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1996-03-13 第136回国会 衆議院 外務委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年三月十三日(水曜日)     午前十時三分開議  出席委員   委員長 関谷 勝嗣君    理事 小杉  隆君 理事 田中 直紀君    理事 玉沢徳一郎君 理事 井上 一成君    理事 前原 誠司君       安倍 晋三君    久野統一郎君       斎藤 文昭君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    鈴木 宗男君       二階堂 進君    原田昇左右君       秋葉 忠利君    伊藤  茂君       佐藤 泰介君    園田 博之君       古堅 実吉君  出席国務大臣         内閣総理大臣         外務大臣臨時代         理       橋本龍太郎君  出席政府委員         国際平和協力本         部事務局長   高野幸二郎君         防衛施設庁施設         部長      小澤  毅君         外務省総合外交         政策局長    川島  裕君         外務省総合外交         政策局軍備管         理・科学審議官 河村 武和君         外務省アジア局         長       加藤 良三君         外務省北米局長 折田 正樹君         外務省条約局長 林   暘君  委員外出席者         外務委員会調査         室長      野村 忠清君     ――――――――――――― 委員の異動 三月十三日  辞任         補欠選任   鈴木 宗男君     久野統一郎君 同日  辞任         補欠選任   久野統一郎君     鈴木 宗男君     ――――――――――――― 二月二十七日  WTO農業協定見直しに関する請願(古堅実  吉君紹介)(第四九号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月二十二日  フランスと中国核実験即時中止包括的核実  験禁止条約早期締結に関する陳情書外四件  (第二〇号)  国際司法裁判所における核兵器使用違法性に  ついての勧告的意見に関する陳情書  (第二一号)  日米地位協定抜本的見直しに関する陳情書外  三十四件  (第二二号)  飢餓撲滅に関する陳情書外二件  (第二三号)  米軍機と思われるジェット機低空飛行中止に  関する陳情書  (第二四号)  饗庭野への米軍実弾射撃場移転反対に関する  陳情書外三件  (第二  五号)  米軍基地縮小・撤退と北海道移転反対に関す  る陳情書外一件  (第二六号)  ILOパート労働条約批准に関する陳情書外  二件  (第二七号)  ユジノサハリンスクの総領事館設置に関する陳  情書  (第二八号) 三月五日  饗庭野演習場への米軍基地移転等反対に関する  陳情書外一件  (第一二五  号)  核兵器使用等国際法違反に関する陳情書  (第一二六号)  核兵器廃絶日米安全保障条約破棄に関する陳  情書外一件  (第一二七号)  日米地位協定見直し等に関する陳情書外三件  (第一二八号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国際情勢に関する件      ――――◇―――――
  2. 関谷勝嗣

    関谷委員長 これより会議を開きます。  開会に先立ち、事務局をして新進党所属委員出席を要請いたしましたが、出席が得られません。  再度理事をして出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。  再度新進党所属委員出席を要請いたしましたが、その出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉沢徳一郎君。
  3. 玉沢徳一郎

    玉沢委員 橋本総理におかれましては、外務大臣臨時代理として当委員会に本日御出席の由、生ことにありがとうございます。  国際情勢質問に入る前に、初めに総理の率直な御意見、御感想をお聞きしたいことがあります。それは、先週の月曜日以来、国会はまさにこれまで私どもが経験したことのない異常な状態が続いております。言論の府たる国会が、まさに違法なる暴力行為によってその機能が損なわれているわけであります。新進党行為は、ピケ、バリケード行為による不法占拠によってまさに自己の主張を通そうとするものでありまして、これは野党の抵抗権ではなく、議会制民主主義そのものの破壊を行っていると言わざるを得ないのであります。  一方、国内外の情勢を見ますと、現在山積している極めて重要な諸問題があり、これらを審議しなければならないことは当然国民代表である国会の使命である、このように思うわけであります。自由民主党、社民党、さきがけの与党三党は、国民の負託にこたえるため、国権の最高機関としての国会機能を取り戻すべく丁寧に働きかけを行いまして、本日、この外務委員会を初めとする委員会開会努力をしてきたわけであります。しかるに、新進党はここの席にはおりません。これは審議拒否どころか、国会議員の本来の職務、審議権の放棄であります。  このような現状に対しまして、また立法府のあり方につきまして、総理がお答えにくい面は承知をいたしておりますが、この事態に対していかなるお考えをお持ちか、率直なる御意見なり御感想がありましたら、お聞かせを賜りたいと思います。
  4. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 行政府立場から国会の現況について何らかの意見を申し上げることは、私は差し控えるべきことであろうと存じます。その上であえて不言申し添えますならば、私どもとしては、国の中におきましても景気の問題を初めさまざまな問題を抱えております。また、本日この外務委員会で御論議をいただくであろう国際的にもさまざまな課題を抱えております中で、国会における御審議が整々粛々と行われますことを心から願っております。
  5. 玉沢徳一郎

