○
田村秀昭君 ぜひ
政治が怠慢でないように、私たちも頑張ってまいりたいと思いますので、どうせ法案を出すときには事務の方、官僚の皆さんがおやりになっているわけですから、その辺も含めましてぜひ
お願いしたいと思います。
私、きょう申し上げるいろいろな問題は、冷戦中に
我が国の
政治が軍事面を、
軍事力の
役割というものを避けて通ってきたために、今後、冷戦が終わってから非常に大きな問題にぶち当たるということについて一貫してこれから御
質問をさせていただきます。それを避けて通ると、
日本の、今四百七十兆円の
経済活動をしている大きな国としては非常にアンバランスな国としてちぐはぐな対応しかできなくなるということの事例がたくさん出てきております。そういう点を頭を切りかえないと、それでその上に立った、
政治が軍事をコントロールするという成熟した民主主義の国家にならない、今後二十一世紀の
日本のきちっとした
国際社会に対する対応ができなくなる時期を迎えているという
認識をぜひ持たないと、
日本は行き詰まるということについて申し上げたいと思います。
アメリカのデュランという夫妻が、アメリカでは有名な方だそうですが、戦争ということについてどういうふうな見方をしているか。先ほどの明石代表の、我々から見ると非常に残念であるというふうに思いますが、現実の
国際社会のパワーポリティックスというのはそういうことを受け入れるようになっていないという現実をまざまざと我々は今、明石さんの今度の解任について思っているわけですね。
このデュランという人は「歴史の教訓」という本を書いております。その中で五章か六章に「戦争」という題があります。
過去三千四百二十一年の歴史において戦争のなかった年はわずかに二百六十八年しかない。平和とは極めて不安定な
状況である。なぜなら、絶対的に優越する力かバランスされた力の上にしか平和が維持できないからだ。戦争の原因は、つまるところ、個人がお互いに競争する理由と同じだ。人間というものが、欲望、けんか好き、自己顕示欲、他への優越感、食糧、土地、物資、燃料の欠乏などがすべて個人の争いの原因であるからだと。
それからしばらく中略をしますが、歴史を知っていれば憶病な哲学者でさえ長過ぎる平和は国家の筋肉を致命的なレベルにまで弱体化させることを認めるだろう。今日のような不備な国際法や国際感情のもとでは、国家はいつ攻撃されてもいいように自国を
防衛する体制を整えておかなければならない。根底の国益が危機にさらされた場合には、生き残るために必要なあらゆる手段を使用する権利を有する。自国の生存権が危機に瀕したときは、道徳や戒律は沈黙してしまうということが書いてあります。
私は、今の
日本の人たちはこういう
考え方は余り持っていないと思うんですね。だけれ
ども、アメリカとかヨーロッパの人たち、今の人類の八〇%ぐらいまでがこういう
考え方を持っているんじゃないかと私は思うんですね。ですから、そういうものを
考えている人たちが、自分はそうじゃなくても相手は
考えていると。例えば、自分は盗聴なんかしないから相手もすべきじゃないと
考えるというのは、向こうは盗聴すべきだと思っているかもしれないんですね。だから、自分はまじめで一生懸命仕事をしている、そうしたらだれも僕を殴らないだろうと思っても、向こうは殴るかもしれないわけですね。例えば畑さんに、僕はまじめな本当にいい男です、結婚してくださいと言ったら、あなたみたいな人は生理的に妹よと言われて、それで終わりになる。そういうことであります。
沖縄の問題をちょっと御
質問させていただきます。
二十年六月に大田少将が、沖縄県民かく戦えり、後世沖縄県民に特段の御高配あらんことをという電報を最後に大本営に打って
海軍こうで自決した。それ以来、沖縄はこの五十年間苦渋の連続でありました。今もずっと苦渋です。
それで、少女が暴行を受けた、痛ましい事件だ。この問題と、
我が国の安全という問題とは次元の全く違う問題であるということも
認識しなきゃいけない、それからスタートしないといけないと思います。だけど、今言っていることは、大変痛ましい事件が起きた、米軍がいるからだ、地位協定を変えろ、日米安保破棄、これは一直線上です、このあれは。それはそういう感情なんですね。だけど、そしたら
日本の国の安全はどうなるのかということについての答えは、この
路線には何にもないです。
日本は今七億トンの資源を、マラッカ海峡を二十万トン級のタンカーが毎日約二百隻
日本に向けて物資を送ってきているんです。これを守っているのは
日本の海上自衛隊じゃないんです。米国の第七艦隊です。この人たちが引いたら、
我が国は一九七三年ごろに経験したオイルショックとかああいうショックを受けるわけですね。これは明らかです、これをだれかどこかの国が臨検したり
税金取ったりかっぱらいに来たりしたら。だから、そういうことも
考えた上での
我が国の
安全保障をどうするかという問題とは、これは別問題であるということを
考えなきゃいけないんじゃないか。
それで、
我が国は沖縄県に対して戦後特段の配慮をしていないんです。配慮はしているけれ
ども特段じゃないんです。それで、今度、基地を整理統合、縮小する、こう言っても私はできないと思います。整理統合、縮小はできないと。整理ぐらいはできるかもしれないけれ
ども、統合なんかできない。
どうしてこの問題を解決していくのか。クリントンさんが十一月に新しい
アジア・
太平洋の
日米安保体制をどうするかと話し合いに来る。この基地問題でこれが折り合うということは、私は事実上無理だと思う。なぜか。これは軍事的な話し合いをする場所がなかったんです。全然していないんです。軍事的にあなたのところは、ここのところは要らないじゃないですかといって
日本と米軍が話し合ったことなんて一度もないんです。そういう部署もない。
例えば、P3Cという飛行機があります。これは対潜の捜索機ですね。海上自衛隊も百機持っているんです。米軍も四十機か五十機持っているんです。送信のタワーと受信のタワーの大きいのを持っているんです。自衛隊の方は送信タワーがないから、これを予算要求しても本部町が反対して、できていないんです。それで去年の八億円、予算流れていますね。これは、もしP3Cの
潜水艦を探す機能は
日本側がしますと言えば、ここはやめるかもしれないですね。そういう話し合いが全くなくて、
政治だけが減らせ減らせと言っても絶対減らないんです。だって、事務当局が減らしていないのに、基地縮小、統合整理なんて言ったって絶対にできない。もうできたら大変に僕はびっくりする。
私は、たった
一つ解決の方法があると思うんです。どういう解決が。軍事の面は今まで
政治の怠慢でやってきていなかったんだから軍事の面にはさわらない、そのかわり沖縄は全部
税金をただにしてフリーな国にする。所得税も取らない、固定資産税も取らない、法人税なんか全然取らない、何をしてもいいと。それで、自由な国をあそこに
一つつくる。シンガポールに行った企業はみんな沖縄へ行きますよ、これからは。規制は全部外す。そういう特段の配慮を
政治がするかどうか、決断するかどうかだと私は思っているんです。
私の言っていることが間違っているかどうかちょっとお答え願いたいと思います。