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池田国務大臣 御
指摘のとおり、アジア太平洋地域の平和、安定を守っていくためにはいろいろな
努力が必要であろうが、何しろ事前抑止、予防外交が大切だというのは、私
どももそのとおりに考えております。そういった
観点から申しまして、やはり朝鮮半島がどうやって将来に向かって安定の
方向へ進んでいくかということは非常に大きな関心事でございます。現在
我が国は、
米国並びに
韓国の大統領、両大統領によって提起されました四者協議というものが早期に開催され、そして、そういった中から南北間の対話の道が開けていくことを強く期待しておるわけでございます。
委員御
指摘のとおり、四者協議というのは、かつての朝鮮戦争のいわば当事者であった四者が
話し合いまして、ともかく軍事面といいましょうか、そういったすぐれて
安全保障にかかわる面における協議をしようというものでございますが、その後には当然のこととして、
経済社会その他の面も含めた半島の安定をどうするかといった
努力あるいは作業が必要でございます。その際一番肝心なのは、何といいましても当事者でございます南北の対応でございます。しかしながら、
我が国といたしましても、この地域に非常に大きな関心を有する
立場から、可能な、また必要な
努力なり寄与はしていかなくちゃならない、こう考えておる次第でございます。
先般、済州島で行われました日
米韓三国の次官級の協議でございますが、ここにおきましても、ただいま申しましたような視点から、まずは四者会談が
実現し、これを通じて半島における緊張緩和の道が開かれることを期待する、そういったことで、この三国が今後とも協調していこうということで認識の一致あるいは合意が見られたわけでございます。
今、この四者協議につきまして
北朝鮮は、おっしゃいましたとおり、明確な拒否ということは言っていないわけでございますが、ただ、これに入ってくるのかどうか、そこのところはまだ不明確な状態にございます。我々としては、何とかそこへまず入れていきたい、そういった
観点から、今おっしゃいました、
我が国としてもとり得る
可能性のあるいろいろな事柄、あるいは
北朝鮮が
我が国に期待しているかもしれないことにつきましても、当面はまず四者協議に
北朝鮮が入っていく、そういったことを求めている
観点から、今
北朝鮮が仮に
我が国との間で直接的な対話をしていくということで大きなステップを
我が国に求めたとしても、これは、それに応ずることは今の段階では差し控えた方がいいだろう、こういうことで対応しております。
なお、御
指摘のございましたように、
米国が
北朝鮮との間で二国間の
話し合いをということでございますが、これは、御
承知のとおり、遺骨の問題その他でこれまでもいろいろあったわけでございます。そういった問題については、
米国は二国間の話を今もある程度やっておりますし、この六月にという話もあるわけでございます。しかし、基本的に、やはり四者協議、そして南北対話を中心にしてということは、
米国も、
我が国あるいは
韓国と同じように考えている、このように認識しているところでございます。
そして、御
指摘のございました食糧援助の問題につきましては、いろいろな話がございますけれ
ども、現在
我が国に対して要請があるわけではございません。そしてまた、昨年行われました米の援助というのは、御
承知のような非常に特殊な
状況、
条件のもとで特例的に行ったわけでございますので、現在
我が国はそういったことを考えているわけではございません。