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国務大臣(
橋本龍太郎君) 今回の四極貿易
大臣会合におきまして、大きなテーマとして申し上げなければならないものは、WTOがスタートをした現在、ウルグアイ・ラウンドで未解決のままに残った問題をどうとらえるかこれがまず
一つの議題でありました。
同時に、今各地で始まっておりますさまざまな形での地域統合というものが、果たして今後WTO体制というものを
強化していく上でプラスになる
部分とマイナスになる
部分と一体その比率はどうなんだろう。これは非常に難しいテーマでありましたが相当の時間を割いたと、こう申し上げてよろしいかと思います。
一つは、そのWTOについて残っております問題で、基本電気通信などの
分野がございます。これにつきましては、四極としても一層の
努力を傾注していくことでお互いの足並みがそろってまいりました。ただ、海運のように今回も議論が集約できなかった
部分はございます。あるいは貿易と投資といった新たな
課題について今後これらを議論していくことの必要性とともに、いかにWTOの中にこうした
課題を持ち込んでいくかというのももう
一つのテーマでありました。
ただ、貿易と例えば環境、あるいは貿易と労働といったように他の問題と関連してくるために、議論はしたけれ
ども終結させなかったという種類の問題もございます。同時に、それぞれの
国内における
規制とか制度というものがマーケットアクセスに対して非常に大きな
影響を持っている。そして、その貿易問題の視野を
拡大していくという必要性からいくならば、現在、これは
日本がもともと言い出したことでありますけれ
ども、OECDで行っております
規制制度
改革の検討作業について説明をすると同時に、各国の同意を得るというところにまでこぎつけました。
その地域統合につきましては、さまざまな形態がありますために
一つの集約されたものにはなっておりません。しかし、地域統合というものが閉鎖的になりました場合、それは世界
経済の上に大きな支障を来す、これは共通の
視点でありましたし、私の方からは特にAPECというものが開かれた地域主義というものを持って動いていること、そして本年議長国としての
日本がどんな
考え方で、これは主としてEUに対しての説明になったわけでありますけれ
ども、議長国として行動していこうとするか、そうした点についての説明を申してまいりますとともに、WTOにおける多角的自由貿易体制へのプラスの面が、開かれた地域主義という運営で進められる限りにおいて大きくプラスしていくというような点を私の方からは申し述べてきた次第でございます。
これにあわせまして、多少時間をお許しいただきますけれ
ども、カンター・
アメリカUSTR代表との論議の中では、自動車交渉のフォローアップ等を含めまして、米国を初めとする諸外国からの対日輸出の増加、同時にこれが
我が国の経常収支黒字の減少につながっていく、こうした点についての議論とあわせまして、今後残る他の問題についても議論を継続していくといった内容の話し合いをいたしました。
また、EUのブリタン副
委員長との間におきましては、全体として良好にEUと
日本との間は推移をいたしておりますが、新しくEUが
幾つかの国を中に迎え入れました結果、関税等で問題が起きております。そうした点について解決につながる
方向での話し合いができたことを非常に喜んでおりますし、国際
経済発展という
視点から日米、日欧といった二国間
関係だけではなく、日米欧というものが協力しながら問題解決に当たっていくことの重要性というものをお互いに確認をした。
非常にラフな拾い上げ方でありますけれ
ども、そのような結果になろうかと存じます。