○吉井
委員 それで、報道によると、グリーンピースなどの民間団体が掌握した旧ソ連海軍について見れば、
原子力潜水艦の
原子炉十八基を一九六六年から九一年までに
投棄したということを示す
報告書が
ロシアの方であるということでありますし、それから、これまた同じくグリーンピースの方が、今度はアメリカの民間
研究機関と調べて手に入れたデータということで、これは、
原子力潜水艦の安全に重大な問題が生じるものとして、核弾頭五十発、
原子炉九基が海底に沈んでいる、そういう情報をつかんでいるというものもあるわけです。
また、別な資料によると、
原子力艦船の沈没については、これはアメリカのもので二件、これは一九六三年の有名なスレッシャー号とそれから一九六八年のスコーピオン号、報道もされました。
それから、旧ソ連及び
ロシアの方では六件あって、一九六八年のホテル級原潜、六八年の、艦のクラスは不明ですが別の原潜の沈没、それからノベンバー級原潜が一九七〇年に沈没、また、艦のクラスが不明な原潜で八三年にもあった。さらに、これはヤンキー級の原潜で一九八六年に沈没
事故を起こしている。ごく最近の資料によると、一九八九年にもソ連のマイク級原潜がノルウェー沖で沈没したのが確認されているとか、いろいろ報道があるわけですね。
これらについて、かつての軍拡の時代とは少し
状況の違っている中で、やはり
各国政府にきちっと情報を公開してもらって、私は
ロシアの白書を前に見ましたときに、北緯何度東経何度にどういうものを沈めたと、一応不十分ながらもリストが出ているわけですね、白書の中で。世界
各国に全部そのリストを出させて、国際的にこういうものを監視したり、そして安全対策を進めていく、そういう
取り組みというものが今本当に大事になっているというふうに思うわけです。
それで、外務省に先にちょっと聞いておきたいのですけれども、私が三年前にお聞きしたときにも、こういう情報をちゃんとつかんで明らかにしてもらいたいと言ったときに、当時の外務省国際連合局
原子力課長さんが、それは
検討してまいりますというお話でもありましたし、これは単に
課長さんの
検討だけではなくて、こういう問題については、実は大来外務
大臣のときに、
ロンドン条約の批准等をめぐって国会で議論になったときに、軍艦等を適用除外にしている
条約の七条問題を取り上げたときに、大来外相から、ただいまの御
指摘のような点は、これからの
海洋の保全、汚染
防止という点から見ても一つの重要な
課題だと存じます、全般的な
検討をしていきたいというお
答えもいただいて、あれから十五年ほどたっているのですね。
ですから、私は、特にこういう点では、この間外務省としてはどういう
取り組みをしてこられたのかを、まず最初に伺っておきたいと思うのです。