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矢上委員 ただいまの
説明を受けまして、さらに具体的な
質問に移らせていただきます。
私なりの
下水道事業また
都市公園についての
機能をこの場をおかりして述べさせていただきますと、
下水道事業というものは、
下水道処理のシステム自体が川の浄化
機能をバイオテクノロジー的に模したものである。人間の体に例えるならば、口でそしゃくして、そして胃に入ってまた腸に行く、そういうように物を分解する、有機物を分解するというシステム、川が本来持つ
機能を浄化槽もしくは
下水道がやっておると、そういうことでございます。本来なら川がやるべきことを、人口が増加して、また一極集中したものですから、川の能力が足りない、そこで
下水道が出てきた、こういう非常に有
意義なものでございます。川の浄化
機能を代替、また補完するものであるという
意味で、いわば水循環の一部をなしておるという位置づけをしております。
また他方、
都市公園におきましては、
都市部にいて失われつつある
緑地や自然
空間を代替する
機能、また補完する
機能があるという
意味で、大地もしくは土というイメージで
公園をとらえる。改めて言いますが、
下水道事業が水であるならば
都市公園のイメージは土である、水と土という二つの要素で人間なり他の動植物が生存することができるわけでございます。
こういう、人間、また他の動植物にとっても不欠の要素であるということを踏まえまして、以下の
質問に移らせていただきます。
実は、先ほど
下水道事業の
機能を言いましたが、
一つマイナス点もございます。それを申し上げますと、まず、昔は川から水をくむ、泉から水をくむという
状況で、それ以外の水は上流から下流、そして海まで流れてきておったわけでございますが、上水道事業によってもう水源地から水を引く、もうポンプアップする、それが各家庭の水道、台所を通って、そしてまたそれが
下水処理場に行きます。そうなりますと、上流、中流、下流、海というつながりが一気に消えまして、上流からショートカットしていきなり海に流れる。ですから雨季には、雨の多い梅雨どきには水が出てきますが、それ以外はからから。やはり、
下水道事業が水循環の一環をなすということであるならば、きちんと各プロセスにおいて 各地域においてある
下水道の
処理場の水をいかに水資源として有効に利用していくか、そういうことが必要ではないかと思っております。
実は、ちょうど去年の
平成七年一月の阪神大震災のときに現地に参りまして、もう全区画燃え尽きてしまっておる、そしてまた、消防ホースが、消火用のホースが何百メートルと引いてあるわけですが、途中で火で焼けて溶けておるんですよ。もう何百メートルも引かなければならないほど防火用水が見つからない、そういう
状況もございます。そういう中で、特に火事になったときに、あの消火用水が間に合わない、またどこに避難していいかわからない、そういう現状を目の当たりにしたわけでございます。
そして、そこで、現場で聞いた話ですけれ
ども、
都市部では、
空間が非常に有効であるということで小さな中小河川の上にふたをして、どこに河川があるかもわかりませんし、また、仮に河川があっても、先ほど申し上げました事情のように、河川に水がない。確かに、消防
関係者の方とか消防団の方でしたら
道路の下に防火用水がある場所も御存じですし、消火栓の場所もよく御存じですが、ああいうパニックの
状況の中でボランティアの方がいざ手伝おうとしましても、どこに水があるかもわからない
状況でございます。仮に
道路の下に防火用水があったとしても、あの
状況で車が渋滞する、車が置き去りにされておれば、
道路の下にある防火用水から水を引くということも困難な
状況でございます。
そこで、いろいろ私も陳情を受けたわけでございますが、小規模の
公園にきちんと貯留槽、貯蓄タンクを設けて、例えば梅雨どきには、雨水対策、調整池としての活用を図る。また、冬季におきましては、冬場におきましては、
下水道の
処理場が近くにあれば、
下水道の
処理水をそこの調整池にためて活用する。ただ、そういう地面の中にあるものはなかなか人目につきませんので、必ずそういう場合にはふだんは噴水とかで利用する。
噴水のある池をつくって ためておる水をうまく循環させて利用する。そして、一般
市民からも、身近にある
公園の中に噴水がある、噴水があるところにはきちんとそういう
処理水とか雨水を利用した貯留池、調整池があると、そう条件反射でわかるようなそういう
整備方法を私としては望みたいわけでございます。
これにつきましては、今後具体的に
建設省としてはどのような対策を
考えておられるのか、お
考えをお聞きしたいと思います。