    玉沢委員 台湾海峡における中国軍事演習について質問させていただきます。  去る三月五日、新華社電は、中国人民解放軍が三月八日から十五日まで、東海と南海のニカ所海域に向けて地対地ミサイル発射訓練を実施する旨を公告をいたしました。これを受けて三月七日、我が自由民主党安全保障調査会では、これを検討した結果、この海域におけるミサイル演習我が国並びに国民の安全に重大な影響をもたらすと判断をいたしまして、次のような案文申し入れ外務大臣に行ったところであります。  案文を申し上げますと、「中国が三月八日から台湾近海で行うミサイル発射演習は、わが国与那国島からわずか六十キロのところであり、日本領土・領海に極めて近く、不測の事態が起こる心配もあり、わが国の安全にも影響を及ぼし得るものである。したがって、中国日本友好関係を維持し、アジア地域の平和と安定のためにも即刻中止すべきである。」こういう申し入れをいたしたところであります。  外務省は、加藤アジア局長より中国鄭祥林公使代理に対して同様の懸念を表明し、自制を求めました。しかしながら、中国予告どおり、三月の八日未明、三発のミサイルを発射し、そのうちの一発は与那国島北方海域に落下をしたと報道されました。幸いにして被害はなかったようでございますけれども、これに対して池田外務大臣は、公海上の訓練国際法的にとがめ立てする性質のものではないとか、あるいは中台双方に冷静な態度を要請した、こういうことが発表されたわけでございますけれども、私は、こんな生ぬるい対応で果たしていいのか。公海といいましても、そこは実際に沖縄漁民が魚をとる場所であり、商船が航行するシーレーンであり、また上空には民間航空路がある。これらの安全が損なわれておる、こう言わざるを得ないのでありまして、特にも沖縄県民は非常な不安を抱いておると思うのであります。公海だといって、これは解決することができないということで放置するということは、沖縄県民方々の安全を放置した、こういうような見方をされても仕方がないというような感じを受けるわけでありますけれども政府の最大の役割は、国の平和と安全と、国民の安全を守るところにある、私はそのように思うわけでございます。  なおまた、三月の二十日ごろにおきましてはミサイル実弾射撃も行うのではないか、こういう情報もあるのでありますけれども、もしこの海域ミサイル実弾が発射されたといたしますならば、この海域漁場は相当深刻なる打撃を受ける、こう言わざるを得ないわけであります。したがいまして、政府は、この地域の安全を確保するために警戒を厳にして、安全を確保するためにどうするかという措置を行うと同時に、中国に対しましてももっと厳しい態度中止を訴えていくべきではないか。  我が党の党内におきましては、中国銭其シン外務大臣が来月来日をする予定だということでありますが、これは延期したらいいのではないか、こういうような意見等もあるわけでございます。やはり目に見える、効果的な中止政府として要求すべきではないか、申し入れをすべきではないか、こう考えますが、総理はいかなるお考えであるか、御質問します。
  6. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 今玉沢委員から御自身の御意見を交えての御質問をいただきましたが、まず事実問題から御報告をし、その上で私なりに考えていることを申し上げたいと存じます。  この軍事演習が与えますさまざまな影響のうち、まず航空交通関係におきましては、那覇−台北間及び台湾海峡を通過いたしまして香港に向かう航空路が現在迂回ルートに変更されておりまして、我が国の航空機は特段の問題がなくその迂回ルートで運航がされておるという状況であります。  また、海上交通関係におきましては、那覇基隆の間の定期旅客船が運休をいたしました。そして、日本香港間の定期航路代替航路を余儀なくされていると承知しております。  また、漁業関係におきましては、台湾北東ミサイル発射訓練海域におきまして、主に沖縄県の漁民による一本釣り漁などが行われるようでありますが、時期的に操業は少なく、その意味において大きな影響はないと言われております。  しかし、議員指摘のように、訓練海域与那国島から六十キロメートルという距離でありまして、現地の漁業関係者からは、本当にそのミサイルの弾が見えるようなところで演習が行われるということでは安心して自分たち漁場に出られないといった声も出ておるということを聞いております。そして、この演習沖縄県民、当然でありますけれども、特に与那国の方々には不安を与えているということは事実でございます。また、ほかの演習海域におきましては、我が国の漁船による操業は少ないという報告を受けております。  そして、政府として今日まで、外務省事務当局といたしましても数次の注意喚起中国側に行ってまいりました。また、私自身ASEM会合に参りましたバンコクにおける李鵬首相との会談の際に、台湾海峡の安全というものが我々にとって非常に大きな関心を持つことであり、この地域緊張が高まることを我々は決して求めない、そして平和裏に事柄が進むことを心から願っているということは強く申し上げてきたところでございます。  しかし、今委員が仰せられた中で一点私が考え方が違いますのは、中国銭其シン総理外交部長訪日に対して、その延期を求めたらどうかと言われましたが、私はその点は賛成をいたしません。むしろ私は、お越しをいただく機会に、より我々が積極的に、この台湾海峡における緊張状態というものを心配し、双方の当事者による自制を求めるという日本姿勢を知っていただき、この地域における安定した平和が保たれるような努力を私は中国に対して求めるよい機会だと思っておりまして、むしろ訪日の時期を少しでも早めていただきたいというぐらいの気持ちが私にはございます。
  7. 玉沢徳一郎

    玉沢委員 中国は、国際の平和と安全に主要な責任を負うべき国連安保理常任理事国であります。その国が武力を背景として台湾の自由な国民の意思を踏みにじろうとしておる、そして我が国の安全にも影響を及ぼそうとしているということは、国連憲章を初めとする国際法の精神に照らして決して許されるべきことではないと思います。今後、事態解決のため、国連安保理に提訴するということも考えておくべきではないか、私はそう思います。  中国はさらに、我が国固有領土である尖閣列島につきましても以前から自国の領土であると主張しておりまして、先般は日中の中間線を越えた大陸棚油田の試掘を行うことにより、我が国主権にかかわる権利を脅かしていると言ってもよろしいと思います。一部新聞報道によりますと、この海域にあるガス田上海との間に海底パイプラインを建設中である、こういう報道がなされまして、あと数年で完成するとも言われております。これら一連の中国の活動についての事実関係と、これまで政府がとってきた行動についてお伺いをいたしたい。
  8. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 詳細を私も存じておるわけではありませんので事務当局から補足をお許しいただきたいと思いますが、一点明らかにしておきたいことは、尖閣列島我が国固有領土でありまして、この主張が揺るがされるような問題、我々はこうしたものを受け取るわけにはいかない、我が国固有領土であるということだけ私から申し上げ、事務的な補足をお許しいただきます。
  9. 加藤良三

    加藤(良)政府委員 東海大陸棚における日中中間線中国側中国側が八〇年代以降探査を行って、油田及びガス田を発見いたしまして、中国側は開発に着手しているということは、今御指摘がございましたけれども、私どもも承知いたしております。この関連で、上海と結ぶ石油、ガス双方パイプラインを埋設する計画を有していたということも承知いたしておりますけれども、現時点での進捗状況については必ずしもつまびらかにはいたしておりません。  ただ、当該油田及びガス田尖閣諸島とは相当距離が離れておりまして、緯度にして三度ぐらいは異なっていると認識いたしております。尖閣諸島とは直接、その意味関係はないと考える次第ではございますけれども、私どもといたしましては、中国の動向というのは引き続き綿密に把握してまいりたいと存じます。
  10. 玉沢徳一郎

    玉沢委員 総理は先般クリントン大統領との会談を行いましたが、その際に、台湾海峡をめぐる事態に対しまして懸念を表明されたと言われました。今回のこの台湾海峡事態を見ながら、私は、アジア太平洋地域における平和と安全を確保するという意味におきまして日米安保体制重要性はますます高まってきていると考えます。  そういう観点からも沖縄基地問題を見てまいりましても、ただ無原則に縮小していけばいい、こういうような考え方には私はくみしないのであります。沖縄も含めて日本の安全を確保するという観点から、やはり沖縄基地問題については、そういう重要な役割を果たしておるという認識を持ってアメリカ側とも交渉していくべきではないか、私はそのように考えるのでありますが、総理の御見解を賜りたいと思います。
  11. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私はまさに、クリントン大統領に対して、日米関係の大切さというものは我々だけが認識をしておるものではなく、他の国々も日米関係の安定というものが非常に世界の平和の中で大きな役割を果たしているということを認めている、そしてその基盤に日米安全保障条約というものが存在し、それは我が国の安全だけではなくアジア太平洋地域の安定の上にも非常に大きな役割をしているということは率直に申し上げてまいりました。そして、その大切さを国民理解をしていただく上でも、沖縄県における基地整理統合縮小という問題について、アメリカ政府においてもできる限り協力的な姿勢をとってもらいたいということを申し上げ、大統領もそうしたことを是認された、認められたと申し上げてよいと思います。  そして、同時に私どもはやはり、沖縄県における基地の存在というものが県民にとってどれだけの負担になっているかということは、お互いがやはり脳裏に刻まなければなりません。そして、県側にもできる限りの協力を求める部分は当然のことながらございますけれども、やはり、この日米安全保障条約というものが有効に機能し得る状況を維持しながら、でき得る限りの整理統合縮小というものに努めていく責任は我々にあろうかと存じます。そして、その限りにおいて今日も努力を続けておりますし、それは、直ちに沖縄県民の心すべてをとらえるだけの内容にならないことは当然あり得ることでありますが、政府としては、やはり誠実な努力を積み重ねていきつつ、日米安全保障条約というものの有効性を失わないように、両面を本当に見ながらぎりぎりの努力をしていく責任はあろう、そのように考えております。
  12. 玉沢徳一郎

