○野呂
委員 八百五十億というのは、やはりこういう大激変のときだけに手当てをより一層きちっとしていかなきゃならぬという思いがあるからこそ、例としてよくなかったのかもしれませんが、申し上げたわけであります。
しかし、とにかく、今回のこの
海洋法のことで大激変を迎える
漁業を取り巻く状況の中では、例えば生産の問題、流通の問題あるいは経営の問題、
地域振興から漁協の問題、いろいろと各般にあり、そして、そういう中で水産業がきちっと経営をされていくということは、今後は、大きく言えば均衡ある国土の発展だとか環境保全だとか、それはまた地球規模にも貢献をする、そういう意図で
海洋法というものも
規定をされておるわけでありますから、そういう
意味での取り巻く問題全体の取り組みがやはり大事だろうと思うのです。
例えば
漁業とか漁村の活性化の問題あるいは担い手の問題、こういったこともありましょう。そして今、例えば
漁業団体あたりでは、こういった全体的な問題に取り組むその効果的なものとして、基金を設けてほしいというような要望も出ておるところでございます。そういう大型の基金を創設なりすることによって、この際思い切ってやっていただかないとやはりだめなのではないか。例えば漁協なんかも、農協と比べましても、
地域で担っておる重要度というのは全体規模は非常に小さいですけれ
ども、購買事業なんか見ても、
地域での依存度はかなり大きなものがございます。しかしながら、やはり今財政状況も悪い、何しろ規模、基盤とも零細で脆弱というようなこともございます。しかし、例えば、
地域ではそういった中核的存在である
漁業協同組合についてもどうしていくんだというようなこともございます。
それから、大体漁村のある
地域というのは、もうこれは何度も何度も言われておることでございますけれ
ども、大変家が密集しておるし、道路が狭いし、例えば下水道の普及率で見ても、中都市で五四%ぐらいの普及率であるけれ
ども、漁村においては七・六%だとか、あるいは車が通らない、消防車がなかなか入らないぞというようなこともよく言われております。交通不能道の比率というものが四割近くあって、他の
地域に比べても極めて高いわけでございます。そういったことを
考えて、やはりこの際、かなり思い切った全般的な
対応を
考えていただかなければならぬのではないかな、こう思うのであります。
そこで、実は農林大臣、この
漁業におきましては沿岸
漁業等振興法というのがございますね。これがいわゆる農業における農業基本法と同じような役割を果たしておるとよく言われておるわけでありますが、この沿岸
漁業等振興法、沿振法ですね、これと農業基本法と比べてみますと、幾つかの点で非常に沿振法ではその
規定が薄くなっておるといいますか、例えば沿振法では産業の位置づけということについて、農業基本法ではきちっとした位置づけがしてありますけれ
ども、沿振法ではなされていない。あるいは、農業基本法においては長期見通しについて、これを立てて公表する、そしてそれに基づいて生産調整を行っていく、こういうことが書かれておるけれ
ども、沿振法ではない。それから価格とか流通のところについても、農業基本法もそうボリュームがあるわけじゃありませんけれ
ども、沿振法などを見てみますと、本当に条文の中の項目の中にわずかに触れてある、だけ。
こういうことを見ましても、やはり全体、こういう大激変の中で
漁業を取り巻く環境全体をいろいろ対策していくということについては、まずこの基本法的なものすら不備なのではないかな、こう思われてなりません。そういうことからいきますと、やはりこの際
漁業の基本法といいますか、そういったものがどうしても必要になってくるのではないかな、そのことを私は強く思うわけであります。どうでしょう、
漁業の基本法としてそういった取り組みを、これは本来これまでにやっていただいて検討を進めてきていただきたかったけれ
ども、しかし、同時進行的にこれからお取り組みをいただくことになりましたら、ぜひともこれは積極的に、
政府もお取り組みをいただきたいし、我々としても取り組んでいきたいのですが、大臣の御所見をお
伺いしたいわけであります。