○鳩山(邦)
委員 私は、新進党・民主
会議を代表して、
平成七
年度第二次
補正予算案外二案につき
政府が撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案
理由及び概要を御説明いたします。
我が国は、今、昭和恐慌の再現が危惧されるほど危険な状態であり、
海外からは、世界恐慌の震源地となるのではないかとの懸念で凝視されております。
しかし、
村山内閣には、こうした我が国
経済が直面する深刻な
状況に対する厳しい認識が全くうかがえず、提出された
平成七
年度第二次
補正予算は、
景気回復、構造改革などの要請にこたえるには極めて不十分なものであります。
我々新進党は、三月の急激な
円高局面以降、我が国
経済への深刻な影響を考慮して、責任野党として直ちに実行できる対案を示し、時期を失しない機動的かつ万全な
経済対策を講じるよう、再三にわたり
政府に要求してまいりました。また、参議院選挙直後には、
経済対策を速やかに講じるための臨時国会を八月中の早期に開催することを要求してきたところであります。
しかるに、
村山内閣は、こうした国民の声や内外の強い要望を全く無視し続け、その結果、これまでの数次にわたる
対策は、その都度すべて市場からの失望、べっ視に基づく
円高・株安という厳しい不信任を受けてきたのであります。時期を失した対応のおくれは、積雪寒冷地帯など
地方の
景気に対しても
効果が及ばないという致命的な欠陥ともなっております。
今回提出された第二次
補正予算も、これまでの例に漏れず、
事業規模で十四兆を超える最大規模といいながら、国費ベースの
公共事業費はわずか四兆七千百億円程度であり、相も変わらない水増しで、
景気浮揚
効果の点で全く不十分であります。
我々新進党が要求してまいりました
道路、港湾、空港、防災、安心・安全の街づくりなど良質な社会資本の大幅な整備拡充や、あるいは通信、医療、福祉など高齢社会づくりに備えるための新しい社会資本の拡充、あるいは社会福祉
対策、中小
企業対策等についても十分な措置がなされておりません。また、
土地税制の緩和措置がないこと、また証券市場の活性化
対策として有価証券取引税の非課税化の措置がないことなど、今本当に必要な施策が欠落しております。
よって、
政府は、
平成七
年度第二次
補正予算案を撤回し、次の重点事項について、施策の充実を図るよう組み替えるべきであります。
組み替えの重点事項は、以下のとおりです。
まず第一は、社会資本等の拡充であります。
特に、一般
公共事業・施設等整備費について、一般
道路の整備、治山治水・砂防
事業、国際空港の整備促進、整備新幹線五線のフル規格化、国際港湾の整備、増設、農山漁村等の下水道・排水の拡充等の経費に重点を置いて
事業の推進を図るべきであります。
また、震災復旧、復興
事業、防災関連
公共事業等の拡充については、神戸港の港湾・埠頭公社整備等を含む神戸市復興計画、兵庫フェニックス計画の支援等の震災復旧、復興
事業費を拡充すべきであります。
次に、時代的な要請となっている新しい社会資本等の拡充について、特に、高度情報化社会に向けた新技術等開発、情報通信関連
事業等の拡充を図るとともに、教育、研究施設等の整備の拡充のための経費を拡充すべきであります。
さらに、住宅、社会福祉施設等の拡充のため、住宅を核としたネットワーク社会づくりの実現に向けた、通信、福祉、介護等の環境整備のための新しい社会資本の拡充のための経費を拡充するとともに、焦眉の急である防災、銃器
対策等の安心・安全の街づくり
対策等のために、抜本的防災・防犯都市づくりのための経費等の
事業費を拡充すべきであります。
次に、その他緊急に講ずべき施策として、中小
企業等
関係費の拡充を図るべきであります。
特に、国民金融公庫、中小
企業金融公庫など中小
企業関連の
政府系
金融機関の既存の貸し付けに係る金利について、負担を軽減するための経費を拡充し、あわせて、
円高対策費等の拡充として、石油輸入・備蓄、金の緊急輸入、レアメタルの緊急輸入、長距離輸送機等の輸入の促進を図るべきであります。
また、
低迷する
景気の活性化並びに急激な
円高が
地方経済・財政に及ぼす影響に対する緊急支援措置として、すべての
自治体に緊急の財政支援を行うべきであります。
次に、現下の厳しい
経済情勢に対応するために、証券市場における活性化
対策及び国際的な制度との調和化や、
土地の流動化
対策として譲渡益課税等の
土地税制の緩和や、あるいは有価証券取引税の非課税化等の税制上の措置を講ずべきであります。
以上、歳国会計十二兆七千二百七十億円、減税千六百五十億円の総計十三兆八千九百二十億円の国費をもって措置するよう要求するものであります。
これに要する経費は、公債金収入並びに予備費及び行政経費の節減によって措置するよう要求いたします。
以上が動議の概要であります。
国民生活の安定と
景気回復を図るため、
委員各位の御理解、御賛同を賜りますよう、ぜひともよろしくお願い申し上げ、私の説明を終わります。(拍手)