    玉沢委員 次に、我が国主権を侵害しているもう一つの問題として、韓国が占拠しておる竹島問題があります。  今月初めに、バンコクで行われましたアジア欧州首脳会議の後に行われました日韓首脳会談で、これは報道でありますけれども、竹島問題を棚上げをしながら交渉していく、こういうようなことが報じられましたけれども棚上げというのはどういうような事実関係か、その点についてお伺いをしたいと思う次第でございます。  韓国は、我が国とは友好国であるわけでございまして、今後の日韓関係というものをどう構築していくのか、海洋法関連も含めまして交渉をどう進めていくのか、その方向について総理にお尋ねをさせていただきたいと思います。
  13. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 このASEMの際に行われました日韓首脳会談におきまして、私は、国連海洋法条約批准に伴ってとる措置というものは竹島問題に関する日韓それぞれの立場影響を及ぼすものではないということを前提にしてはどうだ、そういう提案をいたしまして、金泳三大統領との間でこれを確認をいたしました。これは、国連海洋法条約批准に伴いまして生じ得る漁業に関する問題というものにつきましては、竹島の領有権に関する問題とは切り離しながら解決を模索していきたいという、我が国の従来からの立場というものを明らかな言葉で今後の作業の前提として確認をいたしたということでございます。  他方、この会談におきまして、私は竹島問題についての日本政府立場は一貫していると明確に述べたところでありまして、私どもとしては、竹島問題につきましては、今後とも両国間で平和的な解決を図るべく外交努力を積み重ねていくべきものと考えております。
  14. 玉沢徳一郎

    玉沢委員 最後に、先般、成功裏に終了いたしましたアジア欧州首脳会議についてお尋ねいたします。  ASEMアジアEU首脳一堂に会した初めての会合でありまして、ますます関係が深くなってまいります両地域にとって極めて有意義な会合であったと評価するものであります。今後二年ごとに開催されることになったようでありますが、日本アジア欧州のかけ橋としての積極的な役割を果たしていかなければならぬ、私はそのように思うわけでございますが、今回の成果と今後の見通し等について、また我が国が果たしていくべき役割について、総理の御見解がありましたらお伺いいたしたいと思います。
  15. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 三月一日及び二日の両日にわたりましてバンコクで開かれましたいわゆるASEMアジア欧州会合というものは、私は、アジア欧州首脳が対等の立場に立って一堂に会した、そして、建設的な対話を行い、友好裏に次回を約束して別れることができた、その意味では非常に歴史的な意義を持つ会合だったと思っております。  私自身、この会合目的というものは、両地域相互理解、同時に相互利益の増進というものを目的としながら、対話協力を通じて冷戦後の国際的な枠組みづくりに両地域が、ある場合は手を携えて、ある場合はそれぞれに、いずれにいたしましても貢献をしていくことが非常に大きい、そう考えてまいりました。そして、その意味では、いろいろな懸念が当初表明されておりましたものとは異なりまして、二国間の紛争が持ち込まれることもなく、非常に建設的な議論が闘わされ、よい終わり方をしたと考えております。  日本は、これに対して明確に、アジアの一員としての立場を持ちながら、昨年のAPEC議長国として、APEC議論から実行に移りつつある状況、そしてその中で、二十一世紀に向けての制約要因としてお互いが意識をいたしております人口の急増とそれに伴う食糧安全保障、さらには環境、エネルギーといったテーマをこの俎上にのせつつ、こうした問題を検討していく上でもアジアEU対話が必要である、そうしたことを強調し、合意を得てまいりました。  そして、次回がイギリスで二年後に開かれる、三回目は、今度は韓国がホストをされて、またその二年後に開かれるという道筋も明らかになりましたことを私は非常にお互いのためによかったと思っております。
  16. 玉沢徳一郎

    玉沢委員 ありがとうございました。
  17. 関谷勝嗣

  18. 秋葉忠利

    秋葉委員 外務大臣臨時代理として橋本総理にこの外務委員会出席していただいたことを、私も外務委員の一人としてまことに光栄に存じます。  せっかくの機会ですし、それから、きょうの質問のほかの問題とも関連があります——関連については後で申し上げますが、住専の問題も実は国際問題の一つでございます。そういう認識を多くの皆さんがお持ちなわけですし、事実そうなわけですけれども、この打開について、先ほど玉沢委員の方からも御指摘がございましたが、この事態を打開して、さらに国民的な理解を得るためにも、例えば総理自身テレビに出て、国民との間の対話を具体的に行う。私が覚えておりますのは、アメリカではレーガン大統領テレビを非常に有効に使って国民との対話を深めた。それをさらに一歩進めて、この問題についてはまだ国民的な理解が得られていない、あるいは非常に多くの反論がある、反対があるということで、国民代表と公開の場で例えば橋本総理が直接説得をする、説明をする、あるいは謙虚に国民の声を聞く、そういった機会を設けることで非常に大きな前進が見られるのではないか。住専の問題だけではなくて、日本政治あり方そのものについて橋本総理が新しい方向性を示す、そういう結果にもなるのではないか、そんなことを考えております。  もちろん、テレビに出ないから総理としての職務怠慢だなどということはとても言えません。しかしながら、新しい政治方向をつくるために、あるいはこの問題についての早期処理を図るために、こういった方法もあるのではないか。そのあたりについて、即答をお願いするということも難しいかもしれませんけれども、御検討をいただいていると思いますが、ぜひ前向きにこういった処理の仕方をお考えいただけないか、まず最初に伺いたいと思います。
  19. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 今まさに秋葉委員指摘のように、住専の問題というものは日本の国内の問題だけではなく、世界的な経済の中で一定のウエートを持つ問題になってしまっている。そして、この処理を過ちました場合に、そこから生ずる市場への影響というものは国際的な影響懸念しなければならないところに至っていることは議員指摘のとおりであります。そうした中で、今ちょうだいをいたしました御提言は、さまざまな方からも御意見をいただき、私自身もいろいろな角度から考えテーマ一つでございます。  ただ、やはり私は国会で、本来国会論議の中において、政府としての議論を御紹介しつつ、でき得る限り御理解を得るように努力をすることが本来であると考えております。国会においてその場が与えられないということをもって他の手段をとることを先行させることがよいことかどうかというと、私にとりましては非常に思い余るものがございます。そうした思いでいることも御理解をいただきました上で、議員の御提案は私としても大切に受けとめさせていただきます。
  20. 秋葉忠利

