○安倍(晋)
委員 当然
外交当局としては、今の私の
質問に対してそのとおりということで答えるわけにもいかないと思います。しかしながら、
交渉をするに当たって、与党の中にはそういう議論がある、むしろそれが大体大きな主流をなす
考え方であるということは先方には十分に、これは
外交当局としてではなくて、私は与党にそういう考えがあるということは伝えていただきたいと思うわけでありますし、一年経過してだらだらいくということはなかなか政治
状況的には難しい
状況にあるということもこれはちゃんと
説明をしていただきたい、こんなように要望するわけであります。
現在、
我が国近海における
中国あるいは
韓国船の操業の実態がどうなっているかということを若干
紹介をさせていただきたいと思うわけであります。
二十年来、長崎、福岡、山口、島根県等の周辺の漁場でいろいろな自主規制違反が行われているわけであります。操業禁止ラインの侵犯というのはもうしょっちゅうあるわけでありますが、操業禁止ラインの侵犯どころではなくて、夜間になりますと
領海そのものを侵犯をしているということもこれはあるわけであります。また、その際には、これは
中国船、
韓国船もそういうことに対してだんだんなれてきたわけでありまして、
漁船の番号とかあるいは船名をグリースで塗りつぶしてわからなくするという隠ぺい工作を行って、十二海里を侵犯して
我が国の
領海内に入ってくる。そこで違反操業を行った後、自分の方の国に帰っていってグリースを落とすということによって、旗国主義によっての取り締まりをすり抜けているというのが
現状でございます。
また、山口県の萩市には見島という島がございまして、ここの漁港にはあらし等のそういう
状況になったとき、しけのときには避難をしていいということになっているわけでありますが、全くそういう
状況でないときにもかかわらず、二十隻、三十隻の船が勝手に入港をして網の修繕や何かを行っておる。夜間になりますと、その乗組員が上陸をして、島の上に上がって酒を飲んで暴れるということも何回もあったわけでありますし、現在も行われているということであります。こういうことが行われているというのは本当に
我が国の国権に対しての重大な侵害ではないか、私はこんなようにも思っているわけであります。
それのみならず、
日本のイカ釣り船が集魚したものを
韓国、
中国のまき網あるいは底びき網船が横どりをしていくということ、それぐらい無謀なことを、かつ、これは非常に危険なことなんですが、そんなことも行われているわけであります。
現象としては、
韓国船のそうした違反操業はだんだん減ってきていると同時に、
中国船の方がそういう操業がふえてきているというようなことが
漁民の方から報告をされているわけでありますが、それも当然のことでありまして、昨今
中国の漁獲量もふえてきているわけであります。これは当然、人口増加あるいは穀物
資源がだんだんと減少していることにも比例をしているのではないかと思うわけでありますが、
我が国の全盛時の漁獲量は千二百万トンであったわけでありまして、現在は八百万トンでありますが、
中国は現在二千五百三十五万トンということであります。ただ、内水面が一千万トンでございますから、海からとるのは千五百万トンということでありますが、それだけでも大変な数量ではないか、私はこんなように思っているところでございます。
そういう中にあって、やはりこのTACをこれから実行していく、海の
資源を世界で管理をしていくという大きな理念もこの
条約にはあるわけでありますが、
我が国が一方的にこれを守っても、隣国にこれをしっかりと守っていただかなくては
日本海の漁場を管理することができないわけであります。そういう意味においては、これはTACと日中、日韓の両
交渉の進展あるいは妥結というのは私はぜひともリンクさせるべきである、こんなように考えているわけであります。日中、日韓が妥結をしない限りTACを
我が国国内においては
実施することはできない、こう思っているわけでありますが、このことについて、これは水産庁の
答弁をいただきたいと思います。