○畑恵君 では、次の
質問に移らせていただきます。
次は、東京湾横断道にかけられました橋脚、橋げたでございますけれ
ども、これが
環境アセスメントを終えた後、
地元住民に
説明されないままに形が変更されたという問題についてでございます。これはことし十月二十六日付の毎日新聞の夕刊に載った記事でございます。これをもとにいたしまして現地にも少し取材をさせました。
ちょっと話が、形が見えた方がいいかと思いましたので図を用意しましたけれ
ども、まず当初の形はこちらでございます。(図を示す)このくし形でございます。直径一・六メートルの柱が十二本から十四本、こうしますと水の流れがいい、抵抗がないということで、こちらを使うということで話が進められていました。そして、一九八六年にアセスメントが実施されました。住民の方も、これだったら
環境に優しくていいだろうということで、そこでアセスが終了した。
ところが、五年後の一九九一年に地盤
調査を行った結果、干潟の地盤が弱いということが判明したと。そうした理由で、コンクリート柱一本で支えます、ちょっと長い名前ですのでY字型と呼ばせていただきますけれ
ども、こちらになった。直径が十メートルの柱が一本立っております。実際、現在この柱だけではありませんで、これに船などが衝突したときに危ないということで、これにガードがついておりますので実際の幅としてはこれの倍ぐらいになっているそうです。こういうものがふさわしいということで、実際こちらの方式が使われまして、三十二基すべて昨年十月までに完成いたしております。
ところが、この変更について
地元住民が知ったのは工事の開始半年後の九二年四月でありまして、つまりアセス終了後に住民に何の
説明もないままに了解事項を変更してしまったと。
どうしてこういうことが起きたのかという理由として、建設に当たった道路公団サイドは、設計変更は軽微、ささいなことであるのでアセスのやり直しは必要ないと判断したと御
説明なさりたと聞いております。そのアセスメントの実施要綱の建設省の所管の部分、私論み直してみましたら、「ただし、その変更が
環境に著しい
影響を及ぼすおそれがないと認められるときは、この限りでない。」というふうに確かに記されてはあります。
そうしますと、このことが軽微であったのか軽微でなかったのか、ここがまず
一つ問題になりますので、では今どのように東京湾がなったかというので写真を撮ってまいりました。
まず
一つの問題としまして、先ほどの図に戻りますけれ
ども、こちらのY字型の柱が使われましたことによって、ちょっと言葉が専門的なんですが流昇水、海底の水がここにぶつかって上がってきてしまう。海底の水というのは酸素が少ないんだそうでございまして、低酸素水というのが上がってきてしまう。これによって、このあたりというのは貝類、特にアサリの大産地でございますけれ
ども、アサリですとかバカガイ、こうしたものが大変な
被害を受けている。
それからもう
一つが、当然水の流れが妨げられる。そうしますとよどみができるわけですね、それも非常に広い範囲にわたってです。それで起きましたのがこちらです。(写真を示す)こちらが、上に砂がたまっています。漂流砂
公害ということでございます。下が藻ですね、ヘドロ。これは漂流藻
公害ということでこういう姿になってしまったと。
じゃ、前はどういう姿だったか。(写真を示す)ちょっと写真が小さくて本当に申しわけないんですけれ
ども、こういうふうに非常に美しい波模様というんでしょうか、こういう形であれば水生生物というのがきちんと繁殖できる姿、これが今、こうですとかこうですとかこういう形になってしまったということでございます。
私はこれを見まして、実は木更津というのは、私ごとなんですけれ
ども私の母の郷里でございまして、小さいころから夏ごとに行って、ここで私は潮干狩りを何度もいたしておりますので、随分変わったなという感は否めません。
そして、今回の変更が直接
原因であったかどうか、これは私にはうかがい知るものではありませんけれ
ども、果たして軽微であったのかどうか。そうではないという声を
地元の方からたくさん
伺いますと、確かにそうだなという気がいたしてきてしまいます。ただ、ここは私には判断できません。ただ問題は、軽微であるかないかということを、これは主務官庁であります建設省、または建設省というよりも事業者でございますね、現在のままではこの事業者だけが軽微かどうかの判断をできると。
軽微であるということであれば、アセス後でもどんな変更でもできてしまうというこういう要綱でありますので、これはやはり要綱自体に見直しの必要性があると思うんですけれ
ども、どのようにお考えでございましょうか。