    秋葉委員 ありがとうございました。  選択肢の一つとしてさまざまなことを考えなくてはいけない、今おっしゃったとおりですけれども、その時期が来たと御判断なさった際にはぜひ積極的にお取り上げいただきたいと思います。  次の質問に移りますけれども、これは中国そして台湾の問題です。私は日本政府が毅然たる態度をとるということがとても大切だというふうに考えておりますが、玉沢委員が先ほど御提案になったような方向とはちょっとニュアンスの違う方向から問題提起をしたいと思います。  さまざまな国際問題、特に一つ中国あるいは二つの中国なのかといったあたりで、中国国際的な役割が非常に注目されている今回の軍事演習ですけれども、この点について、私は日本政府が二つのことを中国に誠実に伝える必要があるのではないかという気がいたしております。  一つは、それがたとえ公海上であれ、あるいは目分の国の中で起きていることであれ、私たちが現在地球上で行っているほとんどすべてのことは世界的なインパクトを持ってしまう。それは当事者が好むと好まざるとにかかわらず、そういったような世界になってしまっているという事実があるという占恰  例えば、環境の問題。これは橋本総理も非常に関心をお持ちですし、専門的な知識もお持ちのところですけれども、環境の問題でも、中国における脱硫装置のついていない工場で石炭を燃やすことで、それが日本に直接環境上の影響がある、これはもちろんですし、あるいは人権の問題でも、やはり中国の国内で起こっていることが世界的なインパクトを持つ。軍事演習でも、あるいは核実験もそうですが、中国の国内あるいは公海上で行われているからということだけがにしきの御旗になるのではなくて、そのことがやはり世界的なインパクトを持つ、そういう状況にあるのだ、そういったインパクトを考えた上でやはり責任ある行動をとる必要がある。そのことを中国理解していないとは思いませんけれども、恐らく優先順位が低いのではないか、そんな気がいたします。そのことをきちんとした形で中国に何度も何度も伝える必要があるのではないか。もう一点は、現実を重んじるということだと思います。建前としては一つ中国ではあっても、台湾一つの経済地域として、あるいは往々にしてそれ以上の存在というふうにとられますけれども一つの経済地域として自立的な動きをしている、活動をしている、世界的にインパクトを与える、それもまた事実であって、そのことを無視して、ただ単に建前だけで世の中のこと、特に軍事行動といったようなことに結びつけるというのはやはり世界的にさまざまな国から懸念が表明されているところであります。例えば、こういった二点について、日本側が中国に対して、本当に友人としての立場から、現実認識をきちんと持ってもらう、あるいは中国考え方の枠組みの変更を促すといったような形で説得する必要があるのではないかと思いますけれども総理自身、あるいは外務省の方でも結構ですけれども、どういった形でこれまでこのようなメッセージを伝えてきたのか、これからどんな形で伝えるつもりなのか、その辺をお聞かせいただければと思います。
  21. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私自身が昨年、例えばAPECの大阪会合を利し、当時の通産大臣としての立場でカウンターパートに対し、あるいは今回のASEM会合を利して行いました李鵬首相との会談の中におきまして、私どもとして台湾海峡をめぐる情勢の緊迫度の高まることに対しての懸念、そしてその与える影響というものに対しての我々の心配、そして自制を求める姿勢、あるいは今議員がお触れになりました核の地下実験、核開発についての、被爆国としての日本という立場だけではなく、CTBT条約が進もうとしている中で核実験を続けることに対しての国際的な世論の高まりというものが中国自身にプラスになるものではないということ、こうしたことは、私自身もそうした場面で説得と申しますか説明と申しますか、そうしたことを申し上げてきたことも事実であります。また、外交当局として、当然ながらあらゆる機会をとらえ、そうした日本考え方ということを繰り返し述べてまいりました。さらに、先ほど玉沢議員の御論議に対し一点意見が違うと申し上げました銭其シン副首相・外務大臣訪日につきましても、そうした場をとらえて、我々は日本国民の持つ懸念を正確に伝達しながら、行動についての自制を求める——中国語で自制という言葉がどういうニュアンスを持つかわかりません。同じ漢字の国でありますだけに言葉遣いは慎重であらねばならぬと思いますが、少なくとも、日本の言葉で言うならば自制を求めるといった行動は我々はとり続けております。ただ、一方、この台湾海峡緊張状態が非常に局まり、現に演習海域が設定をされる、そしてミサイルが発射されるという状況になりまして、私の知る限り、今日時点におきまして、外交ルートを通じてこうした行動に対する自制を求めておりますのは日本以外にはアメリカだけではないかと思っております。言いかえれば、国際的にこの問題に対し、各国は外交ルートを通じて中国への自制を求めるといった行動を今日なおとっておらないと承知をいたしております。  私は、やはり日本だけがこの問題を懸念するのではなく、他の国々も同じように懸念を持っていることをどうしたら中国理解をしてもらうことが、正確に受けとめてもらうことができるのか、そうしたことをむしろこれから我々として工夫をする必要があるのではなかろうか、そのような思いもする昨今でございます。
  22. 秋葉忠利

    秋葉委員 今の各国が持っている懸念中国に伝えるという点は非常に重要な点だと思います。御指摘のとおりだと思います。  昨年の夏に外務委員会で東ヨーロッパの視察を行いましたけれども、例えばこれはチェコの大統領の補佐官だったと思いますけれども、やはり中国の問題について非常に大きな関心を払い、懸念も持っているというふうな表明もなされましたし、各国ともそういった表明がなされました。やはりそういった点についても日本がリーダーシップを握って、世界の国々のそういった思いを中国に伝え、本当に中国国際社会の中で重要な役割を、そして建設的な役割をきちんと果たしていくための真の友人としての立場で活動を続けるということが私も大事だと思いますので、今の御指摘、本当にそのとおりだというふうに思います。  それで、もう一点なんですけれども中国に対する外交ルートを通じての働きかけを行っているもう一つの国、アメリカですけれども、私はこういった事態が生じているときにアメリカの軍が、例えば報道によりますと、バンカーヒル、インディペンデンス、ニミッツという三隻の軍艦が台湾の近くに展開をしているということですけれども、片方で軍事行動がある際に、それに警戒的な意味であれ、もう一方が、あるいは第三者が、軍事的な対応でそれにこたえるということが必ずしも緊張を解く最善の方法ではないというふうに思います。そのあたりの認識についても、今度はアメリカとやはりきちんとした対応がなされてしかるべきだと思いますけれども、こういった点について、例えばアメリカとの情報交換はどのようになっているのか、大ざっぱのところでも結構ですからお答えいただきたいと思います。
  23. 加藤良三

    加藤(良)政府委員 若干抽象的な表現になってしまいまして申しわけございませんけれども、米国はやはりアジア太平洋、台湾海峡を含むこの地域に特別な責任を持つ国だろうと思います。そういう観点から、アメリカの判断としていろいろな側面での行動というものをとって今日に至っているのではないかと思うのでございます。  私どもも、そういうアメリカでございますので、外務省といたしましても、また恐らくはかの関係の省庁におきましても、アメリカとの関係ではいろいろなレベルで情報の収集、意見の交換というものを密接に行ってきておるつもりでございますし、また日本側の考え方その他もそういう機会にこれを披歴しているというのが現状であろうと思います。
  24. 秋葉忠利

