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依田智治君 自由民主党の
依田でございます。
第百三十四
国会の三つの
参議院先議案件のうち、この
国際機関等に
派遣される
防衛庁職員の
処遇法が
トップバッターとして出てきたわけですが、さらにその
トップバッターとして質問させていただく光栄に浴しまして、お礼を申し上げる次第でございます。いささか緊張しておるわけでございます。
きょうはせっかくこういう
法律が出ておりますし、それに
給与、
厚生面だけでなくて
派遣される
職員が本当にしっかりと活動できるためには、例えば
PKO等でもいろいろ考えるべき問題もあるんじゃないかということで、そういうような問題も質問させてもらおうと思っております。
今日何といっても
防衛なり
安全保障をめぐる問題として
沖縄の問題と
我が国の
安保体制という問題は大変重要な問題です。私は
予算委員として、三日間、きのうまでいろいろ
お話を伺っていたんですが、私なりに次の
二つの視点というのがやや議論の中に欠けているんじゃないかなという
感じがしますので、その点を
二つ私見として申し上げますので、まず初めにこれについて
防衛庁長官並びに
官房長官の力強い御答弁をお願いしたい、こう思うわけでございます。
その第一は、やはり
地位協定という問題につきまして、米兵の
大変破廉恥な
暴行事件と関連して改定すべしと、もう大変な騒ぎになっておるわけですが、この
地位協定という問題は
我が国だけの問題ではない、これは御承知のとおりだと思いますが、
我が国の
協定はどちらかといえば、世界的に見れば、常識に照らせば、むしろ
我が国に緩やかになっているという点があるわけでございます。
例えば、私
ども日本から
自衛隊員を
PKO等でカンボジア、モザンビークいろいろ
派遣していますが、例えば
国連職員を
国連から
派遣する場合の
地位協定というのはどうなっているか。余り公表されていませんが、原則としては
裁判権というのは、
刑事事件をしてかしたような場合にすべて送った側の国の
専属的管轄に属する、こういうことになっておって、
派遣された国は一切そういう
裁判ができないという建前になっていますし、
身柄は
相手国が逮捕した場合でも速やかに最寄りの
国連代表部に持っていく。
ということは、こういう軍隊とかそういう
組織構成員が本当に士気を保ちつつ故国から遠く離れたそういうところで活躍するためには、やはりある程度の国の保護というものと、受け入れる国としてもその送ってもらう国の指揮、主権なりなんなりいろいろ尊重しながらやっていくという妥協の産物としてできておるわけですね。だから、ドイツのときは
ボン協定ということで、起訴前に
身柄引き渡しについては考慮を払うというような
規定になっておってもほとんど
米側に任せておるというか、そういう
運用になっておるわけです。
そういう点を考えますと、これを直ちに
改正すべしというような形でなくて、この
地位協定の問題は時代の変化に応じて長期的にグローバルな視野に立って考える。しかし、
西ドイツ等と比較した場合には、やはり
日本のもせめて
西ドイツ並みくらいの
運用上の
規定はすべきじゃないか、これはやっぱりやった方がベターじゃないか。
ただ、重要なのは、この
事件で本当にしっかりと処罰されるのかという問題が
一つと、
あと一つは
米側が絶対にこういう
事件を起こさないということをしっかりさせるということが重要じゃないか、私はこういう点を感ずるわけでございます。
そんなことで、何か大変に不公平、不平等なような
感じを受けますが、必ずしもそうでないという面も踏まえて冷静に対処していくということが大変重要じゃないかと思います。
あと一つ、
安保の問題でございますが、
基地縮小、いろいろ
訓練についてあります。
確かに
沖縄は大変過密になっており、
本土の方でそういう負担をある程度していかなきゃいかぬという問題があるわけですが、
日本の今の
憲法体制下で
日本のみの
安全保障、
防衛ということを考えた場合には、到底
日本のみの今の
近衛隊の力では守れるものじゃない。
法制局の解釈では、
我が国の
自衛隊というのは
戦力でないわけです。
戦力でないもので国が守れないわけです。そういう点を補完する
意味で、また
アジア地域における安定という
意味で
安全保障体制というものがあるわけです。そのためには
基地が最小限必要であり、またそのための
訓練が必要である。
したがって、ただ
縮小縮小だけでなく、また
訓練の移転だけでなく、
基地もある程度
縮小しつつも確保して、
訓練も確保して、そして
安保体制の
効果的運用を図るということが大変重要で、そのためには結局
地域住民の
協力というものが不可欠である、こういう点で私は総論は大体賛成ですが、いざ
自分のところになってみますと、私の出身の山梨のところでも、何か部会で
けさ北富士に
演習場が移ってくるというようなので大丈夫でしょうかと言われ、確かにそういうのはあるけれ
ども、これから
皆さんとも相談してやる問題じゃないか、そうなると反対です、こうなるわけですね。
基地がある町にとっては、
自分のところだけしわ寄せを受けておると思っているわけです、
本土でも。
そういう点を考えますと、これはよほど
政府もまた我々
政治家も真剣になって
国民を説得し、そして
安保体制というものを維持していくということが大変重要じゃないか、こう考えるわけです。
そういう
意味では、
けさ方、実は
宝珠山さんの
発言を見て何かちょっとびっくりしたんですが、この点、やはりあくまでも
話し合いということで強力にやっていくということが、そういう面からすると、
県民なり
国民の
協力なくしてこの
安保体制にしても何にしても維持できないということを考えますと、その
発言の
真意等もできれば伺いたい、こう思うわけです。
以上二点、私は
予算委員会で
感じたわけでございますが、ひとつ力強いこの問題に対する
解決へ向かっての御意見を
防衛庁長官なり
官房長官からお願いいたしたいと思います。