○
政府委員(
佐々木典夫君) 四点ほどお尋ねがございましたので、順次お答えを申し上げます。
まず、戦没者追悼平和祈念館の企画
検討委員会の
委員の
辞任についてでございますが、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の建設が円滑に進むような方策を
検討中に一部の有識者の方が
辞任をされたわけでございまして、私どもは大変残念に思っているところでございます。
この
施設につきましては、今日まで十年にも及ぶ期間、いろんな角度から
検討が積み重ねられてまいりました。今回の見直しは、
平成四年八月、歴史学者も参画された戦没者遺児記念館基本計画案
検討委員会、八木哲夫座長でございますが、において取りまとめられました基本
構想に沿って、その具体化を図る過程において
関係各方面からの御
要望や御
意見を踏まえ、
施設の性格については基本的に変更することはなく基本
構想の一部見直しが行われたものでございます。
なお、
辞任をされた有識者の方の御
意見につきましても、それを踏まえ
事業内容の一部を見直したところでございます。例えば、展示でなくて、資料あるいは情報の収集、それから検索機能を重視すべきであるといったようなお考えをお持ちの方があったわけでございますが、そういう点は見直しの中に生かしているところでございます。
それから、運営に関し
調査、審議を行う有識者から成る会合でございます。新たな有識者から成る会合につきましては、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の
趣旨、性格、形状、それから
事業内容に関する
検討を終えましたので、今後はまず
関係者の御
理解を得つつ着工のための準備
作業を急ぐこととしたいと思っておりますが、またあわせて、
平成十年春ごろの開館に向けまして新たに運営に関する
調査、審議を行う有識者から成る会合を設ける必要がありますので、今後
委員の人選を進め、できるだけ
早期に開催できるように努めてまいりたいと考えております。
それから三点目に、アジア歴史資料センター(仮称)と戦没者追悼平和祈念館一仮称)との
関係についてのお尋ねがございましたが、アジア歴史資料センターとの
関係につきましては、私どもの担当いたします戦没者追悼平和祈念館(仮称)の方が戦没者遺族の援護
施策の一環として主に戦没者遺児を初めとする戦没者遺族の経験した戦中戦後の
国民生活上の労苦に係る歴史的資料、情報を収集、保存し、後の世代に戦中戦後の
国民生活上の労苦を知る機会を提供しようとするものでございます。
他方、アジア歴史資料センター(仮称)の設立
検討のための有識者
会議からの提言によりますると、アジア歴史資料センターは、
日本とアジア近隣諸国等との間の近現代史に関する資料及び資料情報を幅広く偏りなく収集し、これを内外の研究者を初め広く一般に提供することを基本的な目的とする
施設であるとされているところでございます。
それぞれ
検討が進められておるわけでございますが、したがって、今申しましたようなことから、二つの
施設はその
設置の目的なり基本的な性格を異にするものでございますので、それぞれ独自の
施設として
事業計画を進めるべきものであると私どもは考えているところでございます。
それから四点目に、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の建設に当たっての地元住民の
理解が大切であるという点でございますが、私どもも当然そう思っておりまして、当初の計画段階で四回にわたって
説明会を開きまして地元の御
要望等をお聞きし、見直しに反映したところでございます。
見直し結果をよく御
説明し、御
理解いただけるよう今後も努めてまいりたいと考えておりますが、若干申しますと、特にこれまで地元との話し合いの際の要請事項は、例えば
一つには電波障害を解消してほしい、二つには風害の影響の
調査をしてほしい、あるいは三つ目には車両の出入り口の変更、原案では靖国通りから入るとなっておったんですが、それから四点目には景観との調和を図ってほしいといったようなことがあり、なお極めて近く防災上の
配慮というようなことも出てまいっているところでございます。
私ど
もとしましては、例えば今申しました点につきましては、電波障害でありますれば現状どおりに手当てをしていくということでやってまいりまするし、それから風害の影響の
調査につきましては、前のデザインのときのシミュレーションがあるわけですが、改めて見直し後のデザインについて目下シミュレーション
調査を実施中でございまして、適切な、問題の生じることのないような対応をしたいと当然思っております。
それから、車両の出入り口等につきましては、今回の見直しの中で、靖国通りからでなくて目白通りから入られるようにするというようなことにいたしました。
このほか、景観との調和等につきましては、高さ五十九メートル十階建てでございましたのですが、これを四十五メートル七階建てに修正いたしましたほか、デザインにつきましては専門家の
検討を煩わせ、周辺
環境との調和に最大限の
配慮をしていただいた形状というふうに受けとめてございます。具体的には、例えば二階部分にピロティー、広場を設けるといったような点の
配慮がなされているところでございます。防災上の
配慮についても、当然のことながら十分な手当てをしていくという考え方で臨んでいるところでございます。
以上のようなことをやりながら、なお今後十分御
理解いただけるよう努めまして着工の準備に当たってまいりたいと考えているところでございます。