    秋葉委員 これは要請をしておきたいと思いますけれども、やはり力に対して力で対応するということに最低限日本政府として表明できるのは、非常に大きな懸念を持っているということぐらいは、例えばアメリカが空母その他を台湾の近海に派遣をするという際に直ちに表明してもいいことではないかと思います。今後このような事態が起こった際には、やはりそういった点についても、アメリカも本当に親しい友人なんですから、ころいったことが率直に表明できて当然だと私は思いますので、そういった対応もお願いしたいと思います。  最後に、これに関連してもう一つ、東南アジアの非核地帯条約というものがございます。これは昨年調印されたというふうに理解しておりますが、これを批准した国はまだないというふうに理解をしておりますけれども、この東南アジア非核兵器地帯条約ですか、これが発効いたしますと、ラロトンガ条約それからトラテロルコ条約とあわせて地球の南半球で非常に重要な非核地帯ができて、これは日本の求めている、特に広島、長崎がこれまで五十年間一生懸命声を上げてきた核の廃絶につながる非常に重要なステップだと思いますけれども日本政府としてこの東南アジア非核兵器地帯条約に何らかの形で参加をするという姿勢を示せないものか。  もちろんこれはASEANの諸国が中心になっているわけですけれども、例えばアメリカがこの条約の中に、監視という役割だけでも、監視委員会の中に入りたいという希望を表明していますし、日本も当然非核三原則があるわけですし、唯一の被爆国ということもこれまた事実でありますから、その日本がこの東南アジアの非核地帯条約に積極的に参加することはとても意義のある行動だというふうに思います。この点について、どのように積極的に参加する用意があるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  25. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 一般的に申しまして、核兵器国を含めました関係国の同意が得られ、国際法の諸原則に合致しているといった条件が満たされますものであれば、非核地帯条約というものは当然のことながら核不拡散に資するものだと思います。そして、そうした観点から見ましたとき、日本としては当然ながら、今議員が御指摘になりました東南アジア非核兵器地帯条約というものはASEANを中心とした東南アジア諸国がこの地域における平和と安定の強化に向けて努力をしているその証左と受けとめて、非常に大きな関心を持ちながら見守りたいと思っております。そして、東南アジア十カ国に、同条約の附属議定書が核兵器国五カ国のみに今開放されているという状況でありまして、今関係国は本件条約につきましての対応ぶりを検討されているものだろうと思います。ただ、私どもの知る限りにおきまして、これが有効裏に動き始めました段階で他の国の加盟の可能性も検討されるということを聞いたことがございます。  我々は、今秋葉議員がまさしくお述べになりましたように、唯一の被爆体験を持つ国という中で、この条約をめぐる動向というものは今後とも注意深く見守りながら、その中に入っていくような状況が生まれるかどうか、そうしたものも十分注意していきたい、そんな思いで今おるところであります。
  26. 秋葉忠利

    秋葉委員 時間が参りましたので質問を終わりますけれども、最後に改めて橋本総理に、住専の問題もそれから外交の問題も、ぜひ橋本総理個人としてのより強いリーダーシップを発揮していただくことが日本政治をより希望に満ちたものにする方向であるということを申し上げて、そのお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
  27. 関谷勝嗣

    関谷委員長 前原誠司君。     〔委員長退席、玉沢委員長代理着席〕
  28. 前原誠司

    ○前原委員 新党さきがけを代表して、橋本総理に御質問をさせていただきます。  外務大臣臨時代理として外務委員会に御答弁に来ていただきましたことにまず御礼を申し上げます。通告に従いまして、三点御質問をさせていただきたいと思います。  まず、中台関係についてでございますが、できる限り同僚委員からの質問を避けながら御質問をいたします。  まず、台湾の総統選挙を前にして、それをあたかも妨害をするような形で中国が軍事訓練を行っていることについては大変遺憾でありますし、私も憤りを感じているところであります。その前提加藤アジア局長中国大使に対して抗議をされているということも承知をしております。しかし、その抗議をしている中でもミサイル訓練、さらには別の訓練と、エスカレートをしていっているわけでございますけれども、新たな抗議というか新たな日本としての意思表示というものはどういうものがあるべきなのか、あるいはすべきなのかということをまず御質問をしたいと思います。  先ほどの質問で、銭其シン外相・副総理が今月末にお越しになるということでありますが、総統選挙が三月二十三日ということを考えれば、その時点においてはある程度鎮静化をしている可能性が高いわけであります。そのときに、後で抗議をするということについていかがなものかということも私自身感じるわけでございます。したがいまして、たびたび抗議を申し入れて、その抗議について何ら誠意ある回答がない、あるいは態度がない場合について、さらにどういった日本としての態度表明がし得るのか、総理に対して、御答弁をお願いします。
  29. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 台湾当局のこれは発表によってでありますが、三月八日未明に中国人民解放軍が三発のミサイルを発射し、また本朝、本十三日の早朝さらに一発のミサイルを発射したというふうに承知をいたしております。そして、先刻も御答弁を申し上げたところでありますが、日本としては、先般のバンコクにおける首脳会談で私から李鵬総理に対し、台湾問題が平和的に解決されることを強く希望し、当事者がこうした基本的立場で行動していただくことを強く望んでいるということを申し上げました。  委員は抗議という言葉をお使いになりましたが、公海上において他国の権益を侵す、あるいはそうした問題のない限り、公海上の演習というものを国際法上違法と言う根拠はないと私は承知をしております。それだけに、非常に言い回しについて気をつけて私自身も発言をしておるつもりでありますが、そうした事態の中で、外務省はこの状況に対し強い関心を抱いている、またその事態が悪化することに対して強い懸念の意思を表明してまいりました。  これは、特に台湾海峡においての緊張が高まりますということは、東アジアの平和と安定にとって望ましいものでないというのは当然のことでありますし、また、特に今回の訓練区域が我が国の非常に近いところに所在するということであります。こうした観点から、日本としては、中国ミサイル発射訓練を開始したことを非常に憂慮し、改めてその我々の持つ関心というものを再度表明をしてまいりました。けさもう一発撃たれたという状況の中で、今後再三にわたる関心の表明をすべきかどうか、本委員会終了後できるだけ早くに相談をいたしたいと考えております。
  30. 前原誠司

