○瀬谷英行君 ちなみに、今までどんな
意見があったかというと、もう昭和三十五年からいろんな人が
首都機能移転問題に関する懇談会等を開いて
意見を述べられております。
〔
委員長退席、理事横尾和伸君着席〕
どんなところが候補に上がっているかというと、昭和三十五年には、これは磯村英一さんの提案でありますが、富士のすそ野にどうだろうと。まだオウム真理教問題が起きていない時分だった。だから、富士のすそ野がよかろうと。上九一色村なんというのが候補に挙がったかもしれないんですがね。
その次に、どっちみち東京から離れなきゃいけないというようなことから、例えば浜松近辺がどうだろう、あるいは東三河とか西遠地域がいいだろうとか、あるいはまた名古屋がいいだろうとか。東京−甲府−名古屋−
大阪をリニアで結んで、中央省庁を四地区に分散して六千万人の一大都市をつくったらいいだろうとか、こういうような
意見もありましたし、それからリニアを使えと、そして二百キロ以内にしたらどうだとか。さらに今度は、北の方へ行って仙台あたりがいいんじゃないかとか、北上がどうだろうとか。非常にもう多岐にわたる
意見が出ておるんです。それぞれの候補地、これは我田引水にわたってはいけないから、自分の選挙区を候補に持ち出さないようにしようじゃないかとか、いろんな話が出ております。
しかし、これはだんだん煮詰めなきゃならないんですね。そして、二十一世紀の早々には具体化しなきゃならない問題になっています。
そういうことを考えますと、
整備新幹線そのものについても新しい首都に合わせる必要が出てくるわけです。空港だってそうです。もう閑静でいいところだといったって、便利が悪ければしょうがない。
今までの
意見の中には、例えば発想を転換して北海道にしたらどうだろうと。土地は十分あるんです。土地は十分あるけれ
ども、余り便利はよくない、そういったような問題があるわけですね。だから、それぞれの主張にはそれぞれそれらしい理由があるんです。しかし、
運輸省とすれば、陸海空のアクセスということは大事なことだし、新しい首都には欠かせないことなんです。
そういうふうに考えてまいりますと、これからのこの
新幹線の予算も含めて
運輸省の予算というのは大変大規模なものになると思わざるを得ません。空港だとか
港湾だとか
新幹線だとかいうもの、いずれをとっても安上がりで済むものは何もないんですから。そうすると、それ相応の覚悟を決めて予算を計上していくことがこれからの
仕事になるというふうに私は思います。
だから、今まで出てきた問題を
一つ一つ復習してみましてもなかなか大変なんですよ。安全の問題を考えてみましても、
地震はどこで起きるかわからないです。初動態勢が早いとか遅いとかいろんな
意見がありましたけれ
ども、初動態勢にそつなく
自衛隊を動かそうと思えば
地震が発生する前に行ってもらわなきゃいけない、それはできないです。そうすると、どこで起きてもいいように考える必要があるんです。
新幹線の問題でも、先ほ
どもお話がありましたけれ
ども、やはり私なんかもスピードだけを考えてはいかぬと思うんです。速いことだけ考えて、
地震はめったに来ないから起きたら起きたときのことだというんじゃこれは困るんです。だから私は、むしろ安全を考えることを優先しなきゃいかぬ、それでスピードは二の次でいい。
日本国内はそんなに急いで行くようなところはないんですから。だから、まずスピードよりも安全である、こういうふうに考えた方がいいと思います。
その点、この
新幹線問題については、会社と会社がスピード競争なんかをやられたら非常に私は危険だと思うんですよ。だから、そういう点はだれが一体ブレーキをかけるのかだれが安全を第一にして
指導をするのか、こういう問題が出てくると思います。その
指導はこの
運輸省がやるのかあるいは国鉄清算事業団みたいなところがまとめをするのか。今の仕組みでは会社がそれぞれあるんですから、しかも地域が違うんですから、やり方も違ってくるわけでしょう。こういうことの取りまとめとか
指導というのは一体どこが、だれがやるのかということをお聞きしたいと思います。