○鮫島
委員 ちょっと、何となく質問と答えがぴったり合わなかったような気がしますけれども。
私も、長年、筑波の
研究現場にいましたけれども、実際の現場的な
意見としては、私の聞いている範囲では、やはり一番支援を必要としているのは、先ほども言った英語化の一層の進捗によって翻訳的な機能を非常に強く必要としている。
ずっとこう
研究をしていて、いざまとまったところで論文を書く。日本人ですからまず日本語で組み立てて、それをまたさらに英語にしなくちゃいけない。先ほどの
原田委員の話では、横に有能な秘書がいて、ほとんどしゃべっていればそれがペーパーになるというようなアメリカの一般的な形に比べると、二重にも三重にも知的労力がかかるという
意味では、私は翻訳についての要請は大変強いのではないかと思います。
それから、海外の
研究機関なんかに行ってうらやましく思うのが、プレゼンテーションをするための支援機能。国際
会議等々でいろいろみんな発表するわけですけれども、いかにわかりやすく印象的に発表するか。それはカラースライドのつくり方
一つ含めて全体のプレゼンテーションの組み立てというのが非常に重要なんですけれども、そういうときにイラストレーターも含めてプレゼンテーションを支援するような機能を海外の
研究機関は割合備えているところが多くて、そういうラボが日本の
研究所にもあったらいいなというのは、多分、海外に行った
研究者たちがひとしくうらやましく思う点ではないかと思います。
それからもう
一つ、これはヨーロッパでは一般的だと思いますけれども、
研究所に必ず、日本も昔はありましたけれども、金工、木工、ガラス細工のやはりラボがありまして、そこに行けば職人さんたちと相談しながら非常に特殊な装置がつくれる。一昔前は日本の
研究機関にもあるいは
大学にもそういう部分はあったと思いますけれども、定員削減で一番先に失われていったのが日本でいえばその
分野です。
これは、どんなに立派な電子顕微鏡ができようが、すぐれた分析機器ができようが、末端の測定機器とかセンサーとかいろいろな部分ではどうしても手づくり的なことが必要になってきて、やはり新しい発見は新しい実験装置の
開発からというのがよく言われますけれども、こういう部分の力が落ちていくというのが、ある
意味では見えないところで
研究の足を引っ張る
一つの要素ではないかと思いますので、支援を考えるときにはそういうことも視野に入れながらお考えいただきたい。
またさらに、これだけ世界が
一つになって知的所有権についてセンシティブになってきますと、なるべく特許にできるものは早く特許にしておかないと、ぼやっと国際
会議で発表したりすると、そのまま向こうでアイデアだけとられて特許化されてしまうというようなことがあります。
研究の現場の人たちは論文は書きますけれども、特許のための出願の様式とか類似特許がどう出ているとか自分で調べろと言っても、これはなかなか難しい面がありまして、ぜひこういう特許の出願支援というような
分野も視野に入れていただければありがたいと思います。
いずれにせよ、なるべく現場の
ニーズにちゃんと
対応した支援が組まれることが基本だと思いますので、そこはよく御配慮いただきたいというふうに思います。
次に、
科学技術基本法絡みの質問に移らせていただきます。
先ほど
大臣は、
提案理由の中でも、
科学技術基本法で提案された意義といいますか、あるいはその基本法に含まれている理念を具現化するためにもこの
事業団というものの存在意義があるのだという御
説明でした。
ちょっとそもそも論に入りますと、
科学技術という言葉はいつもたくさん使われていますし、
科学技術庁という役所もそういう名前になっていますけれども、基本法についての論議の中で、
科学技術という
一つの単語、あるいはその
科学技術という言葉があらわす
一つの世界というのがあるのですか、それとも、
科学技術庁も英語で言えばサイエンス・アンド・テクノロジー・エージェンシーとなっていますけれども、科学と
技術というお考えなのか、その点をもう一度確認しておきたいと思うのです。