○前川忠夫君
日本社会党の前川でございます。よろしくどうぞ。
今度の臨時
国会の予算
委員会の
審議等で
通産大臣が、特に
日本の
製造業を中心とした
雇用の問題等々を含めて大変積極的な御発言をいただいていることについて、私も高く評価をさせていただきたいと思います。
そこで、今度の法
改正について、まず
最初に
新規事業法にかかわって御質問をさせていただきたいと思います。
今、
日本の
経済あるいは
産業が構造的な転換期にある。したがって、新しい
産業を育成しよう、あるいは新しい技術を開発しようと、さまざまな手だてが官民一体となって取り組まれているということについては、これからの
日本の
経済にとっては大変重要だというふうに私も
理解をいたしております。
と同時に、忘れてならないのは、これまでの
日本の
経済を支えてきたいわゆる
既存の技術といいますか私はたまたま
製造業の出身でございますので、例えば自動車であるとかあるいは電機
産業であるとか、あるいは鉄鋼であるとか、そういった
産業がいわゆる成熟期を迎えている。実はこのことは、例えばの話で例として申し上げますが、もしこういう
産業がこれから成熟化して、あるいは諸外国に比較をして競争力が落ちてきたという場合に、それにかわるような
産業というのは果たして本当に育ってくるんだろうかという不安が
一つあります。
もちろん、これはさまざまの問題、手だてを打って何とか解決をしていかなければならない
課題でありますから、我々としても官民合わせて
努力をしていかなければならないだろうというふうに考えています。
そこで、ある意味では今は大変大きな曲がり角にいる。そういう観点から、特に
産業あるいは
経済というのは
国民の生活にとっては大変大事な、あるいは働いている人たちの
雇用という点からも大変大事なテーマでもありますので、関連をする問題について一、二御質問をさせていただきたいと思います。
まず
一つは、これは
大臣の方からできればお答えをいただきたいと思うんですが、
日本の
経済あるいは
産業がグローバル化あるいはボーダーレス化する中で、
雇用の問題について
大臣もいろいろと御心配をいただいているということについては私も
十分承知をしております。
雇用の問題と同時に、これまでの
既存の技術の空洞化という問題について、私は実は深刻なんではないかという
理解をいたしております。
例えて申し上げますと、私
どものかかわっている
産業の中では、鋳物
産業とかあるいは金型
産業とか先ほど繊維の話もございましたけれ
ども、そういった
産業が衰退をしていく。確かに現状を見ておりますと、例えば鋳物
産業等を見ていますと、従業者の高齢化の問題が
一つあります。まさに従来で言うところの三K職場の最たるものであります。あるいは金型
産業等々についても同じようなことが言える。
また、例えば鋳物
産業あるいは金型の場合には、自動車
産業が海外へ工場をどんどんつくっていく。そういう中で、国内に残っている工場や
企業に対しては海外との比較においてさらにコスト引き下げの圧力がかかってくる。新しい
設備投資をしようにも資金がない、あるいは人も入ってこない。これではもう会社をやめたいというのはある意味では当たり前であります。
こういう問題について、確かにこれまでもさまざまな手だてはとられてきたということを私は承知していますけれ
ども、一向にこの流れがとまってないような気が実はするわけです。ですから、
新規事業に対する支援
措置ももちろん大事でありますけれ
ども、固有の
既存技術、伝統的な技術というものを守っていく、こういう問題について
大臣としての御見解があればお伺いをしたいと思います。