    ○前原委員 言葉じりをとらえるようで大変恐縮ですが、関心の表明ではなかなか私は国民の心情的な理解というのは得られないのではないかと思います。  国際法上に法的根拠がないということなので抗議はできないということでありますが、現に航空機が迂回をしている、あるいは定期船も運休をしている。また、ミサイル中国内陸から撃ち込まれている分もありますので、他国のミサイルの命中精度のことはよくわかりませんが、突発事故が起こる可能性があり、また漁業関係者にも影響が出ているという以上、公海上だから法的根拠がないから抗議をしないというのは私はいかがなものかと思います。  そういった点で、今後再度協議をされるということでありますけれども、もう一段踏み込んだ形での日本態度表明というものも私は求められているのではないかと思います。そういった点で再度御答弁をいただければと思います。
  31. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 問題点として我々が考えなければならないこと、これはこの台湾海峡における緊張の高まりというものが東アジアの平和と安定のために非常に好ましくないものであるということ。同時に、今回の発射訓練我が国領土、領海に極めて近い水域で行われる。これは万一の不測の事態が起こりはしないかという懸念を持っている。これはもう今議員が述べられたとおりであります。また、先刻他の議員にお答えをいたしましたように、その設定されました海域から六十キロのところに存在しております与那国島漁民方々が、ミサイルの見えるような場所で本当に不安だという声を上げておられるという事実も先ほど御答弁を申し上げました。  その上で、私は改めてもう一度申し上げたいと存じますけれども、非常に強い懸念を持っている、関心を持っている、こうした表明は我々として当然ながら今後も繰り返し繰り返し述べていかなければならないと思います。同時に、先ほども御答弁をいたしましたように、外交ルートを通じまして正式にこうした関心、懸念というものを表明しておりますところが現在アメリカ日本以外にないという国際的な状況の中で、日本だけがいたずらに行動といいますか発言を繰り返すことの効果、むしろほかの国々も同じように懸念を持っているということが中国に伝えられるような雰囲気をつくっていくこと、しかもそれは内政干渉ということではなく行われるような状況を造成すること、むしろ私どもとしてはこうしたことを考えるべきではなかろうか。まさにこれが、憂慮しておるという点では、私どもは極めてこの状況、本格化されようとしている演習に対して憂慮を強めているということは間違いありません。     〔玉沢委員長代理退席、委員長着席〕
  32. 前原誠司

    ○前原委員 先ほど秋葉先生が話されたことと似通った質問をいたしますが、アメリカが空母インディペンデンスそしてまた空母ニミッツを周辺海域に派遣をするということでありまして、逆に中台というよりも米中間の緊張が高まっている側面もあるわけであります。  中国政府が発表しているのは、台湾に対して軍事的な行動をとるとすれば次の二点である。一点は台湾が独立を宣言する、二点は台湾問題というのはあくまでも中国の内政の問題であって、その問題に第三国である外国が関与をするということが明白になったときにはそういう武力行動もあり得る、この二点を言っております。そうしたときに、このアメリカの今の行動というものが、安心できる面も半面ありながらも、余りに中国側を刺激し過ぎる部分というものもありはしないかということが私は言えるのではないかと思います。  後ほど御質問いたしますけれども沖縄基地の問題とも十分にこれはかかわってくる問題でありまして、この点について十分に日本に対して、先ほど加藤局長からも話がありましたけれども日本の了解を得るような話があったのか再度伺いたいし一またアメリカの行動について、総理としては素直に一〇〇%評価をされるのか、あるいは現在でもオーバーコミットメント、あるいは将来のオーバーコミットメントに対しては懸念があり、その点については十分日米の間で話し合いをされるお気持ちがあるのかどうか、今の心境について御答弁をいただきたいと思います。
  33. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 今議員の御質問でも指摘をされましたように、中国は一国二制度を認めた上で、独立あるいは分離、こうした行動に対しては非常に厳しい姿勢をとっております。そして同時に、他国の内政干渉に対しても非常に厳しい警戒を発しておることは御承知のとおりであります。  そうした中で、先ほど議員が最初に抗議という言葉を使われましたもの、私は重大な関心の表明という言葉に言いかえさせていただきました、そして自制を求めるという言葉にも言いかえさせていただきました。そうしたスタンスといいますか、我々が置くべき足場というものは変わらないものだろうと思います。  その上で、台湾関係法を持ちますアメリカ立場、これは、アメリカはさまざまな帽子があります。例えばAPECの一員として同じテーブルに机を並べるという面もありましょう。日米安全保障条約による我々の大きなパートナーとしての立場というものもございましょう。また、当然その日米安全保障条約というものがアジア太平洋地域における安定のベースになっているという面もございましょう。さらに、その台湾関係法という帽子もまた別にあるということかもしれません。そうした中で、マニラ湾から出航いたしました空母インディペンデンスが台湾近海にいるということが報道されており、また別の空母ニミッツ並びに随伴艦が現在関連海域に向けて航行中ということも報道されております。私は、両当事者が冷静さを保ち続けてくれることを願っておりますし、これがいたずらに緊張の度合いを高め、一触即発のような状態にならないと願っておりますし、また、そういう方向には行かないであろうと今考えております。それが変更しなければならないような事態にならないことを祈ります。
  34. 前原誠司

