○西川
委員 大臣の参議院本
会議御出席の御都合で、私は、休憩を挟んで十分ずつというまことに細切れの
質問に相なりまして大変困っておりますが、御協力を申し上げて、その時間でさせていただきたいと思っております。
そこで、早速大蔵省にお尋ねをしたいわけでございますが、
日本の経済の現況また行く末、こういうものの中で、
規制緩和が果たす役割は、経済の活性化を促しまた我が国経済の構造に非効率的な面があればこれを是正していくということが大変重要な課題になる、それに対する手段であるというふうに位置づけるならば、幾つかの要因が
考えられると思います。
我が国経済の高コスト化体質と申しますか高価格の現況をどう是正していくかということは
規制緩和にとって大変重要なことでありますが、その中で五つの要因が
考えられております。
一つは、生産者の
段階での労働生産性の低いこと。二つ目は、材料資材購入、サービスの価格が高いこと。三つ目は、生産者の間接的な経費が高いこと。四つ目は、
流通コストが高いこと。そして、きょうお尋ねする、五番目に当たります
制度、税制の問題がある。こういうふうに
考えられるわけでございます。
税については、一括して税制
改革ということでよく処理をされますが、私はきょうは、ここで証券業界に対する税制だけを取り上げて大蔵省
当局にお尋ねをし、休憩後に大臣にまたお出ましを願いまして、最後に総括的に一問だけお尋ねをしたい、こう思っておる次第であります。したがいまして、大臣はもし必要でございましたら参議院の方に向かわれて結構でございますので、この十分間は大蔵省の
皆さんにお尋ねをいたします。
初めに、最近の株式市場における我が国のいろいろなネックが問題視されております。バブルの影響もあり一時は四万円の大台に乗せるかと思われておりましたところ、これが今一万八千円前後をうろうろして、一万七千円台に回復したなどということが新聞の一面記事になるていたらくであります。そういう中で、証券業界の内外、これは個人投資家もそうでございますが、そういう中で、活性化を図り国際
競争力を図っていく中で、有価証券
取引税というものが大きなネックになっているという
議論がございます。
そこで、私はいろいろ調べてみますと、まず我が国では、例えば個人の投資家が株を売ったり買ったりするわけでありますけれ
ども、その税負担は
平成元年の三月以前に比べて二倍以上になっているわけであります。例えば具体的に申しますと、源泉分離課税を選択したとしても、百万円のいわゆる約定代金で株の
取引をした人に手数料が一万一千五百円取られる。何と税金は一万三千円も取るわけであります。また、一千万円になれば税金は十三万円、そして最後一億円の
取引をすれば百三十万円も税金が取られる、手数料は三十八万五千円。こういうことが、一億円は個人のへそくりで云々という範疇にはほど遠い額かもしれませんが、少なくとも家庭の主婦や御隠居さんが株をちょっとやってみようかというそれで、有価証券
取引税だけが原因とは思いませんが、最近どうも株価もぱっとしないし、こういう税金も取られてちゅうちょするということが実は景気の下支えを取っ払ってしまっているし、また、損をしたから買い物は手控えよう、こういうふうになるわけでありまして、そういう意味では私はこの税制を、大きく言えば法人の重い負担、小さく言えば個人のこういう負担、ともに足かせになっている感があるのではないかと心配をしている一人でございまして、これを撤廃をしていくということも、私は大きい意味で
規制緩和につながるというふうに
考えているわけであります。
海外の
状況を見ますと、アメリカでは一九八一年の十月に、またヨーロッパ諸国では、オランダが一九九〇年七月、ドイツが一九九一年の一月に、それぞれ我が国の有取税に相当するような税金または
流通税を廃止しております。それから金融で世界的に有名なスイスでも一九九三年四月から、一部ではございますけれ
ども流通にかかわる印紙税が廃止をされております。フランスでも上限を四千フランとか五万フランとか、そんなふうに規定をしながらも、この種の
取引税については非課税の選択をいたしております。
などなど、そういうような例を見ますると、世界的に今ニューヨーク、ロンドン、
東京が証券の三大市場である、これの機能を十分に発揮して国際的に内外市場の一体化をさらに一層推進するという
観点から、有取税は昭和二十八年に株式等の譲渡益に対する原則的な非課税が決定をされた際に代替的な手段として創設をされたことはっとに御案内のとおりでありますが、この経緯からするならば、
平成元年の四月に有価証券譲渡益課税が全面的に復活をした際に、廃止されてしかるべきだったのではないかと私は
考えるのでございますが、この点につきまして、御
当局の御見解をまず
伺いたいのでございます。