○愛知
委員 会長が一任を取りつけたというような話がありましたが、この文書でも「会長が一任を取り付けた事実はありません。私
どもの記憶によれば、当日の
議事の進行と主な
委員の発言は、別添のような内容でした。」その内容までつけて大臣のところにこの申し入れが出されているわけであります。これを全部読む時間はございませんが、主な点だけこの機会に
国民の前に明らかにしていきたい、このように思います。
本来ですと、
議事録をきちっと出してもらえばこんな手間はとらなくて済むわけですが、出さないというのですから、ですから、このことをここで言わせていただきますと、三角会長 本日は前回から持ち越しになっていた「
調査権」の問題から意見を述べてください。
力久降積氏 お待ち下さい。
宗教法人法の見直しについての基本的な考え方は何よりも大切ですから、ここから入っていただきたい。特に修正案一項(4)の「
改正を行う必要があるとの意見が大勢であった」とあるが、
審議会の
議論をぶり返るかぎり「大勢」とは思えない。
上村正剛氏 これはおかしい。「大勢」というのは真実ではない。本当に大勢がどうか、みんなに聞いてほしい。そもそも
改正すべきかどうかの
議論が煮詰まらないまま
審議が進んできた。
三角会長 その件は後で意見をいただきます。
「
調査権」の問題から入りましょう。そして、
調査権の話でやりとりが幾つかございます。そして、
三角会長 意見も出つくしたようですから。という発言に対して、上村正剛氏 まだ意見は出つくしているとは思われない。
質問権について
宗教法人側が
審議会で同意を得た
質問に答えないこと自体が問題があるように見られる恐れがあり、やはり強い強制力がある。
白柳誠一氏 現行の
宗教法人法は、戦前の苦い体験の反省に立って、実によくできている。それだけに、
報告聴取、
質問については大変
議論のある条項で、現行法の基本に抵触することにならないか意見が分かれており慎重に
議論する必要があるのではないか。どうしても九月二十九日、本日
報告書をまとめ上げなければならないのか。上村正剛氏 この
審議会は当初、
宗教法人法の
改正を前提としないということで始まったのではないか。このように慎重意見が多いのに、なぜ、今日とりまとめる必要があるのか。三角会長 これまで時間をかけ回数を重ねてきたので、意見がまとまれば今日
報告書を仕上げたい。杉山一太郎氏 教派神道としては
宗教法人法の
改正には反対である。そもそも
特別委員会では
宗教法人法を見直すべきかどうかについて論議し、問題点を整理するだけだったはずだ。ところが、
オウム事件による外の騒がしさに押された形で、
改正案の
審議に向かって一気に進み、疑問を持っている。もっと回数を重ねて論議をしてもらいたい。竹田眞氏 私も
審議の継続を望んでいる。現行法の根本である信教の自由について
特別委員会で
議論されると期待していたが、
改正案が出されてそれについての意見聴取になっていた。もっと根本にもどって
審議すべきだ。三角会長
議論は出尽くしている。
審議会として、ついに何も結論が出せなかったというのでは困る。上村正剛氏 世論も徐々に変化してきている。なぜ、今日結論を出さないといけないのか。力久降積氏 まだ、まとめる段階ではない。大体この
審議会はオウムの再発防止とか政争の具とも言われている世論に惑わされず、純粋に論議してきたはずだし、特に
質問権については今日これだけ問題ありとの意見が出ているのだから継続
審議すべきだ。出居茂氏 継続
審議するならば、今までのような
審議会のすすめ方ではなく、
委員の意見がきちんと反映されるように互いに
改正案に関する小論文を出し合ってはどうか。そうすれば
議論が煮詰まるはずだ。
出居茂氏 では外に継続
審議のやり方について考えようではないか。
三角会長 そろそろ食事にしましょう。こういうことで食事に入ったそうでありますが、その後、三角会長 これまでの
皆さんのご
議論を踏まえてまとめたものですが、こんなものでいかがでしょうか。
自柳誠一氏 今まで「
宗教法人の
改正について」と言われたが、制度という言葉になっている理由は何か。
小野
文化庁次長 報告書は慣例として制度と表現します。
力久降積氏 ちょっと待った。食事の前には継続
審議の方法論まで
議論されていたのに、どうしてこういう話の流れになるのか。そもそも
調査権、
質問権だけでなく、
所轄、
情報開示、
報告の義務のそれぞれについて疑義がある。たとえば信者への開示の「信者」の選択にも曖昧さがある。
上村正剛氏 事前に修正案が配られ、それぞれ意見をもって今回の
審議会に臨んだ。そもそも
報告書第一項の基本的考え方の(4)の
改正論が大勢というのもおかしい。
審議会を五回やったというが、これで充分
審議したといえるのか。例えば、
所轄の
あり方についても、今、地方分権が言われている時に、
所轄を
文部省に移すというのは問題がないのか。
報告書全般について煮詰まっていない、継続
審議にすべきだ。
杉谷義純氏 事務方は今急いで
報告書を出さなければならない理由があるのか、あるのなら明確に示してもらいたい。
—この頃、文化庁
長官と次長が集まってひそひそと相談しあう—こう書いてありますが、しばらく沈黙の後、
小野次長 とにかく伏してお願いします。力久降積氏 そんなこと言われても納得できないものに同意できない。伏してお願いされても困る。
三角会長 今日
報告書を文相に出せなかったら私は成仏しきれない。
上村正剛氏 無理して
報告書を出すほうが成仏できない。このままでは私は席を立つしかない。今日になって一番大事な問題が
議論になったのだから慎重に
審議すべきだ。
三角会長 このような
会議は全員賛成になるとは限らない。決は採らないが大方のところでまとめたい。
杉谷義純氏 これだけ慎重論があることを踏まえ、
報告書に是非慎重論を併記してもらいたい。
力久降積氏 まだ
報告書はまとまっていない。文化庁は八月の時点で
改正後の予算を要求している。
改正すべきかどうかを
議論していただきたいと言いながら、どういうことだ。中に
調査費が多額計上され、国内の
宗教法人制度の実情や諸外国の
宗教法人の在り方の
調査費などがかかげられているが。それならば充分データーを集め
調査し幅広く
検討して
法案作成しても良いではないか。
上村正剛氏 なんとか継続
審議してくれ。民主主義の根幹、基本的人権の問題だ。軽々にあつかう問題ではない。—いろいろな発言が錯綜。その混乱のまま、会長一任もとられることなく、十四時過ぎに、三名会長が閉会を宣言—このような文書が
文部大臣のところへ出ているのですね。どうです。