○山口(憲)
政府委員 地域情報化ということは大変大切なことだというふうに考えている点はもう第一でございます。と申しますのは、御案内のように、高度
情報通信社会推進本部がこの二月に基本方針を出されておりますが、その中で
政府のとるべき行動原則が七つ示されております。その第一の柱になっておりますのは、「誰もが
情報通信の高度化の便益を安心して享受できる社会」をつくるんだというこれが第一の柱でございます。「誰もが」ということでございます。そして、これを私
どもは具体的な中身ということで理解しておりますが、第三の柱に、「活力ある
地域社会の形成」に寄与するのだというのがこの行動原則の第三にあります。「誰もが」ということを実現していくためには、どうしても活力ある
地域社会形成ができなきゃならぬ、こういうことであろうと私
どもは考えているところでございます。
それから、それに先立ちまして昨年の五月でございますが、御案内のように、
電気通信審議会から
答申をちょうだいいたしておりますが、その中でも、一極集中の是正でありますとか
経済構造改革という、こういった諸課題を解決していくためには、
情報通信基盤の全国的に均衡のとれた
整備を進めていくということが大変大切だというふうな提言をいただいております。
そういった
意味合いにおきまして、私
どもは各種の
情報関係の施策を展開しておりますが、特にこれらの行動原則にのっとって、
地域の
情報化施策というものが国土の均衡ある発展にとって非常に大事な役割を果たせるものというふうに考えまして、これを大事な柱にして進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
それから、これまで進めてまいりました各種の施策、特に五十八年からテレトピアということで進めさせていただいております。これはもう既に十年強が過ぎているというふうなことでございますが、現在、百四十
地域を指定いたしまして、各
地域の実情に即したいろいろな形の
内容の施策が展開されているということでございます。
これについての評価ということでございますが、確かにいろいろ問題は御指摘ございまして、例えば、やや
ハード先行型になっているのではないかとか、計画的な取り組みというふうなものが欠けているのではないかということ、あるいは、提供者側に立ったやり方になっていて
利用者という視点に欠けているのではないか、あるいは人材というふうなことでももうひとついろいろ問題があるのではないか。それからもう
一つは、第三セクターでやっているケースが非常に多いのですが、こういう
形態で果たしていいのかどうかというふうな運営の
形態の問題等々、私たちも
検討し、あるいはいろいろな手当てをしていかなければならない問題があるというふうに考えております。
ただ、今実施をしておられます皆様方に、実はアンケートをとらせていただきました。その結果、これらの施策につきまして八割の方が、十分
地域に対して貢献ができているというふうに自己評価をされておられるということでございます。
いろいろ問題はございますが、十年のところでございますので、私
どももいろいろな評価をいたしまして、新しい施策というものを展開していかなげればいけないというふうに思っております。
なお、先ほど申しましたように、
情報化の施策はテレトピア以外にもいろいろあるわけでございます。そこで、私
どもがこれから施策を展開していく際に考えていかなければならないなという視点をちょっと御
紹介させていただきたいと思います。
その
一つは、これは一番プリミティブな話ですが、
情報格差の是正ということでありまして、これは今、都市部と地方の間に
情報格差がございます。例えば、移動体通信のための鉄塔の
整備とか、あるいはテレビの見えない
地域にいろいろな手当てをするというようなことで、いろいろ施策を展開させていただいておりますが、そういった現実にある
情報格差というものをどう是正していくかという施策、これは非常に重要な第一歩の問題だと思っております。
それからもう
一つは、いろいろなメディアを通じまして、
地域が持っておられる特性、課題、こういったものをどういうふうに解決していくお手伝いができるかというふうな形での、こういった
情報通信手段を使った
地域の
活性化ということをやっていかなければいけないだろうというのが第二番目でございます。
それから第三番目は、来るべき高度
情報通信社会におきましては、いわゆる広帯域あるいはディジタル、双
方向、こういう機能をフル活用していろいろな施策が提言されておりますので、そういったものを、
地域の皆さん方と、特に地方自治体の皆さん方と共同で、先導的な技術開発というふうなものを進めていくということが必要であろうと思っております。
それから、第四番目の視点としては、るる言われておりますが、
地域が
情報発信ができるような、そういう
地域にしていかなければいけないのではないかというのが第四点。
第五番目は、やはり仕事が来るようにということで、起業というふうな形の視点ということが大事なことかなと思っておりまして、いろいろ
検討を、皆さん方にもサゼスチョン等いただきながら具体的な施策も展開してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。