○福島
委員 まだ検討の途中でございますが、ぜひとも前向きにお考えいただければというふうに再度要望いたします。
質問をちょっと変えますが、次は、
医療と
福祉にかかわる
制度間の格差の問題につきましてお聞きしたいと思います。
医療と
福祉の連携ということがよく言われるわけでございます。また、老人
医療の領域では、
医療と介護、
福祉は切り離すことができないということも事実ですし、また、その境界も余り明確には引けないわけです。しかし、行政上には大きな違い、
制度の違いがあるわけです。自己負担が
制度によって異なるということもその
一つであると思います。
大臣は、「適切な公費負担を組み入れた社会保険方式のもとで、
保健、
医療、
福祉にわたる
高齢者介護サービスを総合的、一体的に提供する新たな
高齢者介護システムの
制度化を図る」と表明されました。まさに総合的、一体的なシステムをつくるということは非常に大切で、その中で、現在存在する
制度間の格差というものを解消していかなければならないのではないかというふうに私は思います。
ある人からこんな御相談がございました。母親が老人性痴呆になった。最初は
病院に入ったわけです。次は老人
保健施設、最後は
特別養護老人ホームと移動していったわけですが、この中で、その方が不思議に思ったのは、負担が各
施設で全く異なるということ。また、
病院、老人
保健施設では自己負担分は
医療費として所得税法上の控除を受けることができる、しかし、
特別養護老人ホームに入所すると扶養義務のある者の負担は控除は受けられない。
状況は余り違わない、同じような感じでずっと続いているのにどうして違うのだろうかということを感じたそうでございます。大変素朴な疑問ですけれ
ども、そう感じて当然かなと私も思います。
所得税法上の規定では、その第七十三条で「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る
医療費を支払つた場合」ということで、控除が認められ、政令で
医療費の範囲が定められているわけでございます。法的には、
病院、老人
保健施設は
医療を提供する
施設となっておりますが、
特別養護老人ホームは
福祉施設ですから、その一部負担は当然控除の対象と現在の法
制度のもとではならないわけです。
しかし実際に、先ほ
ども言いましたように、家族の側から見ると、老人
保健施設、
特別養護老人ホームで受けるサービス、どこがどう違うのかと言われるとよくわからない。非常に似ているところがあるわけですね。
制度上の位置づけの問題でしかない。そこに、あえて目に見えない行政上の仕切りがつくられているように感じざるを得ないというふうに思います。むしろ、老人
保健施設への入所、特養への入所、
制度上どう違うのかということを理解している人の方が一般には少ないと私は思います。
そこで、介護保険創設にかかわり、この
制度間の格差を是正しなければならないということが言われております。例えば
高齢者介護・自立支援システム
研究会の報告書では、「介護を必要とする
高齢者に対する
施設としては、
特別養護老人ホーム、老人
保健施設、療養型病床群、老人
病院が主なものとしてあげられる。これらの
施設については、
高齢者ケアを担う
施設として機能を強化する一方、利用手続や利用料における不合理な格差の解消を図るべきである。」と述べられております。
恐らく、公的介護保険の
制度の中で負担の均等化というようなことを図られるのだと思いますが、そこからさらに踏み込んで、この税法上の扱いということに関しても私は対応すべきだと思うのですが、大蔵省にお聞きしますと、これは
厚生省さんがどう考えるかという問題である、
厚生省にお聞きしますと、これは大蔵省さんが考えることであると、お互いにキャッチボールをいたしまして、なかなか明確なお答えをちょうだいできないわけでございます。むしろ
厚生省が踏み込んで、この
制度間の格差をなくすということから大蔵省に働きかけられるということが私は必要ではないか、そのように思うわけでございますが、
厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。