    ○前原委員 時間もありませんので次に移らせていただきますけれども関連して、沖縄基地の問題について発言をさせていただきたいと思います。  中台関係緊張している中で、SACOの作業、そしてクリントン訪日に向けての作業が行われております。中台関係緊張したから沖縄基地重要性が再認識をされた部分があるのは私は否定をいたしません。否定をいたしませんけれども、かといって、それがあるから沖縄県が最も要望している普天間の飛行場の返還について言うべき状況ではないということについては、軍事面でも、あるいはこれから長い目で日米安保を考えたときにも、私はこれはいささか熱が出ているときに議論をしていることで、もっと冷静になって議論をしなくてはいけない問題ではないかと思っています。  私は日米安保堅持の立場、あるいは新たな日本役割というものを模索する中で、むしろ強化をしていくべきだとぐらいにすら思っております。そのときに、しかし、七五%の基地沖縄に集中をしていて、そして核抜き本土並みという公約が今なお実現をされていない。そして、沖縄県から出されている要望については、とにかく市街地でヘリの飛行場であり事故の可能性も高い、あるいは、ヘリでありますから上空を旋回して騒音問題なんかも非常に焦点になっている普天間の飛行場というものを何とか返還をしてほしいという声は真摯に日本政府としては耳を傾けていかなくてはいけない問題ではないかと思っております。また、与党でもそういう作業をしているのは総理も御承知のところだと思います。  そういう時期にまず一つ抗議を申し上げたいのは、SACOのメンバーである審議官が講演の中で、普天間の返還は難しいという立場を、その当事者が現段階において表明をされるということはいささか出過ぎた発言ではないかと私は思っております。  先ほど申し上げましたように、日米の首脳会談までにSACOでも、あるいは政府・与党、また政府沖縄でも議論をしていく問題で、非常に慎重を要する議題であろうかと私は思います。したがって、この普天間の返還について、私はまだ総理に今明確にお答えをいただきたいとも思っておりませんし、またそういう時期でもないということをむしろ申し上げたいためにこの抗議をしているわけであります。やはり今後のことを考えた場合には、沖縄県の主張というものを、もっと言えば、国内移転が難しいという意見もありますけれども、例えば新たに沖縄に飛行場を建設して普天間の移転をするなんということも、これは極端な提言でありますが、そういったすべての選択肢まで含めて沖縄の声というものを考えていかなくてはいけないこの時期に、アメリカの反応は厳しい、だから日本も交渉のテーブルにのせることすらもやめようという風潮が出ていることに対しては、私は非常に憤りも感じます。  また、本当に例えば沖縄県が懸念をしているような普天間飛行場周辺での事故が起きた場合に、日米安保そのものが崩れていく。あるいは、代理署名拒否の問題が今回二十五日に結審をするということでありますが、沖縄県がある程度納得していくような基地縮小というものがこの日米首脳会議で出せなければ、さらにもっとメーンとなる嘉手納の基地の例えば地主さんの反対あるいは代理署名のさらなる問題が起きてきて、基地の問題から日米安保というものが根幹から揺るぎかねないという懸念を私は持っているわけであります。  そういった意味で、焦点となっている普天間の問題については、今総理には明確な答弁を私は求めませんけれども、慎重に、しかし真摯に扱っていくんだということはぜひこの場でその方向性を表明をしていただいて、後は日米、政府・与党、それから政府沖縄の話し合いをこれから煮詰めていくんだという決意も示していただければと思いますが、いかがでございますか。
  35. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私は、今非常に台湾海峡情勢の中で緊迫の度を増し、懸念の表明をしなければならないような情勢になっておりますものがいつまでも続くとは思いたくありませんし、また続かないでありましょう。そして、私は今後もどんどん国際情勢が動いていくと思います。そして、きょう即刻であれば御返事のできないことでも、五年、十年という間に解決をされていくテーマは当然のことながらあろうと思います。  今議員自身が非常に自制した立場から普天間の飛行場の扱いについて御意見をいただきましたことにお礼を申し上げます。この普天間飛行場というものが、沖縄県が先般提示されました基地返還アクションプログラムの素案の中におきましても、一番早い時期に返してほしいという大変強い御要望のあることは私自身よく存じております。同時に、この普天間飛行場というものが、米軍の運用におきまして極めて重要な役割を担う施設・区域であるということと同時に、国連軍に提供しているという性格もありまして、この取り扱いに極めて慎重な検討を要するということは間違いがありません。  しかし、今特別行動委員会におきましてアメリカ側とも協議をしながら総合的な検討を行っておるところでありまして、個別の案件についてはコメントは控えさせていただきたいと思いますが、議員懸念されますような、最初から特定の問題を切り落としてしまう、あるいは最初から特定の部分についての論議を避けるといった姿勢をとるつもりはありません。
  36. 前原誠司

    ○前原委員 沖縄県も、今総理が御答弁されたように二〇〇一年までの返還要求というのが入っていまして、あした返せとか、あるいはことしじゅうに返せということでなくて、二〇〇一年といいますとあと五年ある話であります。そういった一番短いタームの中で求められていることについても、結構世界情勢の変化とか、あるいはいい案の出せるような議論の余裕のある時間ではないかと私は思います。  そういった中で、今総理が御答弁されたように、すべての選択肢を含めて個別の事案を落とさないで臨んでいくという姿勢をぜひ貫いていただいて、日米安保が円滑に運用され、なおかつ沖縄県の要望も最大公約数として取り入れられるようにしっかりと政府案をおまとめいただきますように要望いたしまして、私の質問を終わります。
  37. 関谷勝嗣

  38. 古堅実吉

    古堅委員 沖縄米軍用地強制使用に関連して、軍用地にかかわる質問を若干させていただきます。  先日十一日に代理署名訴訟は結審となりました。ところで、この裁判にかけた沖縄側の願いといいますか、それを裁判所は真正面からむしろ踏みにじるような、そういうことになりました。被告の県の側から申請した二十三人の証人は一人も採用されなかったのです。五十年にわたる苦難の歴史を経て、沖縄にとっても二十一世紀にわたる重要な意味合いを持たされている、沖縄のみずからの尊厳を取り戻す、こういう戦いとして位置づけたこの裁判でしたが、残念ながら一人の証人も採用されなかったのであります。  村山前総理が昨年十二月に沖縄県の代表大田知事を被告として裁判を提起し、村山総理の後を継がれた橋本総理が現在の原告であります。この訴訟は、最初から国の意向を受けた裁判所の訴訟指揮が非常に目立ったものとなりまして、警戒が続けられておりましたが、このような結審に及んで、法廷内外から大きな怒号が渦巻いた、このようにマスコミは報道しています。沖縄現地では、裁判が終わって後、那覇市内での抗議のデモ行進も展開されました。沖縄県知事は、一人の証人も採用されなかったことに対し心からの遺憾の意を表明し、弁護団は怒りを込めて裁判所に抗議をぶつけたのであります。  ところで、こういう状況のもとでこの裁判は結審となり、二十五日には判決を迎える、こういう事態です。読谷村楚辺にあります通信施設、その軍用地の一部が三月三十一日で期限が切れます。二十五日に判決が出たにしても、裁判所が仮に国側の勝訴判決をするとしても、三日ほど、知事がその命令に従って署名するかどうか、その期間があります。二十九日ごろに至って初めて、知事がしない場合に総理が代理署名というふうなことになりましょう。  ところで、この二十九日の後を受けた三十日は土曜日です。三十一日は日曜日です。収用委員会に手続をとってみたところで、土曜、日曜を挟んで、三十一日に期限の切れる楚辺の軍用地の一部について手続が完了する、そういうことは一〇〇%もうできない見通したというふうに私は受けとめております。総理もこういう理解をしていらっしゃるかどうか、まずお聞きしたい。
  39. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 駐留軍用地特措法に基づきます今後の手続に要する期間を考慮いたしますと、楚辺の通信所につきましては、現在の使用期間が満了いたします三月三十一日までに諸手続を終えることは大変困難な状況になったと認識をいたしております。  しかしながら、この楚辺の通信所につきましては、日米安全保障条約第六条に基づく施設及び区域として引き続き駐留米軍に提供する必要がありまして、政府としては、このため、そうした事態になりました場合、緊急使用手続をとらざるを得ないと考えております。
  40. 古堅実吉

    古堅委員 土地収用法に基づく緊急使用の手続がとれるということにはなっておりますけれども、しかし先ほど申し上げたように、土曜、日曜を挟んで四月一日以降、この緊急使用の手続をとったにしても、一日以降引き続き使用権原が得られるような形で収用委員会の対応ができるはずはない、これはもう常識上のことであります。そういうことが可能であれば、緊急使用手続に基づいて六カ月の範囲内においては引き続き使用ということができるでありましょう。できなければ、返すということにならざるを得ないのであります。そう理解していらっしゃいますか。
  41. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 今政府考えでおりますことは、先ほど申し上げたとおりでございます。判決の言い渡しのなされておりません現時点でこれ以上具体的なことを申し上げることは差し控えるべきであろうと考えております。
  42. 古堅実吉

