○
荒井(聰)
委員 詳細な
調査をされるということですので、それに期待いたします。
ところで、先ほ
ども私申し上げましたけれ
ども、阪神大震災のときにいろいろな教訓を私
たち得たわけですけれ
ども、その教訓の最大のものというのは、ある意味では被災者対策、今回の場合には
遺族に当たる方
たちへのケアといいますか、そういうものなのではないかなと。
私現地を訪れましたときに、本当に開発局の現場の方
たちがほとんど寝ないで、私が行きましたら、若い現場の責任者の方、高松さんとおっしゃる方が、もうひげぼうぼうで、ほとんど三日間か四日間寝ていないのではないだろうかという人が、ふらふらと一生懸命やっておりました。私はかわいそうに思って、全然声もかけないで、ただ単に頑張れよという激励だけしてきて、いろいろな
質問や何かすることも差し控えたぐらいだったのですけれ
ども、その方
たちを中心に、何十人という、何百人に相当するかもしれませんけれ
ども、一生懸命頑張っておられる姿を見させていただきました。
ただ、残念ながら、そういう
対策本部が効率性があったのかどうかということになると、若干私は幾つか
指摘せざるを得ないのかなと思っております。
その第一点が、先ほどの、現場にいた、バスの中に入っていた被災者の
遺族の
方々。阪神大震災のときにも被災者の方にとりあえずということで運動場に入ってもらったのですね。そうすると、そのまま被災者の
方々に連帯感みたいなものが自然に生まれてしまって、そこから別なところに移ってください、もっと環境のいいところがありますから移ってくださいということで話をしても、全然移らなくなってしまってそこにとどまってしま
った、それが後の被災者の対策にある意味では障害になってしまったというようなこともございます。
それからマスコミ対策の場合でも、阪神大震災の場合でも、上空にヘリコプターがどんどん飛んだがために連絡の声さえも聞こえなくなってしまったという
事例があるのですけれ
ども、今回の場合にも、あの狭いところ、
トンネルの
坑口ですから非常に狭いところでして、その
トンネルの
坑口の非常に狭いところに、マスコミの方が、恐らく三百人以上のマスコミの人
たちが、宇宙放送用のパラボラアンテナをつけたでっかい車を持ち込んでだあっと並んでいる。その中で作業員の方
たちが必死になって動いているのだけれ
ども、それが邪魔になって仕方がないという
状況が見られたのではないだろうかなという気が私はするのですね。
これは、こういう場合には
対策本部はマスコミ対策なりあるいは
遺族対策というのは大変重要なんだということを、阪神大震災のときに私
たちは
経験していたわけなのですけれ
ども、残念ながらあの現地では爆破作業に全神経が集中していったのではないかと思うのですね。そういうことのために、残念ながらそういうことのケアがおくれていたのではないのだろうか。
私は、マニュアルができたから、すぐそういうことができるとか、あるいは特殊な能力が欠けていたから、ある種の能力が欠けていたから、こういう問題があったんだというふうには思わないのですね。
災害というのは多分、今までに
事例のないことがやはりそこで起きるわけです。その
地域で起きるわけで、そういう
状況の中では、幾らその場合になってマニュアルを見たって、これはだめなんだと思うのです。
むしろ、そういう
災害対策本部のつくり方、何にポイントを置いて、どういうところの人
たちに集まってもらうべきなのか、
警察だとか自衛隊にはどういう連絡をするべきなのかということのノウハウを持っている人を、
建設省なりあるいは国土庁がすぐさま派遣する。すぐさま現地に派遣して、
災害対策本部のつくり方というのはこういうふうにやるんだよということをアドバイスしてくれる人がどこかにいないと、高松さんは多分
道路をつくっている専門家だと思いますけれ
ども、あの人にすぐマスコミ対策やりなさい、
遺族対策やりなさいというのは、それは無理ですよ。あるいは新山さんがその後行かれましたけれ
ども、私はそれも無理だと思うのです。
だから、
災害対策のシステムとしてもう少し、そういうノウハウを蓄積した人間をきちっと行政の中に、私は
北海道庁かあるいは国土庁、
建設省というところが適当だと思うのですけれ
ども、そういう人を抱えていてすぐ派遣できるような、そういうふうなシステムをつくっておくべきなのではないかなというふうに思っております。
なお、
遺族対策には、現地で中央バスが非常によくやっていたなと。中央バスの件については余り報道されていないのですけれ
ども、彼らは被災者であり、被害者であるにもかかわらず、被害者の
遺族に対して非常に心温まるケアをやっていたなという感じをしております、一言つけ加えさせていただきますけれ
ども。
私は今のような
考え方を持っているのですけれ
ども、今の
考えについて、現地を指導されてこられた開発局の方どなたか、どなたでも結構ですので、何か御感想ございましたら、おっしゃっていただけるとありがたいと思います。