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牛嶋正君
平成会の
牛嶋でございます。
平成会に与えられた時間は七十分でございますが、今、直嶋
委員が四十分使われましたので、私、残りの三十分で、直嶋
委員が御質問になりましたこれからの
財政運営のあり方を中心に、できるだけ重複部分を避けて御議論をさせていただきたいと思います。
先ほどからいろいろな
財政構造あるいは
財政運営を比較する場合の指標が議論されております。国際的に各国の
財政状況を比較するためにも幾つかの指標を使って我々は比較をするわけですけれども、私がいつも用います指標といたしましては、一つは
赤字国債と申しますか、
特例公債が
発行されているかどうかということを一つの基準にあるいは指標に使っております。いま一つは
国債依存度でございます。そして三番目は国債費比率、これもやはり重要な指標かと思います。そしていま一つは国債残高の対GDP比率でございます。これらの
数字の最近の推移をたどっていきますと非常に心配されるような傾向が見られるわけです。
〔
委員長退席、理事
石川弘君着席〕
きょういただきました参考資料の二十ページを開きますと、そこには
数字の推移が出ております。例えば
公債依存度を見ますと、
平成三年は九・五%でありました。これは、
平成二年に
赤字国債の
発行がゼロになりまして、いよいよ
財政の健全化というふうなところで、その健全化の一つの
目標として
国債依存度五%というのが掲げられた年であります。ところが
平成七年は、補正後で見ますと二五・五%というふうな
数字にまでなっております。
また、先ほど申しました国債費比率でございますが、ここ一、二年二〇%以下でございましたけれども、来
年度予算では二〇%を超えるというのが必至であります。
また、
公債残高を見ますと、
平成三年は三七。七%でありましたけれども、
平成七年には約四五%になる。先ほど
大臣もおっしゃいましたように、これに地方債を入れますと大変な比率になるわけであります。
こういうふうに幾つかの指標を取り上げて見てまいりますと、我が国の今の
財政状況というのは非常に大変な
状況、危機的
状況にあると言ってもいいのではないかというふうに思います。
〔理事
石川弘君退席、
委員長着席〕
それに加えて心配なのは、今回の
剰余金の
処理の
特例等の法律にも見られますように、ここ一、二年
財政運営を振り返ってみますと
特例の連発でございます。いわばこれは場当たり的な
財政運営というふうなことになるわけであります。こういう
状況を見ておりますと、果たして今
財政運営の
基本方向というのはどういうところに置いておられるのか、どこに
目標を置いておられるのかというふうなことが心配されるわけであります。
私は、
財政運営にはもう少し規律を取り戻していかなければならないと思いますし、はっきりした方向づけをしなければ大変な事態に陥るだけではなくて、先ほどから言われておりますような、いろいろな改革を進めるに当たりましてもそれはなかなか進んでいかないのではないかというふうに思うわけであります。
このことと関連いたしまして、私、今、
昭和五十年代後半の
財政運営の
状況を思い起こすわけでありますけれども、あの当時の
財政状況というのは、今の
財政状況よりもある
意味ではもっと深刻な
状況であったわけです。例えば、
赤字国債の
発行額というのは毎年相当な額を
発行されておりました。それでも何としても
赤字国債をゼロにするというふうな
目標を掲げて、それに向かって私はいろいろな手だてが講じられたのではないかと思っております。第二臨調のときの行政改革、さらには、
予算編成に当たりましてはゼロシーリング、マイナスシーリングというふうな一つのはっきりした
財政運営の方向づけをされたわけです。私は、当時は、そういう
意味では非常に
財政運営が前向きに行われておりましたし、そしてまた一定の規律もあったというふうに思っております。
そういうふうに
考えますと、今の
状況を振り返った場合に、やはりここでもう一度
財政運営の方向づけをきちっとして、そして規律を取り戻さなければ大変な
状況になるのではないかと思うんです。
昭和五十年代後半と今の
状況を比較してなぜこういうふうに違うのかということですが、私は、置かれている
財政運営の
目標の違いにあるのではないかというふうに思っております。当時は、先ほど申しましたように、ともかく
赤字国債をゼロにする、こういう国民にも非常にはっきりした
目標が掲げられていたわけであります。
今、
財政再建の
目標はどこに置かれているんですか。
国債依存度五%という
目標が
財政の中期展望で掲げられております。これは、国民の側から見てこの
目標の必然性というのは余り
感じられないんです、なぜこういう
目標が
財政目標として掲げられているのかと。しかも、先ほどの議論にありましたように、今の
状況では到底実現しそうもない
目標であります。仮に実現したとしても、これは国民にとりましては、それでもって
財政状況がどのように健全化されたかというふうなことについては理解できません。
まず、この
国債依存度五%の必然性についてちょっとお尋ねをしたいと思います。