な記憶はございません。  ただ、当時の親委員会経緯あるいはそれにおける厚生省のスタンスから考えれば、先ほどの血友病エイズ感染の問題と、それを避難するために自給体制としてのクリオ選択がないかというような御発言だったと推察いたします。
  187. 土肥隆一

    ○土肥委員 そうすると、はっきりしているわけですね。非加熱製剤エイズウイルスが混入している可能性がある、そして、その解決のためにはクリオしかない、郡司さんはそうおっしゃったのですね。もう一遍おっしゃってください。
  188. 風間睦美

    風間参考人 血液供給の立場から、当時の血友病患者さんのエイズ感染リスク考えれば、これはクリオを進めたいというのが郡司さんの御発言だったと思います。
  189. 土肥隆一

    ○土肥委員 ところが、先生がおつくりいただきました資料によりますと、その問題意識が、つまり、当初の郡司課長クリオに何とかかえられないかということを皆さんにお聞きになった。ところが、実はその小委員会は、血友病患者さんがエイズウイルスに感染しているかもしれない、わからない、そういう中で、緊急にクリオヘの転換ということしか選択はなかったのじゃないですか。ほかに何かありましたか。
  190. 風間睦美

    風間参考人 報告書にも書いてありますように、クリオ選択は限られたものであるという結論でございます。
  191. 土肥隆一

    ○土肥委員 そうすると、クリオが限られた選択、そして当時では無理だったということになりますと、もう何の解決法もないということですね。血友病患者さんがエイズ感染しているかもしれないという、非加熱製剤を使っている、そこからが感染経路かもわからないというときに、小委員会は、クリオがだめだと結論を出しているわけですね。そうすると、もう何の方法もとり得なかったということですか。
  192. 風間睦美

    風間参考人 多少弁解的にとられるかもしれませんけれども、これは当時のNHFですか、あるいはCDCとかいうところからたびたび勧告が出ておりますように、ソースをきれいにしろという勧告が出ておるわけでございます。それは一つの重要な選択肢と考えて、報告書の中にも記載しております。
  193. 土肥隆一

    ○土肥委員 ところが、先生のこの提出資料を見ますと、この小委員会は盛んに血液製剤のことを言及していらっしゃって、そして、輸入血液製剤に頼り過ぎているとか、輸入血液に頼り過ぎているとか、あるいは厚生省大河内委員血液事業の立場から発言というふうなことで、要するに、大量の血液製剤を輸入しているようなことを避ける方法はないのかというのが何か議論の中心になっておりまして、エイズが混入しているかもしれないから早く何とかしょうという、そういう気迫が先生の報告書から全く聞かれないのですけれども、その点は、小委員会はどんな緊迫感を持っていたのでしょうか。
  194. 風間睦美

    風間参考人 これもたびたび繰り返される議論でございますが、親委員会メンバーにしろ、それから小委員会メンバーにいたしましても、程度の差はあれ、血友病患者さんが輸入製剤によってエイズに汚染されるであろうという危惧は十分に持っておったわけでございます。  それを踏まえまして、委員会が、小委員会でいろいろ議論をしてこういう結論になったわけですし、それから厚生省なり大河内先生の御議論は、血液事業の立場から、こういう時期にこういう問題も起きた、それを避けるための手段としてはこれしかないというのが血液事業関係する方たちの御発言だったと思います。
  195. 土肥隆一

    ○土肥委員 加熱製剤についてはどの程度議論なさったのですか。緊急に輸入すべきだというような議論はなかったのですか。
  196. 風間睦美

    風間参考人 親委員会でしょうか。(土肥委員子供委員会、小委員会」と呼ぶ)小委員会ですか。小委員会では、緊急輸入を主張する考えはございません。これはここの、きょう提出した報告書にも書いてあるとおりでございます。
  197. 土肥隆一

    ○土肥委員 そうしますと、もう親も子も、親委員会も小委員会も、選択肢はもうクリオしかなかった、しかし、それはだめだ、そうしたら、もうギブアップしたのですか。  郡司さんが最初に、親委員会あるいは小委員会をつくるときに、はっきり、エイズの可能性、ウイルスが混入している可能性を言っているわけでしょう。そのことについて、結局は何なんですか、小委員会結論というのは。もうクリオが使えなければ、これはもう仕方なく非加熱製剤を打ち続ける以外にないというのが結論ですか。
  198. 風間睦美

    風間参考人 いや、仕方なくというよりは、もう少し積極的な意味合いがあったわけでございます。  それは、もう先ほどからも議論がございますし、枝野先生からも痛切な御批判がございましたけれども、結局、エイズそれから血友病それ自体のリスクの中からどういう選択を選ぶかというぎりぎりの選択でございました。仕方がないという、今から考えればそういうことがあるかもしれませんけれどもリスクとベネフィットを両方勘案して考え選択が、しかも、何回も議論を繰り返して出てきた結論がこういうことでございます。
  199. 土肥隆一

    ○土肥委員 非常に残念ですね。血液あるいは血友病の最高権威の方が集まり、こぞって学会も出て、そしてそこで出た結論がこんなものだったのかと。私は、やはり厚生省行政がここにどういうふうに役割を果たすべきだったのかということを改めて痛感しているわけです。  最後に一つ、あなたは、この帝京大症例について、当初から、つまり、第一回のエイズ研究班安部先生がお出しになるその当初から、ずっとその症例は御存じだったのですね。
  200. 風間睦美

    風間参考人 この患者さんは、実は安部先生や私が東大にいたころからの患者さんでございます。したがって、二十年ぐらいのおつき合いのある患者さんでございました。
  201. 土肥隆一

    ○土肥委員 そのときに、エイズ感染症という先生の御判断はその中にありませんでしたか。エイズ感染しているという判断はそのときはできませんでしたか、先生自身が。
  202. 風間睦美

    風間参考人 その当時というのが一番問題だと思いますけれども、実は私個人は、患者さんが亡くなる直前までは、エイズということは懐疑的でございました。安部先生は盛んに強調しておりましたけれども、私どもあるいは血友病治療グループの多くの者は、原因はわからないけれどもエイズと診断することにはためらいを持っていたわけでございます。
  203. 土肥隆一

    ○土肥委員 わかりました。  終わります。ありがとうございました。
  204. 和田貞夫

    和田委員長 以上をもちまして風間参考人に対する質疑は終了いたしました。  風間参考人には、御多用中のところ、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  次回は、明二十二日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十四分散会