    古堅委員 裁判上の内容に立ち入って申し上げているわけではありません。もう結審しました。判決は二十五日に出るのです。仮にあなたが原告となっている政府が勝訴をし、裁判所が知事に署名しなさいという命令を出したにしても、先ほど申し上げたようなことにしかなりませんよ。仮に原告が敗訴したということになれば、なおさらのこと、権原はそれによってなくなっていくということにつながるだけのことなんです。  ですから、原告が勝訴したと、仮にそう考えたにしても、二十五日以降三十一日までの間はそういうことにしかならぬですよということなんです。ですから、ただ単に緊急使用の手続をとりますというふうなことだけでは、それは論議にもなりません。もう一度お答えください。
  43. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私は、裁判が結審をし、判決を待つ今日の中で、先ほど冒頭お答えをいたしましたように、楚辺通信所につきまして、現使用期間の満了する三月三十一日までに諸手続を終えることが大変困難な状況になったと認識をいたしました上で、この楚辺通信所につきましては、日米安全保障条約第六条に基づく施設及び区域として引き続き駐留米軍に提供する必要があり、このため、緊急使用手続をとらざるを得ないと考えておる現段階における率直な状況をお答え申し上げております。
  44. 古堅実吉

    古堅委員 同じ御答弁を繰り返されては、私の質問に対する答弁をしたということにはなりません。  それじゃ、改めてお聞きしますけれども、緊急使用手続をとったのだが、その手続に基づく使用権原が継続されないということになったら、法治国家としては当然返還ということにならざるを得ません。それでも不法占拠、使用します、まさかそういうことをおっしゃられる立場にはありますまい。いかがされますか。
  45. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 さまざまな事態を想定、念頭に置きました勉強はいたしております。判決の言い渡しの行われておりません現時点において、具体的な内容を申し上げられる段階ではございません。
  46. 古堅実吉

    古堅委員 今、国民も重大な関心を持っています。沖縄は特にそれに対する関心は極めて大きいものがあります。国会論議を通じて、そういうことについて国民の関心にこたえ、政府がどのような態度をとろうとしているか、それを明らかにするということは国会の務めでもあります。ですから、沖縄選出の議員県民の声を背景にして私はあえてこんな質問をしておるのです。  手続上不可能だと言って過言でないような状況をここに迎えている以上、その使用権原がなくなれば、法治国家として当然返すことになりますな、返すについての手続をとらざるを得ない、そういう事態に至るんですなということについては肯定していただけますか、それともそれを否定なさいますか。
  47. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 先刻来申し上げておりますように、私どもは条約上の責任というものを念頭に置きながら御答弁を申し上げたところであります。
  48. 古堅実吉

    古堅委員 条約上の問題を持ち出せば答弁になるなどというふうなことではないから質問を繰り返しておるのです。  かつて、一九七七年、あの暫定使用法の問題をめぐって、使用期限が切れたときの国会における論議がございます。そのときに、真田内閣法制局長官は「法律の解釈といたしましては、権原なら権原がもうなくなったわけですから積極的な使用はできないと、」「遅滞なく返還しなきゃいけないと、これはもう明瞭なんです。」そういう趣旨のことをやりとりの中でずっとおっしゃっています。  権原がなくなれば、幾ら条約上の義務云々と言ってみたところで、法を根拠とするところの使用権原を政府が持つというふうなことはもう不可能なわけですから、返さざるを得ないということになることは法治国家としては当然のことじゃないですか。これは、判決がまだ出ていない、出ておりますなどというふうなこととは関係ない問題ですよ。
  49. 小澤毅

    ○小澤政府委員 お答えいたします。  ただいま先生が御引用なさいました昭和五十二年五月の当時の真田法制局長官の御答弁は、法的見解といたしまして次のように述べております。「この法律は期限のついた法律ではないので、昭和五十二年五月十五日以後も有効であるが、第二条第一項ただし書の期間は過ぎているので第二条による権原はない。従って第四条による返還の義務がある。」二項目といたしまして「五月十五日以降も返還するまでは国は管理する義務と権限があり、それに必要な行為を適法にすることができる。この規準に照らして適法な行為を行っている。」第三項目といたしまして「現に議題となっている法律案が成立し施行されれば、国は、暫定使用法による使用の権原を取得するに至る。」ということでございまして、今回の場合も、先ほど総理が御答弁なさいましたように、いずれにしましても、いろいろの事態を念頭に置きまして、政府部内で現在勉強をしているという段階でございます。
  50. 古堅実吉

    古堅委員 尋ねておりますのは、その手続上間に合わぬということが明確になっている、それなのに使用しようということで条約云々をおっしゃる。どういう法的な根拠で使用ができるというふうにお考えですか、そこをお答えください。
  51. 小澤毅

    ○小澤政府委員 お答えいたします。  繰り返しの答弁で大変恐縮でございますけれども、現在まだ種々の事態を念頭に置いた勉強をしているところでございます。具体的な内容については現段階では申し上げる段階にないということで御理解をいただきたいと思います。
  52. 古堅実吉

    古堅委員 民法上の事務管理云々でしばらくの使用が続けられるなどといったふうな言い分もあるようです。一九七七年のときにもそういうふうな論議も一部ございました。しかし、民法上言うところの事務管理というのは、この土地所有者が返せ、貸さない、そういうふうに明確に言っているという関係にある本件事件については、その善良な管理者として、あたかもそれに基づいて使用が継続できるかのような装いをするということさえもできない問題であるということは明確です。何を検討されますか。
  53. 小澤毅

    ○小澤政府委員 お答えいたします。  先ほど来総理からも御答弁いただいておりますように、この楚辺通信所におきましては、条約上の提供義務というのもございます。一方、所有者と国との間の民法上の賃貸借契約またはそれに基つきますいろいろな権利権限というのもございます。それらを総合的に勘案しまして、現在、政府部内で勉強をしているという段階でございます。
  54. 古堅実吉

    古堅委員 もう時間が参りましたから、最後に総理にお尋ねします。  今勉強をしておると言い、まともな御答弁はいただけませんが、権原がなくなったら、法治国家としては人の土地だからそれを返すということは当たり前なんだというふうなことは総理としてはおっしゃっていただけるのじゃないですか。それさえも明確に答えられないのですか。もう一度総理にお聞きしたい。
  55. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 先ほどから何回も明確に御答弁を申し上げておりますように、私どもといたしましては、この条約上の責任というものを大きく考えの中に置いて判断をいたすということでございます。
  56. 古堅実吉

    古堅委員 終わりますが、最後に、一国の代表がこういう明確なことについての明確な御答弁も国会で行えないということは、本当にそれ自体が異常と申さねばなりません。アメリカ基地を提供するためにはそういう態度をとられながら、沖縄県民の五十年にわたる苦しみに対しては、県民代表を裁判にも訴える、そういうことをなさる、まことに許しがたい、言語道断のことであります。しかし、沖縄県民は決してそれに負けていません。県民代表する知事があの法廷において本人尋問、それに答えて堂々と、沖縄県民の五十年の苦難の歴史を背にして誇りを持って語り、主張したことによって証明されています。総理の今の態度に対して、私は怒りを込めて抗議をして、終わらせていただきます。
  57. 関谷勝嗣

    関谷委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時四十分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